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大阪心中24時50分
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1:
NN
携帯電話ってものが存在してるのに 人と人の距離は全く埋まりそうにない それどころか日々遠のいているような感覚にさえなる どうしてだろう どうして携帯電話ひとつでここまでひどく憂鬱な気持ちになるのだろう 寂しい夜は 電話で声が聞きたいんじゃない 抱きしめたいんだと 強く思った
2005-12-16 15:49:00 -
201:
削除削除されますた
あぼ~ん -
202:
?
荒らしになんか負けずにがんばってな??
更新待ってます??2005-12-31 02:07:00 -
203:
マリナ
主さんぉ久しぶり??相変わらず上手ですね??マィペースに更新してくださぃね☆
2005-12-31 06:22:00 -
204:
優
読んでます?がんばって??
2005-12-31 06:29:00 -
205:
名無しさん
あげ?これ大好き?
2005-12-31 23:12:00 -
207:
NN
感想、たくさんありがとうございます。いつも励みです。ありがとうございます。
2006-01-01 21:10:00 -
208:
NN
◆朝の街は空気が白く透き通っている気がする。少しだけ前を向いて歩いてみようと思えた。日曜日、あたしは手を振るゆうちゃんの元へ走った。繋いだ手は、何度セックスしただろう昔の男の体温よりあたたかくって、それが余計胸にしみて涙が出てきた。私のどこを好きなってれたの?聞きたいことがたくさんあるよ。答えてほしいことがたくさんあるよ。好きだから、ずっと好きでいてもらうために努力するから。だからずっと好きでいて。口が裂けても今はそんなこと言えないけど、いつかちゃんと言うね。
2006-01-01 21:11:00 -
209:
NN
「あれカムイちゃう?」西野君がアーケードの入口を指差す。金髪に黒いジャケット..カムイだ。隣に歩いているのは..ピンクのファーのシュナだ。あたしは不意に西野君の腕を引っ張り逆方向を指差す。「ねぇあっちいこ。」カムイには会いたくなかった。「ジュリちゃんカムイ嫌いなん?あいつええ奴やで」ゆうちゃんがあたしの顔を覗きこむ。嫌いとかちゃうけど..苦手やねん、あたしは小さくつぶやく。
2006-01-01 21:12:00 -
210:
NN
夜の香りに誘惑されてこの街に流れ込んだ。夜には朝にはない何かあるんじゃないか、誰かあたしを必要だといってくれるんじゃないだろうか、そんなことを考えていたのだと思う。だけど朝の香りがこんなに愛しいものだとは知らなかった。夜には朝にはない「何か」が確かにあった。だけど、朝には夜にしかない「何か」があったのも、初めて知った気がしたよ。カムイもそれに気がついてた?あたしはゆうちゃんを愛した時初めて知ったことやったよ。
2006-01-01 21:13:00 -
211:
NN
「すごいこれいいと思わん?」ファッションビルの中で買い物をしていると、ゆうちゃんがショーケースの中で光るシルバーのネックレスを指差す。ロゴを見ると有名なアクセサリーブランドのものだ。「ほんまやなぁ可愛い!」あたしもショーケースに顔を近づける。すると、笑顔で店員さんがあたし達に近寄る。「よかったらお出ししましょうか」「あ、お願いします」あたしがうなずくと、店員さんはポケットから鍵を取り出しショーケースを開ける。「今日はいってきたばかりの新作なんですよ。一個一個職人の手作りで、大量生産もできなくて貴重なものなんですよ」
2006-01-01 21:14:00 -
212:
NN
