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‐16歳のREAL‐
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1:
麗
『お母さん私を許してね』『お母さんごめんね…』
―此処は札幌ススキノ―
歌舞伎町や中洲、そして大阪ミナミに続く歓楽街の一つである。
彼女の名前は『澪』‐レイ‐まだ弱冠16歳の少女の物語は此処から始まる…。2005-11-30 03:23:00 -
14:
麗
その後、パニックになった母親がアキラの父親の店や家に押しかけて行ったのは言うまでもない。
どうなったのかは知らない。
知りたくもなかった。
どうせお母さんの事だから『金』で解決したのだろう。
お母さんの怒りはお金で解決出来たのかもしれないがレイの想いは計り知れない。計り知れない深く傷付けられたレイの心は誰にも癒される事はなかった。
そうだね。
その頃からアタシは嘘で自分を偽り、創り、家族に接する様になっていったんだ。2005-11-30 05:06:00 -
15:
麗
レイは小学校の時に二回転校を経験している。
全て母親のワガママでだった。大家さんとの喧嘩。男とのトラブル。その度にとばっちりを受けたのはレイとお兄ちゃん。でもレイは外では活発でとても明るく人見知りなど全くしない女の子だった為転校はそれほど苦にはならなかった。
小さな町を逃げる様にして転々と暮らすレイとお母さんとお兄ちゃん。
お母さんの病気は時が経つ度に酷くなっていった。
毎日家に閉じこもり同性の友達も居なく今や男の影も一切無くなり女としての魅力も消え失せた様に見えてた。2005-11-30 05:14:00 -
16:
麗
思い通りに行かないと発狂しながらレイに当たる様になったのだ。
家の家事を大まかレイがするようになったのも10歳になったのを境にだ。
昔は…学校から帰ってきたら美味しいご飯にお日様に当てられたいい香りの暖かい布団。
暖かい家庭………
そこにはその影すら微塵も残ってない。
―家庭内暴力―
レイは日時茶飯事の如く母親からのストレスのはけ口になった。
そうだ…お婆ちゃんの話をしてなかったね。
レイのお婆ちゃんはレイのお母さんのお母さん。
お父さん方のお婆ちゃんも居るけど二回しか面識は無い。2005-11-30 05:22:00 -
17:
削除削除されますた
あぼ~ん -
18:
麗
お婆ちゃんが一度だけレイに投げ掛けた言葉を今でも覚えてる。
愛情…。
解ってるよお婆ちゃん。
お母さんは寂しいんだよね。
大好きだったお父さんに離婚されて始めは頑張って良い『母親』を努めてたけどやっぱり『女』だもんね。
心のどこかでそう思いたかったがレイには理解出来なかった。でも大好きなお婆ちゃんを苦しめない為に思ってもない言葉を吐いたのだ。
そう。
レイが綺麗な『嘘』をつけば皆丸く収まるね…
『お母さん…大嫌いだよ』もう家に帰りたくない。
それがレイの本心だった。2005-11-30 05:35:00 -
19:
麗
そしてもうひとつの問題はお兄ちゃんだった。
中学に上がる頃のお兄ちゃんに昔の面影は全く無かった。
俗に言う「いじめられっコ」になっていたのだ。
レイとは正反対の性格のお兄ちゃん。昔は明るかったのに今は人の顔色を常に伺う人間不信な性格…
レイはそんなお兄ちゃんが可哀相で仕方なかった。
名字は一緒なのにお兄ちゃんなのって言っても誰も信じてくれなかった。
ある日、不良グループにボコボコにされて顔がパンパンになって帰宅したことが一度だけあった。
そこでもまた案の定お母さんは『金』で解決したのだ。
…また?2005-11-30 05:43:00 -
20:
麗
ナゼチャントオニイチャンノハナシヲキイテアゲナイノ??
お金でお母さんは満たされるかもしれないけど1番大切なモノを思い出してよ…
確かに家はお金で苦労した覚えは無かった。
母子家庭だけど貧乏な思いはしたことはなかった。
だけどお母さん…
レイもお兄ちゃんも心が1番なによりも貧しい想いしてる事に早く気付いて欲しい。
お兄ちゃんはその後その時の後遺症により脳に障害が出た。
と言っても軽度の為普通に話したり歩いたり、生活の支障になる事はない。
普通の人よりも発想が薄いのだ。2005-11-30 05:54:00 -
21:
麗
彼氏…?
うん…。中学生の付き合うなんか良く解んないけどとりあえず彼氏みたいな感じの男は居た。
当時学校のアイドルだったな。サッカー部のキャプテンだった。向こうから告白されてレイは何とも思ってなかったけど何となく付き合ったのだ。
レイは七歳のあの日のあの事件を境に異性に対してあまり感情を抱かなくなってた。
見なくていい…まだ見なくていい世界。
まだ幼かったレイに見せてはいけない場面を繰り返し母親がレイに見せたせいももちろん大きい。2005-11-30 06:10:00 -
22:
麗
でも何故かレイはトラウマになどなっていなかった。
きっと思ってるよりも強かったんだろうか…?
私にも分からない。
ただ人一倍、感受性は強いのは確かだった。
身体は帰る場所はあっても心の帰る場所がない。
そんな想いとは裏腹にまだ15歳のレイには何かが出来る訳でもなく。とにかく早く大人になる事だけを強く願った―。
レイの夢―。
テレビっコだったレイは良くテレビで関西の番組を見ていた。
「なんでやねん〜!」
「ほんまかいな〜!?」
等と言った関西弁が大好きだったレイは将来関西に住もうと心に決めていた。2005-11-30 06:21:00