小説掲示板『一番大切なこと』のスレッド詳細|夜遊びweb関西版

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『一番大切なこと』

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  • 1:

    ?りんご?

    久しぶりに行った地元のバーで私は偶然にも久しぶりに颯太(そうた)と再会した。颯太は隣中学の同級生。私達は今24歳。10年前に出会った私達の苦しい切ないすれ違いがまた始まろうとしていた。
    「久しぶりやなぁ。全然変わってないやん」
    私に気付いた颯太はすぐに話し掛けてきた。颯太と話すのは6年ぶりだった。成人式の日、久しぶりに見かけたけど話すことのないままで。

    2005-08-27 04:00:00
  • 2:

    ?りんご?

    だから会ったのも6年ぶりのようなもんだった。私に変わってないと言った颯太も昔と変わらないまま、あの頃と同じ笑い顔で私を見ていた。
    「颯太こそ変わってないやん。まぁちょっと声が低くなった気するけど」
    そんな会話から始まった。颯太も一人、私も一人で飲みに行ってたせいかいつの間にか二人で肩を並べてカウンターで飲んでいた。

    2005-08-27 04:06:00
  • 3:

    ?りんご?

    「なぁ美樹って今どこに住んでるん?仕事は?彼氏は?」
    颯太は質問責め。私はキタに住んでることや夜の仕事をしてることを話した。
    「彼氏は?おるん?」
    「え、いてないで。最近別れたとこ」
    私は自分でも何故だか分からなかった。何で嘘をついてしまったのか。何で彼氏がいることを隠してしまったのか。

    2005-08-27 04:12:00
  • 4:

    ?りんご?

    「そうなんや。良かった俺もおらんねん。って別に聞いてないか(笑)」
    笑いながら颯太が言った言葉が何故か胸にひっかかった。まぁどうでもいいや。何かあるわけでもないし。私と颯太は付き合っていたわけじゃないけど昔、色々あった。
    その色々が颯太といると鮮明に思い出されてくる。できれば思い出したくない、切ないすれ違いだったから。

    2005-08-27 04:18:00
  • 5:

    ?りんご?

    一人で静かに飲もうかと思ってたのに調子が狂った。楽しそうに話しながら笑う颯太は私の心の中をかき乱す。あかんこのまま喋ってたら余計なこと思い出してしまう。
    「ごめんもう帰るわ飲み過ぎたし」
    私は帰ることにしてチェックすると颯太もチェックを頼んだ。
    「俺も帰るわ。てゆうか送ったるわ近いし」

    2005-08-27 04:24:00
  • 6:

    ?りんご?

    「え?いいって近いし。歩いて帰れるから」
    実家はバーから徒歩五分。ほんまに近い距離やったし送ってもらう理由もなかった。
    「夜やし危ないやん。車やったら一分やし」
    颯太の押しに負けた私はバーを出ると渋々颯太の車に乗った。車が発進したのはいいけど家とは逆方向。え?と思ってると颯太はスピードをあげた。
    「ちょっとドライブしよ。懐かしいとこ行こや」

    2005-08-27 04:30:00
  • 7:

    ?りんご?

    「懐かしいとこ?分からんどこなん?」
    「え?箕面の夜景。昔行ったやん俺が免許取り立てのころ」
    箕面の夜景?あーそういえば行ったなぁ。たしかあれが二人で会った最後の日やったっけ。変なとこチョイスするわほんま…。
    そんなことを考えてたら、颯太はCDを変えた。流れだした曲に、一瞬ドキッとした。GLAYのアルバム。懐かしすぎる。よく颯太と聴いてたアルバムだった。何年前やったんやろ?てゆうか昔からかなり年月もたってんねんなぁ…。

    2005-08-27 04:37:00
  • 8:

    ?りんご?

    生きてく強さ、ずっと二人で、軌跡の果て。懐かしい曲に思わずひたってしまった。てゆうか私何してるんやろ?しかも颯太と。そう思うと自然に話せなくなった。
    「俺な、ずっと思っててんけどなかなか無理ってゆーかどうにもならんくて。俺から何か言える立場じゃないしとか考えると動かれへんかってんやん」
    颯太は運転しながら話しだした。立場?動く?何を言ってんのかイマイチよく分からんかった。

    2005-08-27 04:44:00
  • 9:

    ?りんご?

    「携帯もな、美樹変えたやん?しかも何回も変わったやろ?俺こうすけとかに何回か聞いて教えてもらっててんけどなかなかかけられんかって。やっとかけてみたら番号変わってたり」
    颯太が言うには番号を聞くたびにかけようとしたけどずっとかけれんくて、かけれた時にはいつも番号が変わってたり、その繰り返しやったって。
    確かによく変えてた。半年置きとかに。

    2005-08-27 04:50:00
  • 10:

    ?りんご?

    「ふーんそうなんやぁ」
    私は何を答えていいのか分からんかったからそう言うしかなかった。
    「何やねんそれ全く聞く気ゼロやな。てゆうか美樹ずっと何人かと付き合って彼氏おったやろ?よく聞いてたから由香ちゃん達に。だからあんたには番号教えへんとか言われてたもん」
    由香かぁ。由香は私の地元の同中。仲いい友達の一人。番号教えへん…か(笑)由香らしいわ。まぁ由香がそう言うのも無理ないかなぁ。颯太のことで泣いてた頃とかいつも一緒におったし。

    2005-08-27 04:58:00
  • 11:

    ?りんご?

    「うーん。おったよ。あれから何人かと付き合ったよ。イケメンばっかり」
    私は笑いながら冗談混じりで言った。
    「うそやんマジで…俺は…俺も彼女できたりしたけど長続きせんかったってゆーかほんまに好きになれんかったずっと。何でなんやろって考えてたもん。でもな、今日やっと分かったわ。多分美樹のことどっかで引きづってたんやと思う」

    2005-08-27 05:05:00
  • 12:

    ?りんご?

    「はぁ?何ゆってるん。もういいやん昔のことやねんから。終わった話やん」
    私はムショーに腹が立って少し声が大きくなった。それから颯太は黙って運転した。箕面の山を登り、上へ上へと進んでいく。そして懐かしいあの夜景スポットについた。
    綺麗な夜景が目の前に広がる。と同時に六年前のあの日が頭をよぎった。あの日、ここで終わってんなぁ…。付き合ってもなかったのに終わったってゆうのは変な話やけど、つかず離れずの関係やった颯太と私には形なんてものは始めからあってもないようなもんやったし。

    2005-08-27 05:12:00
  • 13:

    ?りんご?

    颯太と初めて会ったのは中学二年の夏。隣中学でカッコイイって噂になってたのが颯太やった。夏休みの地元の花火大会の日、私と颯太は偶然友達どうしのつながりで初めて会った。
    颯太はその日初めて会ったのに私に
    「かき氷買いに行こ」
    とみんなの輪の中から手を引っ張ってきた。何なんコイツ…ってゆうのが第一印象だった。

    2005-08-27 05:20:00
  • 14:

    ?りんご?

    「杉浦なに味がいい?」
    「イチゴかな♪えっ?てゆうか何で美樹の名前知ってるん?」
    私は初めて会ったのに何で知ってるのか不思議になった。
    「何でも(笑)うそうそ!前から知ってたで。下の名前美樹ってゆうんやぁ。じゃあ美樹って呼ぶわ」
    ハァ?何なん馴れ馴れしいやつ。そん時はそう思ったけど、何でか分からんけど嫌な気はしいひんかった。

    2005-08-27 05:29:00
  • 15:

    ?りんご?

