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一枚の写真
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1:
明日美
捨てられない写真ありますか?ずっと忘れられない人はいませんか?
自分が壊れてだめになりそうなくらい人を好きになったこと…ありますか?
涙が出なくなったくらい泣いたことありますか?
私は一枚の写真を見るたびにあの頃を思い出します。2005-09-15 02:47:00 -
2:
明日美
二人並んで写った一枚の写真。私の隣には彼がいた。これがずっと捨てられない最後の写真。
たくさんあった写真は、もう他には残ってない。
残ってるのは…この一枚の写真だけ。2005-09-15 02:50:00 -
3:
明日美
捨てた…。全部捨てた。ネクタイも服もハブラシも。映画の半券もヒゲ剃りも写真も…。
でも捨てられなかった。最後に残ったのは彼があどけない顔をして写っている写真。
これだけが何故か捨てられなかった。何で?…自分でも分からなかった。2005-09-15 02:57:00 -
4:
明日美
別れてもう一年もたつ。時代は変わっていく。周りも変わっていく。みんな毎日前に進んで歩いてる。
変わらないのは…私だけ。変われないのは…私だけ。ずっとあの時から立ち止まったまま。時間だけが静かに流れてた。2005-09-15 03:02:00 -
5:
明日美
時々夢を見る。すごく心地いい夢。楽しかったあの頃の夢を。
でも目が覚めて現実に引き戻された時、表しようがない悲壮感に襲われる。そして私は泣いてる。
泣いたって何も変わらないのに。何も戻らないのに。何も…2005-09-15 03:06:00 -
6:
明日美
捨てられない一枚の写真がある。私の隣には彼がいた。二人して笑ってる。
まるでずっとその幸せがずっと続くかのように。
分からなかった。まさか離れてしまうなんて思ってもみなかった。2005-09-15 03:09:00 -
7:
明日美
写真に写る私と彼。
橘 明日美と三嶋 圭。
私達は一年前まで一緒にいた。五年間もずっと一緒に。一年前、付き合っていくのを諦めたのは私。
別れを選んだのも私。先に離れたのは私の方だった。2005-09-15 03:18:00 -
8:
明日美
電車の中でうたた寝してる人は何度か見たこともあった。でも本気でスースー寝息を立てながら寝てる人を見たのは初めてだった。
肩にもたれてしまった圭は熟睡しきっていて、起きる気配すら感じず、私は降りなきゃいけない駅を通り過ぎてしまっていた。2005-09-15 03:26:00 -
9:
明日美
何度も体を動かしたり肩をはずそうとしたりしたけど圭は起きなかった。私は正直ゆうと恥ずかしくてしょうがなかった。
周りから見たらどう見られてるんだろうって。同世代っぽい圭はよっぽど疲れていたのか、ついには終点駅まで起きずに着いてしまい電車はまた来た駅を戻るために出発してしまった。2005-09-15 03:30:00 -
10:
明日美
私は次は絶対おりる駅に着いたらコイツを振り飛ばしてでも降りようと決めていた。
でも寝息をたてる圭は深く帽子を被ったままずっと眠ってた。
「次は○○駅〜」
アナウンスが流れた私は次の駅で降りるために少しずつ肩をずらして離れようとした。そして、駅に着いた瞬間勢いよく立って急いで降りた。2005-09-15 03:36:00 -
11:
明日美
私が立った時に、びっくりしていた圭も何故か振り返ると降りて来ていた。そして私の方に歩いてきた。
「すいません…僕ずっと寝てました?」
まだ眠そうな顔で私に聞いてきた圭は申し訳なさそうな声で謝ってきた。2005-09-15 03:40:00 -
12:
明日美
「かなり寝ちゃってたけど大丈夫ですよ。降りれたし気にしないで下さい」
私はそう言って改札に向かって歩こうとした。でも、圭に呼び止められた。
「おわびにジュースでもおごらせて下さい」って。2005-09-15 03:44:00 -
13:
明日美
早く帰りたかった私は断ったけど、何故かカバンを引っ張られながら販売機まで連れて行かれて、ジュースを買われると近くにあったホームのベンチに座らされた。
「本当にごめん」
圭は何度もそう言った。私は謝ってくれるなら帰らせてくれよって本心ではずっと思ってた。2005-09-15 03:47:00 -
14:
明日美
「あ゙ぁーっ!!」
急に叫び声をあげた圭に私はびっくりして心の声が聞こえてしまったのかと思い焦ってしまった。
「ボストン…忘れてる」
ボソッっと言った言葉に私は思わず笑ってた。本当になかったからだ。
あんなに大きな物を忘れてしまう人も珍しい。まぁ寝ぼけて焦ってたからなんだろうけど。2005-09-15 03:52:00 -
15:
明日美
「この駅の駅員さんがいる場所ってどこ?」
私がおりる駅は改札がいくつもあった。面倒なことに連れていくはめになり、さらにさっきの車両が戻ってくるまで一緒に待っててほしいと頼まれた。
断っても良かった。でも…何でだろ?圭は初めて会ったのにそんな気がしなくて私に笑いかけてくる笑顔がすごく優しく見えた。2005-09-15 03:58:00 -
16:
明日美
電車が戻ってくるまで40分、私達は駅のホームで待っていた。
「名前なんてゆうの?」
「橘…明日美」
「あ、すみ?変わった名前だね。俺は圭。16」
圭は私と同じ年だった。帽子をとると綺麗な顔をしてた。2005-09-15 04:02:00 -
17:
明日美
「何が入ってたの?あんなに大きいカバンに」
私はボストンの中身を心配していた圭に聞いた。
「ダンスの練習靴とかスケジュール帳とか。色々とにかく失くなったらマズイもんなんだよね」2005-09-15 04:06:00 -
18:
明日美
「へぇーダンスやってるんだぁ?なんかすごいねっ。大丈夫だよあんなに大きい重そうなカバン誰も持ってかないから」
私が笑いながらそう言うと圭も一緒にハハハって笑ってた。
「あっちゃんさー、俺のこと知らない?」2005-09-15 04:09:00 -
