小説掲示板大阪心中24時50分のスレッド詳細|夜遊びweb関西版

夜遊びweb掲示板 関西夜遊びweb掲示板 関西
エリア選択

夜遊び掲示板を検索する

スレッドタイトルを対象とした検索ができます。※スペースのあり、なしで検索結果は異なります。

掲示板リストメニュー

大阪心中24時50分

スレッド内検索:
  • 1:

    NN

    携帯電話ってものが存在してるのに 人と人の距離は全く埋まりそうにない それどころか日々遠のいているような感覚にさえなる どうしてだろう どうして携帯電話ひとつでここまでひどく憂鬱な気持ちになるのだろう 寂しい夜は 電話で声が聞きたいんじゃない 抱きしめたいんだと 強く思った

    2005-12-16 15:49:00
  • 151:

    名無しさん

    東京心中読まなくても話分かるけど読んだ方が、人物がどんなんかとか分かると思う!

    2005-12-25 14:33:00
  • 152:

    名無しさん

    読んだ方が面白さ二倍やしねっ☆彡

    2005-12-25 17:36:00
  • 153:

    名無しさん

    とりま東京読んでみ?かなり時間早く感じた?

    2005-12-26 00:36:00
  • 154:

    NN

    ◆あたしは教室をのぞく。何だかとゆうちゃんと顔を会わせるのが気まずい。憎きカムイのキスがあたしの頭を混乱させてる。今は2限。物理。だけどもう教室に入ったって欠席だ。どこかで時間を潰そう。あたしは携帯メールを送る。((今日は3限から行くわ。体調治ったし安心してな))こんな感じでいいやんな。心の中でつぶやく。あたしは暗くなった体育館裏に座り込む。タバコを取り出す。もう12月。体が寒い。

    2005-12-26 00:45:00
  • 155:

    NN

    「おーヤンキーはっけーん」一瞬にして鳥肌が立つ。この声。白の派手なファーに細身の黒パンツ。カムイが鼻を赤くして笑っている。こいついつから…。あたしはカムイをにらみつけるようにして見ると、存在を無視するかのように黙ってタバコに火をつける。「サボリなんー?」カムイが笑う。あたしのタバコの煙がカムイのあまったるい香水の匂いにまみれる。「俺はサボリやねんけど。もー物理意味わっからへん!」またカムイは笑う。反応せず『無視』するあたしの顔をのぞく。「なぁ聞いてるん?」

    2005-12-26 00:46:00
  • 156:

    NN

    「あんたと話したくない」短く答える。カムイに隙を見せたら最後なんだ。カムイがいると、頬を通る風が妙に冷たく感じる。ゆうちゃんのそばにいる時は雪が降ろうともあったかいのに。「キスしたこと怒ってるん」いきなりそうきたか。しゃがみこんで視線を合わせるカムイ。どうしてあんたはそうなの?どうしてそんな目で見るの?頭の中が壊れそう。「あんたねホストやのになんでそんな無神経なん」「俺、ホストとしてジュリちゃんにキスしたわけちゃうよ。田村カムイとしてキスしたんや。俺はホストやけど普通の男やん。ホストとして、ちゃうくて、男として、キスしたんや」

    2005-12-26 00:47:00
  • 157:

    NN

    カムイの目が恐い。輝くように綺麗で、深みがある。見つめられると動けなくなる。その目があたしに金縛りを仕掛けてくる。「何それ、カムイのいってることの意味わかれへん」金縛りにあたしの必死の抵抗は全く効かないようだ。「わかるやん、俺、ジュリちゃんのこと好きなったみたいやねん。やからキスした」なんなんそれ。なんなん。どうしてあんたはそんなことをいうん?頭の中で次々に言葉がが溢れかえる。

    2005-12-26 00:48:00
  • 158:

    NN

    「うるさい。もうあたしに話かけんとって絶対」あたしは腰を上げる。教室に戻ろう。カムイと一緒にいたくなかった。この空間に一緒にいることがあまりに苦痛すぎた。「なぁ好きになるのって愛するのって、相手に許可とらなあかんの?好きになりました好きでいてええのって相手に許可とらなあかんの?」あたしは振り返らない。振り返ったらあたしはまたカムイの金縛りから動けなくなる。

    2005-12-26 00:50:00
  • 159:

    NN

    「今許可もらうわ!ジュリちゃん、俺、ジュリちゃん好きなった!好きになったししゃーないやん、好きになった、好きになった、好きでおるから!」俺は声を張り上げる。ホストとしてちゃう。男として。声を張り上げた。きっと想いは伝わらない。かまわない。届かないならせめて声に出すんだ。

    2005-12-26 00:50:00
  • 160:

    NN

    人を好きになることは案外簡単だったのに、だけどそれを秘密にしておくことが予想以上に難しいのはどうして。深い傷よりもかすり傷が胸に染みるのはどうして。何度もセックスしたはずの女よりあの日一度だけキスした女が忘れられないのはどうして。人間なんて矛盾だらけだと思ってたけど、それは人間じゃなくって俺だってことに最近気がついた。

    2005-12-26 00:55:00
  • 161:

    NN

    ◆2限が終わり休憩に入った教室は、一気に騒がしくなる。あたしは教室のドアを開ける。窓際にゆうちゃん発見。あたしが微笑むとゆうちゃんもあたしに気がついて微笑む。こんな瞬間を守りたい。あたしが椅子に座ると同時に「安藤さん」と声をかけられる。顔を上げると、同じクラスの女の子が3人立っている。ギャル系?っていう言い方はもう古いのだろうか。そんなことを考えた。

    2005-12-26 00:56:00
  • 162:

    NN

    「何?」あたしが返事をすると、「あんな」と言い出しにくそうに右端の茶髪の女の子がつぶやく。「安藤さんってカムイくんと付き合ってるん?」硬直。まさにその言葉が正しい。不意に何秒か間があく。そしてやっと口を開くことができた。「ありえない!ないない!!」あたしは両手を必死に振る。こんな誤解がどこからうまれたのだろう。あたしはないないない、と何度繰り返しただろうか?あまりにあたしが否定したのを見てか、3人の女の子はそうなんや、そうなんや、と苦笑いをして「なんか仲よさそうにしてるやん、最近。それで気になっただけやから、ごめんな」と丁寧に謝ってくれた。

    2005-12-26 00:57:00
  • 163:

    NN

    付き合ってるなんて思われてるなんて..あたしは一気に『病んだ』状態になる。そんなあたしを横目に、教室にやってきたカムイは相変わらずニコニコしていた。

    2005-12-26 00:58:00
  • 164:

    NN

    ◆年末を迎えた街は、「去年」を「過去」にすりかえることで何かが変わると期待してるのかな。だとすれば、人間なんてなんて都合のいい生き物なんだろう。「今年」が「去年」になっても「去年」が「過去」になったとしても癒えないものはあるとわかってる、なのに、毎年期待するんだ。過去になればすべてが癒えるかもしれないと。

    2005-12-26 00:59:00
  • 165:

    NN

    深夜3時。寒い寒いと1人でつぶやき歩く。あたしはタクシーを目で追う。早く帰ろう。何でこの街は深夜に近づけば近づくほど深みを増すのだろう。こんな生活も後二週間で終わるんだ。今年で全部終わる。来年は去年のあたしを空白にして、新しいスタートを切るんだ。あたしは携帯を握り締める。最近不安になると携帯を握るクセがついた。携帯を握ればゆうちゃんの存在を確かめられる。

    2005-12-26 01:00:00
  • 166:

    NN

    結局嘘を重ねて嘘を守り、嘘で固めた過去を引きずったまま、あたしはゆうちゃんと幸せになろうと夢見ていた。「来年になればきっと真っ白な自分になれる」と。今思えば、来年になることは去年が全て消えるわけじゃない。嘘の鎖が増えていくだけのこと。あたしは、それに気付かないフリをしていた。

    2005-12-26 01:04:00
  • 167:

    かぉりん

    ぁげ????
    大阪心中と東京心中サィコーだにゃん??
    バリぉもしろぉぃッッ≧Д≦

    2005-12-26 11:52:00
  • 168:

    名無しさん

    2005-12-26 14:07:00
  • 169:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 170:

    名無しさん

    この人ほんっまうまいなぁ

    2005-12-27 01:39:00
  • 171:

    名無しさん

    2005-12-27 15:09:00
  • 172:

    名無しさん

    頑張ってね????????

