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ちっちゃな黒猫の話。
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1:
せぇ
なぁなんで?
どこに行ったン?
いつも一緒だったじゃん
嬉しい時も悲しい時も
あんたゎ何にも言わずに
側にいてくれたよな。
あたしゎあんたの顔を見ただけで
あんたのふわふわの毛をなでるだけで
心が温かくなるのを感じてん。
なぁチビクロ
なんであんたが先に死ぬん?
人を幸せにするあんたが。2005-11-17 17:26:00 -
521:
せぇ
〜♪〜♪
急いで携帯を取る。相変わらずの爆音トランスが流れる携帯の待ち受け画面に、映った名前は…仁じゃない。それだけで、あたしの携帯に対する興味は一気に一切なくなって、あたしは携帯をそこら辺に投げつけた。待っても待っても、彼からは着信どころか、たった一通のメールもなかった。2006-07-09 04:58:00 -
522:
せぇ
自分から連絡する勇気もないくせに、あたしは日が経つに連れ、頭がおかしくなるくらい、彼だけのことを考えていた。
声が聞きたい。顔が見たい。彼に触れたい。
2006-07-09 04:58:00 -
523:
せぇ
−はぁ。
ため息を一つついて、あたしはトイレに行くために部屋のドアに手をかけた。その瞬間、チビクロが身構える気配がする。−もう本当にうんざりだ。そのまま少しだけドアを開く。小さな隙間に体をひねらせて、部屋に入って来たチビクロは、いつも通り、あたしの足に体をからませ、甘えてくる。あたしはドアに手をかけたままつっ立ったまま、ボーッとそれを見下ろしていた。それに気付いてか、チビクロは真っすぐにあたしを見上げた。2006-07-09 04:59:00 -
524:
せぇ
目が合う。
漆黒の大きな瞳は、今のあたしには不釣り合いだ。
2006-07-09 05:01:00 -
525:
せぇ
−ガッ
2006-07-09 05:01:00 -
526:
せぇ
鈍い音をたてて、小さな体は数メートル先の地面まで転がった。
2006-07-09 05:02:00 -
527:
せぇ
あたしは、思いっきり。
あたしを必要としている瞳を持った、あたしの宝物を、−…力強く、蹴り飛ばした。そしてそれと同時に、泣き崩れた。
別れてから一週間、初めて声を出して大泣きした。2006-07-09 05:04:00 -
528:
せぇ
2006-07-09 05:06:00 -
529:
せぇ
ねぇチビクロ
最近よく考えるの。
あたしはあんたに何度
助けられたんだろって
そのくせあたしは
何もしてあげれなかったね。
むしろ傷つけてばかりだった。
ねぇチビクロ
何度問い掛けたって
もうあんたの声は聞こえないけど
あんたの姿を
頭に何度も思い浮べて
今でも、あんたがいない今でも
あたしは頑張れるんだよ
あんたの姿を、声を
思い出す、それだけで。
届かなくても、聞こえなくても、わからなくても。
知っていてね。
それだけは。2006-07-09 05:08:00 -
530:
みみ
感動…。
2006-07-09 07:18:00