19:
明日美
あっちゃん?男の子に初めてそう呼ばれた私は少し照れていた。
ママや友達には呼ばれたりするけど…それとはまた違った感じがした。
「え?分かんない。どこかで会ったことある?」2005-09-15 04:12:00 -
20:
明日美
いくら記憶を辿っても圭のことは知らなかった。何をわけの分からないこと言ってるんだろって思った。
「俺もまだまだってことかぁ。頑張らなきゃなっ」
圭は私にそう言った。私はその時はその言葉の意味も分からなくて気にも止めなかった。圭が芸能人ってことも知らずに。2005-09-15 04:16:00 -
21:
明日美
「携帯持ってる?」
「持ってるけど…」
「教えてよ。番組交換しよう。あっちゃんには迷惑かけちゃったし今度またお詫びっつーかお礼したいし」2005-09-15 04:18:00 -
22:
明日美
そして私は圭と成り行きで番号を交換した。
《ガタンゴトン…》
やっと電車が来た。圭は乗ってた車両に乗るとボストンを見つけてピースしてきた。
「遅くまでごめんね!また電話するよ。あっしても大丈夫?いいよね?」
私が答えようとした時、ドアは閉まってしまった。だから指でオッケーマークを作り圭に見せると、圭はニコニコ笑いながら手を振ってきた。2005-09-15 04:23:00 -
23:
明日美
そして電話は走り出し、行ってしまった。私は今日は一体なんだったんだろうと帰り道一人で考えてた。
家に帰ると11時前で、ママにもパパにも帰りが遅いと怒られた。
私のせいじゃないのに…でも言い訳しても信じてもらえるはずもなかったし、初めて会った男の子と一緒だったって知ったら余計に怒られちゃうもんね。2005-09-15 04:27:00 -
24:
明日美
圭が言った「俺のこと知らない?」って言葉を私はその日帰ってからもずーっと考えた。
一体なんだったんだろうって。圭は何が言いたかったんだろ?考えても答えは見つからなかった。
その頃は携帯の着信音がまだ三和音や四和音しかなかった頃だった。
だから音がすごくうるさく聞こえる。その日の夜中の2時過ぎに、そのうるさい音が枕の隣で鳴り響いた。2005-09-15 04:33:00 -
25:
明日美
「ハ…イ」
私が寝ぼけた声で電話に出ると受話器の向こうから聞こえてきたのは今日会ったばかりの圭の声だった。
「寝てた!?ごめん!マジでごめんね。じゃあ明日またかけるよ」2005-09-15 04:36:00 -
26:
明日美
「大丈夫!寝かけてただけだし。どーしたの?」
私は何故だか嘘をついた。思いっきり寝てたのに。圭の声を聞いて目が覚めてしまってた。
「いや…特に用はなかったんだけど何してるかなと思って。一時間くらいかけようか携帯とにらめっこだったからさ。ずっと考えてるぐらいならかけちゃおーと思って」2005-09-15 04:41:00 -
27:
明日美
「そーなんだぁ」
私は少し嬉しかった。圭は暇だったからかもしれないけど、圭の言葉にドキドキしてる自分がいた。会ったばかりなのに…。
「ねぇ、今日ね、圭くん言ってたでしょ?俺のこと知らない?って。あれって何だったの?ずっと気になってて」2005-09-15 04:45:00 -
28:
明日美
「えっ?いいよその話は。俺がカッコ悪いし」
「どーゆう意味?教えてくれなきゃ分かんないよ」
「…マジで聞くの?うーん俺さ、芸能関係の事務所に所属してるんだよね。最近テレビにも出たりしてるんだけど。これでも若い女の子には知られてるはずなんだけどさ」2005-09-15 04:50:00 -
29:
明日美
「え?そうなの?じゃあ明日美かなり失礼だよね」
「うん。でもあっちゃんは知らなかったでしょ?めちゃくちゃ普通に話してるしジュース買う時とか俺のことダルそうにしてたりさ。チョー新鮮!みたいな」
「新鮮?」2005-09-15 04:54:00 -
30:
明日美
「そう!チョー新鮮だったよ。人間って追われたら逃げたくなるけど逃げられたら追いたくなるって当たってるなぁと思った」
圭は普通に話してた。私も圭が芸能界の人って分かっても何も思わなかったし、変わることもなかった。最初のイメージが普通だったからかな?
電車で居眠りする普通の男の子。それが出会いだったから。2005-09-15 04:59:00 -
31:
名無しさん
おもしろぃネ☆彡
2005-09-15 05:01:00 -
32:
明日美
圭と知り合って一ヶ月が経った頃、ふと立ち寄った本屋さんで圭を見た。
本物の圭じゃなくて雑誌の中の圭を。
初めて見た私は違和感を感じた。圭はスマイル顔。でも作ってる顔。本当に笑ってる時はもっと顔がクシャクシャになるのに…って。2005-09-15 05:10:00 -
33:
明日美
すぐに帰るはずだったのに私は本屋に2時間近くいた。いろんな雑誌を見た。
圭は本当に芸能人だった。私がただ知らなかっただけだった。
こんなにすごいとは思ってなかった…。
圭はいつも帽子を深くかぶってる。初めて会った時もそうだった。
何故だか分かった気がした。圭は「芸能人」だから。2005-09-15 05:14:00 -
34:
明日美
私は圭が写ってる雑誌を一冊買って家に帰った。圭へのインタビュー記事がのってあった。
そして、妹がいる私は妹の部屋にそのページを開いて聞いてみた。
「ねぇ琴美ぃ。この人知ってる?」2005-09-15 05:20:00 -
35:
明日美
「知ってるよー。三嶋 圭超カッコイイよね。お姉ちゃんタイプなの?」
「あ、あぁ…まぁね。ごめんね、それだけ」
私はそれだけ聞いて琴美の部屋からすぐ出た。…琴美も知ってたんだ…。びっくりした。2005-09-15 05:24:00 -
36:
明日美
私はその時初めて圭を遠く感じた。やっぱり違う世界の人なんだって。
毎日電話で話す圭、会った時はしゃいでる圭、モノマネして笑わせてくれる三枚目キャラの圭。
でも私が知らなかった圭はカッコイイ人気者な芸能人。そう考えれば考えるほど、どんどん怖くなった。2005-09-15 05:29:00 -
38:
名無しさん
?
