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【魔の召使い】
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1:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
冬も深まり始めた12月の事だった。友人のトモキが自殺した。原因はいじめ…。トモキとは幼い頃からの友人であり、よきライバルだった。だがいじめの事については一言も相談してくれなかった。トモキは俺に心配をかけないように自分一人で抱え込んでいたのだ。 《ちくしょう!!トモキの奴いじめなんかに負けやがって!なんで俺に相談してくれへんかったんや?力になってあげる事もできたかもしらんのに…》 疑問ばかりが頭の中をかけめぐる。考えても考えても答えなどでるはずもない。そうして俺が考えている間に形式だけの葬式は終わりを迎えようとしていた。火葬場に迎う前に最後にトモキの顔を見る事ができた。 マネキンのように無表情で生気のない顔だったが俺にはトモキがとても悔しがっているように見えた。
2006-04-10 22:36:00 -
2:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
火葬場に迎うバスに乗り込む。この後トモキは火葬され骨だけになってしまう。もうトモキには会う事はできないのだ。そんな事を考えていると涙がでてきた。俺は涙がこぼれないようにそっとハンカチで拭いた。その時であった!前の座席の会話が俺の耳に入った。 『トモキ君の自殺の原因ってシンイチ君とヒロ君らしいよ。』「えっ!やっぱりあの2人なの?トモキ君の事気に入らないって言ってたもんね。真面目ぶってるって!」 シンイチとヒロ…確かにあの2人ならやりかねないな!シンイチとヒロはいわゆる不良と呼ばれる存在だった。2人でコンビを組めば誰も逆らえないほどの凶悪な奴ら!一度なにか気に入らない事があると徹底的に暴れる!そんな奴らだ。話はまだ続く…『なんかね、トモキ君お金とかも取られてたみたい!殴られたくなければ金持って来いってな感じで!』「まじで!!でもそれってばれていないの?」『それがね、遺書も何もなかったからばれていないんだって!』 俺はこの会話を聞きしばらく放心状態に陥った…。そしてその後シンイチとヒロに殺意を覚える。
2006-04-10 22:55:00 -
3:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
火葬場に着きバスから降りる。この時俺は悲しみで頭がいっぱいで火葬場に来る道中で聞いた話など忘れていた。会場は悲しみで包まれ周りの人々は思い思いの言葉をトモキに投げ掛けた。しばらくすると棺桶は静かに炎の中に飲み込まれて行き灰と遺骨だけの姿になり目の前に表れた。 《これがトモキ?うそやろ?まったく面影ないやん。》何かトモキに対する全ての物が灰になってしまったような、そんな感じに襲われた。俺は遺骨に目を向ける事ができなかった。
2006-04-10 23:06:00 -
4:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
無事葬式の全てが終わり俺は帰路に着く事になった。12月の冷たい風が俺の周りを吹き抜け体温を奪い去り喪失感だけを残していく。1人淋しく歩いている時バスで聞いた会話がよみがえった!なんとも言えないほどの怒りが込み上げてくる!《シンイチとヒロ、あいつらがトモキを殺したんだ!あいつらがいなければトモキは自殺なんかしなくてよかったはず!!あいつらも死んだらいいねん!殺したろか!》だが俺1人でとても太刀打ちできる相手ではない。まともにやりあえば必ず負ける…。《まともにやりあえば?…まともにやりあう必要なんかないやん!背後から刃物で刺したら…。よし!トモキ仇とったる!》 俺は急いで家に戻り手袋と包丁を手提げ袋に詰め込み家を出た。
2006-04-10 23:21:00 -
5:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
近づいて改めて男を見る。先の尖ったブーツ、レザーの細身のパンツにデニムのような生地のジャケット。とんがりぼうしみたいなのを深くかぶっているために顔はよく見えない。とにかく全身黒づくめだ。肌が異様に青白く少し気味が悪い…。 『なに?急いでるんやけど!』気味が悪かったが勇気をふりしぼり言ってみた。すると男はこう答えた。「小僧。おまえは今から人を殺そうとしているな?俺にはよくわかるぞ!この人込みの中でも際立った殺気が確認できたのだからな!まちがいあるまい!」俺は驚きうなずく事しかできなかった。 「おまえが憎くて憎くてしかたがない人間がいるのならば私が力になろうか?ちょうど良い物を持ち合わせているのでな、これを使えばお前の手を患わす事無く憎き物は始末されるであろう。」と言い男は黒くてボロボロの本を俺に渡した。 「間違った使い方をしなければおまえにとって害になる事はないだろう。せいぜい考えて使え!そいつはお前の忠実なしもべだ!」 男はそれだけ言い残すと人込みの中に消えて行った。あっけにとられた俺は殺気もなくなりとりあえずシンイチとヒロの襲撃を中止し
