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『一番大切なこと』
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1:
?りんご?
久しぶりに行った地元のバーで私は偶然にも久しぶりに颯太(そうた)と再会した。颯太は隣中学の同級生。私達は今24歳。10年前に出会った私達の苦しい切ないすれ違いがまた始まろうとしていた。
「久しぶりやなぁ。全然変わってないやん」
私に気付いた颯太はすぐに話し掛けてきた。颯太と話すのは6年ぶりだった。成人式の日、久しぶりに見かけたけど話すことのないままで。2005-08-27 04:00:00 -
118:
?りんご?
『ずっと謝りたかってん。ほんまにゴメンナサイ。私最低なことしてしまった。颯太くんの子供じゃないのは分かっててん。でも相手の男には俺の子ちゃうとかって逃げられて…。』
私は黙って聞いてた。
『でも産みたかった。だから父親が欲しくて。颯太くんとは一回だけしかやってないけど支えがほしくて嘘ついてしまった。もしかしたらバレへんかもしれんって思ってた』2005-09-09 00:10:00 -
119:
?りんご?
『そしたらやっぱりバレるもんやった。悪いことしたらやっぱりバレるってよく分かった。颯太くんにはほんまにヒドイことした。美樹ちゃんにも。ごめんな。謝っても許されるはずないけど…』
私は何も答えられへんかった。何も言葉が見つからんかった。2005-09-09 00:14:00 -
120:
?りんご?
『許してもらえるとは思ってない。ただ謝りたかっただけやから…。ごめんね時間とらせて』
「あ、いえ…」
私はそれだけしか口にできなかった。そして立ち上がると振り向くことなくただ歩いた。
斗真くんに電話しないと…そう思って携帯を手に取ったのはいいものの、回線パンクで繋がらない。仕方なく立ち止まっているとドカーンっと花火が打ち上がった。
あ…始まっちゃったよ…。2005-09-09 01:11:00 -
121:
?りんご?
ざわざわした周りの人達や花火の音とは逆に、九ヵ月ぶりに会った私達の間には静かな空気が流れていた。
「ひ、さしぶり…」
ぎこちない言葉しか出てこなかった。
『あ、美樹一人?なわけないか』
「うん…はぐれてしまって…電話も繋がらんから」2005-09-09 01:18:00 -
122:
?りんご?
『そ、そっか。じゃあ携帯繋がるようなるまでちょっとでいいから一緒に花火みいひん?』
「う…ん」
私達はぎこちないまま近くにあった階段に腰かけた。何も話すことなく、ただ打ち上げられる花火をじっと見てた。
1時間ぐらいたった頃だろうか、颯太の手が私の手の上に重なった。私はびっくりして手を払いのけてしまった。
『ごめん…』2005-09-09 01:23:00 -
123:
?りんご?
謝ってきた颯太の顔を見れなかった。もうあかんわ…気持ちがまた走りだしてしまう…。颯太の隣におったら自分の気持ちを思い知らされた。私やっぱり颯太のこと…
♪PPPPP♪
その時携帯が鳴った。斗真くんからやった。出るのをためらってしまった。そんな私を見て颯太もジッと私を見ていた。
颯太は子供が自分の子じゃなかったことやそんな話は一切してこなかった。多分颯太は、何を言っても離れた事実は変わらないからって思ってるんだろうと思った。2005-09-09 01:30:00 -
125:
?りんご?
しばらくお互い黙ってた後
『あんな、俺…』
「颯太に話あんねん…」
颯太が何か言いかけた時、私も言葉が重なった。そしてどっちから話そうかと譲り合った雰囲気でいたら、前から斗真くんが歩いてきた。
『行くで』2005-09-09 01:42:00 -
126:
?りんご?
斗真くんはそう言うと私の手を痛いぐらいに引っ張りながら歩いていく。私は颯太を振り返りながらただ引かれていくままに歩いて行くしかなかった。
「イ…イタイって」
『ごめん…な』
私が言うと斗真くんはやっと手を話してくれた。
『ごめん。なんか焦ってもうたわ。さっきの奴って前の男やろ?』2005-09-09 01:53:00 -
127:
?りんご?
私はうなずくしかなかった。斗真くんはそれから何も言わなかった。そして、そんな思い雰囲気のまま花火のフィナーレは始まってしまった。
綺麗…なのになんでこんな気持ちになるんやろ。明るく彩られた夜空とは正反対に、私の心は曇ってた。苦しくて切なくて…。2005-09-09 01:59:00