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別離の始まり

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  • 1:

    花綾 ◆kJmhGaf60.

    初めて書くので下手ですが時間が余ったときにでも読んでみて下さいm(__)m

    2005-09-17 00:00:00
  • 18:

    花綾 ◆kJmhGaf60.

    「ねぇ、晧輝ぃ。今日終わってからどこに行くぅ?」鼻にかけた甘い声で晧輝に話し掛けてくる。40歳近くにもなってこの女はそんな話し方をすれば男から可愛く見られるとでも思っているのだろうか。頭が痛くなる。晧輝は欝陶しいのを我慢しながら「あー、でも、オレ今日あんまり売り上げよくないから、終わってからオーナーに説教食らわされるかも」「そんなの、お客さんとアフターあるからって言えばいいじゃない」「そうもいかないんだよ、うちのオーナー。清香さんも知ってるだろ?うちのオーナーの口癖」

    2005-09-17 01:32:00
  • 19:

    花綾 ◆kJmhGaf60.

    「『お客さんよりオレ優先!』だっけ?」「そうそう。あの人オレら従業員に異常なほど愛着持ってるからね」「でも、お客さん大事にしないと水商売ってうまくいかないでしょ?オーナーならそのへんはわかってるでしょ」「普段はわかってくれるんだけどな。今日オレの売り上げマジやばいから『お客さんとアフターです』って言っても絶対信じない。説教から逃げる手段だと思われるだけ」「ええ〜、せっかく久しぶりに晧輝とゆっくりしようと思って来たのにぃ〜」「ごめんって。また今度埋め合わせするから」「でもぉ…」「つぅかさ、ごめんっつってるじゃん。あんましつこいとオレ怒るよ?」「…ごめんなさい…」「清香さん、いい加減オレの性格わかれよ」

    2005-09-17 01:41:00
  • 20:

    花綾 ◆kJmhGaf60.

    夜の世界に入って四年。晧輝はずっといわゆる「オラ営」だった。偉そうな態度で接客し、我儘放題する。我儘が通らなければキレる。するとなぜか女はそんな晧輝にはまる。最初はなにがいいのかわからなかった。金を払って来ているのに、従業員のオレの機嫌を伺い、我儘を許し、あげくの果てにはキレられる。

    2005-09-17 01:46:00
  • 21:

    花綾 ◆kJmhGaf60.

    晧輝は自分が逆の立場だったら、絶対二度とその店には行かないだろう、と思いつつも今日まで四年間同じ営業スタイルを貫いてきた。正直、自分の何が女にウケるのかは今でもわからない。でも、それでも売り上げは確実に上がっているのでわからないままでも大した問題ではなかった。

    2005-09-17 01:49:00
  • 22:

    花綾 ◆kJmhGaf60.

    「…晧輝、電話鳴ってるよ」「ああ…先輩からだわ。ちょっと席外すな」そう言いながら席を立ち、スタッフルームに入る。「あ、ヒロだけど。お疲れさん。今大丈夫か?」「お疲れさまっす。大丈夫っすよ。むしろ助かりました。うざい客が来てるんで」「ははっ。おまえ相変わらずだなぁ。あんま客のことうざいとか言うなよ?オレら水商売、客あってのものなんだからな」「そりゃ、わかってますけどね。で、どうしたんですか?こんな時間に電話かけてくるなんて珍しい」

    2005-09-17 01:56:00
  • 23:

    花綾 ◆kJmhGaf60.

    「ああ。オレの知り合いの女の子がな、今ミナミにいるらしくて。で、どっかいい店ないかって聞くから、おまえんとこどうかな、と思って。客来てるなら無理か?」「いや、いいっすよ。でも、マジ珍しいっすね。ヒロくんがオレに客紹介するなんて」「客っつぅか、妹のようなもん。この時間に下手にふらふら歩かれて変なヤツに捕まっても困るしな」「ずいぶん可愛がってるんっすね。片思いでもしてるんですか?がらにもなく」「ばぁか。んなんじゃねぇよ。とにかく頼むわ」

    2005-09-17 02:02:00
  • 24:

    花綾 ◆kJmhGaf60.

    「わかりました。で、どうすればいいんすか?」「迎えに行ってくれるか?どこまでなら出られる?」「今日はあんま店抜けられる状況じゃないんで…近くの喫茶店くらいまでなら行けますけど」「じゃあそこまで行くようにあいつに連絡しとくから。悪いな」「わかりました。あ、その子の名前は?」「花綾。花に綾で『かあや』」「花綾ちゃんね。OK。んじゃ、行ってきますね」「くれぐれも頼むな。…手、出すなよ、じゃあな」

    2005-09-17 02:08:00
  • 25:

    花綾 ◆kJmhGaf60.

    切れた電話を眺めながら(へぇ、マジ珍しい。ヒロくんがここまで女構うなんて)と思いつつ、スタッフルームを出る。ヒロは晧輝よりはマシだが、女の扱いはかなり適当だった。そのヒロに珍しく、頼む、と言わせるなんてどんな女だろう…そんなことを考えながら清香の席に戻る。

    2005-09-17 02:12:00
  • 26:

    花綾 ◆kJmhGaf60.

    「悪いな。オレの先輩の紹介で新規の客来るから、迎えに行ってくる」「ええ〜、晧輝全然私の席にいないじゃない!!」「仕方ないだろ。世話になってる先輩の紹介だし、オレ今日まだあんま上げてないし」「そんなの、清香に関係ないじゃない!清香は晧輝がいてくれなきゃ嫌なの!!」「…うるさいって。とにかくオレ迎えに行ってくるから。そんなにオレに席に居てほしいなら、シャンパンの一本でもおろせよな」言い捨てて店を出た。

    2005-09-17 02:18:00
  • 27:

    花綾 ◆kJmhGaf60.

    まだ夏になりきっていないのにa.m.6:00の空はすでに明るくなっていた。暗い店から出てきたので少しの明かりすら眩しく感じる。サングラス持ってくればよかったな、と思いながら待ち合わせの場所に向かう。店のあるビルから歩いてほんの少しの距離。すでに喫茶店は見えている。そこに座り込んでいる女がいた。茶髪にヤンキー座り。(まさか、あれじゃないだろうな…)そう思いつつ女の側まで行き、携帯に集中している女に声をかける。

    2005-09-17 02:25:00
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