小説掲示板ちっちゃな黒猫の話。のスレッド詳細|夜遊びweb関西版

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ちっちゃな黒猫の話。

スレッド内検索:
  • 1:

    せぇ

    なぁなんで?
    どこに行ったン?
    いつも一緒だったじゃん
    嬉しい時も悲しい時も
    あんたゎ何にも言わずに
    側にいてくれたよな。
    あたしゎあんたの顔を見ただけで
    あんたのふわふわの毛をなでるだけで
    心が温かくなるのを感じてん。
    なぁチビクロ
    なんであんたが先に死ぬん?
    人を幸せにするあんたが。

    2005-11-17 17:26:00
  • 101:

    名無しさん

    わたしも黒ネコ飼ってるから、すごい気になる? 最後まで見るから頑張って?

    2005-12-15 07:59:00
  • 102:

    名無しさん

    書かんの?やったら最初から書くな

    2005-12-16 22:29:00
  • 103:

    せぇ

    携帯ぶっこわれて書けれんくなってました。更新遅れてしまい、本当に申し訳ないです。必ず完結させるので、よかったら、見捨てず最後まで読んでいってくださいm(__)m

    2005-12-20 01:02:00
  • 104:

    せぇ

    『何ですか?…やあらへん。先生にあいさつくらいしていったらどうや。』相変わらず、この世で一番自分がえらいと思っているかのような言い方。どうやったらこんな奴が先生になれるんか聞きたいわ。なんし、今日はあかん。『…おはようございます。』あたしは素直にあいさつをして、また校舎に向かおうと、方向を変えて振り返った。その瞬間、水野はチビクロが入ったカゴをもっている右手をつかんだ。突然の衝撃で、カゴが地面に勢い良く落ちた。『何すんねんハゲ!』

    2005-12-20 01:10:00
  • 105:

    せぇ

    急いでカゴを拾って、胸に抱き抱えた。−ごめん、本間にごめん。
    『お前先生に向かってそんな言葉使いしていいと思うてんのか!』ハゲという図星をつかれて、タコみたいに顔を真っ赤にした水野が近づいてくる。やってしまった感はあったけど、あたしも頭に血が上ってたせいで、冷静な態度がとれんかった。『いきなりつかんでくるあんたが悪いねん!』あたしは胸に抱えたカゴにギュッと力を込めて言った。『…お前、そのカゴん中に何が入ってるんや?大事そうに抱えて?』

    2005-12-20 01:20:00
  • 106:

    せぇ

    勝ち誇った顔で聞いてきた水野に、あたしはすかさず答えた。『生理用品です。』カゴの中でもぞもぞ動くチビクロの気配がした。怪我とかしてない?大丈夫?

    2005-12-20 01:24:00
  • 107:

    せぇ

    『本間あせったわぁ。どうしようかと思った。』あたしは朝の出来事を、トイレの個室でチビクロにミルクをあげながら、きょんに愚痴っていた。『それでどうなったん?あいつのことやから、中身見せろとか言うてきたんちゃうのん?』相変わらずケラケラ笑いながらキョンは話を聞いていた。ミルクをあげ終え、キョンが持ってきてくれた大きいカゴバックにタオルとチビクロを移動させながらあたしは答えた。『それやねん!"ほな見せてみぃ"って平気な顔で言うてきてん!』キョン『…それ本間?最悪やな。で?どうやって乗りきってん?』手ではチビクロを撫でながら、顔はあたしに向けて、キョンはどっちにも興味しんしんやった。

    2005-12-20 01:41:00
  • 108:

    せぇ

    『…そのカゴの内ポケット見てみや。』あたしは顎で、チビクロをいれて持ってきたバックを差して言った。『え?これ?』不思議そうにキョンがバックの中を探る。数秒後、朝の静まり返ったトイレの中で、ありえへんくらいバリでかい、キョンの笑い声が響き渡った。キョンは内ポケットから取り出した、ナプキンを片手に、腹をかかえて、とぎれとぎれに言った。『あんた、準備し、しすぎやろ…どんだけ、念、押してんねん…笑』

    2005-12-20 01:49:00
  • 109:

    せぇ

    キョンの発作みたいな笑いがおさまった後、うちらはあゆちゃんのトコロに行った。あゆちゃんっていうのは、去年までいた厳しいおばさんに変わって来た、新任の保健室の先生だ。ぅちら二人は、昔よく保健室にさぼりに行ってて、あゆちゃんもまた無理に授業に行かせようとせぇへんでくれた。他の先生達はそんな『ゆるい』あゆちゃんをよく思ってなかったけど、恋や愚痴など、笑いながら真剣に聞いてくれるあゆちゃんは、生徒に大人気やった。一時期そのせいで、みんなが保健室に殺到して、問題になったことがあって、ここぞとばかりに他の先生があゆちゃんを辞めさせようとした。そん時にうちら生徒は、一致団結してそれに反対して、それから頻繁に保健室に行くのはやめようっていう暗黙のルールが出来てた。

    2005-12-20 09:59:00
  • 110:

    せぇ

    なぁチビクロ
    あれからあんたが学校のアイドルになった時
    あたしは正直嫌やってん。
    みんなに撫でられるあんたは、相変わらず可愛くて
    あたしの猫やのに
    みんなの猫みたいで

    猫にまでヤキモチやくなんて
    あたしはやっぱりどこかおかしいんかもしれへん。

    でもな、あんたの言葉がわかるのは、やっぱりぅちだけやった。

    『せぇちゃん』

    あんたがあたしを呼ぶ声は
    今でも耳から離れへん。

    もう一回呼んでよ。

    どこで何をしてても
    すぐにかけつけるから。

    2005-12-20 23:30:00
  • 111:

    せぇ

    噂はどこからともなくながれ、次の日には『保健室に黒猫がいてる』って、有名になってた。昨日と同じようにミルクをあげようと、休み時間に保健室をのぞくと、チビクロを見に来る同級生や先輩でいっぱいになっていた。もちろん、そうなれば他の先生の耳にも入る。『やばいよなぁ…。』あたしはキョンと二人、必死に解決策を相談した。

    2005-12-20 23:38:00
  • 112:

    せぇ

    チビクロを初めて学校につれてきた日から4日目の昼休み。今日無事すめば、明日から週末で休みやから、解決策を考えれる。とりあえず、チビクロを見にくるやじうまの目を盗んで、チビクロをカゴごと連れて屋上に向かった。途中で担任に『おい渡辺、そのカゴ何や?』って不思議そうに言われて、あたしは思わず『今日はサンドイッチやねん!』…って答えた。担任は怪しそうにあたしを見た後、『えらいでかいサンドイッチやな!』って笑って言った。

    2005-12-20 23:48:00
  • 113:

    せぇ

    無事屋上に着くと、あたしは誰もいないのを確認してから、カゴのフタを開けた。もうすぐ12月も終わる。この寒い中、屋上でご飯を食べる子は予想どおり一人もいなくて、あたしはチビクロを膝のうえに乗せた。初めての場所と風と空に、チビクロは驚きふるえて、あたしの膝に座り込んだまま辺りをキョロキョロ見回してた。

    2005-12-20 23:55:00
  • 114:

    せぇ

    ミルクを飲めるだけ飲んで、お腹が一杯になったチビクロゎ、初めて来た屋上に興味深々で、探険しだした。少し離れては振り向いてあたしの姿を確認する。そのしぐさがすごく可愛かった。チビクロといるだけで、この屋上も、寒いけど、すごく落ち着ける空間になる。


    バタン!

    2005-12-25 21:42:00
  • 115:

    名無しさん

    むっちゃきになる!

    2005-12-25 22:17:00
  • 116:

    せぇ

    名無しさんありがとう?けれから更新します?