    そんな日々が過ぎ、中学三年になったある日いつものように遊んでると颯太の友達、和也にみんなから少し離れた場所に呼ばれた。
    「俺、美樹ちゃんのこと好きやねん。付き合ってくれへん?」
    あまりの突然の出来事に私はびっくりしてしまった。生まれて初めての告白。それも仲良い友達からの。
    友達や颯太達は告白を知ってたのか静かに見ていた。でも何かよく分からん気持ちがどっかにあった。
    「ごめん。和也のことは好きやけど友達としてしか見てなかった。だから付き合うとかそうゆうの考えられへん」

    2005-08-27 05:44:00
  • 16:

    ?りんご?

    「分かった。ごめんな急にこんなんゆって。美樹ちゃん颯太のこと好きなんやろ?それやったら諦めれるしいい友達でおろな」
    和也はそう言ってみんなの方に戻っていった。
    颯太のこと好き?誰が?一瞬頭の中がパニクった。そんなん好きとか考えたことない。でも颯太といたら楽しいしいつもいるのが当たり前やし…。
    ってゆーか和也フッてしまったわけで。こうしてみんなで遊ぶのも気まずくなったらどうしよう…私の頭はぐちゃぐちゃになっていた。

    2005-08-27 05:51:00
  • 17:

    ?りんご?

    それから私もみんなの所に戻ったけど、いつもと違う空気に耐えられなくなり私は先に帰ると言って川らからすぐに帰った。
    帰り道、一人で考えた。さっきの空気の重さは私のせいやなぁって。みんな明らかに違うかったなぁって。颯太だけはいつもみたいにおちゃらけて笑わせてきたけど。
    どうしようみんな遊びにくくなったら…私のせいやわ。かなり気持ちが落ちてブルーになってた。

    2005-08-27 05:57:00
  • 18:

    ?りんご?

    同じ学校じゃなくて良かった。もし一緒だったら気まずいもん。そう思ってると半分泣きそうになった。
    「みきー帰んのか?」
    聞き慣れた声が後ろから聞こえた。自転車に乗った颯太が後ろからきたのだ。
    「なに泣きそうな顔してんねん。泣きたいのは和也やろ(笑)まだ帰らんでもいいやろ?ちょっとりんご公園行こや」
    そう言われ、近くにあったりんご公園に行った。颯太と私はブランコに乗ると少しの間沈黙が続いた。颯太もいつもと少し違う。やっぱり怒ってんのかな?和也フッたこと…。颯太の友達やし…。

    2005-08-27 06:05:00
  • 19:

    ?りんご?

    私はさっき和也に言われた言葉も頭から離れへんかった。
    颯太のこと好きなんやろ?って。隣にいる颯太のことまともに見れなかった。
    「気にすんなよ和也のことは。まぁみんなで遊ぶのは気まずいかもしれんけど美樹が普通にしてたらアイツも普通になれると思うしな。てゆーか何でフッたん?俺ずっと和也のこと好きなんかと思ってた」
    ???え???

    2005-08-27 06:11:00
  • 20:

    ?りんご?

    「え?マジで。和也は仲いいけどそんな風に見たことなかった。ってゆーか颯太何で来たん?みんなまだ遊んでるやろ?」
    よく考えてみるとコイツ何しにきたん?って思った。
    「何で来たんはないやろー。美樹泣きそうな顔してたから笑わしたろと思ってきたのに」
    私はそれを聞いて笑ってしまった。
    「お、笑ったやんけ。良かった良かった。ほらな、俺の楽しさが分かったやろ」

    2005-08-27 06:17:00
  • 21:

    ?りんご?

    わけの分からん慰め方も、颯太なりの優しさなんやろうなぁって思った。そういえば颯太はいつもみんなで遊んだ帰りも一番最後まで送ってくれるし。颯太が今こうして隣にいるのも全然違和感がない。
    笑えるしホッとする安心できる存在。好きかどうかなんて分からんけど、颯太といたら楽しい。
    そうして意識するようになってからは、いつの間にか颯太を好きになっていた自分に気付くようになった。

    2005-08-27 06:22:00
  • 22:

    ?りんご?

    和也に告白された日から、私達と和也颯太達は前ほどは遊ばなくなり、時々遊ぶ程度になっていた。でも、颯太とは毎日といっていいぐらい夜になると家の近くで1時間ぐらい会っていた。
    会わない日は二時間も三時間も電話したりして。友達の由紀や沙織には和也のこと気にしないで早く付き合いなよってよく言われた。

    2005-08-27 06:38:00
  • 23:

    ?りんご?

    でもそんなことが続き、秋が過ぎると受験モード全開。冬休みも冬季講習などで慌ただしかった。その冬休みの間も変わらず颯太とは会ってたけど…。
    よく颯太の家にも遊びに行くようになって、お姉ちゃんとも仲良くなったりして毎日が楽しかった。そんなある日、いつものように颯太の部屋で遊んでるといつものように颯太にキスされた。
    それで、そのまま初エッチ。よく会うようになってからは毎日キスはしてたけど、その日はついにやっちゃった。

    2005-08-27 06:45:00
  • 24:

    ?りんご?

    お互い初めてだったからスムーズに…とはいかなかったけど、痛くても颯太の抱きしめてくれる腕があったかくて、なんかそれだけで良かった。
    照れくさくて終わった後はお互い目合わせられなかったけど(笑)でも幸せやった。嬉しくて嬉しくて、私が1番幸せやねんでーって大声で叫びそうなぐらい。
    あほみたいやけどそんなこと思ったりした。

    2005-08-27 06:50:00
  • 25:

    ?りんご?

    「なぁ美樹俺のことどう思ってるん?」
    いつもの颯太とは違う真面目な声でそう聞いてきた。
    「え?どうって…好きやと思う。多分」
    「多分んー?めちゃくちゃやなぁ。俺は好きやで。ほんまにめっちゃ好き」
    その言葉に胸がしめつけられた。今までずっと一緒にいたけど、好きって言ってくれたの初めてやったから…。ほんまはめっちゃ考えてた。颯太は何を考えてんのかな?って。私のことどう思って毎日一緒におるんやろうって。

    2005-08-27 06:55:00
  • 26:

    ?りんご?

    ある日、私はバイトの帰りに同じバイト先で働いていた大学生の大野さんに友達と一緒に車で送ってもらった。家の前でおろしてもらい車をおりると、そこには颯太が待っていた。
    車が走りだすと颯太は私に近付いてきて初めて大声で怒鳴った。
    「なにやってんねんヘラヘラ笑って。誰やねんあいつ」
    「バイトの人やって。さっき友達も送ってもらって最後が美樹やっただけやねんけど」

    2005-08-27 07:07:00
  • 27:

    ?りんご?

    「はぁ?送ってもらう必要もないやんけ。携帯もずっとつながらんし家かけたらまだ帰ってないとかゆわれたし。何のためにバイトしてんねん男と遊ぶためか。勝手にしろや俺も勝手にするから」
    颯太は延々とそんな言葉を私にぶつけてきた。
    「付き合ってないやん」
    私は何故かそんなことを言ってしまった。
    「はぁ?何ゆってんねん」

    2005-08-27 07:12:00
  • 28:

    ?りんご?