2005-09-15 07:45:00 -
39:
名無しさん
2005-09-15 22:23:00 -
40:
名無しさん
ぉもしろぃ?実話ですか?
2005-09-15 22:56:00 -
41:
名無しさん
?
2005-09-17 19:27:00 -
42:
名無しさん
名前なんで明日美なん? 昨日美ゎぁかんの?
今日美ゎ?なぁ?なぁ?2005-09-17 19:29:00 -
43:
名無しさん
昨日美ちゃん今読みました?かなりぉもろぃですッッ
2005-09-17 19:30:00 -
44:
明日美
こんばんわ?明日美って変なのかな?まぁ今更名前をかえるのもややこしいし、このままでいきます?
今日も頑張って更新しています?2005-09-18 00:08:00 -
45:
明日美
でも遅かった。気付かないうちにもう私の気持ちは動いてしまってた。
圭のこと…好きになりかけてる自分がいた。
住む世界も違うのに…馬鹿みたいだった。
私は雑誌の中の圭を見れなくて圭が写っているページをそっと閉じた。2005-09-18 00:18:00 -
46:
明日美
圭は「芸能人」。そう思えば思うほど圭との距離を感じた私は自分の気持ちを押し殺した。
見えない距離がとても大きくて…見えない世界がとても怖かった。
圭のこと知らないままならただテレビで見るだけの存在だったのに。何で出会ってしまったんだろう…。
何の意味ももたないのに。2005-09-18 00:32:00 -
47:
明日美
「明日美どうしたの?」
ママに聞かれてハッとした。食事中だというのに圭のことで頭がいっぱいだった私は箸を持ったままボーっとしていたのだ。
「なんでもない」2005-09-18 05:31:00 -
48:
明日美
私はそう言うと焦りながら急いで食事して自分の部屋に戻った。
ママは心配そうな顔をしてた。自分でも分からなかった。何でこんなに落ち着かないのか。何でこんなに頭の中がいっぱいなのか。2005-09-18 05:33:00 -
49:
明日美
その時いつもの三和音の着メロが鳴った。発信元は…圭だった。
「もしもし」
「もしもし?圭だけど。あっちゃん何してるの?」2005-09-18 05:36:00 -
50:
明日美
圭の声はいつもと変わらないまま。少しかすれたハスキーな声で私に話し掛けてくる。
「家でボーっとしてたよ」
「そーなんだ。じゃあさ、今から会えない?っつーかもう向かってるんだけど」2005-09-18 05:38:00 -
51:
明日美
圭はバイクでこっちに向かってきてた。何でか分からないけどドキドキした。
20分後、私達は一週間ぶりに会った。圭はいつもと変わらない。
いつもみたいに笑ってて、いつもみたいにはしゃいでて…。
なのに…私は…。2005-09-18 05:43:00 -
52:
明日美
「とりあえずさー、今日でダンスも仕上げまで終わったんだ。でも再来週は地方での仕事とかあって名古屋と大阪に行かなきゃなんなくなった。だりーよ」
「へ、へぇー。そっかぁ…大変だね」
私がそう言うと圭は私の顔をのぞきこんでジーッと見てきた。2005-09-18 05:47:00 -
53:
明日美
「…な、なに!?」
「明日美違う。変!ってゆーか絶対変!なんかあっただろ?いつもの明日美じゃないじゃん」
圭は私の目を見ながら話してくる。私は圭の目をちゃんと見れなかった。そして…そらしてしまった。2005-09-18 05:50:00 -
54:
明日美
「どうしたんだよ?マジで何かあった?言ってくんなきゃ分かんないよ。心配になるじゃん」
「何もないよ。普通」
少しの間、沈黙が続いた。きっと私のこと訳分かんないやつだってうっとーしく思ってるんだ…私は一人でずっとそんなことばかり考えてた。2005-09-18 05:56:00 -
55:
明日美
でも…ビックリした。圭は黙ったまま私をギュっと抱きしめてきた。
それから髪を撫でながら、優しく私にキスをした。初めてのキスだった。
一瞬頭が真っ白になった。圭も顔が真っ赤だった。
「な…んで?何でこんなことするの?」2005-09-18 06:01:00 -
56:
明日美
「えっ!?何が?」
「だから…何でこんなことする…の?」
「好きだからに決まってんじゃん。あっちゃん…俺、あっちゃ…明日美のこと好きだから」2005-09-18 06:03:00 -
57:
明日美
真っ白になっていた頭の中がまた真っ白になった。圭の言葉が信じられなくて…夢なんじゃないかって何度も思った。
「明日美はさ、俺のことどう思ってる?今」
言いたい気持ちはたくさんあった。気付いてしまった自分の気持ちを…ちゃんと圭に言いたかった。2005-09-18 06:09:00 -
58:
明日美
でも…スゴイ芸能人な圭を知ってしまった私は、勝手に壁を作り住む世界が違うなどと距離を感じてた。だって釣り合うはずがないのだから。
そのせいで言いたかった言葉が出てこなくなる。好きだよって、圭のこと大好きだよって言いたかった。
「分かんない」2005-09-18 06:12:00 -
59:
明日美
私が言った言葉はその一言が精一杯だった。
「な、んだよ…それ。ワケ分かんねーし。好きか嫌いかって聞いてんだよ?分かってるんだろ?」
「う…ん。好きだよ。嫌いじゃない」2005-09-18 06:15:00 -
61:
名無しさん
2005-09-18 07:38:00 -
62:
明日美
「じゃー付き合うか」
「え…?何言ってんの?ジョーダンきついし笑えないってば」
「俺かなりマジで言ってんだけど。笑うとこじゃないじゃん。だから今日来たんだし。最近もずっとそうだった。会える時は少しでも明日美に会いたいって思ってたよ」2005-09-19 08:32:00 -
63:
明日美
圭の言葉に心の中が震えた気がした。本当に本当に嬉しかった…。
「でも…圭と明日美じゃ釣り合わないよ。自信ない。明日美の知らない圭が怖いの。芸能界って遠い違う世界な気がして」
「違う世界とか関係ないじゃん。明日美の目の前にいる今の俺が俺なんだよ」2005-09-19 08:38:00 -
64:
明日美
今目の前にいる圭が?背伸びしてないそのままの圭?笑うとクシャクシャになる顔の圭?
