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ちっちゃな黒猫の話。

スレッド内検索:
  • 1:

    せぇ

    なぁなんで?
    どこに行ったン?
    いつも一緒だったじゃん
    嬉しい時も悲しい時も
    あんたゎ何にも言わずに
    側にいてくれたよな。
    あたしゎあんたの顔を見ただけで
    あんたのふわふわの毛をなでるだけで
    心が温かくなるのを感じてん。
    なぁチビクロ
    なんであんたが先に死ぬん?
    人を幸せにするあんたが。

    2005-11-17 17:26:00
  • 130:

    名無しさん

    ↑ぉ前もな

    2006-01-09 06:44:00
  • 131:

    せぇ

    本当にごめんなさい。年末年始と、成人式とかで忙しくて更新出来ませんでした。こんな力不足なへたな小説やのに、見てもらって、待ってて頂いて、怒らしてるのに不謹慎ですが、本間うれしいです。時間はかかるかもしれないですが、必ず完結させますので、これからもよろしくおねがいします。

    2006-01-10 00:45:00
  • 132:

    せぇ

    見たことない顔だった。先輩かな?でもうちの名前知ってるし、同級生?てか、屋上に他に生徒いたんや…。『な?』もう一度その人はあたしにあいずちをうながした。『…あ、はい。』大分間を開けて、あたしはそう答えるだけでいっぱいいっぱいだった。

    2006-01-10 01:20:00
  • 133:

    せぇ

    あ、寝てる…。
    ふと目をやると、チビクロは、膝の上で丸くなって目を閉じていた。さっきまで震えるくらいびっくりしてたくせに。あたしはあっという間に今の状況も忘れて和んだ。チビクロの背中に手を置いて、ポン、ポンとやさしくたたいた。

    2006-01-10 01:49:00
  • 134:

    せぇ

    セッターの匂い。
    ふと、少しだけ。
    少しだけ、しょーちゃんのことを思い出した。

    タバコを吸っている間、あたしは何も言わなかったし、彼も何も話さなかった。

    2006-01-10 02:07:00
  • 135:

    せぇ





    2006-01-10 02:08:00
  • 136:

    せぇ

    仁に出会えたのは
    あんたのおかげやったね、
    チビクロ。

    人は、誰かを愛すことでしか、自分の存在を確かめられへんねんて。

    もしそうだとしたら
    なぁチビクロ。

    あたしはあんたを愛したことで、自分を見つけたよ。

    あんたが出会わしてくれた仁を愛したことで、自分を見つけたよ。

    あんたナシに
    あたしはなかった。

    あんたはあたしの全てやで。

    2006-01-10 02:21:00
  • 137:

    せぇ



    ………{てか、なんで
    名前知ってるん?!}
    見事キレイにはもりながら、ぅちらは声を揃えて言った。

    2006-01-10 02:41:00
  • 138:

    せぇ

    >>130の続きです。
    >>139-153
    まで書きました。今日はこれで一旦切りますね。続きはまた明日書きます?

    2006-01-10 02:57:00
  • 139:

    名無しさん

    待ってます

    2006-01-10 17:34:00
  • 140:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 141:

    せぇ

    『いつからここにいたん?一応あたし、屋上入る前に、誰もいないの確認してんけど、気付けへんかった。』沈黙に耐えられんくなって、あたしは口を開いた。『あぁ、あそこ。』仁は、後ろにある屋上のてっぺんを指差した。掛けハシゴ一つでつながれた、水道タンクが置いてある場所。『ちょっと狭いねんけどな、誰にも邪魔されずに昼寝するには、うってつけやねん。』『本間や、あそこって登れんねや、知らんかった。』

    2006-01-11 01:11:00
  • 142:

    せぇ

    『…登ってみる?』
    仁は、あの癖のある笑顔で、静かにそう言った。

    2006-01-11 01:13:00
  • 143:

    せぇ

    遠くでチャイムの音がする。もうすぐ午後の授業が始まる。仁は先に登って、上からあたしを見下ろした。手をさしのべて、『さぼろうや。』と、同じ笑顔でまた言った。

    2006-01-12 02:01:00
  • 144:

    せぇ

    なぁチビクロ。
    あんたも見てた?
    あの日の空を。
    仁のあの笑顔は、
    見る人を引き付ける。
    見るたびに、引き付ける。

    あんたと同じくらい好きや。

    あの日、
    あの手をとってよかった。

    2006-01-12 02:08:00
  • 145:

    せぇ





    2006-01-12 02:11:00
  • 146:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 147:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 148:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 149:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 150:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 151:

    名無しさん

    2006-01-17 02:13:00
  • 152:

    名無しさん

    2006-01-17 02:24:00
  • 153:

    名無しさん

    あげ

    2006-01-23 06:32:00
  • 154:

    名無しさん

    おもしろい!

