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ちっちゃな黒猫の話。
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1:
せぇ
なぁなんで?
どこに行ったン?
いつも一緒だったじゃん
嬉しい時も悲しい時も
あんたゎ何にも言わずに
側にいてくれたよな。
あたしゎあんたの顔を見ただけで
あんたのふわふわの毛をなでるだけで
心が温かくなるのを感じてん。
なぁチビクロ
なんであんたが先に死ぬん?
人を幸せにするあんたが。2005-11-17 17:26:00 -
557:
せぇ
その瞳は、いつも通りの、あの瞳やった。
ただひたすら純粋に。
あたしを必要とする瞳。
何よりも深くきれいな、漆黒の瞳。2006-07-09 21:38:00 -
558:
せぇ
思わずあたしはそこへ座り込んだ。止まっていたはずの涙も、またとめどなく溢れだす。
ねぇチビクロ
あんたは−…。2006-07-09 21:41:00 -
559:
名無しさん
頑張れ?せぇちゃん?
2006-07-09 21:43:00 -
560:
せぇ
『チビクロ、ごめんなさい。本間にごめんなさい…』あたしはただひたすら泣いた。一気に込み上げてくる罪悪感。
あたしは何てことをしたんだろう。チビクロは、何にも悪くないのに。何してるんだろう。
ますます、自分はいなくなるべきやと確信した。2006-07-09 21:47:00 -
561:
せぇ
またあたしは静かに立ち上がると、拭っても拭っても止まらない涙をまた拭って、もう一度下へ降りようと部屋を出た。
階段を降りて、キッチンへ向かう。マグカップに水をいれようとしたけど、量が足りそうになかったから、冷蔵庫からペットボトルごと持ち出して、もう一度部屋に戻ろうと体の向きを変えた。2006-07-09 21:55:00 -
562:
せぇ
ボトッ−
2リットルのペットボトルは、軽く床を振動させるくらい重かった。衝撃でグシャリとつぶれた横の部分から、水がこぼれる音がする。
そこには、あたしの後ろを追ってきた、チビクロの姿があった。2006-07-09 22:02:00 -
563:
せぇ
ここ一週間、あたしは見えない何かに、ずっと問い掛けてばかりだった。
何であたしが?
何でこうなったん?
何があかんかった?2006-07-10 01:35:00 -
564:
せぇ
誰に聞いてるのかなんて、あたし自身でもわからない。だから、誰も答えてなんてくれなかった。
だけど、今この瞬間は−…2006-07-10 01:38:00 -
565:
せぇ
ねぇチビクロ
なんで?
なんであんたは、
そんなにも−…2006-07-10 01:40:00 -
566:
せぇ
毎日泣いていたせいで、まぶたは常に腫れていた。そして涙で滲んでいる今、視界は極端に狭く暗かった。
だけど不思議とはっきり解る。
茫然と立ち尽くすあたしに、ゆっくりと、真っすぐに、あたしに近づいてくるチビクロの姿。2006-07-10 01:47:00