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貴方の隣
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15:
あんたは、その時、勝った様な気持ちになってたんかな?今なら、心の中で勝ったと思っているあんたが手に取る様に分かる。負けず嫌いのあんたやから・・・。
シンの声が、受話器の後ろ側で、聞こえた。
「いいよ。」2006-01-27 00:27:00 -
16:
その日から、連絡を取る様になった。
連絡先を聞いたのは、私だった筈なのに、毎日の様にシンからメールが届いた。分かり易いシンだから、鈍感な私でも、すぐにシンの気持ちに気付いた。
追われると逃げてしまう。天の邪鬼な私は、あまりメールを返さなくなった。
それでも、シンは懲りずにたくさんメールくれたね。2006-01-27 00:34:00 -
17:
ありがとう。あの時。あんたが、私をすぐに諦めていたら、人を愛する事も、自分の弱さも知らないままやったと思うんよ・・・。だからありがとう。
メールを送り続けてくれるシンに対して、段々と、愛しい気持ちが生まれた。
私は、心から人を愛する事ができなかった筈なのに、純粋で、綺麗な心に、惚れていた。2006-01-27 00:39:00 -
18:
シンと会う時は、二人じゃなかった。みんなで居た。その方が心地良かった。
二人で会ってしまうと、付き合うという話も、でてくるだろう。私は、それを避けたかった。
出会いもあれば、別れもある。シンを手放したくなかった・・・。
そんな私に、シンは、優しく言ってくれた。
「待つで。」2006-01-27 15:44:00 -
19:
何の変化も無く、月日が過ぎるだけ。周りは、私に決まってこう言ってくる。
「はっきりしたれ。」
はっきりしたい。でも、はっきり決断をした後の未来は、どうなる?
もし、別れてしまったらどうなるの?シンが、居なくなるなんて、考えられなかった。私は、曖昧な態度ですごく、あんたを傷つけていたよね?2006-01-27 15:49:00 -
20:
シンと、一番仲良い奴がこう言ってきた。
「あいつ告られてたで。」焦りか、なんなのか分からないけれど、心臓が痛くなった・・・。
離れないで。ずっと二人で居たいの。分かって。他の女と、付き合わないで。2006-01-27 15:53:00 -
21:
電話をかけている私が、部屋に居た。微かに、手が震えている。
「もしもし。」
シンの、優しい声を聞いて安心した。
「付き合ってほしい。」
冬。1月に、私とあんたは恋人になったよね。あんたには、言わなかったけど、本当に、嬉しかった。あんたを想うと、切なかった。2006-01-27 15:58:00 -
22:
付き合ってから、変わった事があった。あんたの隣には、絶対に私が座る。違和感なんて、無かった。周りにも、ごく自然に溶け込んだ。
「お前な。ちゃんと、食えや。」
お前って、言ってくる様になった。あんたの一言で、元気が出たし、仕事も頑張れた。それに対して、落ち込んだり、胸が痛くなる事も、たくさんあったけど。2006-01-27 16:05:00 -
23:
それなりに、喧嘩もした。我儘言ったりして、困らせたりもした。シンは、私の全てだった・・・。
「俺に、遠慮とか、恥ずかしいとか、いらんやろ?付き合ってるねんから。お前は、俺に全部見せたらいいねん。」
そう言ってくれた、あんたのこの言葉が、今でも頭に残ってるねん・・・。2006-01-27 16:10:00 -
24:
あんたも、私も、まだ若かったから。単純に、付き合って、結婚して・・・。子供やから、そんな理想も持てたんやと思う。
シンから、毎日来ていたメールが、こなくなった。
恋人になって、二度目の冬を越えた春やった。2006-01-27 16:14:00