    「颯太一回も付き合うって言ってくれたことないやん。記念日だってずっとないねんで。こんなに一緒におんのに」
    私は気にしてなかったつもりでもそのことをずっと気にしてたのかもしれない。形にこだわってたわけじゃない。でも彼女って確証できることがほしかった。

    2005-08-27 07:15:00
  • 29:

    名無しさん

    2005-08-27 07:23:00
  • 30:

    名無しさん

    面白い(^O^)

    2005-08-27 07:27:00
  • 31:

    ?りんご?

    そうゆう気持ちを分かってほしくて言った言葉だった。でも颯太はそう受け取ってはくれなかった。
    「付き合ってないから男に送ってもらってもいいやんってことか?付き合うとか言葉の形って必要なん?俺はずっと付き合ってるつもりやったのに。わけわからんわ」
    そう言って帰ってしまった。

    2005-08-27 07:44:00
  • 32:

    ?りんご?

    えっ?何それ…聞いてないし。ってゆーか話してないから当たり前やけど。どうゆうこと?しかも年上って…。
    「仲直りしろよちゃんと。俺フッといてこんなんでお前ら終わったら笑われへんやろ」
    和也…ありがとう。そうや、つまらんことで意地張っててもキリないなぁ。一日考えた私は謝ろうと決めて颯太に電話をかけた。
    ケンカから五日目のことだった。
    「はい」

    2005-08-27 07:56:00
  • 33:

    ?りんご?

    「もしもし、美樹やけど。何してるん?」
    「何もしてないで」
    …沈黙…。
    「あんな、ごめん。何か電話かけにくくてかけれんかってんやん。まだ怒ってる?」
    「怒ってないで。ってゆーかもういいから。俺、初めて告られてんおととい。そいつはちゃんと好きやってハッキリ言ってくれたわ」

    2005-08-27 08:02:00
  • 34:

    ?りんご?

    意味わからん…何なん?もういいって。何なん?ハッキリって。
    「あっそ、分かった」
    私はそう言うと電話を切った。何なんマジで。何でなん?頭ん中がおかしくなりそうやった。
    その後すぐに和也から電話があった。
    「さっき聞いたけど颯太告られた女と付き合うとか言い出してんぞ?お前何も言わんと電話切ったんやろ?何でやねん。お前のこと試してんねんって。お前が本気かどうか確かめてんねん。いいんか?このままで」

    2005-08-27 08:08:00
  • 35:

    ?りんご?

    そんなことは分かってる。でもどっかで大丈夫って思ってた。颯太はどっかいったりせえへんって。私から離れていかんって。
    でも電話を切った日から一週間後、和也から話を聞いた私は頭が真っ白になった。
    「今日付き合うことにするって言ってた。お前からも連絡ないしもうほんまに終わりやって」
    ウソやろ?それが私の本音やった。絶対ウソや…。

    2005-08-27 08:13:00
  • 36:

    ?りんご?

    でも現実は現実やった。私は楽しく過ごしたかった夏休みが最低な夏休みになってしまった。思えば二年前の夏休みに颯太と会ってんなぁ…。何してたんやろ私。大事なのはただ一緒におることやったのに。
    涙が止まらんかった。情けなかった。めっちゃ好きやって思い知らされた。そして、夏恒例のあの花火大会の日がやってきた。
    由紀や沙織達と行った私は空元気そのものやった。やたらテンション上げたりして騒いで。みんなもそれ分かってるからか分からんけど、一緒になってハイテンションに付き合ってくれた。

    2005-08-27 08:19:00
  • 37:

    ?りんご?

    それなら屋台めぐりをしてると由紀の顔が一瞬曇った。視線の先を見ると颯太がいた。会わなくなって二週間がたっていた。久しぶりに見る颯太は何も変わってない。
    でも一つだけ変わってた。颯太の隣には違う女がいた。ずっと私の場所だったのに。何で?何でそんなやつが颯太の横におんの?その場で泣き崩れそうになった。
    「行ってきー。この前会った時美樹のことばっかり話してきてたし。颯太ゆってたで?あいつは俺のこと好きじゃなかったんかなって。今なら間に合うって行っといで」

    2005-08-27 08:27:00
  • 38:

    ?りんご?

    それから屋台めぐりをしてると由紀の顔が一瞬曇った。視線の先を見ると颯太がいた。会わなくなって二週間がたっていた。久しぶりに見る颯太は何も変わってない。
    でも一つだけ変わってた。颯太の隣には違う女がいた。ずっと私の場所だったのに。何で?何でそんなやつが颯太の横におんの?その場で泣き崩れそうになった。
    「行ってきー。この前会った時美樹のことばっかり話してきてたし。颯太ゆってたで?あいつは俺のこと好きじゃなかったんかなって。今なら間に合うって行っといで」

    2005-08-27 08:27:00
  • 39:

    ?りんご?

    無視してもいいはずの軽いナンパやったのに、颯太のことがあったせいか私は適当にナンパ男に答えた。
    由紀達も楽しそうに笑ってたからそのまま六人で屋台めぐりして花火を見ることになったけど屋台めぐりしてる時、また嫌な出来事が起こった。
    「お前何やってんねん」
    振り返るとそこには颯太が立っていた。何してんのこいつ。後ろには女もおんのに。何がしたいん?
    「何って颯太に関係ないやん。行こっみんな」

    2005-08-27 08:37:00
  • 40:

    ?りんご?

    「ちょっと待てって。来い!お前何考えてんねんあれナンパやろ?何してんねんマジで」
    手を引っ張られながらそう言われた。何なんほんまに。言ってることとやってることめちゃくちゃやん…。
    「ほっといてーやもう。颯太女と来てるやんか。付き合ってんねやろその女と。機嫌よく花火でもみときーやアホ」
    そう言って私は由紀達のところに走った。ほんまはあんなん言いたくなかった。颯太が怒ってくれて嬉しかった。ごめんなって泣きつきたかった。
    そんなんもできひん可愛くない女。自分が嫌でしょうがないってこの時ほんまに思った。

    2005-08-27 08:44:00
  • 41:

    名無しさん

    まだ書かないんですか?楽しみに待ってます(≧▽≦)

    2005-08-27 19:38:00
  • 42:

    名無しさん

    2005-08-27 19:39:00
  • 43:

    ?りんご?

    書いていきます??

    2005-08-29 00:57:00
  • 44:

    ?りんご?

    それから空回り。どうにでもなれって思ったせいか飲めもせえへんのに夜店でビールを買った。苦い…おいしくもない。何やってんねやろ…そう思うと涙が止まらんかった。
    それでも二本、三本と飲んで気付いた時にはベロベロ。由紀らも飲んでてナンパ男達とはそのままカラオケに行くことになった。
    カラオケに着いても私は上の空。やっぱり颯太のことが頭から離れんかった。

    2005-08-29 01:06:00
  • 45:

    ?りんご?

    由紀らは知らん男達とカラオケ来てんのに笑ってたり楽しそうにしてる。何が面白いんやろ?そんなん一人で考えてた時、私の隣に座ってた奴が急に私の持ってた携帯を取った。
    「何なん返してよ」
    私はちょっと怒った口調でそいつに言った。
    「え、怒らんとってーや。俺の番号登録しようと思っただけやねん。あかんかな?」

    2005-08-29 01:11:00
  • 46:

    ?りんご?