    2005-12-28 01:00:00
  • 173:

    名無しさん

    Nサン普段夜遊びで何の小説見てますか?

    2005-12-28 15:26:00
  • 174:

    NN

    更新おくれてすみません感想ありがとうございます。小説ですか。おまめさんの作品が好きです。完結されてますが、サルビア、ゆめみたもの、も好きでした。年末です、寒いですね、みなさん体には気をつけてください。

    2005-12-28 16:06:00
  • 175:

    NN

    ◆―今日は急いで帰るから 早く抱きしめてね―日曜日、あたし達は初めてのデートをすることになった。午前10時、ファッションビルの前に集合。午前に待ち合わせのデートなんか18年間生きてて初めてだった。あんまりケバケバしいカッコウはやめよう、と思いつつ、前日の深夜、タンスを開けるとどうにもこうにもケバケバしい服ばかりで、頭を抱えた。しかも黒ばっかりだ。

    2005-12-28 16:07:00
  • 176:

    NN

    すると玄関のチャイムが鳴る。あたしがチェーン越しにドアを開けると「ジュリたん、ジュリたん」とシュナが大騒ぎしている。深夜の騒音、とでもいうべきだろうか。「どうしたん」あたしがドアを開けるとシュナが飛び込んでくる。「あのねっ日曜日、シュナ、カムイをデートに誘えたのーっ初の店外だよぉー」あたしの腕を掴んで、シュナは本当に嬉しそうに騒ぐ。カムイとデート..考えるだけでぞっとする。

    2005-12-28 16:09:00
  • 177:

    NN

    「で、洋服が決まらないんだぁー今日いーっぱい買ったんだけど何と何あわせていいのかわかんなくってっ!」「あたしもあしたデートやねん、彼氏と」そういうと、シュナはマジー!?っと声をあげる。シュナの様子を見て、あたしも微笑む。結局、中身や外見が全然違っていても恋する気持ちは同じってことだ。「じゃあ一緒に洋服選びあいっこしよーっ」「うん」シュナを部屋に入れる。

    2005-12-28 16:12:00
  • 178:

    NN

    シュナの何処からか、甘い匂いがする。カムイと同じ匂いだ。香水まで一緒の使ってるんだ..あたしは少し驚いた。「そうだ、シュナ」あたしはポットからお茶を取り出し、テーブルの上に置く。「何?」シュナがTVを横目で見ている。画面にはジャニーズアイドル。シュナはジャニーズ好きでもあるらしい。「あたし今月いっぱいで仕事やめるねん。寮も出てく」「え!!??」シュナが目を大きくする。TVから流れる流行の歌が少しうるさい。

    2005-12-28 16:13:00
  • 179:

    NN

    「何で?ねぇ何で?彼氏にばれたの?」「ばれたとかじゃないねん。まだばれてないから、今ならって。」あたしは湯飲みをシュナに手わたす。お茶が揺れて湯気があふれ出す。「そうなんだ…。それでいいの?過去は隠しても消えないよ。シュナなら、正直にいうけどな。」過去は隠しても消えない。わかっていることだ。「何がいい仕事で何が悪い仕事とかって他人に評価されてるなんておかしいことだよね」シュナは悲しそうにつぶやく。あたしはただ小さくうなずいただけだった。

    2005-12-28 16:14:00
  • 180:

    NN

    仕事のよしあしは他人に評価されることなんかじゃない。確かにそうだけど。「仕事を辞めて堂々と愛する人を愛したいだけやねん」そう言うだけで精一杯だった。中学の頃グレてしまったあたしは、真面目な子をダサいなんて笑ってたけどまっすぐ生きてる彼らが眩しかった。グレるなんていつだって誰だってできること。何にも惑わされずまっすぐ生きていくほうがよっぽど難しいよ。

    2005-12-28 16:15:00
  • 181:

    NN

    恋愛だってきっとそうだ。何千人とエッチしようがそんなことは自慢にはならない。たった1人。たった1人でもいいんだ。1人をどれだけ愛することができたか、まっすぐに愛せたか、じゃないか。

    2005-12-28 16:16:00
  • 182:

    名無しさん

    凄くファンです!この小説読んでたら心が綺麗になる急がして(>

    2005-12-28 18:31:00
  • 183:

    名無しさん

    2005-12-29 06:03:00
  • 184:

    NN

    訳あって、書けなくなってしまいました。
    途中ですが削除しますm(__)mすみません!

