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【おじいちゃん】

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  • 1:

    あゆ

    2003年12月15日
    大好きなおじいちゃんが天国へと旅立ちました。
    もうすぐ1回忌。
    気持ちにけじめをつけたくて、おじいちゃんへの想いをこの小説にたくします。
    (旧掲示板コピペ)

    2006-01-02 01:57:00
  • 8:

    小学校の卒業式にもおじいちゃんは来賓として参加した。あゆは卒業生代表として答辞を読んだ。6年間の色んな思い出を思い出して涙がとまらなくて途中つまりながらも何とか読み終える事ができた。おじいちゃんの顔を見ると泣いていた。初めて見る泣き顔。帰宅後おじいちゃんに精一杯誉められた。辛い事だらけだったけど頑張ってきてよかった。心底そう思えた。応接室にはたくさんの賞状やメダル、トロフィーを飾ってくれて、それを誇らしげに毎日かかさずおじいちゃんは見ていた。絵に描いたような優等生やった。

    2006-01-02 02:08:00
  • 9:

    中学入学前の春休み。 あゆは変わった。プレッシャーから解き放たれて遊びまわるようになった。6年間頑張りすぎてた為、そのストレスを発散したかった。髪の毛を茶色に染めて中学の入学式に行った。ママに対しては反抗しまくった。入学式の日から目立っていたあゆを先輩達は放っておくはずがない。ヤンキー達に毎日のように呼び出された。あゆは負けず嫌い。何を言われてもひるむ事なく対抗した。殴られたら殴り返した。 そんなあゆの根性を知って先輩達はだんだんあゆをかわいがってくれ始めた。

    2006-01-02 02:09:00
  • 10:

    その後朝まで暴走したり、さんざん遊んで家に帰ってすぐ中学に行く毎日。睡眠は授業中。ひどい時には保健室で仮病を使って爆睡したりもした。
    だけどあゆはよくばりな完璧主義者。勉強も部活もスイミングも遊びもパーフェクトにこなした。まわりの友達にはいつも「あゆって不思議やなぁ」って言われていた。
    これはおじいちゃんの影響だと思う。この頃のあゆはまだまともな範囲だったはず。
    あゆが全てを投げ出すきっかけになる出来事が起こった。
    担任からの暴力。 あゆは爆発した。担任の授業には一切出席しない事にした。

    2006-01-02 02:12:00
  • 11:

    遅刻、早退当たり前。給食だけ食べて帰る。夜は集会へ参加。特効服まで来て行った。 まともに学校に出るのはテストの時と部活の時間だけ。 あゆの噂は一気にひろまった。ママは毎日泣いていた。おじいちゃんはそんなあゆを怒る事などなかった。どんな気持ちだったんだろう。きっとショックやったに違いない。 スカートを短くしてルーズソックスで登校すると門の前で生活指導に注意される。「名前は?」『白石愛結華』そう答えると何も言われない。おじいちゃんの孫の特権だった。 水泳は順調で全中、国体にも出場した。

    2006-01-02 02:13:00
  • 12:

    水泳部のエースだったあゆは顧問にもたくさんかばってもらった。中学2年 あゆはますます荒れた。タバコを吸っている現場を見られて何回も補導された。いい加減パパが怒るようになった。そんなの関係ない。好きな事だけしていた。今思うと最低だった。進路についての面談が始まった。テストの成績はいいけど出席日数が多いから内申はかなり悪いらしい。 おじいちゃんは進学校への受験を提案してきたけど、断った。

    2006-01-02 02:15:00
  • 13:

    もう真面目な優等生になるのはまっぴら。
    ランクをひとつ落とした学校の進学クラスを受験する事にした。万が一に備えて、おじいちゃんは後輩の政治家に合格するようにコネを使ってくれた。
    あゆは遊びながらも必死に勉強した。絶対トップで合格したい。おじいちゃんの為に。 合格発表の2日前に合格がわかった。トップでの合格だった。やっと勉強から解放され自由になれた。
    あゆの遊びは、はどめが効かなくなっていた。無免での運転。暴走族の彼氏がいたから単車の後ろに乗って走り回ったり。喧嘩もたくさんした。それも半端じゃない。

    2006-01-02 02:16:00
  • 14:

    停学中は毎日の出来事を作文にしないといけない。そんな事あの時のあゆがするはずなんかない。前にもまして遊びほうけた。
    たまたま家に帰った日 パパに思いっきり殴られた。体中あざだらけになる程。それをきっかけにあゆはパパを拒絶し、一切話す事を辞めた。そして家を出た。彼氏の家に居候した。毎日が楽しかった。大好きな彼と毎日一緒。彼のヤンキー仲間と毎日パチンコしたり、酒をあびる程飲んだり。完全にあゆは破滅していた。でもシ○ナーや薬だけには手を出さなかった。それは今でもよかったと思ってる。

    2006-01-02 02:19:00
  • 15:

    目に涙を浮かべて「愛結華、もういいやろ?これ以上家族に心配も迷惑もかけるな。自分を大切にしろ!今のままじゃきっと後悔する日が来る。夢を見つけろ」この言葉はあゆの心に響いた。その後、おばあちゃんがこっそり言った。「あゆちゃんがいてない間、おじいちゃんは毎日、あゆちゃんの小さい頃の写真見ては思い出話してたんよ。この頃のあゆはどこ行ってしまったんかなあって。夜、布団に入ってこっそり泣いたり、1日何回もお仏壇に手を合わせたりして、あゆちゃんの帰り待ってたんよ。それからおじいちゃんな、組合の理事も会長もやめてんよ。

    2006-01-02 02:21:00
  • 16:

    自分の孫の管理もできひんのに人様の上にはたたれへんって」 あゆは目が覚めた。おじいちゃんがしてきてくれた事全て思い出して、これ以上苦しめるのはやめようと心に誓った。
    次の日から猛勉強を始めた。学校に行ってなかった分の授業を取り戻す為に。スイミングにも復帰した。今まで以上に練習した。無期停学中のあゆは早く学校に行けるよう毎日しっかり反省文を書き、これからの意志を強く宣言した。異例の1ヵ月とゆう早さで停学が開けた。
    それからは毎日真面目に学校に行き授業もしっかり聞いた。夢はまだ見つける事はできなかったけど。

    2006-01-02 02:22:00
  • 17:

    インターハイにも出場した。先生がびっくりする程あゆは変わった。パパもママもみんな喜んでいた。今まであゆがしてきた事の中で1番嬉しい。そう言ってもらえた。
    あゆは将来の事を考える時期に来た。メイクの道に進みたい。そう決定した。たくさんの大学から推薦の話が来てたけど全て断った。ママは納得がいかない様子やったけど、夢をみつけたあゆをおじいちゃんは凄く誉めてくれた。ヘアメイクの専門学校を受験した。お金さえ払えば誰でも入学できるとけやから。

    2006-01-02 02:23:00
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