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一枚の写真

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  • 1:

    明日美

    捨てられない写真ありますか?ずっと忘れられない人はいませんか?
    自分が壊れてだめになりそうなくらい人を好きになったこと…ありますか?
    涙が出なくなったくらい泣いたことありますか?

    私は一枚の写真を見るたびにあの頃を思い出します。

    2005-09-15 02:47:00
  • 2:

    明日美

    二人並んで写った一枚の写真。私の隣には彼がいた。これがずっと捨てられない最後の写真。
    たくさんあった写真は、もう他には残ってない。
    残ってるのは…この一枚の写真だけ。

    2005-09-15 02:50:00
  • 3:

    明日美

    捨てた…。全部捨てた。ネクタイも服もハブラシも。映画の半券もヒゲ剃りも写真も…。
    でも捨てられなかった。最後に残ったのは彼があどけない顔をして写っている写真。
    これだけが何故か捨てられなかった。何で?…自分でも分からなかった。

    2005-09-15 02:57:00
  • 4:

    明日美

    別れてもう一年もたつ。時代は変わっていく。周りも変わっていく。みんな毎日前に進んで歩いてる。
    変わらないのは…私だけ。変われないのは…私だけ。ずっとあの時から立ち止まったまま。時間だけが静かに流れてた。

    2005-09-15 03:02:00
  • 5:

    明日美

    時々夢を見る。すごく心地いい夢。楽しかったあの頃の夢を。
    でも目が覚めて現実に引き戻された時、表しようがない悲壮感に襲われる。そして私は泣いてる。
    泣いたって何も変わらないのに。何も戻らないのに。何も…

    2005-09-15 03:06:00
  • 6:

    明日美

    捨てられない一枚の写真がある。私の隣には彼がいた。二人して笑ってる。
    まるでずっとその幸せがずっと続くかのように。
    分からなかった。まさか離れてしまうなんて思ってもみなかった。

    2005-09-15 03:09:00
  • 7:

    明日美

    写真に写る私と彼。
    橘 明日美と三嶋 圭。
    私達は一年前まで一緒にいた。五年間もずっと一緒に。一年前、付き合っていくのを諦めたのは私。
    別れを選んだのも私。先に離れたのは私の方だった。

    2005-09-15 03:18:00
  • 8:

    明日美

    電車の中でうたた寝してる人は何度か見たこともあった。でも本気でスースー寝息を立てながら寝てる人を見たのは初めてだった。
    肩にもたれてしまった圭は熟睡しきっていて、起きる気配すら感じず、私は降りなきゃいけない駅を通り過ぎてしまっていた。

    2005-09-15 03:26:00
  • 9:

    明日美

    何度も体を動かしたり肩をはずそうとしたりしたけど圭は起きなかった。私は正直ゆうと恥ずかしくてしょうがなかった。
    周りから見たらどう見られてるんだろうって。同世代っぽい圭はよっぽど疲れていたのか、ついには終点駅まで起きずに着いてしまい電車はまた来た駅を戻るために出発してしまった。

    2005-09-15 03:30:00
  • 10:

    明日美

    私は次は絶対おりる駅に着いたらコイツを振り飛ばしてでも降りようと決めていた。
    でも寝息をたてる圭は深く帽子を被ったままずっと眠ってた。
    「次は○○駅〜」
    アナウンスが流れた私は次の駅で降りるために少しずつ肩をずらして離れようとした。そして、駅に着いた瞬間勢いよく立って急いで降りた。

    2005-09-15 03:36:00
  • 11:

    明日美

    私が立った時に、びっくりしていた圭も何故か振り返ると降りて来ていた。そして私の方に歩いてきた。

    「すいません…僕ずっと寝てました?」

    まだ眠そうな顔で私に聞いてきた圭は申し訳なさそうな声で謝ってきた。

    2005-09-15 03:40:00
  • 12:

    明日美

    「かなり寝ちゃってたけど大丈夫ですよ。降りれたし気にしないで下さい」

    私はそう言って改札に向かって歩こうとした。でも、圭に呼び止められた。
    「おわびにジュースでもおごらせて下さい」って。

    2005-09-15 03:44:00
  • 13:

    明日美

    早く帰りたかった私は断ったけど、何故かカバンを引っ張られながら販売機まで連れて行かれて、ジュースを買われると近くにあったホームのベンチに座らされた。
    「本当にごめん」
    圭は何度もそう言った。私は謝ってくれるなら帰らせてくれよって本心ではずっと思ってた。

    2005-09-15 03:47:00
  • 14:

    明日美

    「あ゙ぁーっ!!」
    急に叫び声をあげた圭に私はびっくりして心の声が聞こえてしまったのかと思い焦ってしまった。
    「ボストン…忘れてる」
    ボソッっと言った言葉に私は思わず笑ってた。本当になかったからだ。
    あんなに大きな物を忘れてしまう人も珍しい。まぁ寝ぼけて焦ってたからなんだろうけど。

    2005-09-15 03:52:00
  • 15:

    明日美

    「この駅の駅員さんがいる場所ってどこ?」
    私がおりる駅は改札がいくつもあった。面倒なことに連れていくはめになり、さらにさっきの車両が戻ってくるまで一緒に待っててほしいと頼まれた。
    断っても良かった。でも…何でだろ?圭は初めて会ったのにそんな気がしなくて私に笑いかけてくる笑顔がすごく優しく見えた。

    2005-09-15 03:58:00
  • 16:

    明日美

    電車が戻ってくるまで40分、私達は駅のホームで待っていた。
    「名前なんてゆうの?」
    「橘…明日美」
    「あ、すみ?変わった名前だね。俺は圭。16」
    圭は私と同じ年だった。帽子をとると綺麗な顔をしてた。

    2005-09-15 04:02:00
  • 17:

    明日美

    「何が入ってたの?あんなに大きいカバンに」

    私はボストンの中身を心配していた圭に聞いた。

    「ダンスの練習靴とかスケジュール帳とか。色々とにかく失くなったらマズイもんなんだよね」

    2005-09-15 04:06:00
  • 18:

    明日美

    「へぇーダンスやってるんだぁ?なんかすごいねっ。大丈夫だよあんなに大きい重そうなカバン誰も持ってかないから」
    私が笑いながらそう言うと圭も一緒にハハハって笑ってた。
    「あっちゃんさー、俺のこと知らない?」

    2005-09-15 04:09:00
  • 19:

    明日美

    あっちゃん?男の子に初めてそう呼ばれた私は少し照れていた。
    ママや友達には呼ばれたりするけど…それとはまた違った感じがした。

    「え?分かんない。どこかで会ったことある?」

    2005-09-15 04:12:00
  • 20:

    明日美

    いくら記憶を辿っても圭のことは知らなかった。何をわけの分からないこと言ってるんだろって思った。

    「俺もまだまだってことかぁ。頑張らなきゃなっ」

    圭は私にそう言った。私はその時はその言葉の意味も分からなくて気にも止めなかった。圭が芸能人ってことも知らずに。

    2005-09-15 04:16:00
  • 21:

    明日美

    「携帯持ってる?」

    「持ってるけど…」

    「教えてよ。番組交換しよう。あっちゃんには迷惑かけちゃったし今度またお詫びっつーかお礼したいし」

    2005-09-15 04:18:00
  • 22:

    明日美

    そして私は圭と成り行きで番号を交換した。
    《ガタンゴトン…》
    やっと電車が来た。圭は乗ってた車両に乗るとボストンを見つけてピースしてきた。
    「遅くまでごめんね!また電話するよ。あっしても大丈夫?いいよね?」
    私が答えようとした時、ドアは閉まってしまった。だから指でオッケーマークを作り圭に見せると、圭はニコニコ笑いながら手を振ってきた。

    2005-09-15 04:23:00
  • 23:

    明日美

    そして電話は走り出し、行ってしまった。私は今日は一体なんだったんだろうと帰り道一人で考えてた。
    家に帰ると11時前で、ママにもパパにも帰りが遅いと怒られた。
    私のせいじゃないのに…でも言い訳しても信じてもらえるはずもなかったし、初めて会った男の子と一緒だったって知ったら余計に怒られちゃうもんね。

    2005-09-15 04:27:00
  • 24:

    明日美

    圭が言った「俺のこと知らない?」って言葉を私はその日帰ってからもずーっと考えた。
    一体なんだったんだろうって。圭は何が言いたかったんだろ?考えても答えは見つからなかった。

