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東京、曇のち雨、晴れ

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  • 1:

    ■「ねぇ、リョウはさぁなんでホストになろうと思ったの?」「全部捨ててこの街にかけたんだ俺は。」あの頃 愛がほしかったんじゃなかった 地元で失ったもの全部取り返そうとして この街に身を捨てた。歌舞伎町には俺が欲しかったもの全部あるんだと思った。 だけどどうしてだろう。また、どんどん全てが消えていっている気がする。あの頃の友情も、思い出も、なにもかもが酒と金、嘘に色を染めていく。見えない明日なら、ないものと同じ。だけど、戻れない過去にすがり続けるなら、見えない明日を信じて、生きていくしかない。

    2006-03-26 22:22:00
  • 47:

    「でも、俺とお前は違う人間だし、どう願ったってどう意識したって俺はお前にはなれないし。聞いたんだろ?誰かに。藤堂にフラれたこと。めんどくさがりのお前がこーして何も考えずに息切らして俺んちまで来たってことはさ」さすがワタルだ。全部隠しても全部お見通し。こいつに嘘はつけない。

    2006-03-28 23:29:00
  • 48:

    「ああ・・偶然聞いた」「ミズキ、もーやだなお前、変な気つかうなよー!」ガハハといつものようにワタルは笑うと、低い声でつぶやく。「あのなぁ・・中学2年のときのこと。お前覚えてる?俺がいつも相談してたじゃん。電話で告ってさ。まぁふられたんだけど。」「ああ」あの時のことなら明確に覚えてる。俺はあの出来事を忘れないだろうから。

    2006-03-28 23:30:00
  • 49:

    「中2のとき、ふられた理由さ、話したっけ?」「いや、聞いてない。あの時お前が一方的に切ったから」「ああ、そうだっけな。」またしばらく沈黙すると、ワタルはつぶやく。「あいつも、お前のこと好きだったんだよ」ワタルの言葉に一瞬耳を疑う。固まる俺を見て、ワタルは続ける。「ミズキくんのことが好きだからって、あの時もそういわれたんだよ」

    2006-03-28 23:31:00
  • 50:

    ・・・知らなかった。中学の時の女も、俺が原因・・。「いっつもミズキは俺の大事なもの、横からとってく。女にしろ、成績にしろ、スポーツにしろ。お前がいる限り俺はずーっとお前の、影みたいな存在だ。お前は俺の欲しいもの全部もってる」ワタルは、どんどん強い口調になる。

    2006-03-28 23:32:00
  • 51:

    俺は顔をあげ「俺はお前のこと友達だと思ってる」とつぶやくと、俺の言葉をさえぎるように、「俺はずっと、お前が憎くてしかたなかった。俺はずっとお前になりたかった」とワタルはつぶやいた。「もう帰れよ!!人の気持ちもわかんねぇような王子様にはもううんざりだよ!!」ワタルの声に背中を押されるまま、俺はワタルの部屋を出る。

    2006-03-28 23:32:00
  • 52:

    足が震える。頭の中がグチャグチャになる。俺達の歴史が、音をたてて崩れていく。あんなに月日をかけて積み上げてきたもの全てが、今、たった一瞬で..壊れていく。

    2006-03-28 23:33:00
  • 53:

    「願ったって 祈ったって どれだけ憧れたって 自分が誰かになるのは無理 だから 俺は 俺を大事にしたいんだ」 いつかお前そういったよな。じゃあなんだよ俺になりたいって。俺だって願ってた。お前みたいになりたいって願ってたのにー・・・・・。

    2006-03-28 23:34:00
  • 54:

    マリナ

    東京心中、大阪心中カラ読んでます?今回も読ませてぃただきます??頑張って下さぃ?