    ちょっとショボンとしながらそいつは携帯を持ってそう言ってきた。何なん怒った私が悪いみたいやん…。
    「い、いーよ別に」
    そう言わなあかん空気やった。そいつは少しニコッと笑って携帯にピコピコ登録すると私に渡してきた。
    画面を見ると斗真と登録されてた。トウマ?名前はカッコイイやん。そう思ってたらやたら近付いてきてて顔をじーっと見られた。

    2005-08-29 01:28:00
  • 47:

    ?りんご?

    花火大会の間はどうでもよくて顔を見ることもなかったけど、ちゃんと顔を見てみるとジャニーズ系の整った顔をしてた。まぁまぁいけてるやん…それが第一印象やった。
    その日はカラオケが終わったらナンパ男斗真達とはバイバイして別れた。
    「で、どーすんの?美樹。颯太のことこのままでいいん?」
    「素直になりーや」
    帰り道、由紀と沙織に言われた。分かってるよそんなん言われんくても自分が1番よく分かってる。

    2005-08-29 01:51:00
  • 48:

    ?りんご?

    家に帰った私はずっと颯太のことばっかり考えてた。その時携帯に颯太から電話がかかってきた。
    (もしもし)
    (あぁ俺やけど…)
    (何?どうしたん?)
    (あの男らとカラオケおったんやろ?こうすけが見たって聞いてんけど)

    2005-08-29 02:47:00
  • 49:

    ?りんご?

    (うん…行ったけど)
    (何でナンパなんかついていくねんお前そんな奴やったんか)
    意味分からん…颯太は何が言いたいん?心配してるん?ちゃんと素直になりたい。やっぱり颯太のこと好きって。ハッキリ言わないとあかん。
    (違う、颯太と会ってからちょっと頭いっぱいやったから…。勢いってゆうか何かそんな感じ)
    (そんな感じって何やねん。何かされたらどうすんねん危ないやろうが)

    2005-08-29 02:55:00
  • 50:

    ?りんご?

    (ごめん…)
    (謝んなって。ってゆーか他に何か俺に言うことないん?)
    ないん?ってありすぎるぐらいあるわ…。でも何から言ったらいいんやろ。そんなん考えてたらずっと黙ってしまってた。
    (ないねんな?美樹。じゃあもう切るわ)
    (えっちょっと待って。あるから。ちゃんと言うから)

    2005-08-29 03:00:00
  • 51:

    ?りんご?

    (あんな、やっぱり好きやねん。今日よく分かった。知らん女が颯太の隣におんのめっちゃ嫌やったし…。ずっと美樹がおった場所やもん。)
    颯太(俺もよく分かった。やっぱお前のこと好きやねんなぁって。だから別れるってさっき言ってきてん。でも嫌とか言われてまだ解決してないねんけどな)
    颯太…。そうなんや…。良かった。ほんまに良かった。それから私達には初めての記念日ができた。やり直し?付き合った記念が。

    2005-08-29 03:07:00
  • 52:

    ?りんご?

    初めて颯太と会った花火大会から今日でちょうど二年。二年たった同じ日にやっと颯太と気持ちが繋がった。私はその日、今まで二人で撮った写真やプリクラを整理したり、初めて手紙を書いてみたりもした。
    書いてて恥ずかしかったけど、そんなドキドキも新鮮やなぁと思った。

    2005-08-29 03:12:00
  • 53:

    ?りんご?

    それから前と変わらん日々がまた訪れた。夏休みの間、海に行ったりプール行ったり。颯太のお姉ちゃんの彼氏と四人で和歌山の海にも連れて行ってもらったりして。
    ほんま毎日楽しかった。ずっとこんな毎日が続けばいいのにって思ってた。けど、それから夏休みも終わって秋頃、たしか10月の半ば頃にあの出来事が起こった。
    その日は日曜日。私と颯太がいつものように颯太の家で遊んでるとピンポンとインターホンが鳴って、お姉ちゃんが颯太を呼びに来た。

    2005-08-29 03:21:00
  • 54:

    ?りんご?

    えっ?誰…?私がそんなこと考えて部屋で待ってる時、颯太の家では大変なことが起こってた。
    二時間近くたった時、男の人と女の人の声が聞こえて、玄関から帰って行く気配がした。やっと部屋に戻ってきた颯太は変だった。
    顔色も悪くて思いつめた顔。何かあったなって一発で分かる。
    「何か怒られたりしたん?へこみなやーいちいち」

    2005-08-29 03:28:00
  • 55:

    ?りんご?

    でも颯太は黙ったまま口を開かんかった。私は黙って颯太を見てたら左目から一粒涙がこぼれた。な、泣いてんの?
    「何があったんよ!何かあったんやろ?言ってや」
    私は颯太が泣いたのを初めて見た。だからどうしていいか分からんかった。
    「さっき来たの夏休みに一瞬だけ付き合ってた女とそいつの親父やねん」
    「それがどうしたん?何か怒られたりしたん?」

    2005-08-29 03:34:00
  • 56:

    ?りんご?

    少し黙った後、颯太は静かに話し始めた。
    「あんな、ごめん。付き合ってたの一週間ぐらいやったけど一回やってんやんあの時」
    やったって?何を?もしかしてH?嘘やん…何もしてないって言ってたやん…
    「でな、できたとか言われてん。おっさんには責任取れって。産むとか言ってんねん…どうしたらいいねんもう」
    当事者の颯太本人も頭がいっぱいいっぱいやったかもしれんけど、私の頭もおかしくなりそうなぐらいめちゃくちゃやった。

    2005-08-29 03:40:00
  • 57:

    名無しさん

    2005-08-29 11:18:00
  • 58:

    名無しさん

     

    2005-08-29 11:18:00
  • 59:

    名無しさん

    ?

    2005-08-29 16:02:00
  • 60:

    ?りんご?

    私は何も言えんかった。その女も産むってどうするってことなんやろ?たった一回やっただけで妊娠するもんなんかな?颯太が言うにはゴムもつけてたって。
    でもよく分からんかった。そういうこともあるんかもしれんなってその時はそう思うしかなかった。

    2005-08-30 02:54:00
  • 61:

    ?りんご?

    それからも何も変わらず颯太とは付き合ってた。でも肌寒さが増してきた頃、颯太から電話があって突然話があるって言われた。
    颯太の家に行ったら、深刻な顔で私に謝ってきた。何なん?どうしたんやろ…。私はとりあえず話を聞くことにした。

    2005-08-30 02:58:00
  • 62:

    ?りんご?

    「妊娠した話聞かされてからこの三週間な、嫌な男かもしれんけどあいつの家行って頭下げて学生やし責任取れませんっておろしてもらえるように何回も行っててん。でもな、何回行っても無理で。俺の親父も一緒に行ったりしてくれてんけど、やっぱり向こうの親は責任取って結婚しろって言うねん。むちゃくちゃやろ…でもな、ちゃんと考えたらもう命が宿ってんねん。俺の子が。そう考えたら俺めっちゃ怖くなったっちゅーか最悪なことしてんのかなって思って」

    2005-08-30 03:06:00
  • 63:

    ?りんご?