    2005-12-29 06:52:00
  • 185:

    DELI

    話うまいっすね?なんか先がほんま読めへん??主さんの小説めちゃ好きです??

    2005-12-29 07:00:00
  • 186:

    名無しさん

    てかまぢ?潰し?どっち?

    2005-12-29 07:02:00
  • 187:

    名無しさん

    ふつーに荒らしやろ

    2005-12-29 07:23:00
  • 188:

    NN

    本当にすみませんm(__)mまた機会がぁれば書かせてもらぃますm(__)m

    2005-12-30 02:38:00
  • 189:

    まあ

    荒ら∪ゃろ?!+ニ゙っτIPぉカ|∪ぃもーンo(д≦`*o)主さωのIPゎ218〜ゃのιニ、書くの辞めるっτカキコ∪τる人のIPゎ210〜ゃ∪!!

    2005-12-30 05:55:00
  • 190:

    名無しさん

    意味わかめ

    2005-12-30 06:27:00
  • 191:

    名無しさん

    主さんは小文字の「ぁ」とか使わへんやん!

    2005-12-30 07:55:00
  • 192:

    名無しさん

    ↑それは小説書いてる時だけ。
    IPなんか毎回変わる。
    しかも案の定更新されてない

    2005-12-30 15:14:00
  • 193:

    名無しさん

    ?

    2005-12-30 15:38:00
  • 194:

    名無しさん

    2005-12-30 16:12:00
  • 195:

    NN

    更新遅れてすみません..。。上のNNさん?は私ではないです。更新がまばらで、迷惑をかけていますが、荒らさないで下さい。最近は年末で忙しくてのぞきにくる時間も少なくなっていて、すみません。できるだけ更新するように努力しますので..。本当にすみません。

    2005-12-30 16:19:00
  • 196:

    NN

    仕事中は鏡を見ないようにしてる。すごく醜い顔をしていると思うから。「海でナンパされた大学生、一回やっただけなのにまた会おう会おうってしつこくて」なんて会話を何度も何度も繰り返すクラスメイトにちょっと嫌気がさす。「その話、聞いたってば」って話を中断させる子もいない。ヒガミやん、って思われるからかな。みんな、あたしも、あたしだってこんなことしたんだ、って熱心に、過激さを争う。会話のストリップショーみたい。

    2005-12-30 16:21:00
  • 197:

    NN

    あたしはベットから飛び起きる。「もしもし?」とっさに画面を確認せずに電話に出ると「あーもしもし?」と、聞きなれた声がした。カムイだ。後ろでは爆音でヒップホップがかかってる。あたしは通話ボタンを切った。「よりによってカムイ..」あたしは携帯の電源を切る。カムイなんて、話したくないし顔も見たくない。隙を見せたら、あたしの中に入りこんできそうで怖い。

    2005-12-30 16:30:00
  • 198:

    NN

    結局、あたしは「ゆうちゃんのため」と言ってカムイと連絡を取らないようにしていただけ。「ゆうちゃんのため」といって自分をセーブしていただけ。恋愛に満たされれば満たされるほど、人間は欲望が強くなる。満たされなくちゃ寂しいのに、満たされた途端欲にまみれるなんて、人ってなんて難しい生き物なんだろうか。

    2005-12-30 16:35:00
  • 199:

    NN

    同じ頃、カムイは店のバックヤードで1人携帯を握り締めていた。いきなり切ることないやんか、独り言がもれる。フロアーでは耳がおかしくなりそうなくらいのボリュームでかかり続ける音楽、酒と煙草と香水に埋もれるソファ、嘘を隠すかのように暗く光るライト。「なぁ頼むわー今月ぜんぜん会いにきてくれてへんやんー」隣では先輩のサクラさんが携帯片手に『営業中』。

    2005-12-30 16:43:00
  • 200:

    NN

    どんだけかっこつけたって、どんなにかっこいい人かて、女から金とって生活させてもらってるって思えば、全然かっこよくないって思える。それなら、どんなにブサイクでも汗水たらして働いて女1人生活させてやってる男の方が立派に決まってる、と、誰かが言ってたのを覚えてる。財布に入ってる金、壱万、例え千円でも『女の子が働いて得た金』には違いないはずだ。こうして毎日飲んで吐いて、稼いだ金を『恥ずかしい』と思うようになってしまったのはいつからだろうか。

    2005-12-30 16:47:00
  • 201:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 202:

    ?