2006-04-10 23:53:00 -
6:
削除削除されますた
あぼ~ん -
7:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
家に着き俺は自分の部屋に入った。男からもらったボロボロの本をまじまじと見つめてみる。《結局あの人なんやったんやろ?この本が俺のしもべ??まったく意味わからへん!》 俺は本を開いてみた!そこには真っ赤な文字でこう書かれていた。
2006-04-10 23:57:00 -
8:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
私は貴方のしもべでございます。私と契約していただいたならば私は貴方の望みを叶えるでしょう。私をどう使うかは貴方次第です。契約を破らないようにうまく私を使ってください。 契約事項:いかなる事があろうともわたしを捨てない事!契約したからには貴方がお亡くなりになるまではそばに置いてください。 契約を破棄した場合はあなたの命を頂きにまいります。
2006-04-11 00:10:00 -
9:
名無しさん
続きかいて??
2006-04-11 08:01:00 -
10:
名無しさん
面白そう!がんばって!
2006-04-11 14:48:00 -
11:
名無しさん
この話、Y氏の隣人ちゃうん?
2006-04-11 15:19:00 -
12:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
応援ありがとう。頑張ります。後この話は自分で考えています。Y氏の隣人とはまったく関係ありません。かぶっていたならごめんなさい。書いていく内にかぶらんようになると思います。
2006-04-11 17:05:00 -
13:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《しもべ?契約?なんの事やねん?》俺は意味がわからなかった。他に何か書いているかも知れない。そう思い次のページを開いた。
2006-04-11 17:12:00 -
14:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
契約方法:開いているページに貴方の血液で日付と名前を書き込んでください。そうすれば契約完了です。私は貴方に生涯遣えます。
2006-04-11 17:17:00 -
15:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
と書いてあった。俺はこの本に少し興味が湧きパラパラと本をめくってみた。 驚いた!契約した人がけっこう多いのだ!!本の最後の2、3ページまで書き込んである。古い物は1993年11月とある。最初の契約者は女の人だったみたいだ。ここで一つの疑問がよぎる…。《待てよ。この本が今俺の手元にあるって事は………この本に書き込んでいる人は全員死んだのか?まさかな、そんな事あるはずないよな!》俺は自分で自分を言い聞かせその本を本棚にしまい込んだ。なぜだかその本を捨てる気にはならなかった。
2006-04-11 17:32:00 -
16:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
部屋から出てリビングに向かう。リビングではオカンがテレビに夢中になっていた。オカンは俺に気付き『トモキ君の事残念やったねぇ。アンタと仲よかったもんねぇ。自殺なんかする子には見えへんかったけど何かつらいことでもあったのかしら?』そう言いテレビを消し晩ご飯の支度を始めた。 《トモキは自殺なんかじゃない!シンイチとヒロに殺されたんや!!》俺は出かかった言葉を飲み込み《トモキ。今日は無理やったけど明日は仇とったるからな。》心の中でつぶやいた。
2006-04-11 17:53:00 -
17:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