    その頃は携帯の着信音がまだ三和音や四和音しかなかった頃だった。
    だから音がすごくうるさく聞こえる。その日の夜中の2時過ぎに、そのうるさい音が枕の隣で鳴り響いた。

    2005-09-15 04:33:00
  • 25:

    明日美

    「ハ…イ」

    私が寝ぼけた声で電話に出ると受話器の向こうから聞こえてきたのは今日会ったばかりの圭の声だった。

    「寝てた!?ごめん!マジでごめんね。じゃあ明日またかけるよ」

    2005-09-15 04:36:00
  • 26:

    明日美

    「大丈夫!寝かけてただけだし。どーしたの?」

    私は何故だか嘘をついた。思いっきり寝てたのに。圭の声を聞いて目が覚めてしまってた。

    「いや…特に用はなかったんだけど何してるかなと思って。一時間くらいかけようか携帯とにらめっこだったからさ。ずっと考えてるぐらいならかけちゃおーと思って」

    2005-09-15 04:41:00
  • 27:

    明日美

    「そーなんだぁ」

    私は少し嬉しかった。圭は暇だったからかもしれないけど、圭の言葉にドキドキしてる自分がいた。会ったばかりなのに…。

    「ねぇ、今日ね、圭くん言ってたでしょ?俺のこと知らない?って。あれって何だったの?ずっと気になってて」

    2005-09-15 04:45:00
  • 28:

    明日美

    「えっ?いいよその話は。俺がカッコ悪いし」

    「どーゆう意味?教えてくれなきゃ分かんないよ」

    「…マジで聞くの?うーん俺さ、芸能関係の事務所に所属してるんだよね。最近テレビにも出たりしてるんだけど。これでも若い女の子には知られてるはずなんだけどさ」

    2005-09-15 04:50:00
  • 29:

    明日美

    「え?そうなの?じゃあ明日美かなり失礼だよね」

    「うん。でもあっちゃんは知らなかったでしょ?めちゃくちゃ普通に話してるしジュース買う時とか俺のことダルそうにしてたりさ。チョー新鮮!みたいな」

    「新鮮?」

    2005-09-15 04:54:00
  • 30:

    明日美

    「そう!チョー新鮮だったよ。人間って追われたら逃げたくなるけど逃げられたら追いたくなるって当たってるなぁと思った」

    圭は普通に話してた。私も圭が芸能界の人って分かっても何も思わなかったし、変わることもなかった。最初のイメージが普通だったからかな?
    電車で居眠りする普通の男の子。それが出会いだったから。

    2005-09-15 04:59:00
  • 31:

    名無しさん

    おもしろぃネ☆彡

    2005-09-15 05:01:00
  • 32:

    明日美

    圭と知り合って一ヶ月が経った頃、ふと立ち寄った本屋さんで圭を見た。

    本物の圭じゃなくて雑誌の中の圭を。

    初めて見た私は違和感を感じた。圭はスマイル顔。でも作ってる顔。本当に笑ってる時はもっと顔がクシャクシャになるのに…って。

    2005-09-15 05:10:00
  • 33:

    明日美

    すぐに帰るはずだったのに私は本屋に2時間近くいた。いろんな雑誌を見た。
    圭は本当に芸能人だった。私がただ知らなかっただけだった。
    こんなにすごいとは思ってなかった…。
    圭はいつも帽子を深くかぶってる。初めて会った時もそうだった。
    何故だか分かった気がした。圭は「芸能人」だから。

    2005-09-15 05:14:00
  • 34:

    明日美

    私は圭が写ってる雑誌を一冊買って家に帰った。圭へのインタビュー記事がのってあった。

    そして、妹がいる私は妹の部屋にそのページを開いて聞いてみた。

    「ねぇ琴美ぃ。この人知ってる?」

    2005-09-15 05:20:00
  • 35:

    明日美

    「知ってるよー。三嶋 圭超カッコイイよね。お姉ちゃんタイプなの?」

    「あ、あぁ…まぁね。ごめんね、それだけ」

    私はそれだけ聞いて琴美の部屋からすぐ出た。…琴美も知ってたんだ…。びっくりした。

    2005-09-15 05:24:00
  • 36:

    明日美

    私はその時初めて圭を遠く感じた。やっぱり違う世界の人なんだって。

    毎日電話で話す圭、会った時はしゃいでる圭、モノマネして笑わせてくれる三枚目キャラの圭。

    でも私が知らなかった圭はカッコイイ人気者な芸能人。そう考えれば考えるほど、どんどん怖くなった。

    2005-09-15 05:29:00
  • 37:

    明日美

    >>1-38

    今日は終わりです。お疲れ様でした。

    2005-09-15 05:31:00
  • 38:

    名無しさん

    ?