「でも…」
「でもじゃねーよ。大丈夫だから心配すんなって。俺は本当に明日美のこと好きだから。会えない日続いたり目立ったデートとかできないかもしれないけどさ。そばでちゃんと見ててよ」2005-09-19 08:43:00 -
66:
名無しさん
age
2005-09-20 18:15:00 -
67:
明日美
「ほんとに?ほんとに明日美でいいの?」
私は驚きと嬉しさで泣いてしまってた。圭はそんな私を見てぎゅっと抱きしめてくれた。
「11月12日だっけ?今日が記念日ってことだよな?」2005-09-24 15:30:00 -
68:
明日美
私と圭は付き合うことになった。遠回りしかけた恋だったけど…やっとたどり着いた。
不安はないわけじゃない。やっぱり圭は“芸能人”だから。
でも私は芸能人の圭にひかれたんじゃない。大口あけて笑う圭や電車で居眠りするようなそんな普通の圭が好きになったんだから。2005-09-24 15:34:00 -
69:
明日美
それからは少しでも時間があれば会うことが増えた。一緒にいる時間も増えた。圭は相変わらず忙しい生活だったけど、そんな忙しさの中でも私との時間は大事にしてくれてた。
仕事で地方に行っても夜は長電話してくれるし、本当に圭は真面目で真っすぐでいてくれる。2005-09-24 15:38:00 -
70:
明日美
ただ、デートは人目の多いとこで遊んだりすることは避けてた。それは私もそのほうがいいと思ってた。
付き合ってからも圭の人気はどんどん出てきてたし。たまに映画見に行ったり繁華街に出て遊んだりもしたけど、若い女の子はすぐに気付くから。
いつのまにか後ろからおっかけてきたりされたこともあった。2005-09-24 15:44:00 -
71:
明日美
だからデートは、もっぱらお互いの実家か近くの公園やファミレスにカラオケBOX。
でも私はそれで充分だった。圭といられるだけで良かったから。でも…そんな公園やカラオケBOXも、いつからか女の子達が集まるようになり私達は行く場所もなくなっていく。
ファミレスも圭のファンが集まるようになってだめになった。2005-09-24 15:49:00 -
72:
明日美
そんなこともあったけど、私達は変わることもなく続いてた。
ママやパパや琴美にも、圭と付き合ってることを話して紹介したし圭も紹介してくれて、私達はお互いの家族公認の仲になった。
本当に幸せだった…。2005-09-24 15:54:00 -
73:
明日美
初めて迎えた一ヶ月目の記念日も、圭は仕事が終わると夜遅かったのに家に会いに来てくれた。
特に何をするわけでもなかったけどそんな普通なことが嬉しかった…。
「それまだ残ってる?」2005-09-24 16:00:00 -
74:
明日美
圭が指さしたのはテーブルの上に置いてあったインスタントカメラだった。枚数を確認したら残り一枚。
「あと一枚残ってるよ」
「じゃーあっちゃんこっち来て」2005-09-24 16:03:00 -
75:
明日美
圭はそう言うとカメラを持ち、私の顔に自分の顔をくっつけて言った。
「記念に撮ろう」と。
「一ヶ月記念だから?」2005-09-24 16:06:00 -
76:
明日美
私がそう言うと圭は軽く首を振りながら言った。
「これからもずっと一緒にいる記念。俺らは今までもこれからも絶対離れないからさ何年経っても。だから残しとくの」
それを聞いて私が笑っちゃった時、圭はまた顔をくっつけてパシャッとシャッターを押した。2005-09-24 16:12:00 -
77:
明日美
「えっ!?撮ったの?今?絶対変な顔してるよぉ」
「大丈夫だって!俺も超笑っちゃったし」
ふざけ合いながら圭と二人で笑ってた。本当に幸せだったから。こんなに幸せでいいのかってくらい。2005-09-24 16:16:00 -
78:
明日美
それが圭と初めて撮った写真だった。二人して笑ってる写真。ずっと一緒にいられると思ってた。
そしてその写真が今も私が捨てられない最後の一枚の写真。
たくさん撮った写真も全部捨てたのに…。それだけが何故か捨てられなかった。2005-09-24 16:21:00 -
79:
芹夏
続き楽しみにしてます☆
2005-09-25 01:53:00 -
80:
まぁ〜こ?
更新楽しみに待ってます?
2005-09-30 03:56:00 -
82:
名無しさん
2005-10-01 09:38:00 -
83:
まぁ〜こ?
明日美ちゃん忙しいのかなぁ〜?マイペースでいいから完結まで頑張って下さい??更新??待ってるね?
2005-10-07 03:25:00 -
84:
明日美
UPしていきますよ??