    2006-01-30 18:45:00
  • 155:

    せぇ

    更新またおそくなってしまってごめんなさい。
    これから書きます。
    読んでくださって
    ありがとうございます。

    2006-01-31 13:28:00
  • 156:

    せぇ

    それから、屋上のてっぺんに座って、私たちはいっぱい話をした。冬の光が背中に当たって、不思議と寒いとは感じなかった。好きなもの、嫌いなもの。くそ水野のこと、それからチビクロのこと。とにかくいっぱい話をして、あたし達はずっと笑ってた。

    2006-01-31 13:39:00
  • 157:

    せぇ

    −どれくらい時間がたったのか、チビクロがお腹を空かせて泣き始めた。『あっ、ごめん。ミルクあげな』盛り上がってた話を中断して、あたしはカゴからチビクロを抱き上げて、ミルクをあげた。

    本間にかわいい。大好きや。

    2006-01-31 13:46:00
  • 158:

    せぇ

    ふと、視線を感じて、あたしは顔をあげた。仁を見ると、すごく、すごく、やさしい顔でチビクロを見ていた。心があったかくなった気がした。

    2006-01-31 13:53:00
  • 159:

    せぇ

    多分、10秒もたってない。チビクロはいつも通り、あたしと、ミルクの入っているほにゅうびんを交互に見つめてて、あたしは−。
    いとおしそうにチビクロを見つめる仁を見て、そしてきっと、恋に落ちた。

    2006-01-31 14:03:00
  • 160:

    せぇ

    なぁチビクロ
    あんたの死は
    体の一部。
    心がなくなったのと
    同じように思えた。

    あたしがもう一度
    あたしを、心を
    取り戻せたのは
    仁のおかげやった。

    あんたが出会わせてくれた
    仁のおかげやった。

    チビクロ、あんたは
    最初から最後まで
    抜け目のない、かしこい猫。
    最初で最後の、あたしの猫。
    あたしの一部。


    あたしの全てやで。

    2006-01-31 17:39:00
  • 161:

    せぇ





    2006-02-01 10:51:00
  • 162:

    せぇ

    その日はそのまま、午後の授業をまるまるさぼった。あの日から私は、仁とチビクロと。あの、秘密の屋上のてっぺんで学校生活のたくさんの時間をすごした。

    2006-02-01 11:03:00
  • 163:

    岡ちゃン

    俺の家庭に似てるなッて思ったから読んでみた(*г′∀`)г*すげーぃぃ話。・。゚(⊃д`゚)・゚・。これからも頑張って書いてなッ(ノ∀ヽ*)*〃∀)

    2006-02-02 00:31:00
  • 164:

    せぇ

    いつも、サボろうもんなら飛んで探しにくるはずの水野が、この日もう一度屋上に来ることはなかった。仁の演じた『ネジが外れた優等生』タイプは、熱すぎるうざい熱血漢にとっては、苦手なタイプだったらしい。
    そのおかげで、全ての授業が終わり、キョンがお迎えに来るまで、他のトラブルに合うこともなく、私は仁より先に屋上を出た。なんとなしに振り替えると、仁は相変わらずの笑顔で『またね。』って言ってくれた。

    2006-02-02 01:44:00
  • 165:

    せぇ

    チビクロを学校に連れていくのにはもう無理があった。だけどこの土日、遊びにもいかず、ずっとチビクロと一緒にいて、やっぱり一人にするのも無理やと思った。二日間どうするか考えた結果、辿り着いた答えは、はたから見れば簡単なものやった。
    −キョン家族に預ける。
    あそこなら、猫の扱いにはあたしより慣れてるし、仲間もいてる。なによりも、キョンママは飼い猫の出産にまで立ち合って、何匹もの子猫を育ててきたベテランやから。