店員さんが差し出したネックレスをあたしが受け取る。Silverのチェーンに大きめのクロス。確かにさすが職人芸のネックレス。繊細な感じがする。「カップルで付けてもすごくお似合いだと思いますよ」「へぇ」あたしがネックレスを見つめていると、ゆうちゃんも可愛いねとつぶやく。「ゆうちゃん一緒に買わへん?これ、一個いくらですか?」あたしがネックレスを片手に店員さんに声をかける。「15万8000円になりますね」「うわぁ安い」無意識にあたしは財布を取り出す。あ。一瞬心臓が凍る。恐る恐る振り返ると、案の定ゆうちゃんが驚いた顔をしている。
2006-01-01 21:15:00 -
213:
NN
冬の風が頬を通り抜ける帰り道、2人で手を繋いだ。この手があたしを照らしていてくれる。あたしを温めてくれてる。この世に生を受けて気がつけば18年経ってた。今、ようやく人間に生まれてきてよかったって心から思えた。犬の鳴き声、雪に埋もれてにごった色に変わる街、車のクラクション、冬の匂い、ゆうちゃんのぬくもり、キスした時の優しさ、全てこの体で感じていられることの喜びを知ったから。去年を過去に変えて、過去を空白で埋めて。
2006-01-01 21:17:00 -
214:
NN
その日あたしは家に帰るなりすぐにメイクを落としてベットに入った。今日は楽しかったね、そんなメールをゆうちゃんに送った。すると、隣の廊下からだろうか?ドン、ガン!!と鋭い音が響く。ヒールの音と、シルバーか何かがこすりあったような音も同時に響く。もしかして、シュナ酔っ払ってドアにぶつかってるんじゃ..あたしは駆け足で玄関まで走り、ドアを思いっきり開ける。「シュナ?」あたしが玄関のドアから顔をのぞかせると、「おージュリちゃん!」とカムイが苦笑いをする。横には酔っ払ったシュナが足元をフラフラさせながら、カムイに肩を抱かれている。
2006-01-01 21:18:00 -
215:
NN
「うわーじゅーりーたーん、おっはよーう!ってもう深夜アハハハ」シュナが大声で笑う。シュナ、声静かにしな。もう深夜だからみんなに迷惑やし..」あたしがそう言っても、シュナは「あへー」とか「くはは」とか奇声を放ったままだ。そういえばこの2人も今日デートしてたんやっけ..「ちょっち助けてくれへん?シュナ、今離すと廊下に顔つけて倒れ込むし」カムイがそう言うと、あたしは「わかった」とつぶやきシュナの右肩を持つ。そしてシュナのファーのポケットから鍵を取り出し、ドアを開ける。
2006-01-01 21:19:00 -
216:
NN
「じゃあな、シュナ、ちゃんと寝えや、おやすみ、な、寝や」「いやーキスしてくれないと眠れないっ」カムイの必死の『交渉』にシュナはいやいやいやっと首を振る。その姿はまるで小さい子供だ。「ええから、おやすみ」押し込むようにカムイはシュナをまら押し込む。玄関でしばらくシュナは何か言ってたけど、5分ぐらい経つと声が聞こえなくなった。酔って叫びすぎて疲れてしまい、玄関の前で寝てしまったようだ。あたしとカムイは同時にほっと胸をなでおろす。
2006-01-01 21:20:00 -
217:
NN
「ごめんなぁお世話かけて」カムイが笑う。そっか今日日曜なんだ。店外デートってやつか。「仕事やめるんやって?シュナから聞いた」カムイが白い壁にもたれかかる。本当に綺麗な目してる。この目に何人が地獄に落とされたのだろうか?「うんやめる。」「西野ちゃんのため?」「うん」他に理由もあるけど、と付け加えると、カムイは笑った。笑うと奥から見える八重歯が見える。「そうなんや。」「カムイはホスト続けるん?」「続けるで。死ぬまで」どこまで本気で答えてくれてるんだろう。カムイの言葉は何だか恐くなるときがある。「死んだって天国なんてないんちゃうかな」「だとしてもこの世にいるよりええよ」笑って軽く手を振り、カムイはあたしに背を向けた。
2006-01-01 21:21:00 -
218:
NN
どうしてそう生き急ぐ?どうして?大嫌いだったはずのあいつがあの日見せた一度の涙が忘れられないのはどうして?今でもそれがわからない。早く朝が来るといい。早くこの体に、この瞳の中に光を照らして。
2006-01-01 21:22:00 -
219:
芹葉
今東京心中から全部読みました?はまりました?