次の日、朝起きて俺は支度を始めた。昨日の手提げ袋から手袋と包丁を取出しおもむろに通学鞄の中にほりこんだ!《学校でもどこでもいい。チャンスがあれば殺ってやる!》 学校に着くなり俺はシンイチとヒロを探した。だがシンイチとヒロは学校を休んでいた。きっと学校をさぼり駅前のゲーセンにでも行っているのだろう。学校が終わったら駅前のゲーセンに探しに行こう。
2006-04-11 18:03:00 -
18:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
学校を終えた俺は急いで駅前に向かった。《昨日は変な奴に邪魔されたけど今日は大丈夫や!》そう思いながら歩いていた。昨日ほどではないが放課後って事もあり駅前は制服姿の学生でにぎわっていた。みんな駅前のゲーセンに向かうのだ!《こんだけ人多かったらやりにくいやろな。でも気付かれへんようにすれば大丈夫やろ!》昨日声をかけられた所を通り過ぎゲーセンの前まで来た時に誰かが俺の肩を叩いた。振り替えると昨日の男が立っていた。
2006-04-11 18:12:00 -
19:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『小僧!俺が昨日渡した本をなぜ使わないのだ?なぜわざわざ自分の手をわずらわせようとする?』 男は優しい口調で俺に問い掛けてきた。2回目という事もあり俺は男に恐怖心を抱いていなかった。 「なぜってあんな本うさん臭いやん!契約とか…。そんなんして何の意味があるん?お呪い?お呪いに頼るんやったら自分でやるよ!そのほうが早いやん!」 男はため息をついた。。。『小僧。よく聞け!あの本は呪いなどではない!昨日も言っただろうが!あの本はお前のしもべだ!』 「それがうさん臭いねん!!信じれる訳ないやろ?」『ならば俺に着いて来い!その本がしもべだと言う事をお前のような低能な物にもわかるようにしてやろう。』俺はその言葉に逆らう事もできず男の後を着いて行った。
2006-04-11 18:29:00 -
20:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
男は細い路地裏に入って行った。どこでもそうだが盛えている場所の少し裏に入ると人の気配などまったくない。男は少しの空き地のような所で立ち止まった。そして信じがたい話を始めたのだ…。 『小僧。よく聞け!俺はこの世の住人ではない!俗に言う魔界と呼ばれる所からきたのだ!この姿も仮の姿であり本当の姿ではない。信じれないか?ならば証拠をみせよう!』 そう言うとどこから出てきたのかわからないが男の体を煙が取り巻いた。俺は驚いたが目をそらす事ができず煙を呆然と見つめていた。
2006-04-11 18:45:00 -
21:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
少しすると煙は消えてなくなり俺の目の前に男が姿を表した。だがその姿はさっきの姿とはすこし違っていた。きれいな白髪、肌は相変わらず青白い。目付きはするどく眼球は灰色、口からは牙がとびでており手にの爪は女のように尖っている。 『これが俺の本当の姿だ。地上では目立ちすぎるのでさきほどのような姿で行動している。だがこれだけでは信じがたいと思うのでこれを見てもらおうか。』 そう言うと男は手のひらを俺に見えるように開き 『俺の手のひらを覗き込め!おもしろいものを見せてやろう。』 と言った。俺は言われるがままに手のひらを覗き込んだ。
2006-04-11 20:10:00 -
22:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
男の手のひらにはどうやっているのか映像が映し出されていた。その映像にはまったく見知らぬ男とあのボロボロの本が写っていた。すると男は本を開きカッターで自分の指を切った!血がポタポタとたれている。《うわっ!痛そうやな。》俺がそんな事を思っていると男は本に自分の血で日付と名前を書いた! すると次の瞬間何か小さな声が聞こえた。その声が小さくて聞き取れない。俺は必死に聞こうとしたがやっぱり聞こえなかった。 『さてこの男だが、この男はしもべと契約したのだ。それがその時の光景だ。人間界では非常に有名だったらしいが小僧!見覚えはないか?』 俺は映像に写る顔をよく眺めてみた! 「あっ!こいつ何年か前に急にめちゃ売れたミュージシャンやん!俺すごい好きやった!確かなんか原因不明の病気で死んだって。」その瞬間俺は寒気が走った。確か契約を破棄したら命を頂きに行くって書いていたような…
2006-04-11 20:30:00 -
23:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
↑しくった。読んでくれている方がいたならばすみません。。。
2006-04-11 20:32:00 -
24:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
俺は男の顔を見た。男はにっこりほほ笑みながら 『そうだ。この男はしもべと契約をした。そしてしもべを使い自分の望みを叶えたのだ!結果的には契約を破棄してしまったがな。』そう言うと男は手を握りまた手を開いた。するとそこにはボロボロのあの本があった。 『小僧の引き出しから少々拝借した。なぜこのような本があるかと言うならば…ただの俺の暇つぶしのためだ。俺は魔界ではすごく暇でな、ある時ふと思ったのだ!何の力ももたない人間にこのような物をさしだしたならどう使うだろうか?とな。その結果大変に楽しい思いをさしてもらっている。なぜかみなこの本を嫌い破棄しようとするのだ!小僧!お前ならどう使う?』
2006-04-11 20:48:00 -
25:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
その時俺は男の世界に引きずり込まれていた。 「俺やったら絶対に本を破棄しようとなんかせーへん!そんなんしたら自分が死んでしまうんやろ?」 男はにやりと笑いそして…『小僧わかっているではないか!ではこの本と契約するがよい!お前の望みをなんでも叶えてくれるであろう。例えばお前が殺そうと思っている奴!そいつですらお前の手をわずらわす事無く始末できるのだぞ?お前はその後他の望みを叶えるなり、なにもせずに普段通りに日常を暮らしていけばいいのだ!』 と言った。《確かにそうやな!トモキの仇を取った後は本棚にこの本直しておけばいいねん。簡単やん!!》『わかった。この本使わしてもらうわ。ありがと。』俺は男にそういいその場を後にした…。
2006-04-11 21:04:00 -
26:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
あの男とどれぐらいの時間話をしていたのだろう?あたりはすっかり暗くなり会社帰りのサラリーマンや遊んでいる若者などで駅前はごったがえしていた。空気は肌寒くなり息を吐くと息は白く染まった。ふとゲーセンの方を見るとそこにはシンイチとヒロが女をナンパしているのが見えた!《くそっ!あいつら楽しそうにナンパなんかしやがって!殺してやろうか!》俺の胸に激しく怒りが込み上げてきた。怒りを必死にこらえ《今ここであいつらを殺す必要はない!帰ったら契約をしてしもべに殺ってもらおう。》俺はそう言い聞かし自宅に向かった。
2006-04-11 21:13:00 -
27:
名無しさん
主さん、元はジャンプのデスノート?ワラワラ
2006-04-11 23:42:00 -
28:
うリ?
しおリ|о>艸
2006-04-12 02:02:00 -
29:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
確かにデスノートとかぶってます。無能なんで…これぐらいしか契約方法うかばなかった。まぁ内容は違ってくるんでよかったら読んどいてください。
2006-04-12 17:41:00 -
30:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
家に着き俺はすぐ自分の部屋に向かった。さっきの怒りがどうもおさまらない!俺はおもむろに本を取出し開いているページを開いた!!今こうして契約を始めようとすると妙に不安になる…。そりゃそうだ!さっき男に見せられた映像の人は実在していたわけで、このノートで契約し死んでしまったのだ。《こんな本使わんで自分で殺ったら…。捕まるけど命までは取られへんしな…。でも契約してしもべに殺ってもらえば俺ってのもばれへんし…。》二つの考えが頭の中で戦っている!《契約しても本さえこの部屋に閉まっとけば大丈夫やんな?》結局俺は決心をして通学鞄から包丁を取出し、指先を軽く切った。
2006-04-12 17:54:00 -
31:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
ズキッ!と少し痛みがしノートに真っ赤な血が滴れる。《ふぅー。》と一息着き俺はノートに日付と名前を書き込んだ。 2005年12月15日 スギタノブユキその直後だった!!『契約完了いたしました。』小さな声で誰かつぶやいた!!俺は驚き辺りを見渡すが誰もいない!いや、いるはずがない!でも確かに今声が聞こえた。《一体なんやねん!今の声は誰の声?》俺がそんな事を考えていると急に本がパラパラとめくれ初めのページに戻った!俺は固唾を飲み本を見つめる!するとうっすらと本が光り、本から煙が吹き出した!部屋一面が煙だらけになる!俺は息苦しくなり窓を開けようと窓の方向に向かった。その時パッと煙は消え俺の机の前にあの男が立っていた!