    2005-09-15 07:45:00
  • 39:

    名無しさん

     

    2005-09-15 22:23:00
  • 40:

    名無しさん

    ぉもしろぃ?実話ですか?

    2005-09-15 22:56:00
  • 41:

    名無しさん

    2005-09-17 19:27:00
  • 42:

    名無しさん

    名前なんで明日美なん? 昨日美ゎぁかんの?
    今日美ゎ?なぁ?なぁ?

    2005-09-17 19:29:00
  • 43:

    名無しさん

    昨日美ちゃん今読みました?かなりぉもろぃですッッ

    2005-09-17 19:30:00
  • 44:

    明日美

    こんばんわ?明日美って変なのかな?まぁ今更名前をかえるのもややこしいし、このままでいきます?
    今日も頑張って更新しています?

    2005-09-18 00:08:00
  • 45:

    明日美

    でも遅かった。気付かないうちにもう私の気持ちは動いてしまってた。
    圭のこと…好きになりかけてる自分がいた。

    住む世界も違うのに…馬鹿みたいだった。
    私は雑誌の中の圭を見れなくて圭が写っているページをそっと閉じた。

    2005-09-18 00:18:00
  • 46:

    明日美

    圭は「芸能人」。そう思えば思うほど圭との距離を感じた私は自分の気持ちを押し殺した。

    見えない距離がとても大きくて…見えない世界がとても怖かった。
    圭のこと知らないままならただテレビで見るだけの存在だったのに。何で出会ってしまったんだろう…。
    何の意味ももたないのに。

    2005-09-18 00:32:00
  • 47:

    明日美

    「明日美どうしたの?」

    ママに聞かれてハッとした。食事中だというのに圭のことで頭がいっぱいだった私は箸を持ったままボーっとしていたのだ。

    「なんでもない」

    2005-09-18 05:31:00
  • 48:

    明日美

    私はそう言うと焦りながら急いで食事して自分の部屋に戻った。

    ママは心配そうな顔をしてた。自分でも分からなかった。何でこんなに落ち着かないのか。何でこんなに頭の中がいっぱいなのか。

    2005-09-18 05:33:00
  • 49:

    明日美

    その時いつもの三和音の着メロが鳴った。発信元は…圭だった。

    「もしもし」

    「もしもし?圭だけど。あっちゃん何してるの?」

    2005-09-18 05:36:00
  • 50:

    明日美

    圭の声はいつもと変わらないまま。少しかすれたハスキーな声で私に話し掛けてくる。

    「家でボーっとしてたよ」

    「そーなんだ。じゃあさ、今から会えない?っつーかもう向かってるんだけど」

    2005-09-18 05:38:00
  • 51:

    明日美

    圭はバイクでこっちに向かってきてた。何でか分からないけどドキドキした。
    20分後、私達は一週間ぶりに会った。圭はいつもと変わらない。
    いつもみたいに笑ってて、いつもみたいにはしゃいでて…。

    なのに…私は…。

    2005-09-18 05:43:00
  • 52:

    明日美

    「とりあえずさー、今日でダンスも仕上げまで終わったんだ。でも再来週は地方での仕事とかあって名古屋と大阪に行かなきゃなんなくなった。だりーよ」

    「へ、へぇー。そっかぁ…大変だね」

    私がそう言うと圭は私の顔をのぞきこんでジーッと見てきた。

    2005-09-18 05:47:00
  • 53:

    明日美

    「…な、なに!?」

    「明日美違う。変!ってゆーか絶対変!なんかあっただろ?いつもの明日美じゃないじゃん」

    圭は私の目を見ながら話してくる。私は圭の目をちゃんと見れなかった。そして…そらしてしまった。

    2005-09-18 05:50:00
  • 54:

    明日美

    「どうしたんだよ?マジで何かあった?言ってくんなきゃ分かんないよ。心配になるじゃん」

    「何もないよ。普通」

    少しの間、沈黙が続いた。きっと私のこと訳分かんないやつだってうっとーしく思ってるんだ…私は一人でずっとそんなことばかり考えてた。

    2005-09-18 05:56:00
  • 55:

    明日美

    でも…ビックリした。圭は黙ったまま私をギュっと抱きしめてきた。
    それから髪を撫でながら、優しく私にキスをした。初めてのキスだった。
    一瞬頭が真っ白になった。圭も顔が真っ赤だった。

    「な…んで?何でこんなことするの?」

    2005-09-18 06:01:00
  • 56:

    明日美

    「えっ!?何が?」

    「だから…何でこんなことする…の?」

    「好きだからに決まってんじゃん。あっちゃん…俺、あっちゃ…明日美のこと好きだから」

    2005-09-18 06:03:00
  • 57:

    明日美

    真っ白になっていた頭の中がまた真っ白になった。圭の言葉が信じられなくて…夢なんじゃないかって何度も思った。

    「明日美はさ、俺のことどう思ってる?今」

    言いたい気持ちはたくさんあった。気付いてしまった自分の気持ちを…ちゃんと圭に言いたかった。

    2005-09-18 06:09:00
  • 58:

    明日美

    でも…スゴイ芸能人な圭を知ってしまった私は、勝手に壁を作り住む世界が違うなどと距離を感じてた。だって釣り合うはずがないのだから。

    そのせいで言いたかった言葉が出てこなくなる。好きだよって、圭のこと大好きだよって言いたかった。

    「分かんない」

    2005-09-18 06:12:00
  • 59:

    明日美

    私が言った言葉はその一言が精一杯だった。

    「な、んだよ…それ。ワケ分かんねーし。好きか嫌いかって聞いてんだよ?分かってるんだろ?」

    「う…ん。好きだよ。嫌いじゃない」

    2005-09-18 06:15:00
  • 60:

    名無しさん

    2005-09-18 07:38:00
  • 61:

    名無しさん

     

    2005-09-18 07:38:00
  • 62:

    明日美

    「じゃー付き合うか」

    「え…?何言ってんの?ジョーダンきついし笑えないってば」

    「俺かなりマジで言ってんだけど。笑うとこじゃないじゃん。だから今日来たんだし。最近もずっとそうだった。会える時は少しでも明日美に会いたいって思ってたよ」

    2005-09-19 08:32:00
  • 63:

    明日美

    圭の言葉に心の中が震えた気がした。本当に本当に嬉しかった…。

    「でも…圭と明日美じゃ釣り合わないよ。自信ない。明日美の知らない圭が怖いの。芸能界って遠い違う世界な気がして」

    「違う世界とか関係ないじゃん。明日美の目の前にいる今の俺が俺なんだよ」

    2005-09-19 08:38:00
  • 64:

    明日美

    今目の前にいる圭が?背伸びしてないそのままの圭?笑うとクシャクシャになる顔の圭?

    「でも…」

    「でもじゃねーよ。大丈夫だから心配すんなって。俺は本当に明日美のこと好きだから。会えない日続いたり目立ったデートとかできないかもしれないけどさ。そばでちゃんと見ててよ」

    2005-09-19 08:43:00
  • 65:

    名無しさん

    2005-09-19 19:14:00
  • 66:

    名無しさん

    age

    2005-09-20 18:15:00
  • 67:

    明日美

    「ほんとに?ほんとに明日美でいいの?」

    私は驚きと嬉しさで泣いてしまってた。圭はそんな私を見てぎゅっと抱きしめてくれた。

    「11月12日だっけ?今日が記念日ってことだよな?」

    2005-09-24 15:30:00
  • 68:

    明日美

    私と圭は付き合うことになった。遠回りしかけた恋だったけど…やっとたどり着いた。
    不安はないわけじゃない。やっぱり圭は“芸能人”だから。
    でも私は芸能人の圭にひかれたんじゃない。大口あけて笑う圭や電車で居眠りするようなそんな普通の圭が好きになったんだから。