    2006-02-02 13:10:00
  • 166:

    せぇ

    チビクロにとっては一番最適な選択。これからチビクロを待っているのは、小さなカゴバックでの移動も、知らない生徒に撫で回されることもない、平和な生活。まだまだ小さく、ひ弱なチビクロにとって、もっとも安全な環境。
    だけどあたしは…あたしは−

    2006-02-02 23:57:00
  • 167:

    せぇ

    片時だってチビクロを離したくない。−これが本音やった。
    毎日毎日、私の家とキョンの家とを往復させるわけには行かない。チビクロに余計なストレスを与えないためにも、預けるなら、ずっと預け続ける。ミルク離れするまでの約二週間。あたしはチビクロと離れ離れになった。

    2006-02-03 00:02:00
  • 168:

    せぇ

    日曜日の夕方。チビクロをキャリーバックに入れ、キョンの家に向かった。キョンの地元は電車二つ向こう分で、駅に着くとキョンのおばちゃんが車をつけて待っててくれてた。
    キョンの家に着いて、キャリーバックからチビクロを出した。『これがあの日のチビクロちゃん?きれいになって!キョンが言ってた通りべっぴんさんやねぇ!』キョンママはうれしそうにチビクロを抱き上げてそう言った。さすが、猫の抱き方が上手でチビクロは気持ち良さそうに、早速目をつぶってウトウトしだした。

    2006-02-03 00:10:00
  • 169:

    せぇ

    −ガチャッ−『せぇ〜!やっと来たん?』相変わらずのでかい声と、大きくドアを開ける音と一緒に、キョンが私とキョンママのいるリビングにやってきた。どこから出てきたのか、キョンの開けっ放しにしたドアから大小それぞれ、出てくる出てくる、合計11匹。
    この、軽く猫屋敷となってるキョン宅に、チビクロが仲間入りするんや…。
    初めて見る自分以外の猫達に、チビクロはキョンママの膝から飛び起きて、恐そうにあたしの側に移動してきた。他の猫達も、チビクロに興味深々みたいだった。どの猫も皆、遠巻きからじっとチビクロを見ている。

    2006-02-03 00:27:00
  • 170:

    せぇ

    改めて見るとすごい光景だ。リビングにあるソファーの真ん中に座った私たちを中心に、猫タワーのてっぺん、タンスの上、押し入れの隙間、机の下…。ありとあらゆる場所からのたくさんの視線は、チビクロが全て独占しているみたいだった。『なぁ、キョンママ…。チビクロ、いじめられたりせぇへんよな?』思わず、あたしはキョンママに聞く。『せぇへんよ。成猫が子猫をいじめるとかは、まずありえへんと思う。そのうちどの子か勘違いして、我が子みたいに可愛がるんちゃうかな。まぁ、もしいじめられてるようだったら、おばちゃんが助けるし!』軽く握った拳を胸にポンと当てて、キョンママは満面の笑みで返事をしてくれた。
    『それより問題は…』

    2006-02-03 00:39:00
  • 171:

    名無しさん

    2006-02-03 00:53:00
  • 172:

    せぇ

    キョンママがたくさんの猫達を目でおった。『あの子。』そう言って、キョンママが指差した瞬間、チビクロに一直線、唯一飛び出してきた猫がいた。チビクロは思わずあたしの膝に爪をたてる。『痛い痛い…』膝から抱き上げて胸元で抱き直してからもう一度その猫に目をやった。『ヤマト!』そう呼ばれた猫は、チビクロと同じ黒猫だった。他の猫に比べるとかなり小さい。『…子猫?』

    2006-02-03 10:58:00
  • 173:

    名無しさん

    いつも更新楽しみにしてます。
    本間おもろい!!がんばってください。

    2006-02-03 17:15:00
  • 174:

    岡ちゃン

    ィェーィ?頑張って書いてなッ?

    2006-02-03 23:08:00
  • 175:

    せぇ

    名無しさん、岡ちゃんさん、ありがとうございます?ホントうれしいです?がんばりますね??

    2006-02-03 23:56:00
  • 176:

    なゅ

    ぁたしんちも猫屋敷になりつつある(*_*)猫大好きで見てしまった☆頑張って!