    2006-03-29 01:13:00
  • 55:

    マリナさん、お久しぶりです。ありがとうございます。すごく嬉しいです!!また読んでやってください。

    2006-03-29 01:36:00
  • 56:


    一年後。

    2006-03-29 01:37:00
  • 57:

    ■リョウくんのどんなところが好きなんですか?TVの画面には、華やさと、そして壮絶な裏側を取材した番組、「歌舞伎町ホスト俺がNo1だ!」なんて笑ってしまうようなタイトルの中、リョウが写る。

    2006-03-29 01:38:00
  • 58:

    TVが放送された翌日、「テレビ見たよ。お前相変わらず美形だなぁ、また磨きがかかってるし。ホストは天職だよ」なんて電話が田中からきた。卒業後もボチボチ連絡はとっていたが、電話は久しぶりだった。「もう、毎日が戦いの日々だよ」そういって笑うと、田中も「そうかそうか」と笑った。田中は今、大工をやっているらしい。「じゃあ、体に気をつけて・・ってまぁ無理だろうけど、あんま無茶はするなよ」と田中がいうと「わかってるよ」と、また俺は笑う。

    2006-03-29 01:40:00
  • 59:

    そして、言い出しにくそうに田中はつぶやく。「ワタルもさ。お前のがんばり、きっとTVで見たとおもうよ。今ならちゃんと向き合えるんじゃないか?仲直りしろよ」一瞬、忘れようとしていたワタルとの思い出がふっと頭をよぎる。

    2006-03-29 01:41:00
  • 60:

    オレハズット、オマエガニククテシカタナカッタ ヒトノキモチモワカンネェヨウナオウジサマニハモウウンザリ オレハズット、オマエガニククテシカタナカッタ ヒトノキモチモワカンネェヨウナオウジサマニハモウウンザリ 

    2006-03-29 01:43:00
  • 61:

    あの日の言葉が、胸を突き刺す。「もう無理だよ」短く返事をすると「お前らのコンビ、俺すごい好きだったよ。バカでうるせーワタルと、クールで美形のミズキ。お前らこのままでいいわけないだろ?」田中が心配してくれるのはよくわかる。だけど、もう振り返れないものにいつまでも懐かしさ覚えてるだけじゃ人間どうにもならない。

    2006-03-29 01:44:00
  • 62:

    「ねぇ、リョウ、リョウったら」客の声でハッと現実に戻る。店内に響くHIP HOPの爆音が目覚ましがわり。「ごめん、ボケっとしてた」「もー。まぁかっこいいから許すけどっ」客は微笑みリョウの肩に寄り添う。シャンパンコールに包まれ、リョウは微笑みながら恒例のイッキ飲みを見せる。酒と嘘と金。その中で生きる自分。もう過去なんていらないから、もうミズキだった時代なんていらない。リョウとして生きてく。そしてリョウとして死んでく。それで、全然、かまわない。

    2006-03-29 01:46:00
  • 63:

    「うん、ルックスはピカイチだし、後輩にも優しいし。俺も早くあんな風になりたいなぁ、なぁ、カムイ」新人ホストの1人が、隣に座る派手な金髪の新人ホストに声をかける。耳には小さなダイヤのピアス、濃い赤色のネクタイ。「あの人有名なホストなん?」金髪赤ネクタイの男がつぶやくと、「はぁ?カムイ、今更なにいってるんだよ、リョウさんはなぁ、この店のNo1だぜ?この店のNo1ってことは、歌舞伎町No1なんだぜ!?」と、興奮したように新人ホスト仲間は声をあげる。

    2006-03-29 01:49:00
  • 64:

    「しゃあねぇって。カムイは4日前、大阪から東京きたばっかだもんなぁ。」なだめるように、新人ホストの1人が笑う。すると、赤ネクタイのカムイは遠目でリョウを見て、微笑み、つぶやく。「No1にしては全然オーラあらへんやん。顔がええだけって感じやな。No1張れるのも今のうちだけやな。」カムイの声は爆音のHIP HOPに包まれ消える。「え?なんていった?」「なんもないわ」カムイは不気味に微笑んだ。

    2006-03-29 01:50:00
  • 65:

    流威

    話つながってるしおもろいね、できれば東京コンプレックスの続きも読みたいな↑頑張って下さい。

    2006-03-29 02:01:00
  • 66:

    流威さん、いつも読んでくれてありがとうございます。東京コンプレックスの続きも頑張ります。本当にいつも感想ありがとうございます。すごく励まされます。。よかったらまた読んでやってくださいね。。アドバイスなんかがあれば書いてやってください。本当にありがとうございます!!