    2005-09-24 15:34:00
  • 69:

    明日美

    それからは少しでも時間があれば会うことが増えた。一緒にいる時間も増えた。圭は相変わらず忙しい生活だったけど、そんな忙しさの中でも私との時間は大事にしてくれてた。

    仕事で地方に行っても夜は長電話してくれるし、本当に圭は真面目で真っすぐでいてくれる。

    2005-09-24 15:38:00
  • 70:

    明日美

    ただ、デートは人目の多いとこで遊んだりすることは避けてた。それは私もそのほうがいいと思ってた。

    付き合ってからも圭の人気はどんどん出てきてたし。たまに映画見に行ったり繁華街に出て遊んだりもしたけど、若い女の子はすぐに気付くから。

    いつのまにか後ろからおっかけてきたりされたこともあった。

    2005-09-24 15:44:00
  • 71:

    明日美

    だからデートは、もっぱらお互いの実家か近くの公園やファミレスにカラオケBOX。

    でも私はそれで充分だった。圭といられるだけで良かったから。でも…そんな公園やカラオケBOXも、いつからか女の子達が集まるようになり私達は行く場所もなくなっていく。
    ファミレスも圭のファンが集まるようになってだめになった。

    2005-09-24 15:49:00
  • 72:

    明日美

    そんなこともあったけど、私達は変わることもなく続いてた。
    ママやパパや琴美にも、圭と付き合ってることを話して紹介したし圭も紹介してくれて、私達はお互いの家族公認の仲になった。

    本当に幸せだった…。

    2005-09-24 15:54:00
  • 73:

    明日美

    初めて迎えた一ヶ月目の記念日も、圭は仕事が終わると夜遅かったのに家に会いに来てくれた。
    特に何をするわけでもなかったけどそんな普通なことが嬉しかった…。

    「それまだ残ってる?」

    2005-09-24 16:00:00
  • 74:

    明日美

    圭が指さしたのはテーブルの上に置いてあったインスタントカメラだった。枚数を確認したら残り一枚。

    「あと一枚残ってるよ」

    「じゃーあっちゃんこっち来て」

    2005-09-24 16:03:00
  • 75:

    明日美

    圭はそう言うとカメラを持ち、私の顔に自分の顔をくっつけて言った。

    「記念に撮ろう」と。

    「一ヶ月記念だから?」

    2005-09-24 16:06:00
  • 76:

    明日美

    私がそう言うと圭は軽く首を振りながら言った。

    「これからもずっと一緒にいる記念。俺らは今までもこれからも絶対離れないからさ何年経っても。だから残しとくの」

    それを聞いて私が笑っちゃった時、圭はまた顔をくっつけてパシャッとシャッターを押した。

    2005-09-24 16:12:00
  • 77:

    明日美

    「えっ!?撮ったの?今?絶対変な顔してるよぉ」

    「大丈夫だって!俺も超笑っちゃったし」

    ふざけ合いながら圭と二人で笑ってた。本当に幸せだったから。こんなに幸せでいいのかってくらい。

    2005-09-24 16:16:00
  • 78:

    明日美

    それが圭と初めて撮った写真だった。二人して笑ってる写真。ずっと一緒にいられると思ってた。
    そしてその写真が今も私が捨てられない最後の一枚の写真。

    たくさん撮った写真も全部捨てたのに…。それだけが何故か捨てられなかった。

    2005-09-24 16:21:00
  • 79:

    芹夏

    続き楽しみにしてます☆

    2005-09-25 01:53:00
  • 80:

    まぁ〜こ?

    更新楽しみに待ってます?

    2005-09-30 03:56:00
  • 81:

    名無しさん

    2005-09-30 04:40:00
  • 82:

    名無しさん

     

    2005-10-01 09:38:00
  • 83:

    まぁ〜こ?

    明日美ちゃん忙しいのかなぁ〜?マイペースでいいから完結まで頑張って下さい??更新??待ってるね?

    2005-10-07 03:25:00
  • 84:

    明日美

    UPしていきますよ??