    荒らしになんか負けずにがんばってな??
    更新待ってます??

    2005-12-31 02:07:00
  • 203:

    マリナ

    主さんぉ久しぶり??相変わらず上手ですね??マィペースに更新してくださぃね☆

    2005-12-31 06:22:00
  • 204:

    読んでます?がんばって??

    2005-12-31 06:29:00
  • 205:

    名無しさん

    あげ?これ大好き?

    2005-12-31 23:12:00
  • 206:

    名無しさん

    2006-01-01 13:32:00
  • 207:

    NN

    感想、たくさんありがとうございます。いつも励みです。ありがとうございます。

    2006-01-01 21:10:00
  • 208:

    NN

    ◆朝の街は空気が白く透き通っている気がする。少しだけ前を向いて歩いてみようと思えた。日曜日、あたしは手を振るゆうちゃんの元へ走った。繋いだ手は、何度セックスしただろう昔の男の体温よりあたたかくって、それが余計胸にしみて涙が出てきた。私のどこを好きなってれたの?聞きたいことがたくさんあるよ。答えてほしいことがたくさんあるよ。好きだから、ずっと好きでいてもらうために努力するから。だからずっと好きでいて。口が裂けても今はそんなこと言えないけど、いつかちゃんと言うね。

    2006-01-01 21:11:00
  • 209:

    NN

    「あれカムイちゃう?」西野君がアーケードの入口を指差す。金髪に黒いジャケット..カムイだ。隣に歩いているのは..ピンクのファーのシュナだ。あたしは不意に西野君の腕を引っ張り逆方向を指差す。「ねぇあっちいこ。」カムイには会いたくなかった。「ジュリちゃんカムイ嫌いなん?あいつええ奴やで」ゆうちゃんがあたしの顔を覗きこむ。嫌いとかちゃうけど..苦手やねん、あたしは小さくつぶやく。

    2006-01-01 21:12:00
  • 210:

    NN

    夜の香りに誘惑されてこの街に流れ込んだ。夜には朝にはない何かあるんじゃないか、誰かあたしを必要だといってくれるんじゃないだろうか、そんなことを考えていたのだと思う。だけど朝の香りがこんなに愛しいものだとは知らなかった。夜には朝にはない「何か」が確かにあった。だけど、朝には夜にしかない「何か」があったのも、初めて知った気がしたよ。カムイもそれに気がついてた?あたしはゆうちゃんを愛した時初めて知ったことやったよ。

    2006-01-01 21:13:00
  • 211:

    NN

    「すごいこれいいと思わん?」ファッションビルの中で買い物をしていると、ゆうちゃんがショーケースの中で光るシルバーのネックレスを指差す。ロゴを見ると有名なアクセサリーブランドのものだ。「ほんまやなぁ可愛い!」あたしもショーケースに顔を近づける。すると、笑顔で店員さんがあたし達に近寄る。「よかったらお出ししましょうか」「あ、お願いします」あたしがうなずくと、店員さんはポケットから鍵を取り出しショーケースを開ける。「今日はいってきたばかりの新作なんですよ。一個一個職人の手作りで、大量生産もできなくて貴重なものなんですよ」

    2006-01-01 21:14:00
  • 212:

    NN

    店員さんが差し出したネックレスをあたしが受け取る。Silverのチェーンに大きめのクロス。確かにさすが職人芸のネックレス。繊細な感じがする。「カップルで付けてもすごくお似合いだと思いますよ」「へぇ」あたしがネックレスを見つめていると、ゆうちゃんも可愛いねとつぶやく。「ゆうちゃん一緒に買わへん?これ、一個いくらですか?」あたしがネックレスを片手に店員さんに声をかける。「15万8000円になりますね」「うわぁ安い」無意識にあたしは財布を取り出す。あ。一瞬心臓が凍る。恐る恐る振り返ると、案の定ゆうちゃんが驚いた顔をしている。

    2006-01-01 21:15:00
  • 213:

    NN

    冬の風が頬を通り抜ける帰り道、2人で手を繋いだ。この手があたしを照らしていてくれる。あたしを温めてくれてる。この世に生を受けて気がつけば18年経ってた。今、ようやく人間に生まれてきてよかったって心から思えた。犬の鳴き声、雪に埋もれてにごった色に変わる街、車のクラクション、冬の匂い、ゆうちゃんのぬくもり、キスした時の優しさ、全てこの体で感じていられることの喜びを知ったから。去年を過去に変えて、過去を空白で埋めて。

    2006-01-01 21:17:00
  • 214:

    NN

    その日あたしは家に帰るなりすぐにメイクを落としてベットに入った。今日は楽しかったね、そんなメールをゆうちゃんに送った。すると、隣の廊下からだろうか?ドン、ガン!!と鋭い音が響く。ヒールの音と、シルバーか何かがこすりあったような音も同時に響く。もしかして、シュナ酔っ払ってドアにぶつかってるんじゃ..あたしは駆け足で玄関まで走り、ドアを思いっきり開ける。「シュナ?」あたしが玄関のドアから顔をのぞかせると、「おージュリちゃん!」とカムイが苦笑いをする。横には酔っ払ったシュナが足元をフラフラさせながら、カムイに肩を抱かれている。

    2006-01-01 21:18:00
  • 215:

    NN

    「うわーじゅーりーたーん、おっはよーう!ってもう深夜アハハハ」シュナが大声で笑う。シュナ、声静かにしな。もう深夜だからみんなに迷惑やし..」あたしがそう言っても、シュナは「あへー」とか「くはは」とか奇声を放ったままだ。そういえばこの2人も今日デートしてたんやっけ..「ちょっち助けてくれへん?シュナ、今離すと廊下に顔つけて倒れ込むし」カムイがそう言うと、あたしは「わかった」とつぶやきシュナの右肩を持つ。そしてシュナのファーのポケットから鍵を取り出し、ドアを開ける。

    2006-01-01 21:19:00
  • 216:

    NN

    「じゃあな、シュナ、ちゃんと寝えや、おやすみ、な、寝や」「いやーキスしてくれないと眠れないっ」カムイの必死の『交渉』にシュナはいやいやいやっと首を振る。その姿はまるで小さい子供だ。「ええから、おやすみ」押し込むようにカムイはシュナをまら押し込む。玄関でしばらくシュナは何か言ってたけど、5分ぐらい経つと声が聞こえなくなった。酔って叫びすぎて疲れてしまい、玄関の前で寝てしまったようだ。あたしとカムイは同時にほっと胸をなでおろす。

    2006-01-01 21:20:00
  • 217:

    NN

    「ごめんなぁお世話かけて」カムイが笑う。そっか今日日曜なんだ。店外デートってやつか。「仕事やめるんやって?シュナから聞いた」カムイが白い壁にもたれかかる。本当に綺麗な目してる。この目に何人が地獄に落とされたのだろうか?「うんやめる。」「西野ちゃんのため?」「うん」他に理由もあるけど、と付け加えると、カムイは笑った。笑うと奥から見える八重歯が見える。「そうなんや。」「カムイはホスト続けるん?」「続けるで。死ぬまで」どこまで本気で答えてくれてるんだろう。カムイの言葉は何だか恐くなるときがある。「死んだって天国なんてないんちゃうかな」「だとしてもこの世にいるよりええよ」笑って軽く手を振り、カムイはあたしに背を向けた。

    2006-01-01 21:21:00
  • 218:

    NN

    どうしてそう生き急ぐ?どうして?大嫌いだったはずのあいつがあの日見せた一度の涙が忘れられないのはどうして?今でもそれがわからない。早く朝が来るといい。早くこの体に、この瞳の中に光を照らして。

    2006-01-01 21:22:00
  • 219:

    芹葉

    今東京心中から全部読みました?はまりました?

    2006-01-01 22:19:00
  • 220:

    名無しさん

    ほんまおもろい??頑張ってください??

    2006-01-02 02:20:00
  • 221:

    名無しさん

    2006-01-02 03:03:00
  • 222:

    ☆彡

    あけおめ↑
    ことよろ↑
    age↑

    2006-01-02 04:53:00
  • 223:

    名無しさん

    2006-01-02 09:21:00
  • 224:

    名無しさん

    ?

