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『ごめんね』と『ありがとう』
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1:
りの
いろいろあった経験を小説風にまとめてみました??
2005-09-19 05:08:00 -
51:
りの
自分がとてもみじめだった。なんだかもう、あっけにとられすぎて涙もでなかった。10分ぐらいその場に立ち尽くしたまま、この部屋での思い出が走馬灯のように駆け巡った。もうりゅうの家に戻ろう‥。そう思いとぼとぼ一回に降りていったら、駐車場に車の止まる嫌な音がした。
2005-09-22 04:35:00 -
52:
りの
ヤバッ。こんな時間になぜか父が帰ってきてしまった。急いで逃げようとしたが、時すでに遅し。玄関で父とかち合った。瞬間、いきなりお腹を殴られ、私はその場にうずくまってしまった。 『お前何様やねん!中坊の分際で!俺の子失格やな』昼真から酒臭い。そして今日は一段と機嫌が悪そうだった。
2005-09-22 04:42:00 -
53:
りの
『りの、俺に何か言う事ないんか?あぁ?』 そう言いながら、うずくまってる私をさらに蹴りあげた。思いっきりみぞおちに入って一瞬息が止まり、悔しさから止まらない涙でうまく喋れない。 『りの喋れや!親に心配かけやがって!!』 暴力は増す一方だ。
2005-09-22 04:50:00 -
54:
りの
えらそうに言いやがって。お前のしてる事は自分の子供にする事か。心配なんかしてないくせに嘘つき。お前なんて死んでしまえばいい心底そう思った。力を振り絞って起き上がり、
『今までありがとうございました。』
と言って、家を飛び出した。 『待てや!りのっ!!』 近所中に響き渡るぐらい大きな怒鳴り声を無視し、無我夢中で走った。2005-09-22 04:59:00 -
55:
りの
ひたすら走ってりゅうの家についた瞬間、痛みと涙がまたこみあげてきた。家には誰もいなかった。りゅうは仕事に行き、お母さんは多分買い物にでも行ったのだろう。私は一人で大声をあげて泣いた。もういろんな事がありすぎて、何が悲しいかさえもわからない。私は何故産まれてきた?何故あの人に殴られる?私って何なの?
2005-09-22 05:12:00 -
56:
りの
頭の中がパニックになった。ただ泣き叫んだ。自分の体にはあの人と同じ血が流れていると考えた時、私は思わずナイフで自分の手首を深く切り付けた。血がたくさんでてきた。このままあの人と同じ血が全部流れてしまえばいいと思った。泣き疲れたのか、頭がくらっとしてそのまま倒れて眠ってしまった。
2005-09-22 05:26:00 -
57:
りの
気が付いたらベッドで寝ていた。手首にはきちんと包帯がまいてある。 『りの、大丈夫か?』 隣にいたりゅうはとても心配そうな顔をしてくれていた。 『うん‥。』 何が起きたのか、自分が何をしたのか遠い昔のような気がした。ただ手首の痛みだけがリアルに感じた。
2005-09-22 16:50:00 -
58:
りの
『ほんまよかったぁ‥。めっちゃ心配したんやで!よかったわ‥。』 りゅうは私を今までで一番強く抱き締めて、私の背中らへんで涙をながしてくれている気がした。空虚な私の心をりゅうが充たしてくれた。りゅうのぬくもりに私の心と身体は包まれた。
2005-09-22 17:05:00 -
59:
りの
『心配かけてごめん。やけど、もう大丈夫やから。りゅうありがとう。』 安心してまた涙がでてきた。今日一日でいろんな涙を流しただろう。 『何があったかわからへんけどもう二度と無茶な事すんのやめてな。りの、もっと俺に頼ってきてや。俺は絶対りのの事守ったる。』
2005-09-22 17:18:00 -
60:
りの
りゅうの一言一言が胸にしみわたる。 『りゅう、ありがとう。』この時にはもう、私にとってりゅうの存在はなくてはならないものとなっていた。もしりゅうが居なければ私は壊れきっていたかもしれない。りゅうの優しさ、りゅうのぬくもり、一生りゅうの傍にいたいと願った。
2005-09-22 17:28:00