    2005-12-26 12:16:00
  • 117:

    せぇ

    突然入り口のドアを力強く開ける音がして、あたしもチビクロもその場で固まった。
    『おい渡辺〜!』ものすごい怒鳴り声と一緒に水野が屋上にやってきて、うれしそうにニヤニヤ笑って仁王立ちになった。『その猫の飼い主はお前か。よ〜やってくれたのぉ。』チビクロは大きい声にびっくりして、あたしの膝に走って飛び乗ってきた。あたしは相変わらずてんぱってて、水野を見つめたまま、ぴくりとも動けなかった。

    2005-12-26 12:21:00
  • 118:

    せぇ

    『ペットを学校に連れてくるとゎええ根性してんなぁ。学校はお前の家ちゃうんや。学校にペットを連れてきたらあかんことなんか、幼稚園児でも知ってるわ。』この間のことを根に持ってるのか、水野の舌は絶好調やった。「やばい、どうしよう…。」いつもならすぐにごまかす嘘が思いつくあたしも、今回ばかりはお手上げで、何も言うことができんかった。
    『なんらかの処分考えなあかんなぁ。お前にもその猫にも。』

    2005-12-26 12:27:00
  • 119:

    せぇ

    意味わからへん。処分が必要?あたしはともかく、『猫にも』?処分って何の処分やねん。あたしのチビクロになにするつもりやねん。

    2005-12-30 21:02:00
  • 120:

    せぇ

    今考えてみると、もちろん水野はチビクロに何かをしようとしたわけじゃなかったと思う。ただあたしをビビらせようとして、ああ言っただけで。でもあの時のあたしは、冷静な判断能力にかけてて、完全に頭に血が上ってた。

    2005-12-30 21:08:00
  • 121:

    名無しさん

    気になる?

    2005-12-31 05:45:00
  • 122:

    せぇ

    『チビクロにもってどーいうことやねん!この子は関係ないやろ!?』あたしはほぼ叫んでるくらいの声で言った。なんか言い訳…言い訳。


    『だいたいこの子は…この子は…。』あたしがいないと生きていかれへん。なぁチビクロ。そうやよな?

    2005-12-31 18:09:00
  • 123:

    せぇ

    『その子、捨て猫ですよ。飼い主、今探してるところです。飼い主見つかるまでの間だけ、仕方ないから学校につれて来てただけです。やから、渡辺さんは何も悪くないですよ。仕方ないことですやん。』
    いつのまにかあらわれた見たことない男の子が、すごく落ち着いた、きれいな声でそういった。
    『な?』あたしの目を見て、あいずちをうながす。
    …誰?

    2005-12-31 18:15:00
  • 124:

    名無しさん

    2005-12-31 23:00:00
  • 125:

    名無しさん

    かかんねやったら最初から書くな

    2006-01-07 05:00:00
  • 126:

    名無しさん

    きつい言い方やめや。何様やねん。

    2006-01-07 18:02:00
  • 127:

    名無しさん

    気になって更新まってんのにいつも中途半端で終わってたら腹立つやろ

    2006-01-07 18:26:00
  • 128:

    名無しさん

    うちだって気になってるから待ってるよ。でも、そうやってきつい言い方してたら余計かかへんくなるだけやろ。迷惑やねん。

    2006-01-07 21:13:00
  • 129:

    名無しさん

    まつだけ損やで 主はやる気ない中途半端やし

    2006-01-08 21:57:00
  • 130:

    名無しさん

    ↑ぉ前もな

    2006-01-09 06:44:00
  • 131:

    せぇ

    本当にごめんなさい。年末年始と、成人式とかで忙しくて更新出来ませんでした。こんな力不足なへたな小説やのに、見てもらって、待ってて頂いて、怒らしてるのに不謹慎ですが、本間うれしいです。時間はかかるかもしれないですが、必ず完結させますので、これからもよろしくおねがいします。

    2006-01-10 00:45:00
  • 132:

    せぇ

    見たことない顔だった。先輩かな?でもうちの名前知ってるし、同級生?てか、屋上に他に生徒いたんや…。『な?』もう一度その人はあたしにあいずちをうながした。『…あ、はい。』大分間を開けて、あたしはそう答えるだけでいっぱいいっぱいだった。

    2006-01-10 01:20:00
  • 133:

    せぇ

    あ、寝てる…。
    ふと目をやると、チビクロは、膝の上で丸くなって目を閉じていた。さっきまで震えるくらいびっくりしてたくせに。あたしはあっという間に今の状況も忘れて和んだ。チビクロの背中に手を置いて、ポン、ポンとやさしくたたいた。

    2006-01-10 01:49:00
  • 134:

    せぇ

    セッターの匂い。
    ふと、少しだけ。
    少しだけ、しょーちゃんのことを思い出した。

    タバコを吸っている間、あたしは何も言わなかったし、彼も何も話さなかった。

    2006-01-10 02:07:00
  • 135:

    せぇ





    2006-01-10 02:08:00
  • 136:

    せぇ

    仁に出会えたのは
    あんたのおかげやったね、
    チビクロ。

    人は、誰かを愛すことでしか、自分の存在を確かめられへんねんて。

    もしそうだとしたら
    なぁチビクロ。

    あたしはあんたを愛したことで、自分を見つけたよ。

    あんたが出会わしてくれた仁を愛したことで、自分を見つけたよ。

    あんたナシに
    あたしはなかった。

    あんたはあたしの全てやで。

    2006-01-10 02:21:00
  • 137:

    せぇ



    ………{てか、なんで
    名前知ってるん?!}
    見事キレイにはもりながら、ぅちらは声を揃えて言った。

    2006-01-10 02:41:00
  • 138:

    せぇ

    >>130の続きです。
    >>139-153
    まで書きました。今日はこれで一旦切りますね。続きはまた明日書きます?

    2006-01-10 02:57:00
  • 139:

    名無しさん

    待ってます

    2006-01-10 17:34:00
  • 140:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 141:

    せぇ

    『いつからここにいたん?一応あたし、屋上入る前に、誰もいないの確認してんけど、気付けへんかった。』沈黙に耐えられんくなって、あたしは口を開いた。『あぁ、あそこ。』仁は、後ろにある屋上のてっぺんを指差した。掛けハシゴ一つでつながれた、水道タンクが置いてある場所。『ちょっと狭いねんけどな、誰にも邪魔されずに昼寝するには、うってつけやねん。』『本間や、あそこって登れんねや、知らんかった。』

    2006-01-11 01:11:00
  • 142:

    せぇ

    『…登ってみる?』
    仁は、あの癖のある笑顔で、静かにそう言った。

    2006-01-11 01:13:00
  • 143:

    せぇ

    遠くでチャイムの音がする。もうすぐ午後の授業が始まる。仁は先に登って、上からあたしを見下ろした。手をさしのべて、『さぼろうや。』と、同じ笑顔でまた言った。

    2006-01-12 02:01:00
  • 144:

    せぇ

    なぁチビクロ。
    あんたも見てた?
    あの日の空を。
    仁のあの笑顔は、
    見る人を引き付ける。
    見るたびに、引き付ける。

    あんたと同じくらい好きや。

    あの日、
    あの手をとってよかった。

    2006-01-12 02:08:00
  • 145:

    せぇ





    2006-01-12 02:11:00
  • 146:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 147:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 148:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 149:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 150:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 151:

    名無しさん

    2006-01-17 02:13:00
  • 152:

    名無しさん

    2006-01-17 02:24:00
  • 153:

    名無しさん

    あげ

    2006-01-23 06:32:00
  • 154:

    名無しさん

    おもしろい!

    2006-01-30 18:45:00
  • 155:

    せぇ

    更新またおそくなってしまってごめんなさい。
    これから書きます。
    読んでくださって
    ありがとうございます。

    2006-01-31 13:28:00
  • 156:

    せぇ

    それから、屋上のてっぺんに座って、私たちはいっぱい話をした。冬の光が背中に当たって、不思議と寒いとは感じなかった。好きなもの、嫌いなもの。くそ水野のこと、それからチビクロのこと。とにかくいっぱい話をして、あたし達はずっと笑ってた。

    2006-01-31 13:39:00
  • 157:

    せぇ

    −どれくらい時間がたったのか、チビクロがお腹を空かせて泣き始めた。『あっ、ごめん。ミルクあげな』盛り上がってた話を中断して、あたしはカゴからチビクロを抱き上げて、ミルクをあげた。

    本間にかわいい。大好きや。

    2006-01-31 13:46:00
  • 158:

    せぇ

    ふと、視線を感じて、あたしは顔をあげた。仁を見ると、すごく、すごく、やさしい顔でチビクロを見ていた。心があったかくなった気がした。

    2006-01-31 13:53:00
  • 159:

    せぇ

    多分、10秒もたってない。チビクロはいつも通り、あたしと、ミルクの入っているほにゅうびんを交互に見つめてて、あたしは−。
    いとおしそうにチビクロを見つめる仁を見て、そしてきっと、恋に落ちた。

    2006-01-31 14:03:00
  • 160:

    せぇ

    なぁチビクロ
    あんたの死は
    体の一部。
    心がなくなったのと
    同じように思えた。

    あたしがもう一度
    あたしを、心を
    取り戻せたのは
    仁のおかげやった。

    あんたが出会わせてくれた
    仁のおかげやった。

    チビクロ、あんたは
    最初から最後まで
    抜け目のない、かしこい猫。
    最初で最後の、あたしの猫。
    あたしの一部。


    あたしの全てやで。

    2006-01-31 17:39:00
  • 161:

    せぇ





    2006-02-01 10:51:00
  • 162:

    せぇ

    その日はそのまま、午後の授業をまるまるさぼった。あの日から私は、仁とチビクロと。あの、秘密の屋上のてっぺんで学校生活のたくさんの時間をすごした。

    2006-02-01 11:03:00
  • 163:

    岡ちゃン

    俺の家庭に似てるなッて思ったから読んでみた(*г′∀`)г*すげーぃぃ話。・。゚(⊃д`゚)・゚・。これからも頑張って書いてなッ(ノ∀ヽ*)*〃∀)

    2006-02-02 00:31:00
  • 164:

    せぇ

    いつも、サボろうもんなら飛んで探しにくるはずの水野が、この日もう一度屋上に来ることはなかった。仁の演じた『ネジが外れた優等生』タイプは、熱すぎるうざい熱血漢にとっては、苦手なタイプだったらしい。
    そのおかげで、全ての授業が終わり、キョンがお迎えに来るまで、他のトラブルに合うこともなく、私は仁より先に屋上を出た。なんとなしに振り替えると、仁は相変わらずの笑顔で『またね。』って言ってくれた。

    2006-02-02 01:44:00
  • 165:

    せぇ

    チビクロを学校に連れていくのにはもう無理があった。だけどこの土日、遊びにもいかず、ずっとチビクロと一緒にいて、やっぱり一人にするのも無理やと思った。二日間どうするか考えた結果、辿り着いた答えは、はたから見れば簡単なものやった。
    −キョン家族に預ける。
    あそこなら、猫の扱いにはあたしより慣れてるし、仲間もいてる。なによりも、キョンママは飼い猫の出産にまで立ち合って、何匹もの子猫を育ててきたベテランやから。

    2006-02-02 13:10:00
  • 166:

    せぇ

    チビクロにとっては一番最適な選択。これからチビクロを待っているのは、小さなカゴバックでの移動も、知らない生徒に撫で回されることもない、平和な生活。まだまだ小さく、ひ弱なチビクロにとって、もっとも安全な環境。
    だけどあたしは…あたしは−

    2006-02-02 23:57:00
  • 167:

    せぇ

    片時だってチビクロを離したくない。−これが本音やった。
    毎日毎日、私の家とキョンの家とを往復させるわけには行かない。チビクロに余計なストレスを与えないためにも、預けるなら、ずっと預け続ける。ミルク離れするまでの約二週間。あたしはチビクロと離れ離れになった。

    2006-02-03 00:02:00
  • 168:

    せぇ

    日曜日の夕方。チビクロをキャリーバックに入れ、キョンの家に向かった。キョンの地元は電車二つ向こう分で、駅に着くとキョンのおばちゃんが車をつけて待っててくれてた。
    キョンの家に着いて、キャリーバックからチビクロを出した。『これがあの日のチビクロちゃん?きれいになって!キョンが言ってた通りべっぴんさんやねぇ!』キョンママはうれしそうにチビクロを抱き上げてそう言った。さすが、猫の抱き方が上手でチビクロは気持ち良さそうに、早速目をつぶってウトウトしだした。

    2006-02-03 00:10:00
  • 169:

    せぇ

    −ガチャッ−『せぇ〜!やっと来たん?』相変わらずのでかい声と、大きくドアを開ける音と一緒に、キョンが私とキョンママのいるリビングにやってきた。どこから出てきたのか、キョンの開けっ放しにしたドアから大小それぞれ、出てくる出てくる、合計11匹。
    この、軽く猫屋敷となってるキョン宅に、チビクロが仲間入りするんや…。
    初めて見る自分以外の猫達に、チビクロはキョンママの膝から飛び起きて、恐そうにあたしの側に移動してきた。他の猫達も、チビクロに興味深々みたいだった。どの猫も皆、遠巻きからじっとチビクロを見ている。

    2006-02-03 00:27:00
  • 170:

    せぇ

    改めて見るとすごい光景だ。リビングにあるソファーの真ん中に座った私たちを中心に、猫タワーのてっぺん、タンスの上、押し入れの隙間、机の下…。ありとあらゆる場所からのたくさんの視線は、チビクロが全て独占しているみたいだった。『なぁ、キョンママ…。チビクロ、いじめられたりせぇへんよな?』思わず、あたしはキョンママに聞く。『せぇへんよ。成猫が子猫をいじめるとかは、まずありえへんと思う。そのうちどの子か勘違いして、我が子みたいに可愛がるんちゃうかな。まぁ、もしいじめられてるようだったら、おばちゃんが助けるし!』軽く握った拳を胸にポンと当てて、キョンママは満面の笑みで返事をしてくれた。
    『それより問題は…』

    2006-02-03 00:39:00
  • 171:

    名無しさん

    2006-02-03 00:53:00
  • 172:

    せぇ

    キョンママがたくさんの猫達を目でおった。『あの子。』そう言って、キョンママが指差した瞬間、チビクロに一直線、唯一飛び出してきた猫がいた。チビクロは思わずあたしの膝に爪をたてる。『痛い痛い…』膝から抱き上げて胸元で抱き直してからもう一度その猫に目をやった。『ヤマト!』そう呼ばれた猫は、チビクロと同じ黒猫だった。他の猫に比べるとかなり小さい。『…子猫?』

    2006-02-03 10:58:00
  • 173:

    名無しさん

    いつも更新楽しみにしてます。
    本間おもろい!!がんばってください。

    2006-02-03 17:15:00
  • 174:

    岡ちゃン

    ィェーィ?頑張って書いてなッ?

    2006-02-03 23:08:00
  • 175:

    せぇ

    名無しさん、岡ちゃんさん、ありがとうございます?ホントうれしいです?がんばりますね??

    2006-02-03 23:56:00
  • 176:

    なゅ

    ぁたしんちも猫屋敷になりつつある(*_*)猫大好きで見てしまった☆頑張って!

    2006-02-05 19:15:00
  • 177:

    名無しさん

    小説の中で一番好きやな〜楽しみにしています

    2006-02-06 00:40:00
  • 178:

    せぇ

    なゅさん?
    猫って本間かわいいよな?いっぱい幸せにしてもらってください?
    名無しさん?
    そんなん言ってもらえて本間にめっちゃうれしいです!ありがとうございます?
    読んでくださってる人、本当にありがとうございます。がんばって書くので、見守ってて下さいm(__)m

    2006-02-06 02:55:00
  • 179:

    せぇ

    キョンがヤマトの背中を優しく撫でる。言葉なんてわからなくても、伝わる想いがそこにはあって。それをちゃんと伝え、伝わるようになった時、『飼い主とペット』は『家族』に変わる。その手に、愛情がいっぱいこめてあることはきっと、ヤマトが一番わかってるんだと思う。

    なぁチビクロ。
    あんたの想いは、ちゃんとあたしに届いてたよ。
    あたしの声は届いてた?