2006-01-01 22:19:00 -
220:
名無しさん
ほんまおもろい??頑張ってください??
2006-01-02 02:20:00 -
222:
☆彡
あけおめ↑
ことよろ↑
age↑2006-01-02 04:53:00 -
224:
名無しさん
?
2006-01-02 21:14:00 -
226:
NN
読んでくださっている方、ありがとうございます。すごく嬉しいです
2006-01-03 01:29:00 -
227:
NN
◆あたしがこの街に染まっていった理由は 寂しいから とか お金が欲しかったとか そんな一言で片付けられるような理由だったのかな 今思えばこの街にいる理由なんて特になくって だからこの街から抜け出す理由も特になかった気がする
2006-01-03 01:30:00 -
228:
NN
翌日、朝9時シュナの大声で目覚めた。「ジュリちゃん昨日ごめんね!?何か叫びまわってて..」シュナは玄関の前であたしに謝り倒した。「いいで、いいで、飲みすぎ気をつけや?」あたしがうなずく。シュナの顔色が悪い気がする。二日酔いがまだ残っているのだろう。「とりあえず入りよ」あたしはシュナを部屋に入れる。昨日どれだけカムイと飲みまわってきたのだろか。あたしは水を冷蔵庫から取り出しテーブルに置く。シュナかなりの酒乱なんやろうか?確か東京から出てきたって店で聞いたことあったけど、借金作ってAVに出てたとかホストにはまりすぎてキャバから風俗にきたとか、すごい噂がシュナの周りには常にある気がする。
2006-01-03 01:31:00 -
229:
NN
「最近ストレスたまって休みだと一日中飲んでたりするの。弱いくせに飲みたがりで」初めてみたシュナの『すっぴん』は驚くほどかわいかった。肌は白くて艶やかで、笑うと年齢より幼く見えた。「今日早朝からだったんだけど夕方からにしてもらっちゃった」「今日は休みぃや、体、大変やん!」驚いた。あたしなら体がだるいなんて思うとすぐ休んでしまう。そういえばシュナは毎週のように雑誌にもネットにも顔出しして、しかも週6で出勤時間も長い。何かお金がいる理由があるのだろうか?シュナのホスト好きとホストでの豪遊っぷりは客にはもちろん、女の子同士でも有名だ。毎月凄いお金を使ってるとかなんとか。
2006-01-03 01:32:00 -
230:
NN
「シュナね今の仕事辞めようって思ったことないんだ。何か今の仕事、辞めてしまったら何も残らなくなる気がして。仕事の日は仕事してたい。仕事してたらさ、シュナに会いにきたって指名してくれるお客さんがいるじゃない..自分の存在がそこにあるってわかるじゃない。」あたしは絶句した。シュナがそんなことを考えてるなんて思いもしなかったからだ。あたしは心のどこかでシュナを馬鹿にしてたのかな。ただホストに溺れてるだけの風俗嬢だと見下してたのかな。
2006-01-03 01:33:00 -
231:
NN
「シュナね、東京で死に損なったから、恐いものはないんだよ、もう。一番恐いことはシュナなんかいらないって言われること。それだけ」死に損なった?東京で?シュナの言葉は表はあるけど裏がない。正直すぎるから、その真意が、あたしみたいにひねくれた人間にはよく、わからない。
2006-01-03 01:34:00 -
232:
NN
「東京でけっこうシュナ、騙されたりとか嘘つかれてボロボロにされたりとかしてて、人を信じるのやめようって思ったんだよね。嘘つきまくって人を騙したりしたりして、されたことをやり返してた。だけどそれって違うよね。人を信じること、やめてしまったら人間でなくなってしまう気がする。失いたくないんだ人を信じること、諦めたくないんだ人でいることを。だから、信じてたいの、今は」シュナは小さくつぶやいた。
2006-01-03 01:35:00 -
233:
NN
人を 信じること やめてしまったら 人でなくなってしまう気がする シュナの言葉が胸に残った。あたしは、風俗嬢として何を得てそして何を失い、何を夢見たのだろう。この理由なき街で。
2006-01-03 01:36:00 -
234:
名無しさん
???
