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ちっちゃな黒猫の話。

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  • 1:

    せぇ

    なぁなんで?
    どこに行ったン?
    いつも一緒だったじゃん
    嬉しい時も悲しい時も
    あんたゎ何にも言わずに
    側にいてくれたよな。
    あたしゎあんたの顔を見ただけで
    あんたのふわふわの毛をなでるだけで
    心が温かくなるのを感じてん。
    なぁチビクロ
    なんであんたが先に死ぬん?
    人を幸せにするあんたが。

    2005-11-17 17:26:00
  • 641:

    せぇ

    あたしの視力は良くも悪くもない。
    表情なんて見えない。
    だけど、間違えるはずがない。

    あれは−…

    2006-09-13 03:19:00
  • 642:

    せぇ

    パサ…ッ
    突然、あたしの視界の端に、一枚の小さな紙が移った。前の席から回って来たその紙は、窓の外に夢中でなかなか気付かなかったあたしのせいで、ヒラヒラ揺れながら床に落ちたみたいだった。

    拾い上げ、軽く目を通す。

    2006-09-13 03:28:00
  • 643:

    せぇ

    −進路調査書−


    小さな紙には、バランスの悪い大きな太字でそう書かれていた。

    2006-09-13 03:29:00
  • 644:

    せぇ

    『名前と出席番号書いて。テスト後のHRで回収します。はいじゃぁ、今日のHRは終わり!解散!』

    ガタガタと椅子を動かし、おしゃべりを始めるクラスメイト達のなか−…
    あたしは、また新しく生まれな問題の種に、頭を悩ませていた。

    2006-09-13 03:37:00
  • 645:

    せぇ

    不意に名前を呼ばれ、あたしはびっくりして声のするほうに振り返った。このクラスに、まだ友達と呼べるような子はいない。

    2006-09-13 03:44:00
  • 646:

    せぇ

    〔すごっ…!〕
    あたしを呼び止めたのは、ぱっちりした大きな瞳の可愛らしい女の子。
    だけど問題はそこじゃない。彼女は同性ですら目を引く巨乳で、あたしは思わず視線をそこに移した。背が低く華奢な為余計にそこに目が行く。
    〔F…いや、Gはあるんちゃん?!〕
    そんなことを考えながら、あたしは無愛想に『…何?』と一言聞き返した。

    2006-09-13 03:52:00
  • 647:

    せぇ

    〔あ、やってしまった…〕そう自分でも少し思った。かなりふてこい言い方。
    『あ、ごめんなこの子、人見知り激しいねん』
    すかさずキョンがフォローを入れる。
    『そんなんいいねん、気にしてない』
    巨乳ちゃんは、にっこり笑ってまた口を開いた。

    2006-09-13 03:57:00
  • 648:

    せぇ

    『あぁ…うん、それで?』同じ間違いをしないように、あたしなりに優しく言ったつもりではあった。
    『あ、うん、失礼なこと聞くようやけど…』


    それから、ほんの少しだけの沈黙。

    2006-09-13 04:02:00
  • 649:

    せぇ

    一瞬にして空気が重くなるのがわかった。
    だけどあたしにだってプライドくらいある。すこしだけためらったものの、あたしはちゃんと返事をした。

    『うん、別れたけど…?』

    2006-09-13 04:07:00
  • 650:

    せぇ

    彼女はその言葉を聞いた瞬間に、これ以上ないくらいに可愛くにこっと笑った。
    『そっか!よかった♪噂で聞いたから、気になっててん。』
    あたしはものすごく普通に、単純に〔あぁ、この子も仁のこと好きなんやなぁ・・・〕とか、そんなことを思って聞いていた。
    彼女は何の返事もしないあたしを気にも止めず、そのままの笑顔で会話を続けた。

    2006-09-13 04:19:00
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