    2006-02-05 19:15:00
  • 177:

    名無しさん

    小説の中で一番好きやな〜楽しみにしています

    2006-02-06 00:40:00
  • 178:

    せぇ

    なゅさん?
    猫って本間かわいいよな?いっぱい幸せにしてもらってください?
    名無しさん?
    そんなん言ってもらえて本間にめっちゃうれしいです!ありがとうございます?
    読んでくださってる人、本当にありがとうございます。がんばって書くので、見守ってて下さいm(__)m

    2006-02-06 02:55:00
  • 179:

    せぇ

    キョンがヤマトの背中を優しく撫でる。言葉なんてわからなくても、伝わる想いがそこにはあって。それをちゃんと伝え、伝わるようになった時、『飼い主とペット』は『家族』に変わる。その手に、愛情がいっぱいこめてあることはきっと、ヤマトが一番わかってるんだと思う。

    なぁチビクロ。
    あんたの想いは、ちゃんとあたしに届いてたよ。
    あたしの声は届いてた?

    2006-02-06 03:04:00
  • 180:

    せぇ

    やけどやっぱり『猫』っていう生き物は気分屋だ。もう気が済んだのか、キョンの『痛いっ』って言う言葉と共に、爪をたてて腕から降りると、また一直線にチビクロ目がけて突進してきた。
    チビクロは警戒しているのか、短い毛を逆立てて、フーッとうなった。ヤマトはチビクロのすぐ側、10センチくらい前で止まり、じっとチビクロを見つめる。チビクロも見つめ返す。あたしやキョン、他の猫達は、これから何が起きるか、ドキドキしながら二匹をじっと見つめてた。

    2006-02-06 03:14:00
  • 181:

    せぇ

    みんなが注目する中、ヤマトが先に動いた。もし、あたしのチビクロを殴ろうもんなら、あたしはヤマトに、10倍返しくらいしてやろうと思ってた。だけど…
    ヤマトは、チビクロのおしりの匂いをかいだ。これは猫同士の『仲良くしよう』の挨拶。『やった!よかった、気に入られたみたいやん、チビクロ…』そう思ったのも束の間、チビクロは見事、その挨拶に猫パンチで答えた(笑)

    2006-02-06 03:19:00
  • 182:

    せぇ

    なぁチビクロ

    あんたの、お腹の中にいた子のお父さんが、
    ヤマトだったらいいな。

    あんた達はいいケンカ仲間で
    あんたはいつもヤマトを追い掛けて、いつもヤマトから逃げて。ひたすら追い掛けっこの繰り返し。
    だけどすごくすごく
    楽しそうやったよね。

    ヤマトは今でも元気やで。
    だけど、あたしの姿を見る度
    あんたのことを探してる。

    ヤマトの声も聞こえるよ。
    『チビクロは、どこにいったん?』

    2006-02-06 11:09:00
  • 183:

    せぇ





    2006-02-06 11:12:00
  • 184:

    岡ちゃン

    黒猫カヮィィ(??∀?)ニタニタ?岡ちゃンも買ってんねん???ゃから頑張って?・?・?)??

    2006-02-07 22:27:00
  • 185:

    せぇ

    遅くなってごめんなさい?これから更新します?
    岡チャンさん、いつもありがとう??

    2006-02-09 01:05:00
  • 186:

    せぇ

    それから、もぅ帰ろう、もう帰ろうと思うたび、あと少し、あと少しだけと、時間を延ばした。ヤマトとのおい駆けっこに夢中になって、目を真ん丸に見開いてキラキラ輝かせるチビクロは今までにないくらいかわいかったから。結局終電まで逃してしまったあたしは、迷惑にも、キョンママに家まで車で送ってもらうことになった。
    荷物をもって玄関先に向かう。『チビクロー?』最後に名前を呼んだけど、チビクロはあたしをちらっと少しだけ見ただけで、すぐにヤマトとの鬼ごっこを再開した。
    悲しいような、腹が立つような、居心地の悪い気分が、ドアを勢い良く開けるきっかけになってくれた。そのままあたしは、振り返りもせずに、チビクロを置いてキョン家を出た。

    2006-02-09 01:19:00
  • 187:

    名無しさん

    せぇ?初めましてぇ?
    ぁたしゎ猫じゃなぃけどぅ犬ぉ飼ってたの?でも…この前亡くなってしまってぇ??ぁたしが小学生の時からずっと一緒だったからすごく辛いですぅ?今でもまだぃるょうな気がします?長々とすみません?
    猫の話なのに犬の話しちゃってぇ????