    2006-03-29 02:09:00
  • 67:

    名無しさん

    2006-03-29 02:42:00
  • 68:

    名無しさん

    2006-03-29 02:55:00
  • 69:

    ☆彡

    sage

    2006-03-29 07:03:00
  • 70:

    うリ?

    しおリ|о>艸

    2006-03-29 10:56:00
  • 71:

    名無しさん

    2006-03-29 23:02:00
  • 72:

    メッチャ楽しみしてます(○′3`)

    2006-04-02 08:20:00
  • 73:

    2006-04-03 03:37:00
  • 74:

    ↑↑↑

    2006-04-04 05:00:00
  • 75:

    うリ?

    あげ(о・ω・)ノ☆゚+.。

    2006-04-13 13:34:00
  • 76:

    に‐?

    NNさん?ずっと見てます?応援してるんでガンバってくださぃ?

    2006-04-13 16:04:00
  • 77:
    NN

    みなさんありがとうございます!!

    2006-04-17 01:09:00
  • 78:
    NN

    ■愛される努力も必要だけど それ以上に 愛され続ける輝きを忘れないでいたい 「一瞬」の出会いは時として「一瞬」にして崩れさるのだから

    2006-04-17 01:10:00
  • 79:
    NN

    「今月もNo1はリョウだよね。」「そうそう。もう敵なしって感じじゃん」「あれだけ美形じゃ文句なしでしょ」噂が噂を呼ぶ。そんな感じだな。俺自身の実力だとか、そんなものには、もう誰も興味がないんだ。興味があるのはNo1として振舞う俺の姿。誰もミズキを知らない。客が知りたいのはリョウの姿。いつしか源氏名の自分の姿と、本当の自分がグチャグチャになって、頭の中が壊れてしまいそうだよ

    2006-04-17 01:12:00
  • 80:
    NN

    ただひとつ。もしひとつ。こんな俺に救いの手を差し伸べてくれる人間がいたのなら。
    そう願っていた。それは現実になった。初めてNO1になった5ヵ月後、衝撃は現実のものとして目の前に映る。

    2006-04-17 01:14:00
  • 81:
    NN

    「新規の客入るぞ」そう伝えられたその夜。店内にいたホスト誰しもが、新規という文字に目をギラつかせて、女を見た。女の名前はアユミと言った。
    歌舞伎町では有名な女だった。有名、といってもホスト遊びで大金を落とす、上客、としての知名度が先行していたのだが。

    2006-04-17 01:16:00
  • 82:
    NN

    アユミは、「いったいいくらするの?」と聞きたくなるくらいの派手なダイヤの時計に、エルメスのバーキンを手に、俺に微笑んだ。「ミズキくんでしょ??」同時に俺は硬直する。
    俺の本名を知っている。じゃあ俺の過去だって知っているってことだ。

    2006-04-17 01:18:00
  • 83:

    まってたょン?

    2006-04-17 18:43:00
  • 84:

    うリ?

    更新楽しみ?'3`)?

    2006-04-19 03:45:00
  • 85:

    名無しさん

    2006-04-19 06:10:00
  • 86:

    名無しさん

    続き読みたいです?忙しいと思いますが頑張って下さい?

    2006-04-25 18:07:00
  • 87:

    2006-04-26 06:22:00
  • 88:

    名無しさん

    NNサンの小説で今更新されてるの有りますか?
    ぁれば、教ぇて下さぃ?

    2006-04-26 16:24:00
  • 89:

    名無しさん

    東京心中24時50分ってまだありますか?

    2006-04-26 19:50:00
  • 90:

    うリ?

    あLナ゙?'3`)?

    2006-04-30 11:19:00
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