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『All along〜絆〜』

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  • 1:

    ◎由里です◎

    ?新スレ立てました。また書いてくので良かったら読んで下さい?

    過去スレです
    ?http://bbs.yoasobiweb.com/test/mread.cgi/yomimono/1119716895/1-200

    2005-09-04 20:10:00
  • 101:

    由里

    確かにその通り。初めから分かってたなら苦しくなることぐらい目に見えてただろうなぁ。
    「でもね、由里には理解できないよ。どっちも悪いかもしれないけど奥さんとか子供はもっと嫌だよね。何も知らないんだから」
    晃太は少し黙って考えた後「そうだなぁ」
    とだけ一言つぶやいた。

    2005-09-22 15:05:00
  • 102:

    由里

    話を戻すと、早い話が須藤さんは昨年に結婚した。いわゆるできちゃった結婚だった。そしてシーズン中に赤ちゃんも産まれた。はたから見ていれば幸せ真っ只中のはずだった。
    でも結婚していながら雪乃ちゃんとコンパで知り合ってそのまま付き合うことになった・・・。
    こんなことは普通の人でもあることかもしれない。浮気や不倫の一つや二つってよく人は言う。

    2005-09-22 15:13:00
  • 103:

    由里

    でも雪乃ちゃんの泣き顔を見た私はそうゆう恋愛の裏の深さを見た気がした。
    表向きは平気な顔してて。雪乃ちゃんは須藤さんの前じゃずっと笑ってた。何の不満も不安も見せずにただ隣で笑ってた。

    本当は言いたいこと・・・たくさんあるのに。本当は寂しくて苦しいのに。

    2005-09-22 15:19:00
  • 104:

    由里

    須藤さんはそれに全く気がついてない。言い方は悪いかもしれないけど、自分の思い通りに生きているようなそんな風に見えた。
    人としては好きだけど男としてはあまり好意はもてなくなった。
    もっと相手の、周りの気持ちを考えてくれたらいいのに。

    2005-09-22 15:24:00
  • 105:

    由里

    「今日はもう寝よう。由里疲れただろ?」
    晃太はそう言うと髪を撫でながら寝かせてくれた。しばらくしたら晃太の寝息が聞こえてきて顔を見るともう眠ってしまってた。
    私も目を閉じて眠りにつこうとしたけど、何故か寝付けずにいて・・・それから一時間近くたった時に携帯が震え、画面を見ると雪乃ちゃんからのメールだった。

    2005-09-22 15:31:00
  • 106:

    由里

    ?
    由里ちゃん起きてる?

    短いメールだった。私は起きてるよ?と返事を返したけど、しばらくたっても返事が返ってこなかった。
    どうしたんだろ?って一人でずっと気になりすぎて、返事が待てないまま私は電話をかけてしまった。

    2005-09-22 15:35:00
  • 107:

    由里

    プルルルル
    「はい、由里ちゃん起きてたの?メールごめんね」
    「いーよ大丈夫。っていうかどーしたの?雪乃ちゃん今何してたの?」
    少し間が空いた後、雪乃ちゃんはホテルの近くにあるバーに一人でいると言った。私は心配になってスッピンのまま帽子を被り、そのバーに向かった。

    2005-09-22 15:39:00
  • 108:

    由里

    お店を見つけた私はカウンターしかないそのバーの奥の席で一人で飲んでいた雪乃ちゃんを見つけた。
    「由里ちゃん?えっ?どーしたの?スッピン?」

    私は少し笑ってしまった。考えてみたら眉毛くらい描くべきだったかなって。
    「スッピンやばいかな?っていうかダメじゃん一人で飲んでちゃ。誘ってくれたらよかったのに」

    2005-09-22 15:44:00
  • 109:

    由里

    「でも矢口さんと一緒だったでしょ?もしかしてさっきの電話で出てきてくれたの?ゴメンね・・・」
    雪乃ちゃんは見るからに元気がなかった。何かあったんだとすぐに分かった。
    「晃太はすぐ寝たし爆睡中大丈夫だよ。それより何かあったの?」
    私がそう聞くと雪乃ちゃんはハァーッと溜め息をついた。

    2005-09-22 15:49:00
  • 110:

    由里

    「大丈夫だよ。由里、口は堅いから。何かあった時はさ人に話してスッキリするのが一番だし」

    私はカクテルを飲みながらゆっくり話を聞いた。店内のお客は私達二人だけ。静かな時間が流れていた。

    「あのね・・・」

    2005-09-22 15:53:00
  • 111:

    由里

    雪乃ちゃんは話してくれた。さっきまで須藤さんといたこと。
    これから先このままでいいのかどうしたらいいのか分からないこと。それを須藤さんに言ったら好きだけど俺には何も言えないって言われたこと。
    一番になれないのは分かってるのに好きだってこと。どうして須藤さんを好きになったかってこと。

    2005-09-22 15:57:00
  • 112:

    由里

    雪乃ちゃんは須藤さんに、明日の試合でホームランを打ったら、付き合ってって最初はそんなノリで口説かれたって笑いながら話してくれた。
    始めは興味もなかったって。まさか自分が不倫をするなんてことも想像できなかったって。
    でも気付けばいつの間にか好きになってたって。恋愛ってそんなもんなんだよね。好きになろうと思ってなるわけじゃない。
    なりたくなくても好きになっちゃう時ってあるから。

