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私の宝物-父と母-

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  • 1:

    りま ◆cHUyfwfmoM

    いまだに現実と向き合えない。なのに、なぜだろう…思い出すと寂しくて。
    涙が出る。

    2005-10-08 06:50:00
  • 2:

    りま ◆cHUyfwfmoM

    「りまちゃん、保育園行かないと。先生待ってるよ?」 『いやっ!お兄ちゃん達と遊ぶ!』

    ミーン、ミーン、ミーン…

    暑い8月のこと。

    「だからりまの前で夏休みの話したらあかんって言ったのに!あんたらは…」母が兄たちに言う。
    『いーやーやー!保育園行かへん!』あたしは泣き叫ぶ。

    2005-10-08 06:55:00
  • 3:

    りま ◆cHUyfwfmoM

    あたしには、父と母、3人の兄がいる。
    兄たちは学校の夏休み中。だが、父が会社をしていて母も事務で手伝っているため、あたしは保育園に。
    兄たちが夏休みでも、あたしは保育園へ行かなくてはならなかった。
    自分だけ休みじゃなく、兄たちと遊べないのが嫌で保育園へ行きたくなかった。

    2005-10-08 07:00:00
  • 4:

    りま ◆cHUyfwfmoM

    「もぉ…りまは…今日だけやで?おいで」母が手を差し延べてきた。

    まだ小さなあたしは母の少し疲れている手をしっかり握りしめ、母と一緒に父の会社へ行った。

    2005-10-08 07:02:00
  • 5:

    りま ◆cHUyfwfmoM

    「りまぁ?明日は保育園行かなあかんのやで?」母が言う。
    『お兄ちゃん達と一緒に休む!』あたしが答える。
    「でも保育園行かなかったら好きな山本先生にも会えないよ?みぃちゃんとも遊べないよ?」
    『…』 「じゃぁ明日は行こうね?」 『うん』

    2005-10-08 07:05:00
  • 6:

    りま ◆cHUyfwfmoM

    その夜。

    「りま〜!遊び行くぞぉ!おいで〜!」父が玄関で叫ぶ。 『行くぅ!!』
    父のもとへ駆け寄り、父と家を出た。

    着いた先は、近所のいつものスナック。

    「いらっしゃ〜ぃ…!?りまちゃ〜ん☆来たの〜!」少し太ったママさんが笑顔で手を振っている。
    『こんばんわ!』

    「りまっ、歌うか?」
    『一円玉の旅がらす歌うっ!』

    ♪♪♪♪♪♪

    物心つく前から週2、3回父にスナックに連れてこられカラオケをして、他の客を喜ばせていた。
    それは小学校へあがっても続いた。

    2005-10-08 07:13:00
  • 7:

    りま ◆cHUyfwfmoM

    あたしの父は金儲けはうまかった。少し強引で亭主関白ってゆうの?
    なんたってとてつもなく怖い男。父の周りの人たちもドコのマフィアだ…って思わせるくらい怖い人が多かった。でも金遣いの荒い男。

    母は女らしく、優しくて、温かくて、みんなに好かれるいい女。
    文句ひとつ言わず、兄たちやあたしの世話をしながら働いていた。

    それが、こんなに寂しくなってしまう原因だとは誰も分かっていなかった。

    2005-10-08 07:20:00
  • 8:

    りま ◆cHUyfwfmoM

    あたしが小学校へあがった頃から母は「胃が痛い」とよく言うようになった。

    「りま、バレエの時間ゃから行くよ!」
    3歳からクラシックバレエを習っていたあたしは毎週水曜のレッスンが楽しみだった。そしてなにより母が大好きなバレエだったからホメられたくて、一生懸命練習して、常に1番前の1番真ん中で踊るくらい上手くなっていた。母もそれを見てすごく喜んでいた。

    2005-10-08 07:27:00
  • 9:

    りま ◆cHUyfwfmoM

    あたしは母が大好きだった。あたしのお母さん。
    世界で1番優しいお母さん。ずっとりまのそばにいるよね?


    ずっといるよね?

    2005-10-08 07:30:00
  • 10:

    りま ◆cHUyfwfmoM

    小3の11月。
    兄たちとあたしは父に呼ばれた。

    「来月はじめにお母さん入院するから。ずっと胃痛いゆってたやろ?だから検査するために入院するんや。だからお家の事、みんなでやるんやで?」


    あまりに突然。


    9歳のあたしにはまだ事の重大さがよく分かっていなかった。

    でもひとつだけ分かっていたこと。

    しばらく家にお母さんがいない。

    2005-10-08 07:34:00
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