2005-10-07 04:53:00 -
85:
明日美
思い出と呼べるものは全部忘れようとした。
記憶も物も全部全部忘れようとした。でも捨てられなかったこの時の写真。
何の迷いもなく圭が好きで、先のことなんて関係なくて。ただ好きで好きで幸せを感じてた。2005-10-07 04:56:00 -
86:
明日美
圭は、付き合ってからもどんどん有名になっていってた。テレビの出演も必然的に増え、それに平行するように人気もどんどんでていった。
当然、忙しくなり会える時間も減っていく。歌って踊って…雑誌やテレビに出て。2005-10-07 05:00:00 -
87:
明日美
それでも私達は、わずかな時間を大事にして一緒にいる時はお互いの気持ちを確かめ合ってた。
圭は一生懸命でいてくれた。外見とは違って誠実な性格で、男らしい性格。
そんな圭が本当に大好きで大切だった。2005-10-07 05:03:00 -
88:
明日美
5月12日。
私達が付き合って半年目の記念日だった。圭はその日仕事がなかったから、私達は学校が終わると久しぶりにどこか遊びに行くことになった。
いつも会うのはお互いの地元や実家ばかりだったから新鮮な気がして嬉しかった。2005-10-07 05:07:00 -
89:
明日美
圭は私の家までバイクで来た。それからバイクを置いて、電車に乗るため私達は駅に向かった。
改札を通り、ホームに立つとあの日を思い出した。変な出会い方をしたあの日のことを。
あの自販機もベンチも…あれから半年かぁ…。2005-10-07 05:15:00 -
90:
明日美
「あっちゃんどしたの?考えごと?」
ぼーっとあの日を思い出してた私を圭が顔をのぞきこんできた。
「なんでもないよ☆ただこのホームって圭と初めて話した場所だったからさ。ちょっと思い出したの」2005-10-07 05:18:00 -
91:
明日美
「俺も覚えてるよー。明日美めちゃくちゃ俺のこと引いてたよねあの時。嫌そうな顔だったもん笑」
私達はお互い顔を見合わせながら笑った。半年目の記念日。そうやって普通に迎えられたことがすごく嬉しかった。
その日は池袋で遊んだ。二人ではしゃいだりして楽しかった。帰りの電車に乗るまでは…。2005-10-07 05:24:00 -
92:
明日美
遊び終わって撮りたてのプリクラを見ながら、私達は足早に駅に向かってた。帰りの電車に乗るために。
「ねぇ、あれって三嶋 圭じゃない?」
「帽子のやつ?うわっ本当だぁー絶対ホンモノだよ!すごいじゃん」2005-10-07 05:27:00 -
93:
明日美
切符を買っていると近くにいた数人の女の子達がヒソヒソと話しているのが聞こえた。
「圭、気付かれてるよ」
「うん分かってる。とりあえず早く帰ろうぜ」2005-10-07 05:29:00 -
94:
明日美
私達は急いでホームに向かったけど、女の子達もついて来た。その女の子達に気付いた周りの女の子も気付いてしまい、大変な雰囲気になっていた。
電車に乗ったのはいいものの、女の子達もついて来てしまい車内でも目立っていた。2005-10-07 05:31:00 -
95:
明日美
どうしよう…家までついて来たら…そんなことはしないか。でもファンの熱さをこの時初めて知った気がした。
バイクも私の家に止めてあったし、とりあえず二人で駅をおりた。振り返ると、私をにらみながらずっとついて来ている女の子はまだついて来ていた。2005-10-07 05:34:00 -
96:
明日美
なに?わけわかんないし…ウザイよ…。それよりも怖い感じだった。執念とゆう言葉がふさわしかった。
「とりあえず改札出たら走ってタクシー乗ろうぜ。明日美の家まで急いで帰ろ」
「そーだね。じゃあ改札出たらダッシュだよ!本当に走るからね明日美」2005-10-07 05:37:00 -
97:
?
しぉり
2005-10-07 07:18:00 -
98:
名無しさん
?100?
2005-10-07 07:22:00 -
101:
まぁ〜こ?
更新待ってます♪頑張って完結させてね!
2005-10-22 06:11:00 -
102:
名無しさん
もうかかないの?泣
2005-10-29 07:08:00 -
103:
明日美
私と圭は改札を急いでとおり抜けた。バタバタと走る私達に追い掛けてくる女の子達。
周囲もなにごとかと注目してた。それから駅を出て急いでタクシーに乗ると二人で私の家まで向かった。2005-11-21 04:02:00 -
104:
明日美
何度か後ろを確認したけどさすがにもうついて来てなかった。
よかった…ほっとした。圭も息切れしてハァハァゆってた。楽しかったデートも最後は焦ったなぁ…。
「大丈夫か?ごめんな。せっかく久しぶりに外でデートできたのに」
圭は謝ってきた。謝る必要なんてないのに。2005-11-21 04:05:00 -
105:
明日美
「ううん。楽しかったよ。圭とゆっくり遊べただけでじゅーぶん☆」
私は圭といれるだけでよかった。幸せだった。
「明日美…ごめんな本当。もっと時間あったりさ、こんなコソコソしたりしたくないんだけど…ごめん」
圭の気持ちは痛いほどよく分かった。2005-11-21 04:09:00 -
106:
明日美
私達は家に着くと私の部屋でゆっくりした。私のパパとママも圭の親も、私達の付き合いを温かい目で見てくれてた。
だからその日も私の家に夜遅くまでいられた。
「あっ圭!この前の写真できたんだよー。焼き増ししたから一枚あげる☆」2005-11-21 04:13:00 -
107:
明日美
私は前に圭と初めて撮った写真が出来上がってたからその写真を渡した。
「おっ、めちゃくちゃいいじゃん。これスケジュール帳に入れておくよ。明日美もちゃんと持ってろよ」
捨てられない一枚の写真。私の隣には彼がいた。
ずっとずっと…一緒だと思ってた。2005-11-21 04:17:00 -
108:
明日美
「今度はいつ会えるの?」「明日もまた仕事入ってるの?」「守れない約束しないでよ!」
私はいつからかこんな言葉を圭に言うようになっていた。変わっていく自分。
ワガママを言うばかりだった。だんだんみんなの圭に変わっていく。
