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ー今あなたに伝えたいー

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  • 1:

    サリ




    2005-10-02 03:18:00
  • 11:

    サリ

    初めて優貴の家に行った。どちらかが誘う訳でもなく。いやらしい感じは、一握りさえもなかった。
    テレビを見ながら、ベッドに寝転ぶ。
    優貴は、疲れていたのか横ですやすやと寝息を立て始めた。
    私は優貴の寝顔を見ながら母性本能が自分にも、ちゃんとある事を知った。

    2005-10-02 03:35:00
  • 12:

    サリ

    煙草に火をつけ、煙を肺に入れ、私自身を落ち着かせる。まだあまり知らない男の家に行くのは、それなりに抵抗があった。


    どくどくと、いつもよりも強く波打つ心臓を何より早く抑えたかった。

    2005-10-02 03:37:00
  • 13:

    サリ

    ただでさえ、優貴に子供っぽく見られているのに、心の奥までも、子供の部分がある自分が嫌だった。
    優貴が寝て少し安心したがなかなかそれが全部なくなってくれない。眠りにつけない。


    テレビをぼーっと見ていると、今日の出来事が、頭を駆け巡る‥‥。

    2005-10-02 03:40:00
  • 14:

    サリ

    いきなりの別れ話。
    彼に何も言えなかった。突然すぎて驚いた。


    思い返していると少しだけ悲しくなった私は、目に溜まって今にも落ちそうだった水を急いで指で拭った。彼を想って、涙を流さない事が私の精一杯の強がり。

    2005-10-02 03:42:00
  • 15:

    サリ

    テレビを急いで消して、布団に潜り込み、目を瞑って悲しみも喜びもない世界に向かう。寝てしまえば、何も考えなくて済む。

    これでいい‥‥。
    思い出したくはない。

    2005-10-02 03:43:00
  • 16:

    サリ



    ばっと引き寄せられて目が覚めた。
    まだ外は真っ暗な時間だという事はなかなか眠気が抜けない私自身からすぐに分かった。
    優貴のぼやけた顔を見つめた。

    2005-10-02 03:47:00
  • 17:

    サリ

    少しの沈黙を私の声で遮った‥‥。
    「どうしたん?寝られへんの?」
    笑いながら、今のこの突然起こった状況から逃げ出そうとする私が居た。

    「お前が横おるから寝られへん。」

    2005-10-02 03:48:00
  • 18:

    サリ

    そんな笑いを消してしまうような言葉に、また心臓が強く音を立ててしまう。
    私の動揺を知らない優貴は私の顔を引き寄せ唇を近付けてきていた。
    抵抗はしなかった。

    きっと嫌じゃなかった。

    2005-10-02 03:49:00
  • 19:

    サリ

    「恥ずかしいな。」
    また笑って終わらせようとした私を優貴は、強く抱き締めた。
    人の温もりは、何よりも暖かい。
    悲しさも。寂しさも。
    全てなぐさめてくれる。

    2005-10-02 03:51:00
  • 20:

    サリ

    そのあとの二人の間に会話は無くて、ただひたすら唇を重ね合い、お互いを何度も求めた。
    優貴の事を好きだなんて思った事はないし、優貴も私を好きじゃないはずなのに何故か行為を終えても、虚しい気持ちにはならなかった。
    反対に、好きでなくてもこんなに安心感を与えてくれる人がいるという事を知った。

    2005-10-02 12:44:00
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