    「うん…」
    それしか言えんかった。
    「でもな俺が好きなんはお前や。だからお前を傷つけることになるって思ったら答えが出されへんかってんずっと。踏ん切りがつかんねん。
    お前とどっか二人で遠くに逃げようかとかカケオチみたいなんも考えたけどお前の親とか将来のこと考えたらできひんかった。
    最低やな俺…ごめんな美樹。」

    2005-08-30 03:11:00
  • 64:

    ?りんご?

    颯太は苦しんでたんや…ずっとずっと。優しいから、どうにもできんくて辛かったんや…。
    ずっと謝り続ける姿を見てたら、もう自分のことはどうでもよくなった。もう、そんなんから開放してあげたかった。
    「颯太、いいパパなったりな。美樹は大丈夫やから。もう何も考えんでいいよ。大丈夫。これでも強いねんから。平気やし」

    2005-08-30 03:16:00
  • 65:

    ?りんご?

    私は泣きそうになるのを必死でこらえて、最後まで笑ってた。最後の強がり。最後の優しさ。颯太が好きやから。ほんまに好きやったから…。
    もう泣くのをガマンできんくなって、急いで颯太の家から飛び出した。バイバイ…颯太。ガマンしてたからか一気に涙が出た。
    声まで出るぐらい泣いてしまった。でもすれ違う人に見られててももうどうでも良かった。

    2005-08-30 03:21:00
  • 66:

    ?りんご?

    「美樹ちゃん?」
    その時後ろから声が聞こえた。振り返ったらそこにおったんは颯太のお姉ちゃんやった。
    「ごめんな。美樹ちゃんにこんな思いさせてしまって。私も納得なんかできひんかった。向こうの親も頭おかしいわ愛情がない二人に子供なんて育てられへんの何で分からんのやろ?ごめんなほんまに。うちのパパもママもみんな美樹ちゃんのこと好きやったのに…。」
    もう充分やった。
    颯太に想われてることは、ちゃんと分かってたから。

    2005-08-30 03:29:00
  • 67:

    ?りんご?

    「ありがとうござ…。もう大丈夫やか…」
    泣き声が混じってうまく喋られへんかった。それから颯太のお姉ちゃんは結局家まで送ってくれて、私は家に帰った。帰り道はずっと泣きやむことができんくてずっと何も話せんかった。お姉ちゃんは黙って私の手を握っててくれた。

    2005-08-30 03:43:00
  • 68:

    ?りんご?

    泣き腫らした目で家に帰ると、お母さんにすぐに気付かれた。でも颯太のことは話さへんかった。私の家族もみんな颯太と仲良かったから…。
    もし話したら颯太のこと嫌な風に思われるかもしれんし…。だからずっと黙ってた。
    もういい大丈夫や。私は強い。もう絶対に泣かん。絶対に。そう心に決めた。頑張って卒業して大学行って就職して…それから…それから…。先のことを考えれば考えるほど苦しくなった。

    2005-08-30 03:52:00
  • 69:

    ?りんご?

    幸せになろう。絶対に自分から逃げたらあかん。私はそれからしばらく毎日そんなことを考えてた。頑張って自分の生き方探そうって。
    でも颯太との別れは想像してた以上にラクなもんじゃなかった。由紀や沙織達も毎日そばにおってくれたけど、そんな簡単に整理つけれる問題じゃなくて…。
    日を追うごとに自分が壊れていってた。何もかもどうでもよくなって、全てのことから逃げてた。

    2005-08-30 03:58:00
  • 70:

    ?りんご?

    そんなある日、バイトの帰りに電車からおりて駅のホームに着くと、反対側のホームから私を見て手を降りながら何か叫んでる奴がいた。
    は!?気持ちわる。誰やねん…無視して改札口まで歩いて行くとバタバタと後ろから走ってくる音が聞こえた。もしかしてさっきの変人!?一瞬ビクッとして見てみると意外なやつがそこに立っていた。

    2005-08-30 04:11:00
  • 71:

    ?りんご?

    そう、変人…あ?違うわ。その人物はあのナンパ男の斗真やった。私はびっくりしたけど息切れしながら笑ってるそいつを見て何かよく分からんけどアホやなぁって久しぶりに自然と笑ってた。
    「ってゆーか電話しても一回もでえへんかったしし携帯は変わってもうたしびっくりしたわ」
    そうやった。こいつらと行ったカラオケのあの花火大会の日、颯太と戻ってたから。だからずっと無視してた。
    それから颯太のことがあって携帯も変えてたから。

    2005-08-30 04:18:00
  • 72:

    ?りんご?

    「あーごめんごめん。てゆーか斗真くん何してるん?あ?仕事?学校?」
    「あ?学校帰りやけど遊び帰り?今これでも俺○○大学行ってんねんで」
    …え?なんて?
    「絶対ウソやわ(笑)」
    「ウソちゃうってマジやで」

    2005-08-30 04:24:00
  • 73:

    ?りんご?

    マジで…?だって斗真くん一見パッと見だけやとアホっぽいし。ってゆーかマジなんや…すごい。斗真くんは関関同立の○○○大学やった。
    人は見かけによらんなぁほんまに。ってゆーか何してんねやろこんなとこで。
    「え?じゃあ何してるんこんなとこで。家までまだ3駅もあるやん」
    「何してるんって?まぁそうやけど。さっき電車の中から美樹見えたからおりてもうてんやん。でも人違いやったらアホやけどなぁ。間違ってなくて良かったわ」

    2005-08-30 04:31:00
  • 74:

    名無しさん

     

    2005-08-30 04:31:00
  • 75:

    ?りんご?

    変なやつ。しかもまた美樹とか呼んでるし。でも元気やなぁ。ずっと笑ってるし。
    「じゃあまた番号教えて。絶対かけへんから」
    言ってることめちゃめちゃ。かけへんかったら聞くなよと思いつつも、笑いにうまく乗せられて番号を教えることになった。
    「よっしゃ?じゃあ美樹がかけてほしいと思った時にかけるわ。だからテレパシー送ってな。待ってるわ」
    そうして私は改札口、斗真君はまたホームに向かって行った。

    2005-08-30 04:38:00
  • 76:

    ?りんご?

    駅から家までの帰り道、ふと考えた。あ、私久しぶりに笑ってたなぁって。ずっと無理して笑ってたけど今日さっきは普通に笑ってた。颯太のことからやっと一歩踏み出せた気がした。
    それから家に着いたらすぐ電話が鳴った。相手は斗真くんやった。
    (家ついたかー?)
    (うんついたよ。てゆーかかけてくんの早過ぎやで)
    (マジで?タイミングいいと思ってんけど。俺のことちょっと思い出してたやろ?)

    2005-08-30 04:44:00
  • 77:

    ?りんご?

    そんな調子で話し始めた。電車をおりてすぐにかけてきたみたいやった。何を話したか覚えてないぐらい、くだらない笑い話をしただけやったけど、電話を切った後画面を見たら2時間も話してた。

    2005-08-30 04:51:00
  • 78:

    名無しさん

    2005-08-30 04:52:00
  • 79:

    ?りんご?