2006-04-12 18:16:00 -
32:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《えっ!なに?どーゆー事?なんで本からコイツがでてくるん?》茫然としている俺を見つめ男は話しだした。『契約おめでとう。契約したからにはお前に渡さなくてはいけないものがある!受け取れ!』そういいながら男はまた一冊の本を差し出した。もう何もかもがめちゃくちゃすぎて俺は何も言えなかった。黙って本を受け取る。『どうやら人間と言うものは見た目などにこだわるらしいのでな。その本はしもべのサンプルだ!その中から好きな物を選ぶがよい!さて俺は魔界に戻りお前がその本をどう使うか観察する事としよう。使い方を誤るなよ?』男がそう言うとまた本から煙がでてきた。少しして煙が晴れた時にはもう男の姿はなかった…。
2006-04-12 18:27:00 -
33:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
男が去り俺はその場に座り込んだ。どうしていいのかわからない。手には男からもらった本をにぎりしめていた。見た目は一冊目とそんなに変わらない。真っ黒でボロボロだ。とりあえず中をのぞいてみた。
2006-04-12 19:47:00 -
34:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
契約して頂いてありがとうございました。貴方様に遣えるしもべを選んでくださいませ。
2006-04-12 21:31:00 -
35:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
ページの一番最初に前回とおなじ赤い文字でこう書いてあった。俺は次のページをめくった。そこには小さなドラキュラみたいなのが書いてあった。次のページをめくると次は魔女。パラパラと見ていくと色んなのがある。おもわず目移りしてしまうようなのばかりだ!このころになると俺は怒りを忘れ《しもべ》探しに夢中になっていた。ふと目が止まった。ガイコツだ!手には自分の体より大きい鎌を持っている。《なんかかっこいいなぁ!よし!これキープ。》その後もパラパラとめくってみたが、あまりピンとくるものもなく最後のページをめくった。
2006-04-12 21:42:00 -
36:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
貴方様に遣えるしもべは見つかりましたか?みつかりましたら貴方様の血液をしもべに垂らしてくださいませ。その者が貴方様に遣える者になります。 注意:貴方様は契約を終えられていますので一週間以内にしもべを決定して頂けない場合は契約破棄とさせて頂きますので御了承くださいませ。
2006-04-12 21:47:00 -
37:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
そう書かれていた。《一週間以内にしもべを決めろって最後に書くなよ。まぁもう決まったからいいけど…。》俺はガイコツのページを開いた。《コイツに血を垂らしたらいいねんな。》さっき包丁で傷付けた指先を見てみる…。血はもう止まっていたが指で傷口の近くを締め付けるとまた血がにじんできた。俺はその血をガイコツに垂らした。ポタ…。 すると急に《ポンッ!!》と小さな爆発?が起こり目の前に小さな手のひらサイズのガイコツが現われた!!
2006-04-12 21:55:00 -
38:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『私と契約頂き真にありがとうございます。』目が点になった。一日の間にこれほど驚く日はきっとないだろう!しもべは俺に向かい『ご主人さま?きょとんとされていますがどうかなされましたか?私をお呼びになったのはご主人さまでしょう?さっそく何か願いなどはありませんでしょうか?私ずっと仕事をしていなかったもので力があり余っております。なんなりとお申し付けくださいませ。』 その言葉を聞いて俺は我に帰った!《そうだ!俺はトモキの仇を取るんだ!!》 『あのさ、お前にしてほしい事があるんだ!俺と同じ学校のシンイチとヒロって奴を殺してほしいんだけど…。』するとガイコツから思いがけない言葉が返ってきた。
2006-04-12 22:09:00 -
39:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『ご主人さま。初めに申し上げておきます。まず人を殺害するためにはひとつ条件があります。その条件は…相手を私に直接見せる事です!それ以外の事、有名になりたい、お金持ちになりたいなど何かを対象にしない場合、つまり目的の相手がいない場合は私に見せるの事ができないので条件などはないのですが…。』《コイツを連れて外にでる?そんなん無理やろ?シンイチとヒロの写真とかじゃ無理なんかな?》 『あのさ、写真とかじゃ無理なん?さすがにお前を外に連れて歩くんは無理やろ?人の目とかあるやん。』当然の答え。だがしもべはその答えは聞き慣れているみたいですぐ答えた。 『真に残念ではございますが写真や映像などでは不可能でございます。なぜ目的の相手がいる場合のみ条件があるのかと申しますと、私がその相手に少しまぁ、魔法のような物を使うからなのです。それは直接相手にしないと効果を発揮しないのでございます。』 《まじかよ…。きついなぁ。》そう思っているとガイコツは言葉を付け足した。『但し私の姿は契約をしたご主人さまにしか見えないので、どこに連れて行くにしろ連れて行きやす
2006-04-12 22:47:00 -
40:
削除削除されますた
あぼ~ん -
41:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『えっ?そうなん?てかそれを先に言えよな!!』 安心した。こんなのといるのを誰かに見られたらいいわけのしようが無い。《だがコイツは本当に俺にしか見えないのかな?》俺は疑問を覚えた。《ちょっと試してみよっかな。》 『おい。俺今からリビングに行くからついてこい!お前が本当に見えないのか確認したいし腹も減った。』「かしこまりました。ご同行させて頂きます。と言うか私ご主人さまと御契約を結ばさせて頂きましたのでこれからはどこに行くにしろご同行させて頂きます。言い方を変えれば取りついたのと一緒でございますからね。」『そっか。まぁ他の人に見えへんねんやったら別にいいんちゃうか?』その時はこの事は軽く考えていた。俺は本を本棚にしまい込みリビングに向かった。
2006-04-12 22:58:00 -
42:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
リビングに着くと夕食ができ上がっていた。オカンは食器洗いをし、オヤジはテレビで野球を見ている。俺はオヤジの横に座った。オヤジは野球観戦に夢中になり、まったく俺を見ようとしない。『オヤジ野球ばっかり見てるなぁ。野球おもろいん?』俺はガイコツが本当に見えないのか確かめるために話かけた。オヤジはチラっとこっちを見て、またテレビに目を戻し 『おもろいぞ!!このおもろさがわからへんのか?』 と野球に夢中だ。《あかん。集中しすぎや。とてもこっちをちゃんと見てくれそうにもないなぁ》 俺はオカンに話かけてみる事にした。
2006-04-13 19:10:00 -
43:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
食器洗いを終えてこっちに来たオカンに話し掛ける。 『オカン。俺なんか付いてない?肩の辺りとか…。』 その時ガイコツは俺の肩で座っていた。おかんは俺の肩を見つめながら 『別になんも付いてないけど?それより早くご飯食べなさい!アンタが食べてくれへんかったらいつまで経っても片付けへんやない!』《ほんまにまったく見えてないんや!!これは使えるぞ!》俺は食事をすませ部屋に戻った。
2006-04-13 19:20:00 -
44:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
部屋に戻るなり俺はガイコツに話かけた。 『お前ほんまに俺以外に見えへんねんなぁ!!これで明日お前連れていけるわ。』「ご主人さま。私嘘は申しませんよ。私は貴方様の忠実なしもべでございますから。それに私が嘘を申すと私はしもべとして生きていけなくなりますからね。」《しもべとして生きて行けない?どーゆー事やろ?》『嘘を付いたらしもべとして生きて行けないってどーゆー事なん?』 俺はその言葉が少し気になりしもべに聞いてみた。 「それは、私たちしもべにも、しもべのルールがあります。人間界の法律と同じような物です。ただ人間界と違うのは、しもべがルールを破ると神に直接裁かれ消滅させられてしまうのでございます。」 『神?お前等の世界にはほんまにそんなんおるん?』「はい。私たちの世界には神は実在します。ご主人さまは何度かお会いになられておりますよ?しもべの本を譲り受けたじゃないですか。あの御方が私たちの神でございますよ。」
2006-04-13 19:37:00 -
45:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