私は寂しかった。圭を独占したくて…。2005-11-21 04:25:00 -
109:
明日美
約束をしていても仕事が長引いたりして会えなくなったり、デートなんて外でできないくらい圭の知名度は上がってしまってた。
たまの休みはうちに来て寝るばかり。それでもよかった。
圭といられるだけで嬉しくて安心できた。
私“だけ”の圭だと思えたから。2005-11-21 04:28:00 -
110:
明日美
「明日美の夢は何?」
圭に聞かれたことがある。私は夢と呼べるほどの目標なんてなかった。
なりたいもの、叶えたいこともなかった。しいてゆうならば“圭とずっと一緒にいたい”ってことぐらいで。
「なんだそれー(笑)絶対叶うじゃん。明日美と俺はずっと一緒なんだからさ。俺が一人前になったら絶対…結婚しよう」2005-11-21 04:32:00 -
111:
明日美
嬉しかった。人は馬鹿みたいだと言うかもしれない。若さゆえの一言だと。
でも私は、本当にそうなると思ってた。そうなればいい、そうなるように頑張っていこうって。
あの時圭も同じ気持ちだったよね…?2005-11-21 04:35:00 -
112:
明日美
11月12日。
私達が付き合って一年目の記念日だった。私達は17歳。お互いそんなに長く付き合った経験がなくて、二人して喜んだ。これからも一緒にいようねって。
指輪は目立つし撮影ではずしたりしてなくすとダメだからってことで一年記念にはペアのネックレスを買った。2005-11-21 04:39:00 -
113:
明日美
私達はプレート型のネックレスを買った。
二つを合わせると文字になる。イタリア語で永遠の愛とゆう意味の文字だった。それから文字入れをしているお店に行って裏にはお互いのイニシャル、A&Kを刻んだ。
二人で付け合いっこした。少し照れくさかった。2005-11-21 04:44:00 -
114:
明日美
圭はよく笑う。つまらない話で自分に突っ込んだり、何気ないものをネタにしたりして。
私はそんな圭の話や笑顔が好きだった。
本当に…大好きだった。学校が終わればテレビの収録や雑誌の撮影。インタビューやダンスや歌の稽古。学校を休んで仕事に行っていたこともあった。2005-11-21 04:49:00 -
115:
明日美
圭の毎日はとにかく忙しい。それでも仕事の合間や学校の休憩時間に電話をくれる。
私と圭はそんな少しの連絡や話す時間を大切にしていた。
私からは連絡しなかった。仕事で出ないって分かってるから。いつからか私の手帳にも圭のスケジュールが書かれてた。
圭が分かりやすいように書いてくれるようになってたから。2005-11-21 04:52:00 -
116:
明日美
あ…今はこの仕事だ、とかもうすぐ仕事終わるかな?とか私の毎日はいつもそんな感じで始まり、そんな感じで終わっていく。
付き合って一年半がたち、私達の付き合いは長くなっていく。だけどそれとは逆に二人の時間はどんどんなくなっていった。2005-11-21 04:56:00 -
117:
明日美
今思えばよくもまぁ五年ももったなぁと逆に私は自分が不思議になる。
あんなに寂しい思いをしながら、よく続いたなって。何が私をあんなに頑張らせたのか。
圭への気持ちだけだった。私は圭の彼女なんだって、そう自分で何度も言い聞かせた。自信をもたなければダメになりそうだったから。2005-11-21 04:59:00 -
119:
明日美
そして私達は18歳になり、私は自分の進路を決める時期になった。
結局、私は都内の某大学へ進学することになったけど、圭は芸能活動に専念するため、大学へは行かないとゆうことになった。
考えてみれば、圭の夢は何だったんだろう…有名になること?歌を歌うこと?2005-11-21 05:05:00 -
120:
明日美
二年目記念の11月12日。圭とは仕事で会えなかった。
圭は18歳になっていたから、夜も働けるようになったからだった。それまでは遅くても夜の8時か9時までには仕事が終わってたのに。
ツマラナイ二年目。この時の私は、圭のことが好きすぎて少しおかしくなっていた。2005-11-21 05:09:00 -
121:
明日美
芸能界なんてやめちゃえばいいのに…芸能人じゃなかったら普通にデートしたりできるのに!って。
圭が芸能人でいることに不満を感じてた。仕事に専念すると言って進学をしなかったことにも不満があったりして。2005-11-21 05:11:00 -
122:
明日美
圭も圭で毎日が忙しかった。私達はすれ違う日々。
今までずっと圭に合わせていた私だったけど会いたい時に会えない圭に、少し嫌気がさしていた。
「明日オフになったからあけとけよ」
突然電話をしてきて予定を押し付けてくる。今まではそれでも会えるのが嬉しくて喜んでた。でも…2005-11-21 05:23:00 -
123:
明日美
「あすだって暇じゃないんだから!都合よく使わないでよ!」
こんな言葉を圭に言ってた。言いたくなかったよそんなこと。でも気付いてほしかった。私は圭にとって大切なのかどうか確かめたかった。2005-11-21 05:25:00 -
124:
明日美
「なんだよそれ。仕方ないじゃんか。俺は仕事で時間ないんだから。それでも明日美と会える時間は作ってるだろ?明日美は俺の仕事理解できないわけ?」
返ってきた言葉はそうだった。結局いつも仕事仕事って…。
仕事だったら何なわけ?2005-11-21 05:28:00 -
125:
明日美
「とにかく明日は無理だから。大学の飲み会があるの。約束してるから」
私は初めて圭からの誘いを断った。考えれば付き合ってから二年半もずっと圭に合わせてきてた。
約束しても破られたり、たくさんの我慢もした。少しくらい意地悪してもいいやって、そう思ってた。2005-11-21 05:35:00 -
126:
明日美
「飲み会って…男も来んじゃねーのかよ。明日美お前何考えてるわけ?」
「何も考えてないよ。でも明日美の生活は圭で回ってるわけじゃないから。圭だって約束破ったりしてきたじゃん。とにかく明日は無理だから」
プーップーッ
私は一方的に電話を切った。2005-11-21 05:39:00 -