    2006-02-06 03:04:00
  • 180:

    せぇ

    やけどやっぱり『猫』っていう生き物は気分屋だ。もう気が済んだのか、キョンの『痛いっ』って言う言葉と共に、爪をたてて腕から降りると、また一直線にチビクロ目がけて突進してきた。
    チビクロは警戒しているのか、短い毛を逆立てて、フーッとうなった。ヤマトはチビクロのすぐ側、10センチくらい前で止まり、じっとチビクロを見つめる。チビクロも見つめ返す。あたしやキョン、他の猫達は、これから何が起きるか、ドキドキしながら二匹をじっと見つめてた。

    2006-02-06 03:14:00
  • 181:

    せぇ

    みんなが注目する中、ヤマトが先に動いた。もし、あたしのチビクロを殴ろうもんなら、あたしはヤマトに、10倍返しくらいしてやろうと思ってた。だけど…
    ヤマトは、チビクロのおしりの匂いをかいだ。これは猫同士の『仲良くしよう』の挨拶。『やった!よかった、気に入られたみたいやん、チビクロ…』そう思ったのも束の間、チビクロは見事、その挨拶に猫パンチで答えた(笑)

    2006-02-06 03:19:00
  • 182:

    せぇ

    なぁチビクロ

    あんたの、お腹の中にいた子のお父さんが、
    ヤマトだったらいいな。

    あんた達はいいケンカ仲間で
    あんたはいつもヤマトを追い掛けて、いつもヤマトから逃げて。ひたすら追い掛けっこの繰り返し。
    だけどすごくすごく
    楽しそうやったよね。

    ヤマトは今でも元気やで。
    だけど、あたしの姿を見る度
    あんたのことを探してる。

    ヤマトの声も聞こえるよ。
    『チビクロは、どこにいったん?』

    2006-02-06 11:09:00
  • 183:

    せぇ





    2006-02-06 11:12:00
  • 184:

    岡ちゃン

    黒猫カヮィィ(??∀?)ニタニタ?岡ちゃンも買ってんねん???ゃから頑張って?・?・?)??

    2006-02-07 22:27:00
  • 185:

    せぇ

    遅くなってごめんなさい?これから更新します?
    岡チャンさん、いつもありがとう??

    2006-02-09 01:05:00
  • 186:

    せぇ

    それから、もぅ帰ろう、もう帰ろうと思うたび、あと少し、あと少しだけと、時間を延ばした。ヤマトとのおい駆けっこに夢中になって、目を真ん丸に見開いてキラキラ輝かせるチビクロは今までにないくらいかわいかったから。結局終電まで逃してしまったあたしは、迷惑にも、キョンママに家まで車で送ってもらうことになった。
    荷物をもって玄関先に向かう。『チビクロー?』最後に名前を呼んだけど、チビクロはあたしをちらっと少しだけ見ただけで、すぐにヤマトとの鬼ごっこを再開した。
    悲しいような、腹が立つような、居心地の悪い気分が、ドアを勢い良く開けるきっかけになってくれた。そのままあたしは、振り返りもせずに、チビクロを置いてキョン家を出た。

    2006-02-09 01:19:00
  • 187:

    名無しさん

    せぇ?初めましてぇ?
    ぁたしゎ猫じゃなぃけどぅ犬ぉ飼ってたの?でも…この前亡くなってしまってぇ??ぁたしが小学生の時からずっと一緒だったからすごく辛いですぅ?今でもまだぃるょうな気がします?長々とすみません?
    猫の話なのに犬の話しちゃってぇ????

    2006-02-13 19:33:00
  • 188:

    七海

    メッチャ続き気になる??がんばって下サィ??
    ??しぉり??

    2006-02-14 23:07:00
  • 189:

    名無しさん

    2006-02-15 00:03:00
  • 190:

    あ〜

    俺も猫飼ってるよ!ってか猫好きなら負ける気しないです(;^_^Aまあ話変わるけどチビクロちゃんはせぇちゃんにたくさんの幸せをあげたから次の人生かならず人で生まれてくると思うよ!しかも超幸せな人生でとりびきり美人でもしかしたらせぇちゃんの娘になって生まれてくるかもね笑

    2006-02-15 00:40:00
  • 191:

    せぇ

    ー嫌やった。
    チビクロはあたしのことを忘れるかもしれへん。あたし以外誰もいないあの淋しい家より、仲間がいっぱいいる、楽しいこの家のほうが好きになるんじゃないか。
    何かある度あたしのトコロへ 来てたチビクロは、もういなくなるんじゃないか。

    2006-02-15 13:45:00
  • 192:

