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貴方の隣
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25:
別れた。別れたくなんかなかった。愛していた。大袈裟なんかじゃない。男の事で、泣いた事無かった私やのに。
あんたの前で、初めて泣いた・・・。あんたの、あんなに困っていた顔。忘れられへん。
「友達と、遊ぶ時間が無いから。」
別れの理由をこう言った。シン。私は、そんなにあほじゃないよ。飽きた事ぐらい、分かってた。あんたの隣に居たのは、私やで。あんたの、性格を見てきたのも、私やで。2006-01-27 16:21:00 -
26:
「せめて、友達で。」
私のお願いやった・・・。シンは、快く、受け入れてくれた。でも、連絡を取らない。別れたんだから、それが普通かもしれない。
その普通が耐えられなかった。
「あんたは、私の事なんかどうでもいいねんやろ?」「そんなん思ってへん。でも、お前の事は、今は考えられへん。ごめんな。」
ごめんな。そんな言葉は、いらんかった・・・。必要なかった。2006-01-27 16:27:00 -
27:
たまに、電話をしても、シンの態度は、素っ気ない。あんなに、愛してくれていた事が、夢みたいだった。受話器の後ろから、何人かの、女の声が、聞こえた。聞きたくない。
シンは、焦った様に、急いで電話を切る。その度に、傷付く。苦しい。私が、苦しんでも、あんたにしたらただ迷惑なだけ。
私が、辛い気持ちになっても、あんたは、遊んでる。人の心変わりが早い事に、少し、失望した・・・。2006-01-27 16:33:00 -
28:
シンが隣に居なくなって、夜の過ごし方を、忘れた。友達と、キャバクラに勤めだした。やけくそだった。
やっぱり。男なんか、みんな同じ。周りから見たら、悲しい女だった。
別れてから、体重がどんどん減る。
気にしないふりをした。逃げたと言った方が、私に、ぴったりと、当てはまる。2006-01-27 16:38:00 -
29:
「彼氏は、できた?」
そう、聞いてくるお客様。「できてないよ。何回も、言わさんといて。」
少し、笑って冷えたグラスにお酒を足しながら、答える。
どこかの、ヒーローがいつも言っている決め台詞と同じ様な、感覚だ。
シン以上が、現われないまま。だらだら仕事を、続けていた。現われないんじゃない。求めなかっただけ。2006-01-27 16:43:00 -
30:
いつの間にか、NO1だった舞さんを、追い抜かし、NO1になっていた。
どんなに、冷めた人間でもこんな時は、喜ぶのかな。私は、ナンバーなんて興味が無かった。
あんたが居ないなら・・・。あんたの隣が、私じゃないなら、幸せと思える事が、何も無い程。私は、幸せじゃない。2006-01-27 16:49:00 -
31:
仕事が、終わるのは朝方。ふと携帯を見ると、シンからの着信。出る事ができない・・・。頭が、真っ白になった。
家に着いてから、掛けなおす。また、この時も、手が震えた。
「どうしたん?」
冷たく言った。あんたの事なんか、とっくに忘れている。そんな感じを見せ付けたかった。つくづく、可愛くない女だったよね。2006-01-27 16:55:00 -
32:
「何してたんかなと、思って。」
相変わらず、素っ気ない口振りだった。今でも、素っ気ない態度に傷付く私が居た。気付かされた。
少し話をしただけで、電話を切った。何故か、キャバクラで働いている事は、言えなかった。2006-01-27 16:58:00 -
34:
別れてすぐに、友達に戻れる訳ない。友達は、お互いに恋愛的好きという感情が無いから、成り立ってる。
あんたと私の間には、それがない。私は、ずっとあんたを、忘れられてない。特別やと、思ってしまっているねん・・・。だから、これは見せ掛けの、友情。あんたに、友情なんか求めてなかった。2006-01-27 20:00:00