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1:
花綾 ◆kJmhGaf60.
初めて書くので下手ですが時間が余ったときにでも読んでみて下さいm(__)m
2005-09-17 00:00:00 -
8:
花綾 ◆kJmhGaf60.
お金は腐るほどあった。実家が裕福だから。その上花綾自身水商売で稼いでいた。生活に遣う以外のお金は全て飲み代に消えていた。それに例え生活費がなくなったところで、親や客からお小遣いを貰えばまた遊びに行ける。
2005-09-17 00:31:00 -
9:
花綾 ◆kJmhGaf60.
だから、花綾はどこの店に行ってもちやほやされた。たくさんお金を遣うから。今日もいつも通っている店でたくさんお金を遣っていた。いつもその店は、お金を遣えば遣うほど皆、花綾を楽しませてくれる。けれど、今日は何だかそこでは物足りなかった。だからヒロに電話をかけて知らない店を紹介してもらおうと思ったのだ。
2005-09-17 00:36:00 -
10:
花綾 ◆kJmhGaf60.
物足りない理由を花綾はわかっていた。確かにお金を遣えば遣うほど、楽しませてくれる。けれど、花綾が楽しめば楽しむほど、花綾を楽しませてくれる人たちは花綾を『お金』と見る。
2005-09-17 00:39:00 -
11:
花綾 ◆kJmhGaf60.
独りになりたくないから、楽しみたいから、お金を遣う。なのにそうすればそうするほど、花綾は人として見られなくなっていく。だけど、お金を遣わなければ、独りになるし、楽しめない。思いと行動が矛盾しているのはわかっていた。でも結局花綾にはお金を遣う、という方法しか知らないし、わからない。だから、段々人として見られなくなっていくのをわかっていながらも、お金を遣って人の中にいるしかなかった。
2005-09-17 00:43:00 -
12:
花綾 ◆kJmhGaf60.
そんなことをぼんやり考えていると、ヒロから電話がかかってきた。「オレ。ツレに電話しといた。今から迎えに行けって言ってある」「サンキュウ〜!で、どこに迎えに来るの?花綾はどこにいればいい?」「周防町の角の喫茶店わかるだろ?そこの前で待ってろ」「OK!じゃあ今から向かうね。ヒロ、起こしてごめんね?愛してるよ〜ん」「愛想ふりまかなくていいから。花綾の我儘には慣れてるし」「ばれた?でもほんとサンキュウね」「ああ。あんまハメ外してオレに恥かかすなよ」「わぁかってるって!じゃね、オヤスミ」
2005-09-17 00:50:00 -
13:
花綾 ◆kJmhGaf60.
電話を切り、周防町にある喫茶店に向かう。いつもの道。見慣れた景色。そこを花綾は踊るような足取りで進む。この街にいる間だけ、花綾は花綾らしくいられる。だから楽しくて仕方がない。目的の場所につき辺りを見回してみたが、それらしき人間は見当たらない。でも、すぐに迎えは来るだろう。そう思い、花綾は閉店した喫茶店のシャッターの前に座り込んで、携帯を開いた。
2005-09-17 00:55:00 -
14:
花綾 ◆kJmhGaf60.
「あの、すいません」顔を上げると、そこにいたのは、黒髪ロン毛、スーツ姿の男がいた。ホストだ。男のわりに綺麗な顔をしている。(何だ、キャッチか)そう思い、花綾は意識を携帯へ戻した。花綾はロン毛の男が大嫌いだったから、キャッチをしてきた男と話す気にならなかった。
2005-09-17 01:00:00 -
15:
花綾 ◆kJmhGaf60.
「すいません」しつこいなぁ、と思いつつ立ち上がって男を見返す。「何?私、人を待ってんだけど」「花綾ちゃん?ヒロくんの知り合いの。オレ、迎えに行くようにヒロくんから言われて来たんだけど」「ああ、なんだぁ。ごめんね、キャッチだと思ったから無視しようと思っちゃった」「そうなんだ。オレ、人違いしたかと思ったよ」「ほんとにごめんね。お迎えありがとう。お店近いの?」「うん。すぐそこだよ。あそこに見えているビルの三階」「そっか。じゃ、行こっかぁ」
2005-09-17 01:06:00 -
16:
花綾 ◆kJmhGaf60.
花綾は一歩遅れて男に着いて行きながら、迎えに来た男がホストだったことに少し驚いていた。今までヒロに店を紹介してもらったことはあったが、ホストを紹介されたことはなかった。ヒロと花綾は兄妹のような付き合いをしているので、お互いのことはよく知っていた。花綾がなぜ夜遊びをするのか、なぜ眠りにつきたくないのか。だから、ヒロは今まで決して花綾にホストを紹介しなかった。ホストにとって女は『お金』だから…
2005-09-17 01:12:00 -
17:
花綾 ◆kJmhGaf60.
side B〜晧輝〜
(あー、だりぃ。つか、この女マジうざい)ボックス席で女の横に座りながら、晧輝は内心毒づく。横に座っている女は、晧輝に惚れて通ってきている水商売の女。水商売っていっても、小さなスナックで働く中年にに近いホステスだ。派手にはしているが、元が良くないので、それが恐ろしく似合っていない。まるで、どこかの田舎の「飲み屋」にでもいそうな感じだ。少なくとも「ミナミのホステス」ではない。2005-09-17 01:25:00