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‐16歳のREAL‐

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  • 1:

    『お母さん私を許してね』『お母さんごめんね…』



    ―此処は札幌ススキノ―
    歌舞伎町や中洲、そして大阪ミナミに続く歓楽街の一つである。


    彼女の名前は『澪』‐レイ‐まだ弱冠16歳の少女の物語は此処から始まる…。

    2005-11-30 03:23:00
  • 4:

    いつからだろう。
    アタシが嘘を良くつくようになったのは。


    だって…『嘘』で身を纏えば…自分を『嘘』で飾れば皆が幸せになれるんだもん。

    ううん違うの。
    本当は自分を偽る事で心を保ってたんだ。
    誰も気付いてくれないから。

    2005-11-30 03:48:00
  • 5:

    きっかけは―レイ7歳―
    その日はお兄ちゃんとお兄ちゃんの友達とその妹と四人で良く行く公園で遊んでた。


    お兄ちゃんの友達の妹の一個上のユウちゃんとは学校でも仲良しで良く一緒に居た。
    でもユウちゃんとの関係もお兄ちゃんとの距離も…家族との距離もこの日を境に壊れたんだ。

    2005-11-30 04:00:00
  • 6:

    八月の暑い夏の日。


    ちょうど盆踊りの季節だった。レイは近所でも有名な可愛い娘ちゃんで、会う人皆が皆「お人形さんみたいだね〜!」
    と口を揃えて言う程の顔立ちだった。
    何を隠そう。そう。レイの母親はかなりのベッピンなのだ。そんな母親そっくりのレイ…。

    胸の下まである真っ直ぐ伸びた良く手入れされた綺麗な黒い髪の毛。
    いつもフリフリのピンクを基調とした可愛いワンピース。
    全て母親の趣味だった。
    レイもそんな女の子らしい格好が大好きだった。


    北海道の小さな田舎で育ったレイは近所を歩く度に住民の注目の的だった。

    2005-11-30 04:11:00
  • 7:

    ぁ??

    今読んだョゥ???読んでたら何か吸い込まれていきそぉな気分ゃョ??
    ずっと読んでくし?完結?まで頑張ってネン??

    2005-11-30 04:15:00
  • 8:

    いつも出前をとる馴染みのラ―メン屋があった。

    そこの大将と母親が仲が良くてある意味、家族ぐるみの付き合いをしてた。


    そこの家にはレイより七つ上の長男が一人だけ居た。
    その頃中学二年だ。


    たまに遊んで貰った記憶がある。
    でも…定かじゃない。
    必要の無い記憶は自動的にレイの頭からレイが消してしまったのかもしれない。

    2005-11-30 04:17:00
  • 9:

    ちょうど四人で公園で遊んでた時だった。
    もうそろそろ帰ろうとした時だった。


    ―事件は起こった―


    ラーメン屋の長男…名前は…もう覚えてない。
    アキラにしておこう。そんな名前だった気がする。「アキラ」がレイ達に近付いて来た。


    その日のアキラは特別異様な雰囲気を漂わせていた。
    レイは嫌な予感がしていた。

    するとおもむろにレイの手首を掴み盆踊りの遊戯場の2階へと強引に連れて行ったのだ。2階は幕が張られ外部からは見えない様になっている。
    だが…網状になっている床下からはこちら側が観察出来る状態だった。

    2005-11-30 04:25:00
  • 10:

    強引に盆踊り会場に連れて行かれたレイをよそにレイのお兄ちゃんやその友達もユウちゃんも呆然とするしかなかった。


    だって…そりゃそうだよね??
    見た目も怖くて身体も人一倍大きなアキラに何か言える訳ない。
    でも三人はもちろん心配になり盆踊り会場の下にレイとアキラを追い掛けてやってきた。


    その頃レイは……。


    コノオトコニナニヲサレルカワカッテタ。
    小さい頃から大人の世界…SEXや色恋を嫌と言う程母親のを見て来た為何となく理解していたのだ。


    『服脱がせていい?』
    『お前本当可愛いよな』
    『気持ち良くさせてあげるからな』

    2005-11-30 04:34:00
  • 11:

    次々にレイにアキラが浴びせて来る言葉…。


    レイは冷静だった。
    嫌がる事もしなかった。


    ナゼ…?

    いや…それは未だに分からない。

    アキラに犯されるレイをお兄ちゃん達は黙って下から見ていたの。


    レイはひそかに想っていた。【オニイチャン…ナンデタスケテクレナイノ…?】

    【ドウシテダマッテミスゴスノ?】
    【ドウシテオトナノヒトタチヨンデキテクレナイノ?】


    どれくらいの時が経っただろう。
    事が終えた時レイは既に家に居た。
    気付けば母親が電話で誰かに発狂していた。
    お兄ちゃんがお母さんに話したのだ。

    2005-11-30 04:42:00
  • 12:

    レイはそれを呆然と見ていた。
    それと同時に色んな想いがじわじわと込み上げて来たのだ。


    何でお母さんに話すの?


    レイの母親はもうその頃身体を壊し仕事もしておらず市から援助を請ける生活保護で暮らしていた。
    レイの大好きだった昔のお母さんは芯が強く、人一倍負けず嫌いな性格だった。だけど過労で身体を壊してずっと家に居なければならない自分にお母さんはもどかしさを感じ、次々に男を取っ替え引っ替え、毎日お酒に頼る日々…そしてそんな自分自身に負けて自律神経失調症、躁鬱病になっていたのをレイは知っていた。

    2005-11-30 04:53:00
  • 13:

    そんな母親をレイは知っていたからこそ…
    お兄ちゃんを心の中で責めた。

    【大嫌い…。】

    でも実際はそんなの建前だったのかもしれない。きっとレイは…ただ純粋に
    『恥ずかしかった。』
    のだ…。
    家族に知られてしまった。自分がお兄ちゃん達やユウちゃんの見てる目の前で…
    アキラに犯された事を。


    恥ずかしい。
    恥ずかしいよ…。


    家族の誰とも顔も遭わせたくなかった。

    2005-11-30 05:00:00
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