    2006-01-02 21:14:00
  • 225:

    名無しさん

    2006-01-02 23:36:00
  • 226:

    NN

    読んでくださっている方、ありがとうございます。すごく嬉しいです

    2006-01-03 01:29:00
  • 227:

    NN

    ◆あたしがこの街に染まっていった理由は 寂しいから とか お金が欲しかったとか そんな一言で片付けられるような理由だったのかな 今思えばこの街にいる理由なんて特になくって だからこの街から抜け出す理由も特になかった気がする  

    2006-01-03 01:30:00
  • 228:

    NN

    翌日、朝9時シュナの大声で目覚めた。「ジュリちゃん昨日ごめんね!?何か叫びまわってて..」シュナは玄関の前であたしに謝り倒した。「いいで、いいで、飲みすぎ気をつけや?」あたしがうなずく。シュナの顔色が悪い気がする。二日酔いがまだ残っているのだろう。「とりあえず入りよ」あたしはシュナを部屋に入れる。昨日どれだけカムイと飲みまわってきたのだろか。あたしは水を冷蔵庫から取り出しテーブルに置く。シュナかなりの酒乱なんやろうか?確か東京から出てきたって店で聞いたことあったけど、借金作ってAVに出てたとかホストにはまりすぎてキャバから風俗にきたとか、すごい噂がシュナの周りには常にある気がする。

    2006-01-03 01:31:00
  • 229:

    NN

    「最近ストレスたまって休みだと一日中飲んでたりするの。弱いくせに飲みたがりで」初めてみたシュナの『すっぴん』は驚くほどかわいかった。肌は白くて艶やかで、笑うと年齢より幼く見えた。「今日早朝からだったんだけど夕方からにしてもらっちゃった」「今日は休みぃや、体、大変やん!」驚いた。あたしなら体がだるいなんて思うとすぐ休んでしまう。そういえばシュナは毎週のように雑誌にもネットにも顔出しして、しかも週6で出勤時間も長い。何かお金がいる理由があるのだろうか?シュナのホスト好きとホストでの豪遊っぷりは客にはもちろん、女の子同士でも有名だ。毎月凄いお金を使ってるとかなんとか。

    2006-01-03 01:32:00
  • 230:

    NN

    「シュナね今の仕事辞めようって思ったことないんだ。何か今の仕事、辞めてしまったら何も残らなくなる気がして。仕事の日は仕事してたい。仕事してたらさ、シュナに会いにきたって指名してくれるお客さんがいるじゃない..自分の存在がそこにあるってわかるじゃない。」あたしは絶句した。シュナがそんなことを考えてるなんて思いもしなかったからだ。あたしは心のどこかでシュナを馬鹿にしてたのかな。ただホストに溺れてるだけの風俗嬢だと見下してたのかな。

    2006-01-03 01:33:00
  • 231:

    NN

    「シュナね、東京で死に損なったから、恐いものはないんだよ、もう。一番恐いことはシュナなんかいらないって言われること。それだけ」死に損なった?東京で?シュナの言葉は表はあるけど裏がない。正直すぎるから、その真意が、あたしみたいにひねくれた人間にはよく、わからない。

    2006-01-03 01:34:00
  • 232:

    NN

    「東京でけっこうシュナ、騙されたりとか嘘つかれてボロボロにされたりとかしてて、人を信じるのやめようって思ったんだよね。嘘つきまくって人を騙したりしたりして、されたことをやり返してた。だけどそれって違うよね。人を信じること、やめてしまったら人間でなくなってしまう気がする。失いたくないんだ人を信じること、諦めたくないんだ人でいることを。だから、信じてたいの、今は」シュナは小さくつぶやいた。

    2006-01-03 01:35:00
  • 233:

    NN

    人を 信じること やめてしまったら 人でなくなってしまう気がする シュナの言葉が胸に残った。あたしは、風俗嬢として何を得てそして何を失い、何を夢見たのだろう。この理由なき街で。

    2006-01-03 01:36:00
  • 234:

    名無しさん

    ???

    2006-01-03 11:13:00
  • 235:

    ☆彡

    待ってます↑

    2006-01-03 23:22:00
  • 236:

    名無しさん

    がんばって?