    不思議な感覚やった。長電話なんかしたの久しぶりやったし。電話を切った後そんなことを考えてるうちにいつのまにか寝てしまってた。
    それから毎日斗真から電話が鳴るようになった。別に嫌じゃなかったし、私も普通に話すようになっていった。
    「美樹最近ちょっと元気なったなぁ何かあった?」
    夏がもうすぐ始まろうとしてた六月の始め頃、いつものように由紀達と遊んでたらみんなに聞かれた。
    元気そう?私が?

    2005-08-31 02:47:00
  • 80:

    ?りんご?

    「そ、そーかな?別に普通やで」
    そうは答えたものの、自分でも分かってた。よく笑うようになったなぁって。元気取り戻したなぁって。
    そんな時、ずっと毎日電話で話してた斗真くんとふとしたことから遊びに行くことになった。駅のホームで会った日から二ヶ月、会うことはなかったけどよく電話で話してたせいか、別に久しぶりに会っても違和感がなかった。

    2005-08-31 02:51:00
  • 81:

    ?りんご?

    免許持ってる斗真くんは普通に待ち合わせ場所に迎えに来てくれて、まずベタに映画見て…ゲーセンで遊んでプリクラ撮ったり。はたから見ればデートしてるように見えてたと思う。
    それから夜にパスタ屋を見つけてご飯を食べた。斗真くんは今風でチャラチャラしてるように見えてたけど、有名な大学にも真面目に行ってるしイメージは少しずつ変わっていった。
    ずっと颯太と一緒におったから年上と二人で遊んだってゆうのも初めてやったし…。

    2005-08-31 02:58:00
  • 82:

    ?りんご?

    斗真くんはずっと電話でいつも笑わせてくれてた。颯太のことで半年近くもずっと心に穴が開いたみたいな辛い毎日やったけど、こうして笑えるようにもなった。
    こいつのおかげってゆうのも少しはあるんやろうなぁ…。パスタ食べながらそんなことを思ってた。
    「去年の花火大会の日美樹泣いてたやん?あれってあの時美樹の手引っ張って行った奴と何かあったからやろ?付き合ってた彼氏やったん?」

    2005-08-31 03:31:00
  • 83:

    名無しさん

    あげ

    2005-09-04 19:14:00
  • 84:

    名無しさん

    ?

    2005-09-05 00:22:00
  • 85:

    ?悠里?

    初カキコ?
    続き楽しみにしてるんで頑張って下さい?

    2005-09-05 10:40:00
  • 86:

    名無しさん

    2005-09-05 20:41:00
  • 87:

    ?りんご?

    書いていきます?

    2005-09-07 02:06:00
  • 88:

    ?りんご?

    私はもう隠す必要もなかったし、「そうやで」って答えた。斗真くんの顔は少し変わった気がしたけど、すぐに元に戻ったし私は別に気にしなかった。
    でも颯太とのことを深く聞いてくる斗真くんが私は少しうっとうしく感じた。帰り際も車で送ってくれてる時に何で別れたのかとか、今でも引きづってるのかとかずっと聞いてきた。

    2005-09-07 02:11:00
  • 89:

    ?りんご?

    斗真くんのことは嫌いではなかった。でも、颯太を思い出してしまうような話を聞いてくる斗真くんに、私は苛立ちを隠せずにいた。
    「なんなん?もう過ぎたことやしだいたい斗真くんには関係ないやろ」
    私はムカついたあまり、怒鳴ってしまってた。斗真くんは私の家の近くに着くまでずっと黙ってた。
    「ありがとう今日は。楽しかった。じゃあ帰るわーバイバイ」

    2005-09-07 02:15:00
  • 90:

    ?りんご?

    私は家のすぐそばに着くとそう言って車を降りた。そして家に帰ろうと歩いてると、斗真くんは車を止めたまま窓を開けて少し大きめな声で私に向かって叫んだ。
    「ごめんな!でも俺、ちゃんと知っておきたかってん。好きやから」
    えっ!?どういうこと!?私は一瞬わけが分からんかった。
    「美樹が俺のことキライじゃなかったら付き合ってくれや。好きじゃなくてもいいから。俺のこと好きなるから絶対。返事は待つし」

    2005-09-07 02:21:00
  • 91:

    ?りんご?

    「な、何それ。好きじゃなくてもとかめちゃくちゃやん・・・」
    そう言ったけど私は少しドキドキしてた。その日はそのまま返事もせずに帰ったけど、家に帰ってからもずっと考えてた。
    悪い人じゃない。それに見た目よりも遥かに頭もいいし楽しい。最近は斗真くんと電話するのが当たり前になってたし・・・。
    好きって気持ちはないけど颯太のことから本当に一歩踏み出すには斗真くんと付き合うのもいいのかもしれない。ズルイかもしれないけど前に進むためだから。

    2005-09-07 02:27:00
  • 92:

    ?りんご?

    それから私は三日考えた。その間、斗真くんからは連絡がなかった。私は毎日電話してた斗真くんの存在の大きさが分かった。
    好きじゃなくても私にとって支えになってたんやってことが。だから斗真くんからの告白から四日目に、オーケーする返事をした。
    斗真くんは言ってくれた。
    「これから美樹が俺のこと好きなるまで待つから。付き合っていくって言っても俺は変なことせえへんで。ちゃんと好きになってもらうまで。だから安心しろよ」

    2005-09-07 02:32:00
  • 93:

    ?りんご?

    冗談っぽくそう言って笑ってくれた。何なんめっちゃいい男やん・・・付き合ってすぐにそう思った。
    それからも何も変わることなく、休みの日には遊びに行ったり毎日電話したりで相変わらずの日々が過ぎていった。
    斗真くんはほんまに何もしてこんかった。手も繋いでこーへんかった。ちゃんと約束を守ってくれてた。見た目はチャラ男やのに、そういう誠実なところに私は少しずつやけど惹かれるようになった。

    2005-09-07 02:35:00
  • 94:

    ?りんご?

    そうして少しずつ前を向き、うまくいき始めた私と斗真くんは付き合って三ヵ月目に初めてキスをした。
    いつの間にか斗真くんのことを好きになり始めてたから。いつもそばで笑わせてくれたり私に真っ直ぐに向き合ってくれてた。
    だから私にとっても斗真くんは大切な人になっていってた・・・はずやった。あの時までは。

    2005-09-07 02:39:00
  • 95:

    ?りんご?

    ちょうどあの花火大会が近付いていた夏の日だった。私は由紀達に呼ばれ、とあるファーストフード店で待ち合わせをした。
    そこには由紀や沙織、颯太の友達や和也にこうすけ。昔よく遊んだメンバーが集まってた。
    「どーしたん?みんな。ってゆーかめっちゃ久しぶりやん♪」
    由紀達はよく遊んでるから久しぶりではなかったけど和也達に会うのは久しぶりやった。

    2005-09-07 02:44:00
  • 96:

    ?りんご?

    でもなぜかみんなの表情がおかしい。何か話があるって言ってたし・・・。
    「どーしたんってば」
    私は思わず聞いていた。そしたら由紀がゆっくり話し始めた。
    「落ち着いて聞いてな。今美樹はちゃんと彼氏もできてやっと立ち直ったけど颯太がな・・・」
    由紀はそこから先を話さんかった。とゆうより話せなさそうな雰囲気やった。そうしたら和也が静かに口を開いた。

    2005-09-07 02:47:00
  • 97:

    ?りんご?