2006-01-03 11:13:00 -
235:
☆彡
待ってます↑
2006-01-03 23:22:00 -
236:
名無しさん
がんばって?
2006-01-04 03:14:00 -
238:
NN
感想ありがとうございます!
2006-01-04 22:50:00 -
239:
NN
◆マスカラとファンデーションを軽くつけて9時半になるとあたしは仕事先へと急いだ。繁華街へと足を踏み入れると、店の路地裏からドサッと人が落ちるような鈍い音がした。あたしは不意に体が反応する。駆け足で路地裏をのぞくと、カムイだった。カムイがうつむきに倒れ込んでいる。白いシャツに黒いスーツのズボン。砂にまみれて顔が汚れている。「ちょっと、カムイ!カムイ!」あたしはその場にしゃがみこみ、カムイの体を左右に揺さぶる。
2006-01-04 22:51:00 -
240:
NN
お酒臭い..だいぶ飲んだ後?そういえばもう月末だしホストにとっては売り上げの勝負時なんだろう。「のみすぎたー」まるで昨日のシュナの姿だ。カムイはいきなり起き上がり、しゃがみこんでいたあたしに抱きつく。「ちょっと危ないっ危ないってば!」突然カムイの体があたしにおいかぶさり、バランスをくずしたあたしは地面に叩きつけられる。「いったっ..」頭を強く打つ。上にカムイが倒れ込む。ちょっとこの体勢..あたしは起き上がろうと体をあげようとしたけど、カムイがあたしの腕をつかんでつぶやいた。「ごめんちょっとこのままで」そして悲しそうにカムイは笑った。一瞬カムイは泣いているんじゃないかっていう錯覚がした。
2006-01-04 22:52:00 -
241:
NN
「飲みすぎやから」あたしが短く返事をする。顔を上げると、すぐ目の前にカムイの顔。本当に綺麗な顔だ。一瞬一瞬、表情が変わるたび、心臓が早くなる。「俺が何でジュリちゃんを好きだかわかる?」いきなりなに、あたしはつぶやく。「俺な、西野ちゃんがジュリちゃん好きになった頃からずっと俺もジュリちゃん気になっててん。2人の仲を取り持ったんも、ジュリちゃんに話しかけるきっかけができるから。俺がジュリちゃんを好きになったのはジュリちゃんに天国を見たから」
2006-01-04 22:53:00 -
242:
NN
天国を見た?あたしに?「ジュリちゃんは俺に似てる。すごく、似てる。なんとなく、この世界に入ってなんとなく歩いているところがよく似てた。だけどジュリちゃんは西野っていう出口を見つけた。だけど俺は出口がない、出口がないからまだずっとこの世界にいる」カムイはあたしを抱きしめた。
2006-01-04 22:54:00 -
243:
NN
今にも壊れそうなくらい、細い腕に、力なく抱きしめらたあたしは、振りほどくのなんて簡単だったのだけれど、呆然とそのまま抱きしめられていた。カムイの体は驚くほど細くて、そして震えていて、何処からかカムイの寂しさが伝わってくる。
2006-01-04 22:55:00 -
244:
NN
「ひとりで死ぬのは嫌や」かすれた声でカムイがあたしにつぶやいた。夜には出口はない。迷い込んだら抜け出せない。でも道しるべを見つけることができたなら。光を見つけることができたのなら。カムイにとってあたしがその光なら−
2006-01-04 22:56:00 -
246:
名無しさん
暗い…今回はほっんまに心中?