    2005-09-22 16:02:00
  • 113:

    由里

    誰かに止められたり何かを言われて変わる気持ちじゃない。言われて変わる気持ちならそれは本物じゃないから。
    昔、ペガとアルタイルが周りに大反対されて引き離され、二人の間に天の川を流された昔話があったよね。二人は一年に一度しか会えなくなってしまった話。
    私はその物語を知った時、最初は何てヒドイことをするんだって思ってた。

    2005-09-22 16:11:00
  • 114:

    由里

    でも二人の強い気持ちがあったから一年に一度だけ、川に橋をかけることを許された。その日だけは会うことが許された。
    ベガもアルタイルも、その一年に一度だけのその日だけを想い、ずっとずーっとそれだけのためにたくさんの想いを我慢して頑張って。
    思い合う気持ちが本物ならそれでもずっとずっと続くんだよね。私は今も七月七日、空の上ではそんなことが続いているような、そんな気がする。
    そして翌々考えた時ふと思った。

    2005-09-22 16:18:00
  • 115:

    由里

    雪乃ちゃんの気持ちも、きっと報われる時が来るんじゃないかって。無駄な恋愛ではないって。
    これから先、うまくいくかだめになるかは分からないけど、幸せの価値観なんて人それぞれだし・・・。
    幸せは自分の心が決めるもの。そして誰もがなれるもの。人に幸せにしてもらうんじゃない。自分で幸せを掴めるようにならないと。

    2005-09-22 18:12:00
  • 116:

    由里

    「好きなら好きでいいじゃん。一緒にいたいならいればいいじゃん。辛くても寂しくても自分が選んだ人なんだったらさ。だって別れたって嫌いになんてなれないでしょ?」

    「・・・うん。なれない。だから苦しいんだよね。さっきも一緒にいる時にさ、こうして毎日ずっと一緒にいれたらいいのになって言われて。嬉しくてさー私。泣きそうだった。でもやっぱり寂しくなった。だから涙出そうだったし部屋出てきたの」

    2005-09-22 18:23:00
  • 117:

    由里

    雪乃ちゃんは須藤さんの前で泣いたことがないと言ってた。喧嘩をしたことも。好きだからできないって。そういう愛し方もあるんだなぁって思った。
    優しさの強がり。でも優しさの裏にある寂しさはずっと消えないまま。素直になれたらどんなに楽になるんだろうか。

    2005-09-22 18:27:00
  • 118:

    由里

    「明日一緒にキャンプ見に行く?ていうか由里ちゃん帰ってからも時々遊んでくれる?」
    少し顔が明るくなった雪乃ちゃんにそう言われ、私は少しホッとした。
    「遊ぶ遊ぶー♪いつでも連絡してよ。明日もね」
    私達は明日の約束をした後、残りのカクテルを飲みほしてバーを出た。
    ホテルまでの帰り道は好きな音楽の話や他愛ない話をしながら、いつの間にか二人とも笑ったりしてて。

    2005-09-22 18:33:00
  • 119:

    由里

    そして私達はエレベーターでバイバイすると、それぞれ部屋に帰っていった。
    私が部屋に戻ると、晃太はベッドの上で座ったまま少しご機嫌ナナメな顔をしてた。
    「晃太起きてたの?」
    「どこ行ってたんだよ。携帯も置いたままだし」
    「雪乃ちゃんと会ってた」

    2005-09-22 18:36:00
  • 120:

    由里

    「えっ雪乃ちゃん?何で?何かあったの?」
    晃太はふくれた顔がくずれいつもの顔に戻った。
    「何もないよ。寝れなかったから少し飲んでたの」
    「スッピンで?」
    私はすっかり忘れてた。雪乃ちゃんにアツク語っておきながら自分はスッピンなんて・・・恥ずかしい

    2005-09-22 18:42:00
  • 121:

    由里

    「もう寝るからいーの」
    私がベッドにもぐり込むと晃太に後ろからつかまえられて、そのまま久しぶりに晃太の心音を感じながら二人とも眠ってしまった。
    大好きな人がそばにいるって幸せだよね。ドキドキする心臓の音が聞こえると安心できる。
    こんなに近くにいるんだって。

    2005-09-22 18:49:00
  • 122:

    由里

    PPPPP
    アラームの音で目が覚めた。とりあえず晃太を起こしてカーテンを開けると眩しいくらい天気が良かった。晃太は練習の用意もあって自分の部屋に戻り、私は一人でとりあえずゆっくりテレビを見ていた。
    化粧して髪やって・・・ゆっくりゆっくりやりながらボーっとしてると雪乃ちゃんから電話がかかってきた。

    2005-09-22 18:56:00
  • 123:

    由里

    「用意できてるー?」
    もう昼間だったけど食事をしていなかった私達は、少し遅れた朝食をとろーってことになり、一階ロビーで待ち合わせをするとホテル内でランチを食べた。
    昨日の元気のなかった雪乃ちゃんとは違う。大笑いしたりはしゃいだり。元気になってるのを見て、安心したし嬉しかった。

    2005-09-22 19:02:00
  • 124:

    由里

    >>1-100
    >>101-125
    少し休憩します?スイマセン

    2005-09-22 19:03:00
  • 125:

    名無しさん

    ?

    2005-09-22 23:03:00
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