    2006-02-13 19:33:00
  • 188:

    七海

    メッチャ続き気になる??がんばって下サィ??
    ??しぉり??

    2006-02-14 23:07:00
  • 189:

    名無しさん

    2006-02-15 00:03:00
  • 190:

    あ〜

    俺も猫飼ってるよ!ってか猫好きなら負ける気しないです(;^_^Aまあ話変わるけどチビクロちゃんはせぇちゃんにたくさんの幸せをあげたから次の人生かならず人で生まれてくると思うよ!しかも超幸せな人生でとりびきり美人でもしかしたらせぇちゃんの娘になって生まれてくるかもね笑

    2006-02-15 00:40:00
  • 191:

    せぇ

    ー嫌やった。
    チビクロはあたしのことを忘れるかもしれへん。あたし以外誰もいないあの淋しい家より、仲間がいっぱいいる、楽しいこの家のほうが好きになるんじゃないか。
    何かある度あたしのトコロへ 来てたチビクロは、もういなくなるんじゃないか。

    2006-02-15 13:45:00
  • 192:

    せぇ

    送ってもらっている間中、あたしはずっとそんな不安を感じながら、窓の外を見ていた。流れる景色のところどころに、チビクロを探しながら。

    2006-02-15 13:48:00
  • 193:

    せぇ

    窓から見える風景が、見覚えのある風景に変わった時、ずっと黙っていたあたしは、やっと口を開いた。『もうすぐ…』 『えっ?』とキョンママはあたしの視線の先を見た。『あそこ!あの川原でチビクロ拾ってん!』12時はとっくに回った、深い暗闇の中で、あたしはその場所を見つめた。運転中のキョンママは、ちらっとそっちを見たけど、結局見つけられへんかったみたいやった。『そっか…。』キョンママはなんとなく淋しそうな、うれしそうな声で話しだした。

    2006-02-15 13:55:00
  • 194:

    せぇ

    『あのな、せぇちゃん。』車は家の前に着いた。かけていた音楽を小さくしてから、キョンママは続けた。『地震があった時、一番最初に何をもって逃げる?』唐突な質問に、あたしはびっくりして、しばらくしゃべれなかった。やけど、それは迷ってたんじゃない。『絶対チビクロやな。』あたしははっきりそう言った。ふふっとキョンママは笑う。『絶対そう言うと思った。』キョンママが笑った顔は、本間にやさしそうだ。『やけど、その必要はないねん。』『なんで?』『動物のカンで、地震は来る前にわかるから』『そうなん?!』会話が弾む。『うん。やから、チビクロ以外で、なんかある?』
    あたしは考えこんだ。『…ないなぁ。』
    今のあたしにとって、大切なものはチビクロ以外になかった。

    2006-02-15 14:11:00
  • 195:

    せぇ

    『…それも、言うと思った。』そう言って、またふふっと笑う。笑った顔がキョンに似てるなぁ…って、あたしは、なんとなしに、だまってそれを見てた。
    『せぇちゃんは、愛情深いなぁ。』ポツリと言ったその言葉に思わず(重い)と言う言葉が浮かぶ。
    あたしの返事を待っているのか、そこで話を止めたキョンママに、あたしは言った。『重いだけやねん…。』ハンドルに肘をついて、聞く態勢に入ったキョンママに、あたしは話した。しょーちゃんのこと、今までの彼氏のこと。

    2006-02-15 14:21:00
  • 196:

    せぇ

    『重いって何なん?』最後にあたしは、ずっと思ってたことを初めて人に、キョンママに聞いた。『好きとどう違うねん…。』
    −別れた男達を、しょーちゃんを。まだ好きだとは思わない。なのに、涙がでてくるのはなんでだろう。今まで失恋で泣いたことなんてなかった。やけど、涙はポロポロ落ちて止まらなかった−今までの分が、全て溢れ出たみたいに−涙が止まらなくて、あたしはバカみたいに泣いた。

    2006-02-15 14:28:00
  • 197:

    せぇ

    『重い』。
    その言葉は
    言われる度に
    毎回毎回
    心に突き刺さった。

    2006-02-15 14:30:00
  • 198:

    せぇ

    愛し方がわからへんかった。愛されたことがないわけじゃない。何よりも、大好きなママには、たくさん愛されてたと思う。ただ、側にいないだけで。
    あたしは、見返りを求めてる。あたしは、貴方だけだよ。こんなに好きだよ。だから側にいて。あたしだけを見ていて。
    強がって、泣いたりなんかしなかった。だけどあたしも、ホントは、人一倍、一人になるのが嫌やった。

    2006-02-15 14:38:00
  • 199:

    せぇ

    なぁチビクロ。
    あんたに出会ってから
    あたしは泣いてばかりやった。
    今まで、泣いたことなんて、
    滅多になかったのに。

    やけど本間は、
    いつもギリギリのトコロで我慢してただけで。

    ずっと泣きたかったんやと
    あの夜思った。


    大声で笑ったり
    声を出して泣いたり

    それがこんなにスッキリすることやなんて。

    あんたは知ってたん?

    嬉しい時に
    いっぱい涙が出ることも。

    2006-02-15 14:47:00
  • 200:

    せぇ





    2006-02-15 14:48:00
  • 201:

    せぇ

    仕事にいかなきゃいけないので、一旦ここで切ります。また休憩の時にでも書けたら書きます。
    みなさん、読んでくださってありがとうございます。これからもあたしと、チビクロの成長を見守ってて下さい?

    2006-02-15 14:51:00
  • 202:

    せぇ

    あたしが泣きやむのまっている間、キョンママは赤ちゃんをなだめるみたいに、あたしの背中を撫でてくれていた。すごく心地よくて、あたたかかった。
    あたしが落ち着いてから、キョンママが話しだした。『重いんじゃないよ。せぇちゃんはやっぱり、愛情が深いだけや。やけど、やり方間違えたらあかんで。見返りを求めへんのが、本間の愛やねんから。』

    2006-02-15 17:27:00
  • 203:

    せぇ

    見返リヲ求メナイノガ
    本間ノ愛−…。

    2006-02-15 21:23:00
  • 204:

    せぇ

    キョンママと別れてから、あたしはすぐにベットに寝転んで、ひたすらこの言葉を繰り返した。思い返すとあたしは−。
    何の見返りもなく、人を愛したことがなかった。

    2006-02-16 01:24:00
  • 205:

    せぇ

    かすかに聞こえる、一階の大時計の鐘が二時を告げた。もう寝な、明日も学校や。
    『おやすみ、チビク…』
    静かな部屋に、あたしの声だけが淋しく浮かんだ。あぁ、チビクロはいないんやったっけ…。そう思うと、あたしはなぜかまた泣けた。零れ出る涙を拭うことも、瞬きすらもせず、ただ茫然としながら、チビクロがいないことを静かに受け入れようとした。

    2006-02-16 01:35:00
  • 206:

    名無しさん

    2006-02-16 03:13:00
  • 207:

    せぇ

    結局その日は眠れなかった。チビクロがいないこの部屋は、ひどく冷たい気がした。考えないように意識すると、今度はしょーちゃん達との思い出と、『重い』って言葉ばかりが浮かぶ。
    チビクロと出会う前は、どうやって眠ってたんだろう。もう、思い出せなかった。

    2006-02-16 03:34:00
  • 208:

    せぇ

    いつもと同じ支度をして、いつもと同じ時間に家を出た。眠たいわけじゃない。だけど胃がキリキリ痛くて仕方なかった。だけど不思議なもんで、朝になると気分が変わって、あれだけ考え込んだ色んな問題は、答えもでないまま、頭からなくなっていた。

    2006-02-16 03:43:00
  • 209:

    せぇ

    だけどやっぱり、頭はうまく働かなかったみたいで、あたしは、お昼休みになってから、キョンが学校に来ていないことに気付いた。チビクロのこと、色々聞きたかったのにな…。
    あたしは大抵毎日、キョンとお昼を食べる。だけど今日はキョンが学校にいない。普段ならクラスの子達のグループに入れてもらうけど、この日はなんとなし誰とも話す気になれなくて、あたしは一人になれる場所を探した。

    2006-02-16 03:50:00
  • 210:

    せぇ

    …すぐ、屋上のてっぺん。あの場所を思い浮かべる。今日もいるかな。

    2006-02-16 21:58:00
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