    「ええわ。もう俺から話すから。びっくりせんと聞いてな。颯太な、五月に子供産まれたん知ってるやろ?」
    「うん。聞いてたで由紀から。それがどうかしたん?ってゆーかもうその話はしたくないねんけど」
    せっかく颯太のことから離れてたのに・・・まだみんなは気にしてんの?私はイライラしていた。
    「ちゃうねん。血液型な、颯太はOであの女Aやってん。でも子供がBやねん。分かるか?颯太の子ちゃうかってん。やっぱりオカシイと思っててんゴムつけてて一回やっただけでできるわけないって。」

    2005-09-07 02:54:00
  • 98:

    ?りんご?

    私は目の前が真っ暗。頭は真っ白になった。状況を理解するのに時間がかった。何も言葉が出てこんかった。
    「おい、大丈夫か?」
    「美樹?大丈夫?」
    由紀や和也達からはそんな言葉をかけられた。もう放心状態やった。理解はできた。だからってどうしようかなんてことは考えられへんかった。

    2005-09-07 02:58:00
  • 99:

    ?りんご?

    「颯太めっちゃ人間不信になってもーてんねん。颯太の親はすぐ離婚させてんけどショックは大きいみたいで」
    和也がそう言った。そして由紀も話し始めた。
    「だから颯太荒れてんねん。だってめっちゃ好きやった美樹と別れてまで赤ちゃんを選んで責任取ってさ。その結果が自分の子ちゃうなんてありえへんやん。可哀相やわ」

    2005-09-07 03:02:00
  • 100:

    ?りんご?

    可哀相?颯太が?確かに可哀相や。きっと悔しい思いしてまた苦しんでる姿が脳裏によぎった。
    でも私も同じだけ苦しかった。颯太と別れてから今日までずっと何かに心を突き刺されたまま、痛みに耐えて来た。
    「それで何で美樹にそんな話するん?」
    「な、何でって・・・何も思わんのか?お前ら引き裂かれたようなもんやったやんけ!?」
    引き裂かれた?そう、確かにそうやった。好きやったもんほんまに。好きで好きでどうしようもなかった。

    2005-09-07 03:08:00
  • 101:

    ?りんご?

    でもいくらあがいたってどうにもならんかった。私はあの日のあの時に決めたんやもん。振り返らないで前見て進むって。
    だからずっと頑張ってきた。悲しくても辛くても我慢して乗り越えて来た。なのに今ごろになってそんなことが分かってしまうなんて・・・これも神様の運命のイタズラなんだろうか。

    2005-09-07 03:13:00
  • 102:

    ?りんご?

    「あんな、美樹は颯太のこと好きやったよ。あんなに悔しい苦しい思いしたのも初めてやった。乗り越えるまで時間もかかった。で、やっと乗り越えれた。でもそれは颯太を諦めたから。もうリセットして終わってんねん美樹の中では」
    私は由紀達にそう言うと、お店から出て一人で帰った。帰り道、よく分からない気持ちのまま気がつけばあのりんご公園に来ていた。

    2005-09-07 03:18:00
  • 103:

    ?りんご?

    一体なんなんやろ。なんでこんなこと・・・私は意味もなく涙を流してた。
    断ち切ったはずの颯太への気持ち、芽生え始めた斗真くんへの気持ち。一緒になってずっと支えてくれてた友達への気持ち。
    考えれば考えるほど糸は絡んでしまう。ほどけなくなるくらいに。

    2005-09-07 03:22:00
  • 104:

    ?りんご?

    でも一つ分かったことがあった。私は颯太への気持ちを断ち切ったはずだったのにずっと消えずに心のどこかで模索してたって。
    実際さっき和也から聞いて気持ちが揺らいだ。不思議な感覚やった。でもよく分からんままで。ずっと私に気持ちがなくてもそばにいて笑わせてくれてた斗真くんを裏切ることになるって思った。
    やっと乗り越えれたのも斗真くんがいたからやった。そんな斗真くんを私は捨てることはできひんって思った。

    2005-09-07 03:28:00
  • 105:

    名無しさん

    2005-09-07 03:29:00
  • 106:

    名無しさん

     

    2005-09-08 16:24:00
  • 107:

    ?りんご?

    自分の気持ちすら分からなくなっていく。考えれば考えるほど頭がいっぱいになった。颯太は今何を思ってるんだろうか。そして斗真くんも。
    二人の間で揺れてるわけじゃない。私が好きなのは間違いなく颯太だった。でもどうにもできない気持ちにまた自分で鍵をかけた。
    あの時と同じ。自分から身を引いて。でも本当はこれが一番ずるいって分かってる。逃げてるだけなんだって。

    2005-09-08 23:16:00
  • 108:

    ?りんご?

    自ら離れ、気持ちを包み隠すことで自分を守ってるだけだった。
    結局その日はバイトも休み、家に帰ってからもテレビもつけずに部屋でずっとぼーっとしていた。
    ♪PPPPP♪
    その時携帯が鳴った。画面を見ると斗真くんやった。
    「もしもし?どうしたん?」

    2005-09-08 23:20:00
  • 109:

    ?りんご?

    私は普通に電話に出た。
    『どうしたんじゃないやろ。美樹バイト休んでたん?びっくりさせようと思って店の前で終わるの待っててんで』
    「あ…ごめん。ちょっと体調悪くて」
    『マジで?大丈夫なんか?ゆっくり寝てなあかんぞ!もうすぐ花火大会もあるんやし』
    花火大会…?あぁそうか。あの花火大会や…。斗真くんと初めて会ったのもあの花火大会やったっけ。颯太と会ったのもあの花火大会やった。

    2005-09-08 23:25:00
  • 110:

    ?りんご?

    同じ花火大会で出会った二人の男達。神様はなんでこんな変な巡り会わせをさせたんやろう。
    『美樹?聞いてる?』
    「あ、うん。分かった」
    『あんまり無理すんなよ!また電話するわ』
    「うん。じゃあバイバイ」

    2005-09-08 23:28:00
  • 111:

    ?りんご?

    電話を切った私は妙な胸の苦しさを感じた。斗真くんはいい男やけど、やっぱり好きになれるんやろうかって。
    颯太の話を聞いてからどんどん自分の気持ちが乱れていった。
    それからも変わらず斗真くんとは付き合ってたけど優しい言葉をかけられると変な罪悪感にかられるようになったりして。
    心の中で、好きにならなあかん、好きになってあげたいって思えば思うほど気持ちは空回りしていった。

    2005-09-08 23:33:00
  • 112:

    ?りんご?

    そして、あの花火大会の日を迎えた。私は斗真くんのリクエストにこたえて浴衣を着て行った。好きじゃない分、せめてできることはしてあげようって思ってたから。
    相変わらず毎年変わらない花火大会。久しぶりに会う地元の友達もいたり懐かしいような気持ちにもなる。
    由紀達とも途中で会って声をかけられた。
    『美樹っ!あっ斗真くんも久しぶりー♪』

    2005-09-08 23:40:00
  • 113:

    ?りんご?

    由紀の隣には和也がいた。二人やった。
    「えっ!?由紀と和也二人で来てるん?」
    『あ…実は一週間前に付き合ってん。ってゆーかめっちゃ意味分からんやろ。うちらが付き合うとか』
    『何ゆってんねん由紀から告ってきたんやん』
    え?そうなんや…。意外やった。あれ?もしかして…もしかしたら由紀ずっと和也のこと好きやったんかもしれへん。昔あんなことあったから気使ってたんかな?