    せぇ

    送ってもらっている間中、あたしはずっとそんな不安を感じながら、窓の外を見ていた。流れる景色のところどころに、チビクロを探しながら。

    2006-02-15 13:48:00
  • 193:

    せぇ

    窓から見える風景が、見覚えのある風景に変わった時、ずっと黙っていたあたしは、やっと口を開いた。『もうすぐ…』 『えっ?』とキョンママはあたしの視線の先を見た。『あそこ!あの川原でチビクロ拾ってん!』12時はとっくに回った、深い暗闇の中で、あたしはその場所を見つめた。運転中のキョンママは、ちらっとそっちを見たけど、結局見つけられへんかったみたいやった。『そっか…。』キョンママはなんとなく淋しそうな、うれしそうな声で話しだした。

    2006-02-15 13:55:00
  • 194:

    せぇ

    『あのな、せぇちゃん。』車は家の前に着いた。かけていた音楽を小さくしてから、キョンママは続けた。『地震があった時、一番最初に何をもって逃げる?』唐突な質問に、あたしはびっくりして、しばらくしゃべれなかった。やけど、それは迷ってたんじゃない。『絶対チビクロやな。』あたしははっきりそう言った。ふふっとキョンママは笑う。『絶対そう言うと思った。』キョンママが笑った顔は、本間にやさしそうだ。『やけど、その必要はないねん。』『なんで?』『動物のカンで、地震は来る前にわかるから』『そうなん?!』会話が弾む。『うん。やから、チビクロ以外で、なんかある?』
    あたしは考えこんだ。『…ないなぁ。』
    今のあたしにとって、大切なものはチビクロ以外になかった。

    2006-02-15 14:11:00
  • 195:

    せぇ

    『…それも、言うと思った。』そう言って、またふふっと笑う。笑った顔がキョンに似てるなぁ…って、あたしは、なんとなしに、だまってそれを見てた。
    『せぇちゃんは、愛情深いなぁ。』ポツリと言ったその言葉に思わず(重い)と言う言葉が浮かぶ。
    あたしの返事を待っているのか、そこで話を止めたキョンママに、あたしは言った。『重いだけやねん…。』ハンドルに肘をついて、聞く態勢に入ったキョンママに、あたしは話した。しょーちゃんのこと、今までの彼氏のこと。

    2006-02-15 14:21:00
  • 196:

    せぇ

    『重いって何なん?』最後にあたしは、ずっと思ってたことを初めて人に、キョンママに聞いた。『好きとどう違うねん…。』
    −別れた男達を、しょーちゃんを。まだ好きだとは思わない。なのに、涙がでてくるのはなんでだろう。今まで失恋で泣いたことなんてなかった。やけど、涙はポロポロ落ちて止まらなかった−今までの分が、全て溢れ出たみたいに−涙が止まらなくて、あたしはバカみたいに泣いた。

    2006-02-15 14:28:00
  • 197:

    せぇ

    『重い』。
    その言葉は
    言われる度に
    毎回毎回
    心に突き刺さった。

    2006-02-15 14:30:00
  • 198:

    せぇ

    愛し方がわからへんかった。愛されたことがないわけじゃない。何よりも、大好きなママには、たくさん愛されてたと思う。ただ、側にいないだけで。
    あたしは、見返りを求めてる。あたしは、貴方だけだよ。こんなに好きだよ。だから側にいて。あたしだけを見ていて。
    強がって、泣いたりなんかしなかった。だけどあたしも、ホントは、人一倍、一人になるのが嫌やった。

    2006-02-15 14:38:00
  • 199:

    せぇ

    なぁチビクロ。
    あんたに出会ってから
    あたしは泣いてばかりやった。
    今まで、泣いたことなんて、
    滅多になかったのに。

    やけど本間は、
    いつもギリギリのトコロで我慢してただけで。

    ずっと泣きたかったんやと
    あの夜思った。


    大声で笑ったり
    声を出して泣いたり

    それがこんなにスッキリすることやなんて。

    あんたは知ってたん?

    嬉しい時に
    いっぱい涙が出ることも。

    2006-02-15 14:47:00
  • 200:

    せぇ





    2006-02-15 14:48:00
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