《えっ!!アイツが神なん?そおいえば何か偉そうやったなぁ…。》 『しもべのルールってどんなん?いっぱいあるん?』「いえ。沢山はございません。たったの一つでございます。《契約者に隠し事はしてはならない。》たたこれだけでございます。なんでも神が楽しむためだとか…。」 《そぉいえばこの本はアイツの暇つぶしのためにあるんやったな…。》思い出した。《でも俺はアイツの暇つぶしになんかならへんぞ!トモキの仇を取ったら後はしもべなんか使う事ないしな。》そうしてその日は少ししもべと話をし、寝る事にした。寝る前にしもべに『明日はよろしくな。』 と一声かけた。しもべは…『かしこまりました。』 とだけ答えた。
2006-04-13 19:49:00 -
46:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
その日はトモキがいなくなってから今までで一番ゆっくり寝ることができた。……ジリリリリリ……ジリリリリリ………目覚ましで目が覚める。重いからだを無理矢理起こした。机の方を見るとしもべが俺の方を見つめていた。「おはようございます。よくお眠りになられたようでなによりでございます。」丁寧な言葉遣いでしもべからの挨拶をうけた。 『おはよ。なんかゆっくり寝れたわ。今から用意するからちょっと待ってな。』俺は服を着替え洗面代へ向かった。しもべはチョコチョコと俺の後ろをついてくる。《なんかペットみたいやな。》顔を洗いリビングに向かう。机の上には朝ご飯の支度がしてありオカンはベランダで洗濯をしていた。俺が起きてきたのに気付き 『遅刻しなや?アンタ遅刻ばっかなんやから!』 と言い洗濯の続きに戻る。『わかってるわ。』 俺はご飯を駆け込み家を出た。
2006-04-13 21:13:00 -
47:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
いつもと変わらない朝だったが今日はいつもとは違う!《今日やっとトモキの仇を取れるんや。》少しウキウキしながら学校に向かった。俺は学校に着くと昨日と同じようにシンイチとヒロを探した。だが今日もシンイチとヒロは学校に来ていなかった。《はぁ。アイツ等またさぼりかぁ。まぁいいや、学校終わったら駅前のゲーセンに行こ。今日も絶対おるはずや。》そして放課後駅前のゲーセンに行くと予想通りにシンイチとヒロはゲーセンにいた!俺は肩に乗せているガイコツに小声で話し掛ける。 『しもべ。あっこに茶髪の二人おるやろ?あいつらを殺してほしいねん!』 「かしこまりました。あの二人組でございますね?」
2006-04-13 21:23:00 -
48:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
するとしもべは俺の肩の上で立ち上がり鎌を両手でしっかり握った。次の瞬間しもべは俺の肩の上から飛び出し一直線にシンイチとヒロに向かって飛んでいく!シンイチとヒロの近くまで来た時しもべは大きく鎌を振りかぶり、シンイチとヒロを切った!!《うわっ!》俺は思わず目を背ける!《アイツこんな人の多い所で堂々と何してんねん!》(きっとこの後駅前は大騒ぎになるだろう。コイツの姿は人には見えない。二人の男が突然血を流し倒れるのだ…。)俺がそんな事を考えていると… 「どうかなされましたかご主人さま?お体の具合でも悪くおなりですか?」 肩の所にガイコツが戻ってきていた。シンイチとヒロの方をみると何もなかったように二人はゲーセンでナンパをしている。おかしい…。
2006-04-13 21:43:00 -
50:
享楽 ◆MWWd7XAwZQ
『どういう事?今お前確かにシンイチとヒロを鎌で切り付けたよな?なんでアイツ等なんもなってないん?普通死ぬはずちゃうん?』 俺はテンパりながらガイコツに聞く。 『はい。確かにご主人さまがおっしゃる通り私はあの二人をこの鎌で切り付けました。でもこれは昨日お話しした魔法のような物でございます。私は今ご主人さまの望みどおりにあの二人に魔法をかけました。もう少ししたら効果が現われるでしょう。」 《そう言えば昨日そんな事を言ってたな。》そう思ったその時だった!ナンパをしているシンイチとヒロの方を見ると何かもめている!!どうやらシンイチとヒロがナンパをしていた相手の彼氏が現われたみたいだ。相当な数の仲間を連れていたみたいでシンイチとヒロはあっという間に囲まれ身動きが取れなくなっていた。シンイチとヒロは男達にどこかに連れていかれた。『アイツ等どうなるん?』「もちろんご主人さまのお望み通りの結果になるのでございます。二人は命を落とす事になるでしょう。」寒気が走った。
2006-04-13 22:08:00