2006-01-05 04:16:00 -
247:
削除削除されますた
あぼ~ん -
248:
名無しさん
↑この人、おまめ?のスレにも同じコト書いてた??ぁたしゎNNサンの話めっちゃ好き、引き込まれるし色々考えさせられる。
2006-01-05 06:40:00 -
249:
名無しさん
あたしも好きやわ〜263さん人気小説やからって妬みはみっともないよw
2006-01-05 07:15:00 -
251:
削除削除されますた
あぼ~ん -
252:
名無しさん
↑荒れるからこぉゅ‐書き込みャメテ欲しぃ?ぁたしからしたら中傷ヵキコとかょりぅざぃヵラ?腹立っの解るヶド気にせずスルーが?番ぃぃ思ぅょ?偉そぅにゴメン?
2006-01-06 15:17:00 -
253:
NN
更新遅れてすみませんでした。何か色々すみません。読んでくださっている方ありがとうございます。
2006-01-07 16:30:00 -
254:
NN
◆嘘ばかりつく自分に疲れた 偽りの仮面をつけて 夜の街に染まり 自分にはもう残っているものなんてないと思った 立ち止まることは許されなくって 雑誌をみたって客に愛されたって 満たされない どこか寂しい その寂しさが気がつかないうちに 虚しさになって 死に憧れた それがカムイの言葉だった。「カムイっていつもすごい飲むの。ほんっと。死んじゃうんじゃないの?ってくらい」いつかシュナがカムイのことをそう言ってた。あの子はいつも死ぬつもりで飲んでるんだ。
2006-01-07 16:31:00 -
255:
NN
「ジュリちゃん?」ゆうちゃんの声で現実に引き戻される。学校帰り、あたし達は24時間営業している喫茶店にいた。ゆうちゃんが何か真剣に話してくれたのに、あたしってば意識が飛んでいたようだ。「今日ぼーっとしてへん?何かあった?」ゆうちゃんの言葉にあたしは不意に大きく瞬きする。「してへんで、してへん!」あたしは両手を左右に大きく振る。あたしは今どんな顔をしてゆうちゃんの前に座ってる?気持ちが少しずつ、少しずつ、嘘へぶれてきてる。例えば嘘で過去を誤魔化せるとして。例えば愛を偽りとして誤魔化せるとしてー..。
2006-01-07 16:32:00 -
256:
NN
「ジュリちゃんとカムイって、昔から知り合いやったん?」ゆうちゃんの質問にあたしの心臓が一瞬にして凍る。「全然!ほんっま全然関係ない」嘘ばかりつく自分に疲れた なのに嘘をつき続けるしか生きる方法を見出せないでいる自分が苦しい。「そっか。安心したわ。なんかジュリちゃんとカムイみてると心配なる時あって。これ、あけて」ゆうちゃんはポケットから赤い小さな箱をあたしに手渡した。
2006-01-07 16:33:00 -
257:
NN
「なに?」あたしが尋ねるとゆうちゃんは笑った。赤い正方形の箱を開けると同時にあたしは小さな声をもらす。「あ」ファッションビルで見たネックレスだ。15万8000円の、あのネックレスだ。「これ..」息をのみ、あたしが顔を上げると、ゆうちゃんはまたすこしだけ笑った。「それ、ジュリちゃん欲しがってたから」ゆうちゃんは昼職。美容師、見習い。お金がそんなにあるわけじゃない。あたしのために..。嬉しいという気持ちよりも、あたしは申し訳ないという気持ちに包まれた。
2006-01-07 16:34:00 -
258:
NN
あたしは夜道、1人で歩いていた。ゆうちゃんに愛されてる。それだけで十分なはずなのに。愛する人、愛してくれる人がいたのに、居場所を見出せず、生きる意味も見つからず、ただ天国を求めててた。天国。傷つかなくていい。傷つくことがないから。死んでしまえばいいんだ。あたしの考えは現代病なのかな。それとも単なる卑屈に満ちたオンナなのかな。ゆうちゃん、ごめんね。ごめんなさい。
2006-01-07 16:35:00 -
259:
NN
街のイルミネーションがあまりに眩しくて、瞬きを繰り返す。「雪降らないかな」小さくつぶやくと、あたしはカムイの店の前に立つ。雪が見たい。空から落ちてくる雪が、あたしの頬をすり抜けてゆく雪が、見たい。あたしは白色が好き 何色にでも染まることができるから 単純にあなたに、染まることが、できると、思ったから
2006-01-07 16:41:00 -
260:
名無しさん
気になります
2006-01-07 20:37:00 -
261:
名無しさん
あげまくり??