127:
明日美
次の日…
私は気分も乗らないままベットに寝転んでた。あーあっ、飲み会行かなきゃなんないし面倒だなぁ…。
私は初めから乗り気ではなかった。言ってみれば圭へのささやかな反抗みたいなもんだったから。2005-11-21 05:41:00 -
128:
明日美
結局夕方5時、私は用意をして家を出た。
昨日電話を切ってから圭からの連絡はなかった。
飲み会場所に行くと、知らない先輩達もたくさんいて人見知りの激しい私にとっては苦手な感じだった。
「俺、明日美ちゃんのとーなりっ♪」2005-11-21 05:45:00 -
129:
明日美
勢いよく私の隣に座ってきた人、二つ年上の斉藤春樹。野球の新庄に似てるチャラチャラした感じの人だった。
私はこの手のタイプが1番苦手で1番嫌い。私は露骨に顔に出ていたせいで斉藤さんは笑いだした。
「そんな顔すんなよー。何もしないからさ。俺悪いやつじゃないし」2005-11-21 05:50:00 -
130:
明日美
斉藤さんは思っていたよりも普通だった。私はいつのまにか警戒心もなくなっていたくらい。
そんなこんなで飲み会も終盤になり、私は二次会に参加することもなく帰るために友達に言って先にお店を出た。
帰ろう…なんか疲れたし。そう思って歩いてると突然誰かに手をつかまれた。2005-11-21 05:53:00 -
131:
明日美
「ちょっ…やめ…」
そう言いながら振り返るとそこにはあの斉藤さんがピースして立っていた。
「あの…何ですか?私もう帰るんですけど」
「明日美ちゃん忘れものしてたからさ」
えっ?私なんか忘れてたかな?でもカバンの中を見ても忘れていたようなものは何もなかった。2005-11-21 05:57:00 -
132:
明日美
「携帯貸して」
「はっ?」
「いーから貸して」
私は斉藤さんに言われるままに携帯を手渡した。♪♪♪♪斉藤さんの携帯が鳴った。
「はい、これでオッケー。番号ゲット!また電話するね、バイキュー」2005-11-21 06:01:00 -
133:
明日美
斉藤さんはそう言うとまたお店に戻っていった。
私は…ゲッ番号…って今さら気付いたりして。まぁ電話出なかったらいっか…。そう思いながら駅に向かい家に帰った。
初めての飲み会は特に楽しくもなく、私にとっては疲れただけだった。2005-11-21 06:03:00 -
134:
明日美
「ただいまー」
私は家に着いてびっくりした。靴…靴があった。圭の靴が。
もしかして…そう思ってリビングに入ると、ママ達が圭の映ったビデオを見ていた。
「あ、おかえり。圭くん来てるよ。眠いって言ってたから明日美の部屋で寝てるけど」2005-11-21 06:06:00 -
136:
明日美
「えっ?」
私は自分の部屋に入った。部屋は暗くてスースーと寝息だけが聞こえてた。
電気をつけると圭が…寝てた。寝顔だけはいつもと変わらない。でも、圭…なんで私いないのに家になんて遊びに来てるの?
圭の手を見てまた驚かされた。私のネックレスが握られてたから。2005-11-21 06:10:00 -
137:
明日美
私は今日、飲み会に行く前に初めて圭とのペアネックレスを外してた。
それも自分へのささやかな反抗だった。なのに…圭?これを見た時、どう思ったの?どんな気持ちで握られてたの?
圭の首元にはいつもと変わらずネックレスがついてある。2005-11-21 06:13:00 -
138:
明日美
私は圭の手からそっとネックレスを取った。
そして圭のいつものスケジュール帳が私のテーブルの上に置いてあった。私は久しぶりに圭のスケジュール帳を開いた。
開いてすぐにあったのは…あの写真。私はそれを見た時、何故かわからないけど泣いてしまってた。2005-11-21 06:18:00 -
139:
明日美
この写真…ずっと持っててくれたんだ…。少し角のかけてしまった写真を見て、私は涙が止まらなくなった。
たくさんある写真や最近の写真もあるはずなのに。どうしてこの写真なんだろうって。
あの頃の私達はただ素直にお互いが好きだったんだよね。いつから私はこんなに歪んだ気持ちになっちゃったんだろう。2005-11-21 06:22:00 -
140:
明日美
スケジュール帳を開いていくと、私と会った日は赤いペンで丸をつけてくれていた。記念日や私の誕生日にはヘタクソなハートマークを書いてたり。
圭…私は大切にされてたんだよね…。私は自分勝手になっていたのは自分だったのかもしれないと思った。2005-11-21 06:25:00 -
141:
明日美
好きになると周りが見えなくて必死で。自分が愛されてるかどうかだけが気になったりしてた。
愛されることばかりを望んで愛すことを…忘れてた。本当に馬鹿だった。
圭は少しの時間でも会いにきてくれてたのに。大切にされてたじゃん私…。2005-11-21 06:27:00 -
143:
アキ ◆ObanGQEW7M
ぉも∪ろぃッッ(つ∀`)応援∪てマス☆
2005-11-21 06:30:00 -
144:
明日美
私はネックレスを付けた。永遠の愛があるなら、それはきっと私達にあるはずだから。
私は寝ている圭を見てた。あの頃からは見た目は少し変わってしまったけど、気持ちは何も変わってないよね?そう思った時、圭の目が開いた。2005-11-21 06:30:00 -
145:
明日美
「あっちゃんいつ帰ってきてたの?ごめんね…勝手に来たりして…。今日一日中会いたかったけどさ、飲み会行くなって言えなくて…。だから帰って来るの待たせてもらったんだ」
圭…
「ごめんね。飲み会なんて楽しくなかった。圭…明日美ね、もうワガママ言わないから。仕事も応援するし会えなくても我慢する。だから…嫌いにならないで」2005-11-21 06:34:00 -
146:
明日美
「おいおい(笑)嫌いになんてなるわけないだろ?俺は明日美のこと好きだから。俺のほうが嫌われたかと思ったよ」
圭はそう言って私の首元についていたネックレスを指さして笑った。2005-11-21 06:37:00 -
147:
明日美
