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一枚の写真

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  • 1:

    明日美

    捨てられない写真ありますか?ずっと忘れられない人はいませんか?
    自分が壊れてだめになりそうなくらい人を好きになったこと…ありますか?
    涙が出なくなったくらい泣いたことありますか?

    私は一枚の写真を見るたびにあの頃を思い出します。

    2005-09-15 02:47:00
  • 149:

    名無しさん

     

    2005-11-21 06:44:00
  • 150:

    名無しさん

    2005-11-21 06:44:00
  • 151:

    明日美

    それからの私達は少し変わった。お互いの気持ちがちゃんと分かるようになったからだと思う。
    三年目も何気なく過ぎていった。私達は週に一度くらいしか会えなかったりもしたけど、何故か前よりも好きになったような気がしたし、好きでいてくれてるように感じてた。

    2005-11-21 06:48:00
  • 152:

    明日美

    圭が二十歳の誕生日を迎える三日前に、私達は久しぶりにデートをした。
    誕生日は圭は夜までドラマの収録があったから。その時圭は付き合ってから初めて帽子を被ってこなかった。
    私は圭が家に迎えに来た時、帽子を忘れてしまったのかと思ってびっくりした。

    2005-11-21 06:52:00
  • 153:

    明日美

    「帽子忘れたの?なにか取ってくるね」
    私がそう車の窓越しに圭に言うと、圭はいらない、大丈夫だと私に言った。
    「もうね、面倒くせーと思ってさ。明日美といる時まで事務所とかそんなこと考えてる自分が嫌になったんだ。だからもういーの」

    2005-11-21 06:56:00
  • 154:

    明日美

    私は嬉しかった。本当にその言葉だけで…幸せだった。
    「だめだよーなにか取ってくるから待ってて」
    私は家に戻ってキャップ帽を持つと車に乗り込んで圭にかぶせた。
    「いいって本当に」
    「だめだってば!大騒ぎになっちゃうでしょー」

    2005-11-21 07:09:00
  • 155:

    明日美

    圭は私にとって大切な存在だから。
    もしも事務所や世間にばれてしまったら…そう思うだけで怖い。会えなくなるのが怖い。だから帽子被ってくれてる方がいいのだ。
    圭がばれてもいいと思ってくれただけでじゅーぶんだった。

    2005-11-21 07:11:00
  • 156:

    明日美

    その日、私達はドライブをした後、圭が予約しておいてくれたレストランに行った。
    こ洒落たお店で少し大人な気分になった。
    「俺さぁ、一人暮らししようかと思ってるんだよね。そしたらさ、明日美も俺のこと部屋で待てるじゃん。一緒にいる時間も増えると思うんだけど」

    2005-11-21 07:17:00
  • 157:

    明日美

    反対する理由なんてなかった。むしろ嬉しかった。
    「だね☆楽しみかも」
    私達はニコニコしながら話してた。
    「あっれー?明日美ちゃん?何してんの彼氏とデート中?」
    少し離れたテーブルから聞こえてきたのは、大学の先輩、斉藤さんの声だった。

    2005-11-21 07:20:00
  • 158:

    明日美

    うわっ…よりによってこんな時に。
    「あれ?彼氏?三嶋圭に似てね?マジ似てるよな」
    「本物じゃねーの?」
    斉藤さん達の席からはそんな声が飛び交う。
    「誰?知り合い?」

    2005-11-21 07:27:00
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