    2006-01-04 03:14:00
  • 237:

    名無しさん

    2006-01-04 04:51:00
  • 238:

    NN

    感想ありがとうございます!

    2006-01-04 22:50:00
  • 239:

    NN

    ◆マスカラとファンデーションを軽くつけて9時半になるとあたしは仕事先へと急いだ。繁華街へと足を踏み入れると、店の路地裏からドサッと人が落ちるような鈍い音がした。あたしは不意に体が反応する。駆け足で路地裏をのぞくと、カムイだった。カムイがうつむきに倒れ込んでいる。白いシャツに黒いスーツのズボン。砂にまみれて顔が汚れている。「ちょっと、カムイ!カムイ!」あたしはその場にしゃがみこみ、カムイの体を左右に揺さぶる。

    2006-01-04 22:51:00
  • 240:

    NN

    お酒臭い..だいぶ飲んだ後?そういえばもう月末だしホストにとっては売り上げの勝負時なんだろう。「のみすぎたー」まるで昨日のシュナの姿だ。カムイはいきなり起き上がり、しゃがみこんでいたあたしに抱きつく。「ちょっと危ないっ危ないってば!」突然カムイの体があたしにおいかぶさり、バランスをくずしたあたしは地面に叩きつけられる。「いったっ..」頭を強く打つ。上にカムイが倒れ込む。ちょっとこの体勢..あたしは起き上がろうと体をあげようとしたけど、カムイがあたしの腕をつかんでつぶやいた。「ごめんちょっとこのままで」そして悲しそうにカムイは笑った。一瞬カムイは泣いているんじゃないかっていう錯覚がした。

    2006-01-04 22:52:00
  • 241:

    NN

    「飲みすぎやから」あたしが短く返事をする。顔を上げると、すぐ目の前にカムイの顔。本当に綺麗な顔だ。一瞬一瞬、表情が変わるたび、心臓が早くなる。「俺が何でジュリちゃんを好きだかわかる?」いきなりなに、あたしはつぶやく。「俺な、西野ちゃんがジュリちゃん好きになった頃からずっと俺もジュリちゃん気になっててん。2人の仲を取り持ったんも、ジュリちゃんに話しかけるきっかけができるから。俺がジュリちゃんを好きになったのはジュリちゃんに天国を見たから」

    2006-01-04 22:53:00
  • 242:

    NN

    天国を見た?あたしに?「ジュリちゃんは俺に似てる。すごく、似てる。なんとなく、この世界に入ってなんとなく歩いているところがよく似てた。だけどジュリちゃんは西野っていう出口を見つけた。だけど俺は出口がない、出口がないからまだずっとこの世界にいる」カムイはあたしを抱きしめた。

    2006-01-04 22:54:00
  • 243:

    NN

    今にも壊れそうなくらい、細い腕に、力なく抱きしめらたあたしは、振りほどくのなんて簡単だったのだけれど、呆然とそのまま抱きしめられていた。カムイの体は驚くほど細くて、そして震えていて、何処からかカムイの寂しさが伝わってくる。

    2006-01-04 22:55:00
  • 244:

    NN

    「ひとりで死ぬのは嫌や」かすれた声でカムイがあたしにつぶやいた。夜には出口はない。迷い込んだら抜け出せない。でも道しるべを見つけることができたなら。光を見つけることができたのなら。カムイにとってあたしがその光なら−

    2006-01-04 22:56:00
  • 245:

    名無しさん

    2006-01-05 02:52:00
  • 246:

    名無しさん

    暗い…今回はほっんまに心中?

    2006-01-05 04:16:00
  • 247:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 248:

    名無しさん

    ↑この人、おまめ?のスレにも同じコト書いてた??ぁたしゎNNサンの話めっちゃ好き、引き込まれるし色々考えさせられる。

    2006-01-05 06:40:00
  • 249:

    名無しさん

    あたしも好きやわ〜263さん人気小説やからって妬みはみっともないよw

    2006-01-05 07:15:00
  • 250:

    名無しさん

    2006-01-05 11:54:00
新規レスの投稿
名前 (8文字まで)
E-mail
必須本文 (750文字まで)
大阪心中24時50分を見ている人におすすめの掲示板

スレッドタイトルを対象とした検索ができます。
※スペースのあり、なしで検索結果は異なります。