    2005-09-08 23:45:00
  • 114:

    ?りんご?

    「そーなんや♪良かったやん。お似合いやで♪」
    『そんなことないってー。じゃあまた電話するわ。今週でも遊ぼうなぁ』
    私達と由紀達はそう言ってバイバイをしようとした。その時由紀がそばに走ってきて私の耳元で小さな声で囁いた。
    『颯太来てるで?一応報告しといた』
    そう言うと和也のところに戻り、夜店のほうに歩いて行った。

    2005-09-08 23:49:00
  • 115:

    ?りんご?

    颯太…やっぱり来てるんや。私は不思議な気持ちになった。会いたい、けど会いたくないって。
    私の隣には斗真くんがおる。颯太に見られたくない気持ちと斗真くんを傷つけたくない気持ちが交差した。
    「なぁ、このへん人多いし橋で見ようや」
    私はその場から逃げるかのように斗真くんを引っ張り橋に向かって歩いた。

    2005-09-08 23:53:00
  • 116:

    ?りんご?

    その時一人の女の人が私に近付いてきた。
    『あのぉ、美樹って子やんな?』
    私はコクッとうなずいた。アレ?この人どっかで…?あっ颯太の赤ちゃんができたって嘘ついた人や。そして戸籍上は颯太の元奥さんにあたる。
    『今ちょっと時間ある?』
    その人に聞かれた私は斗真くんの顔を見ると、斗真くんはうんうんと頷いて『友達来てるみたいやし俺は大丈夫やで。終わったら電話して』と言ってくれた。

    2005-09-09 00:00:00
  • 117:

    ?りんご?

    そして私はその人と近くにあったイカ焼き屋のテーブルの回りにあった椅子に座った。
    『ごめんな。せっかく花火見に来てんのに』
    「あ、大丈夫です」
    『知ってると思うけど赤ちゃん産まれてんやん。あの、美樹ちゃんでいい?』
    「あ、ハイ」

    2005-09-09 00:04:00
  • 118:

    ?りんご?

    『ずっと謝りたかってん。ほんまにゴメンナサイ。私最低なことしてしまった。颯太くんの子供じゃないのは分かっててん。でも相手の男には俺の子ちゃうとかって逃げられて…。』
    私は黙って聞いてた。
    『でも産みたかった。だから父親が欲しくて。颯太くんとは一回だけしかやってないけど支えがほしくて嘘ついてしまった。もしかしたらバレへんかもしれんって思ってた』

    2005-09-09 00:10:00
  • 119:

    ?りんご?

    『そしたらやっぱりバレるもんやった。悪いことしたらやっぱりバレるってよく分かった。颯太くんにはほんまにヒドイことした。美樹ちゃんにも。ごめんな。謝っても許されるはずないけど…』
    私は何も答えられへんかった。何も言葉が見つからんかった。

    2005-09-09 00:14:00
  • 120:

    ?りんご?

    『許してもらえるとは思ってない。ただ謝りたかっただけやから…。ごめんね時間とらせて』
    「あ、いえ…」
    私はそれだけしか口にできなかった。そして立ち上がると振り向くことなくただ歩いた。
    斗真くんに電話しないと…そう思って携帯を手に取ったのはいいものの、回線パンクで繋がらない。仕方なく立ち止まっているとドカーンっと花火が打ち上がった。
    あ…始まっちゃったよ…。

    2005-09-09 01:11:00
  • 121:

    ?りんご?

    ざわざわした周りの人達や花火の音とは逆に、九ヵ月ぶりに会った私達の間には静かな空気が流れていた。
    「ひ、さしぶり…」
    ぎこちない言葉しか出てこなかった。
    『あ、美樹一人?なわけないか』
    「うん…はぐれてしまって…電話も繋がらんから」

    2005-09-09 01:18:00
  • 122:

    ?りんご?

    『そ、そっか。じゃあ携帯繋がるようなるまでちょっとでいいから一緒に花火みいひん?』
    「う…ん」
    私達はぎこちないまま近くにあった階段に腰かけた。何も話すことなく、ただ打ち上げられる花火をじっと見てた。
    1時間ぐらいたった頃だろうか、颯太の手が私の手の上に重なった。私はびっくりして手を払いのけてしまった。
    『ごめん…』

    2005-09-09 01:23:00
  • 123:

    ?りんご?

    謝ってきた颯太の顔を見れなかった。もうあかんわ…気持ちがまた走りだしてしまう…。颯太の隣におったら自分の気持ちを思い知らされた。私やっぱり颯太のこと…
    ♪PPPPP♪
    その時携帯が鳴った。斗真くんからやった。出るのをためらってしまった。そんな私を見て颯太もジッと私を見ていた。
    颯太は子供が自分の子じゃなかったことやそんな話は一切してこなかった。多分颯太は、何を言っても離れた事実は変わらないからって思ってるんだろうと思った。

    2005-09-09 01:30:00
  • 124:

    名無しさん

    2005-09-09 01:35:00
  • 125:

    ?りんご?

    しばらくお互い黙ってた後
    『あんな、俺…』
    「颯太に話あんねん…」
    颯太が何か言いかけた時、私も言葉が重なった。そしてどっちから話そうかと譲り合った雰囲気でいたら、前から斗真くんが歩いてきた。
    『行くで』

    2005-09-09 01:42:00
  • 126:

    ?りんご?

    斗真くんはそう言うと私の手を痛いぐらいに引っ張りながら歩いていく。私は颯太を振り返りながらただ引かれていくままに歩いて行くしかなかった。
    「イ…イタイって」
    『ごめん…な』
    私が言うと斗真くんはやっと手を話してくれた。
    『ごめん。なんか焦ってもうたわ。さっきの奴って前の男やろ?』

    2005-09-09 01:53:00
  • 127:

    ?りんご?

    私はうなずくしかなかった。斗真くんはそれから何も言わなかった。そして、そんな思い雰囲気のまま花火のフィナーレは始まってしまった。
    綺麗…なのになんでこんな気持ちになるんやろ。明るく彩られた夜空とは正反対に、私の心は曇ってた。苦しくて切なくて…。

    2005-09-09 01:59:00
  • 128:

    名無しさん

    頑張って??

    2005-09-09 02:55:00
  • 129:

    ?りんご?

    さっき言おうとした気持ち。素直になれそうやった瞬間をのがしてしまった私はもうもぬけの殻だった。
    それでも隣にいる斗真くんへの罪悪感が私の気持ちを押さえてしまう。
    無理してる自分が分かりすぎるぐらい分かった。どうすればいいんやろ…花火が終わるまでずっとそう思ってた。

    2005-09-09 03:01:00
  • 130:

    ?りんご?

    パーンパーン
    鳴り響く花火の音が悲しかった。同じ景色、同じ花火なのに何でこんなに映り方が違うんだろう。颯太と見ていた花火はあんなにキラキラしてたのに…。
    そして花火が終わり、斗真くんに手を引かれたまま私は車を止めていた場所まで歩いた。道路はまだ封鎖されてる。走り出すこともできずに、ただ車に乗っていた。

    2005-09-09 04:12:00
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