    2005-10-07 04:53:00
  • 85:

    明日美

    思い出と呼べるものは全部忘れようとした。
    記憶も物も全部全部忘れようとした。でも捨てられなかったこの時の写真。
    何の迷いもなく圭が好きで、先のことなんて関係なくて。ただ好きで好きで幸せを感じてた。

    2005-10-07 04:56:00
  • 86:

    明日美

    圭は、付き合ってからもどんどん有名になっていってた。テレビの出演も必然的に増え、それに平行するように人気もどんどんでていった。

    当然、忙しくなり会える時間も減っていく。歌って踊って…雑誌やテレビに出て。

    2005-10-07 05:00:00
  • 87:

    明日美

    それでも私達は、わずかな時間を大事にして一緒にいる時はお互いの気持ちを確かめ合ってた。

    圭は一生懸命でいてくれた。外見とは違って誠実な性格で、男らしい性格。

    そんな圭が本当に大好きで大切だった。

    2005-10-07 05:03:00
  • 88:

    明日美

    5月12日。
    私達が付き合って半年目の記念日だった。圭はその日仕事がなかったから、私達は学校が終わると久しぶりにどこか遊びに行くことになった。

    いつも会うのはお互いの地元や実家ばかりだったから新鮮な気がして嬉しかった。

    2005-10-07 05:07:00
  • 89:

    明日美

    圭は私の家までバイクで来た。それからバイクを置いて、電車に乗るため私達は駅に向かった。

    改札を通り、ホームに立つとあの日を思い出した。変な出会い方をしたあの日のことを。

    あの自販機もベンチも…あれから半年かぁ…。

    2005-10-07 05:15:00
  • 90:

    明日美

    「あっちゃんどしたの?考えごと?」

    ぼーっとあの日を思い出してた私を圭が顔をのぞきこんできた。

    「なんでもないよ☆ただこのホームって圭と初めて話した場所だったからさ。ちょっと思い出したの」

    2005-10-07 05:18:00
  • 91:

    明日美

    「俺も覚えてるよー。明日美めちゃくちゃ俺のこと引いてたよねあの時。嫌そうな顔だったもん笑」

    私達はお互い顔を見合わせながら笑った。半年目の記念日。そうやって普通に迎えられたことがすごく嬉しかった。

    その日は池袋で遊んだ。二人ではしゃいだりして楽しかった。帰りの電車に乗るまでは…。

    2005-10-07 05:24:00
  • 92:

    明日美

    遊び終わって撮りたてのプリクラを見ながら、私達は足早に駅に向かってた。帰りの電車に乗るために。

    「ねぇ、あれって三嶋 圭じゃない?」
    「帽子のやつ?うわっ本当だぁー絶対ホンモノだよ!すごいじゃん」

    2005-10-07 05:27:00
  • 93:

    明日美

    切符を買っていると近くにいた数人の女の子達がヒソヒソと話しているのが聞こえた。

    「圭、気付かれてるよ」

    「うん分かってる。とりあえず早く帰ろうぜ」

    2005-10-07 05:29:00
  • 94:

    明日美

    私達は急いでホームに向かったけど、女の子達もついて来た。その女の子達に気付いた周りの女の子も気付いてしまい、大変な雰囲気になっていた。

    電車に乗ったのはいいものの、女の子達もついて来てしまい車内でも目立っていた。

    2005-10-07 05:31:00
  • 95:

    明日美

    どうしよう…家までついて来たら…そんなことはしないか。でもファンの熱さをこの時初めて知った気がした。

    バイクも私の家に止めてあったし、とりあえず二人で駅をおりた。振り返ると、私をにらみながらずっとついて来ている女の子はまだついて来ていた。

    2005-10-07 05:34:00
  • 96:

    明日美

    なに?わけわかんないし…ウザイよ…。それよりも怖い感じだった。執念とゆう言葉がふさわしかった。

    「とりあえず改札出たら走ってタクシー乗ろうぜ。明日美の家まで急いで帰ろ」
    「そーだね。じゃあ改札出たらダッシュだよ!本当に走るからね明日美」

    2005-10-07 05:37:00
  • 97:

    ?

    しぉり

    2005-10-07 07:18:00
  • 98:

    名無しさん

    ?100?

    2005-10-07 07:22:00
  • 99:

    名無しさん

    2005-10-07 08:19:00
  • 100:

    名無しさん

    2005-10-11 01:47:00
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