「あのな、俺はこれからも忙しい日が続いたり時間が作れなかったりするかもしれない。記念日に会えなかったり誕生日も仕事かもしれない。でも俺らにとって大事なのはそんなものよりも二人でいれることだと思わない?何気ないこんな日も大切な一日で大切な記念日なんじゃないかな」
2005-11-21 06:40:00 -
148:
明日美
私はこの言葉を忘れることができない。何気ない普通の日も大切な一日だって言葉が。
圭が芸能人だとゆうことを1番気にしていたのは私だったのかもしれない。圭は圭なのに。
今そばにいる圭が、本物の圭なんだ。私が好きな圭は芸能人の圭じゃない、本当の素のままの圭なんだから。2005-11-21 06:43:00 -
149:
名無しさん
2005-11-21 06:44:00 -
151:
明日美
それからの私達は少し変わった。お互いの気持ちがちゃんと分かるようになったからだと思う。
三年目も何気なく過ぎていった。私達は週に一度くらいしか会えなかったりもしたけど、何故か前よりも好きになったような気がしたし、好きでいてくれてるように感じてた。2005-11-21 06:48:00 -
152:
明日美
圭が二十歳の誕生日を迎える三日前に、私達は久しぶりにデートをした。
誕生日は圭は夜までドラマの収録があったから。その時圭は付き合ってから初めて帽子を被ってこなかった。
私は圭が家に迎えに来た時、帽子を忘れてしまったのかと思ってびっくりした。2005-11-21 06:52:00 -
153:
明日美
「帽子忘れたの?なにか取ってくるね」
私がそう車の窓越しに圭に言うと、圭はいらない、大丈夫だと私に言った。
「もうね、面倒くせーと思ってさ。明日美といる時まで事務所とかそんなこと考えてる自分が嫌になったんだ。だからもういーの」2005-11-21 06:56:00 -
154:
明日美
私は嬉しかった。本当にその言葉だけで…幸せだった。
「だめだよーなにか取ってくるから待ってて」
私は家に戻ってキャップ帽を持つと車に乗り込んで圭にかぶせた。
「いいって本当に」
「だめだってば!大騒ぎになっちゃうでしょー」2005-11-21 07:09:00 -
155:
明日美
圭は私にとって大切な存在だから。
もしも事務所や世間にばれてしまったら…そう思うだけで怖い。会えなくなるのが怖い。だから帽子被ってくれてる方がいいのだ。
圭がばれてもいいと思ってくれただけでじゅーぶんだった。2005-11-21 07:11:00 -
156:
明日美
その日、私達はドライブをした後、圭が予約しておいてくれたレストランに行った。
こ洒落たお店で少し大人な気分になった。
「俺さぁ、一人暮らししようかと思ってるんだよね。そしたらさ、明日美も俺のこと部屋で待てるじゃん。一緒にいる時間も増えると思うんだけど」2005-11-21 07:17:00 -
157:
明日美
反対する理由なんてなかった。むしろ嬉しかった。
「だね☆楽しみかも」
私達はニコニコしながら話してた。
「あっれー?明日美ちゃん?何してんの彼氏とデート中?」
少し離れたテーブルから聞こえてきたのは、大学の先輩、斉藤さんの声だった。2005-11-21 07:20:00 -
158:
明日美
うわっ…よりによってこんな時に。
「あれ?彼氏?三嶋圭に似てね?マジ似てるよな」
「本物じゃねーの?」
斉藤さん達の席からはそんな声が飛び交う。
「誰?知り合い?」2005-11-21 07:27:00 -
159:
明日美
圭は困った顔で私にそう聞いてきた。
「同じ大学の四回生。ごめんね空気読めない人みたいで」
そう言うと圭はニコッと笑ってうんうんと頷いてくれた。斉藤さんはお酒が入っていたせいか最後は近くまで寄って来てまじまじと圭の顔を見てきたりした。2005-11-21 07:29:00 -
160:
明日美
「うそ!?本物じゃん」
斉藤さんはびっくりしていた。圭も圭で否定せずにペコっとおじぎした。
「すいません食事中に…明日美ちゃんもごめんね」
斉藤さんはそう言うとすぐにテーブルに戻っていった。2005-11-21 07:32:00 -
161:
明日美
それからも圭は嫌な顔もせずに終始ニコニコして一人暮らし計画の話をしていた。
食事が終わるとその日は、私は学校の用意をしに圭と家に帰り久しぶりに圭の家に行ってお泊りした。
次の日圭は昼前から仕事だったから、私は圭を起こさないように起きて、学校に行くためそっと出て行った。2005-11-21 07:38:00 -
162:
明日美
大学に行くと何故かいつもと違う様子に気付いた。なんか私見られてない?
視線を感じる。えっ?何?そう思っていた時、友達の千春とめぐみが駆け寄ってきた。
「ねぇ明日美、三嶋圭と一緒にいたって本当!?」
突然の話に私はびっくりしてしまった。どうして…2005-11-21 07:41:00 -
163:
明日美
あいつだ…斉藤のヤロー…私は冷静に言った。
「なにそれ?何かの間違いじゃないの?」
「そ、そーだよね」
その場はなんとか逃れた。でも噂は大学内で大きくなっていたのか私は一躍有名になってしまったのだ。
三嶋圭と一緒にいた女、三嶋と付き合ってるやつ、あの子が?なんてことになっていたらしい。2005-11-21 07:44:00 -
170:
名無しさん
かいてください???
2005-12-02 18:14:00 -
171:
????????????
????????????????????????????????????
2005-12-02 21:08:00 -
172:
名無しさん
頑張ってね?ぅちも一年前に芸能人の人と付き合ってたことぁったからなんか明日美ちゃんの気持ちが解る?
2005-12-03 16:35:00 -
173:
名無しさん
誰と付き合ってたの?
2005-12-03 20:07:00 -
174:
名無しさん
???
2005-12-05 01:06:00 -
176:
名無しさん
完結してやぁ????????????
2005-12-05 18:50:00 -
177:
名無しさん
頑張ってください?
2005-12-08 18:28:00 -
178:
名無しさん
楽しみにしてるから頑張って??
2005-12-09 07:57:00