2006-01-08 23:47:00 -
262:
マリナ
最近感想入れてナィけどちゃんと毎日覗いてます??楽しみにしてまぁす??
2006-01-09 04:25:00 -
264:
名無しさん
読んでるから
完結マデ頑張ってなぁ??2006-01-09 11:29:00 -
265:
NN
読んでくださってありがとうございます。頑張ります!
2006-01-10 00:07:00 -
266:
NN
◆なぜだか近頃イライラしていた。街に流れる流行の歌手の歌声にも飽き飽きしていて、話題になろうと必死になる馬鹿げた芸能人の言葉にふりまわされるマスコミや子供の気持ちを知ろうとするしらじらしい大人。この世界は こんなに狭かった?夜の街に溢れかえる女の子や男の子。街をブラブラすることによって何かが起こるわけではない。だけど、夜の街にしか今にも落下しそうに揺れてる気持ちをほぐしてくれる物がないからじゃないの?どんなに愛されてどんなに優しくされても、満たされない。あたしはネックレスを握り締める。
2006-01-10 00:10:00 -
267:
NN
「誰かのために」「誰かを愛して」死ぬことなんて、人間が忘れている本能。愛する人と共に永遠に愛し合うために死を選ぶ..これ以上の幸せはない。無料案内所を横切れば自分の写真と目が合う。「ジュリちゃん!」この街であたしの名前を呼ぶ。それは風俗穣.ジュリを呼んでいるのであって、「あたし」を呼んでくれる人はいない。だけど、この声はあたしを呼んでる。この声のあなたは、あたしを呼んでいる。振り返ればカムイが立っていた。
2006-01-10 00:12:00 -
268:
NN
「今日ごめんな、俺、酔っ払ってたような気がする」あたしの腕を引っ張ると荒い息を整える。「ねぇカムイ、あたし、あんたの言いたかったことが、わかってん」「へ?」カムイが顔を上げる。「あたしってすごい図々しい人間だなって最近気がついてん。ゆうちゃんに愛されてる、1人の人にこんなにも愛されてる。それがわかってるのに、あたしはゆうちゃんの愛に背こうとしてる」「どうしたん、何があったん」淡々としたあたしの言葉にカムイは驚きの表情を浮かべる。どうしたって、何もない。何もない。ただゆうちゃんへの愛が、少し、ずれてきてるのが、わかってしまっただけ。
2006-01-10 00:14:00 -
269:
NN
「カムイもこんな時間にブラっとしてていいん?」あたしは時計を見る。深夜1時半。ホストにとっては『営業時間』のど真ん中。「店おったら苦しくなって黙って出てきてしまったわ」まるで他人事のようにカムイはニコっと笑った。「苦しくなった?」あたしが聞き返すとカムイはまた、笑った。ただ少し悲しそうな顔でつぶやく。「ジュリちゃん時間ある?」あたしは小さく、うなずいた。
2006-01-10 00:16:00 -
270:
NN
◆空は星屑さえ見えない。冬だからか、街の人々の足の早さは、いつにも増して早い。きっと誰も他人のことなんて気にもとめていないだろう。ゴミだらけの街のランプが点滅していた。「ここ。」カムイに腕を惹かれて辿り着いたのは、繁華街を少し抜けて北に歩いた場所にあった。廃棄工場だ。鍵は無防備に開けっ放しのままで、薄暗くなったビルの中に灰色がかった汚いエレベーターの中は真っ暗。「階段使うで」カムイはあたしに背を向ける。無言で階段を登り続けると、屋上に出た。「すごい!」あたしは息を呑む。屋上から見るとこんなに空が近い。
2006-01-10 00:18:00 -
271:
NN
見渡せば繁華街がすぐ傍に見える。だけど街の汚いゴミは光ったままだった。あんなに街が点滅してれば、空に光る星の色も見えなくなるよ。見たくなくなるよ。「今日みたいにこんな大都会がずっと寒かったとして―・・・そんな冬が続けば俺らが死んでいても誰も気がつかないやろうな」カムイは軽く笑った。「そーやね。あたしだって、自分が死んだこと気がつかないかもしれへんし」あたしもまた笑った。
2006-01-10 00:18:00 -
272:
NN
「結局、カムイはカムイ、カオルはカオル、みたいな、こう、諦めみたいなんがみんなから聞こえるねん。それがすごく嫌で、絶対勝ち上がるって思った。それで一回客に枕をもちかけたら…これが大ヒット、枕営業すればするほど成績あがって」いつかシュナがいってた。カムイは枕ホストって。あたしは無言でうなずく。「でも客とやればやるほど、客に対して、愛情っていうか、そういうものがどんどんなくなる。」カムイはフェンスに手を置く。「ジュリちゃん、人を愛するっていうんは、人間の一生の課題なんかもしれんね」
2006-01-10 00:24:00 -
273:
NN
風が頬にすれて寒い。吐息が白く染まる。真っ黒な空の下で、あたしとカムイの息だけが白く染まる。「雪だ」あたしは空を見上げる。いつかゆうちゃんと見た雪が、今カムイが目の前に居て。あの時ピンクに見えた雪が、今、曇って見えるのはなんで?「やけど最近、神様がくれた課題の答えがわかったんや。『何度重ねるセックスより、今一瞬だけ触れることでいい』ってことを」カムイはあたしを抱きしめる。あたしの心臓が音をたてる。
2006-01-10 00:26:00 -
274:
NN
「あたし、あたし」あたしは顔を上げる。カムイにずっと言わなくちゃいけなかった言葉があるの。伝えたい言葉があったの。今までずっと隠してた。「あたし」その瞬間、携帯電話の着信音が鳴り響く。一瞬で現実に引き戻された気がする。画面を見ると『ゆうちゃん』の文字。あたしの表情を見てカムイは笑う。「戻ろか。西野ちゃんに怒られちゃうわな」カムイがあたしに背を向ける。あたしはカムイの背中を追うように歩く。電話は鳴ったまま。あたしは携帯をコートのポケットに押し込み、カムイの腕をそっとつかむ。カムイはそれに気がつき、「どうしたん」と振り返る。
2006-01-10 00:27:00 -
275:
NN
「あたし、カムイが、カムイがす」「それ以上言ったあかん」カムイはあたしの口を両手で押さえた。「あかんから」手は震えていた。恋愛より大事なモノが男には存在するんだって 誰かいつかいってた気がする。友情を守る。そんな決意がカムイの両手から伝わってきた。
2006-01-10 00:27:00 -
276:
NN
家に帰ると涙が溢れてきた。よく「恋愛はひとりでするものじゃなくふたりでするもの」っていう言葉がある。だけど時にそれが三人になってたり、一人になってたりする時だって、きっと、ある。カーテンを開ければ、太陽が浮かび上がっていた。ベランダをあけて、小さく深呼吸する。あたしはずるい。これからもゆうちゃんと付き合って行くのだと思う。過去を空白に変えて。消えない鎖を足にまとい。また歩けなくなって足元がふらついたらカムイを求めるの?違う。前を見るんだ。今度は、自分の足で歩いて、前を見るんだ。いつか、過去を嘘で埋め尽くさず、過去をありのまま話せる日が来ることを思って、生きるんだ。
2006-01-10 00:29:00 -
279:
名無しさん
あげ
2006-01-11 16:11:00 -
281:
NN
人を器用に愛することができず もがいて絡み合ってしまう 愛してるの言葉だけで十分だったはずだよ なのになぜ心までほしくなってしまうのだろう 人の感情は凶器だ
2006-01-12 02:53:00 -
282:
NN
長い冬休みを終えて新学期になるとカムイは、学校からもヘブンからも姿を消していた。あたしは呆然としながらも、心の中で安心していた。カムイが近くに現れると気が気じゃなくなってしまう。あたしがあたしでなくなってしまう。ゆうちゃんの手をとり、あたしは校門を歩く。このかさなりあう手に未来を夢見る。今もカムイは天国を夢見てる?あたしは生きるよ。地上でヘブンを見つけるの。カムイ、もしもいつか街であんたをみかけたら声をかけてもいい?「あたしは生きてて今幸せだよ」と笑える日が、そしてカムイが笑ってうなずいてくれる日がくるのを信じてる。
2006-01-12 02:54:00 -
283:
NN
だから、カムイ、あんたも天国は地上にあると信じていて...
2006-01-12 02:55:00 -
284:
NN
ちゃんとまとめることができたか心配ですが、大阪心中は一応これで終わりです。今まで読んでくださった方、応援してくださった方、ありがとうございます。もしも天国があるのなら。全て過去は消えて生きていけるのでしょうか?そんなことを伝えたいと思って書き上げた作品でした。至らない文章で、大変恐縮ですが、本当にありがとうございました。いちおう東京心中と大阪心中が両方まじった続編を考えています。また、機会があれば読んでやってください。ありがとうございました。 NN
2006-01-12 02:58:00 -
285:
ぁみ
完結ぉめでとぉ(・∀・) 東京心中ゎ読んでなぃけど大阪心中読んで東京心中も読もぅと思ぃましたぁ☆すごくょかったです(///∀///)また書ける時がぁったら書ぃて下さぃ(・∀・)
2006-01-12 03:05:00 -
286:
☆彡
完結ぉ疲れサマです★
大好きな小説だったのでカナリ寂しぃデス。。。
続編待ってます(^ー^)2006-01-12 03:39:00 -
287:
名無しさん
毎回ハッピーエンドでなくエヌさんのはいつも考えさせられるから好き。。次回作楽しみ
2006-01-12 04:38:00 -
288:
マリナ
完結ぉめでとぅござぃます?本当に切なぃ話だったぁ??胸がしめつけられました?次回作期待してマス?
2006-01-12 06:18:00 -
292:
いくみ
東京〜からずっと読んでました???完結おめでとうございます?次回作も楽しみに待っています?
2006-01-12 18:59:00 -
293:
名無しさん
おめでとうございます
2006-01-12 19:11:00 -
294:
名無しさん
カムイゎ死んじゃったんですか?
2006-01-12 21:56:00 -
295:
名無しさん
Nサンほんっまうまいなァ?ことばのセンスが違いすぎる
2006-01-13 02:56:00 -
296:
流威
東京心中から読んでます?書き込みするのは初めてなんですが、NNさんのかなりスキで何回も覗くのが癖になってしまってます?
次回作も楽しみにしてます、絶対読みますね??
読んでて胸にズキってきてあんまり泣かない私でも泣きました?言葉にするのがヘタクソな私なのでNNさんかなり羨ましいです?色々気づかせてもらった事もいっぱいありました?長々すみません??2006-01-13 03:43:00 -
297:
名無しさん
泣いた
2006-01-13 03:47:00 -
298:
名無しさん
カムイ死んだの?
2006-01-13 07:23:00 -
299:
名無しさん
カオル〉〉〉〉カムイ〉アリス さすが元ボーイズ作家
2006-01-14 02:18:00