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  • 1:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    あの頃の友達はどこに行ってしまったんだろう。
    友達と呼べる程の友達なんて私にいたのかな??

    あの頃の輝きはどこに行ってしまったんだろう。
    輝きなんてものじゃなかったのかもしれない…

    2006-09-05 00:14:00
  • 2:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    ?蘭14歳。
    乱れたベッド、脱ぎ散らかされた衣服。ヨシキと蘭の愛の営み(この時はそう、信じて疑わなかった)の後蘭は聞いた。
    「ヨシキ、次いつ会える??」
    ヨシキは煙草に火をつけて、くゆらせた煙越しに私を見た。
    「んー。また電話する」

    2006-09-05 00:16:00
  • 3:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    「わかった…じゃあ、蘭シャワーあびるね。」
    ヨシキからの返事は無い。バスルームに入る前に後ろを振り返ると、彼は携帯でだれかにメールをしているようだった。

    2006-09-05 00:19:00
  • 4:

    シャワーを浴び終えて、部屋に戻るとヨシキはすでに服を着ていた。
    「早よせぇや!!置いてくぞ!!!」
    なぜか喧嘩口調だ。こんな時のヨシキは怒らせない方がいい。
    黙って急いで服を着て帰る用意をした。

    2006-09-05 00:21:00
  • 5:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    ここは枚方かそこいらのラブホテル。大阪東部で生まれ育った私。こんな所に置いて行かれたら帰る術が無い。土地勘も無い。終電も無い。タクシーで帰るお金もない。
    急いで服を着て、ヨシキに謝る。髪や化粧を気にしてる暇なんてなかった。

    2006-09-05 00:22:00
  • 6:

    無言でホテルをでた。
    ヨシキご自慢のスカイラインに乗る。
    『今からどこに行くんだろう…』

    時計は深夜の三時を廻っていた。

    2006-09-05 00:24:00
  • 7:

    ―――キッッ
    「降りろ」
    ヨシキが冷たく言い放つ。
    「え、でもここ…」
    言いかけてやめた。ヨシキの目は恐ろしい程冷たくて、従う方が正しいことは幼い私にもわかった。

    2006-09-05 00:28:00
  • 8:

    おとなしく車を下りてた。
    「じゃあまたね。今日はありが…」
    最後まで私の言葉を聞くことは無く、ヨシキの運転するスカイラインは走り去った。

    2006-09-05 00:33:00
  • 9:

    ここどこやねん…

    真っ暗な商店街の真ん中で無理矢理車を下ろされた私。
    駅らしき物が見えたので取りあえずそちらに歩いた。
    『光善寺』と言うらしきその駅で、始発を待つことにした。もちろん改札は閉まっていて、ぼんやりとうすぐらい街頭と時刻表の上の蛍光灯だけが私を照らした。

    2006-09-05 00:36:00
  • 10:

    人っ子一人いない。それはそうか。真夜中の商店街に人がいる方が気味悪い。
    それにしてもひまだな。
    私はプリケーを取り出し、『あーちゃん』のメモリを探し、通話ボタンを押した。出ない。
    友達がいのないやつだ、と怒りを覚えた。

    2006-09-05 00:38:00
  • 11:

    しょうがないので次は『ユウジ』のに電話。ユウジはあーちゃんとちがって携帯を持っているので、出るまで鳴らした。
    「もーし…蘭?」
    寝ていたのだろうか。出るのが遅いのと寝ぼけ声なのに腹が立ち、怒鳴り散らした。

    2006-09-05 00:41:00
  • 12:

    ユウジは、全く悪くないのに誠心誠意胃謝ってくれた。
    それがあたりまえだと思ってた。
    ユウジに今の状況を話すと、
    「免許も車もないから迎えに行けなくてごめん」
    と更に謝った。ユウジは私に惚れているらしく、とても優しかった。

    2006-09-05 01:00:00
  • 13:

    そんな優しいユウジに私は
    「迎えに来られない代わりに始発まで付き合え」
    と、ずっと電話を切らさなかった。
    ユウジは16歳。母子家庭で妹と母と三人暮し。家計を助けるため、毎日朝早くから現場仕事に性をだしていた。今起きてたら仕事に差し支えるだなんて考えもしなかった。自分がよければそれでよかった。

    2006-09-05 02:47:00
  • 14:

    段々空が白んできた。
    気付くと改札に駅員さんがいて、始発が動き出す時間になっていた。

    「じゃあ、今から帰るわまたー」
    と適当にユウジとの電話を切った。

    2006-09-05 02:52:00
  • 15:



    しんどいな。寝やんと学校か…。帰ったらお母さんうるさいやろな…

    そんなことを考えながら、切符を買って駅員さんに自宅の最寄駅までの帰り方を聞いてホームに入る。

    2006-09-05 02:55:00
  • 16:

    ヨシキ…何してるかな…???
    ぼーっとしていると乗り換え。これを何度か繰り返して帰宅。

    ヨシキ…。

    2006-09-05 02:58:00
  • 17:

    ?ありさ15歳。
    カーテンを閉めて寝たはずだったのに、隙間から朝日が漏れていて眩しくて目覚めた。
    朝の6:30。ちょうどいい。30分で用意して朝練に行かないと。

    2006-09-05 03:03:00
  • 18:

    部屋のドアを出るとリビングのある一階からみそ汁の匂い。バタバタ階段を駆け降りてリビングで朝食。
    洗面や用意を済ませて、お弁当が出来上がるのを待つ。
    ちょうど7:00。同じバスケ部のけいchanが迎えに来る。「行ってきまーす」

    いつもの朝。

    2006-09-05 03:08:00
  • 19:

    けいchanといつもの道。いつもの時間。いつも違う話。何を話しても楽しくて、どれだけ話しても時間が足りない。そんな年頃。
    朝練が終わると授業が待ってる。
    授業が終わるとまた遅くまで部活。部活が終わると塾。

    2006-09-05 03:17:00
  • 20:

    毎日、同じコトの繰り返し。それでも退屈したことなんてなかった。毎日何か楽しいことがあったり、何かにムカツイたり、好きな人に会えたり…。
    早く大人になりたくて、やっぱり今のままがよくて…。

    2006-09-05 20:47:00
  • 21:

    私の周りにはいつも誰かがいてくれた。
    部活の仲間や、幼なじみ。小さい学校なのでみんな仲が良かった。


    そんなみんなに一線おかれているのが…蘭…。

    2006-09-05 20:50:00
  • 22:

    片田舎の小さな中学校では、蘭は浮いていた。
    人を傷つけるギャグや、行きずりの男との性交渉。ちゅうがくせいらしくないオシャレをしているのは蘭だけ。

    変に人生経験が増えて、変に大人びて、変に子供な蘭…

    2006-09-05 23:04:00
  • 23:

    今日も蘭は一時間目の途中で教室に入って来た。
    「おはよう」
    の声は誰からも無い。
    私と目が会うと蘭は、私の席の方へと歩いて来た。
    私は手を振った。

    2006-09-05 23:32:00
  • 24:

    蘭は手を振り返してくれない。あれ…何か怒ってる…?
    私の席の前に立ち、私を怖い目で見下ろしながら言った。
    「昨日何で電話出やんかったん?」

    2006-09-05 23:35:00
  • 25:

    ――電話?
    もし私が塾やお風呂などで出れない時は家族が知らせてくれる。昨日はそんなの聞いてない。
    「え?何時頃??」
    蘭はハァ、とため息をついてから言った。
    「三時半!!!!」

    2006-09-05 23:38:00
  • 26:

    ――三時半?夜中の?
    そんなの寝てるに決まってる。
    今と違って携帯があまり普及してなくて、持っているのは塾の迎えが必要な子、数人と蘭だけだった。
    みんなが寝ているとわかってる時間に家の電話を鳴らすのはどうかな…?と思うけど、一応謝った。

    2006-09-05 23:41:00
  • 27:

    「ごめん、めっちゃ寝てたm(__)m」
    蘭は返事もしないで、プイと歩いて行って自分の席に座って何かしている。

    授業は中断。クラスの視線が私に突き刺さる。

    2006-09-05 23:45:00
  • 28:

    授業終了のチャイムが鳴ると、いつも1番に私の席に駆け寄ってくる蘭。
    今日は来ない。あ、誰かに電話しに行くんやー。
    と、いつもの部活仲間でおしゃべりすることにした。みんな、あたしの顔を見るなり
    「よく付き合えるね」
    と言った。

    2006-09-05 23:49:00
  • 29:

    こんな蘭でも、いいところがいっぱいある。私の大好きな蘭。
    それなのに…。

    2006-09-06 00:44:00
  • 30:

    ありさは夏休み、部活最後の夏を精一杯頑張り抜いた。冬休みは受験勉強のために家に引きこもった。
    希望していたお嬢様学校に入学。

    2006-09-06 00:52:00
  • 31:



    全く別のようで、それでも螺旋状に繋がっている二人の人生。

    2006-09-06 00:54:00
  • 32:

    ?蘭16歳。
    去年から色んな人と体を重ねて来た。浮気や、二股、三股は当たり前だった。
    それでもヨシキのコトは大好きだった。
    ユウジを足にしたり、暇つぶしに使うのも飽きてきたころ…。

    2006-09-06 00:57:00
  • 33:

    『そうだ、ミナミに住めばいい。マンションを借りて一人でも、仲間を呼んでも、男を連れ込んだりも出来る。』



    お金がいるな…。どうしよう。

    2006-09-06 01:01:00
  • 34:

    名無しさん

    気になる?

    2006-09-06 05:12:00
  • 35:

    最近の蘭と言えば、親やナンパされた男とホテルに行き、すきを見て財布からお金を盗むしかお金を得る手段がなかった。


    悩んでいると、仲間が言った。

    2006-09-06 16:35:00
  • 36:

    「いいバイトあるけど…どぉ??」
    そのバイトは、簡単に言えば援交。その相手をその相手を紹介してくれる組織がと言う。金額は相手と交渉するとのこと。

    ヨシキのコトは大好きけど、お金が大好きだし他の男と何度もセックスしてるし何も抵抗はなかった。
    お金がたくさん入ることが嬉しかった。

    2006-09-06 16:45:00
  • 37:

    「やるよ!!やる、やる」

    即答して、友達も誘ってその日早速『仕事』をすることにした。相手を紹介してくれると言う組織の元に向かった。

    2006-09-06 16:48:00
  • 38:

    そこはいわゆる組事務所だった。あまり怖いと言う自覚はなくてサッと中に入った。
    怖いおじさんやお兄さんが沢山いたけどみんなやさしかった。組長と呼ばれる人に説明を受けた。
    今思うと『違法の本デリ』と言う感じ。
    最後に組長が「稲本や」と名乗った。おもしろい人で私も友達もすぐ懐いた。

    2006-09-06 16:53:00
  • 39:

    この日から仕事。奥の和室に案内された。女の子が5・6人いた。みんな家出少女で、月に100万くらい稼いでマンションを借りていると言う。

    2006-09-06 20:11:00
  • 40:

    名無しさん

    頑張れ〜??

    2006-09-06 21:55:00
  • 41:

    部屋に入った途端、何かの臭いが鼻についた。何だろう…
    部屋を見渡す。

    透明な液体が入ってあるペットボトル。その液体をビニール袋に入れてそれを吸っている女の子達。
    …シンナー…??

    2006-09-07 18:06:00
  • 42:

    よく見ると、女の子達は意味なくケラケラ笑ってたり、ボーッとして口は半開きでよだれをたらしている子、小さい声でブツブツ喋っているなど、全員何かがおかしかった。
    ボケているようだ…。

    2006-09-07 18:12:00
  • 43:

    名無しさん

    ?????????????    しおり    ?????????????

    2006-09-12 23:49:00
  • 44:

    一緒にいた友達を見た。
    地元で唯一ありさ以外に喋れる子。
    蘭に憧れていた。
    マチコ。

    2006-09-13 00:37:00
  • 45:

    マチコは目を輝かせてシンナーを見つめる。
    やってみたいようだ。シンナーの入手経路もわからなければ、お金もない。

    そんなマチコにとってここは天国…??それとも…

    2006-09-13 00:40:00
  • 46:

    そんなマチコに気付いた、女の子が言った。ケラケラ笑っていた子だっけ?
    「やりたかったらどうぞー」
    ロレツがきちんと回っていない口調で、シンナーが入ったペットボトルとビニール袋を差し出した。

    2006-09-13 00:42:00
  • 47:

    マチコは教えられるがまま、にシンナーに含まれる人間の体に悪い成分を吸い込んでいく。
    次第にいつものか細い声とは掛け離れた明るい声で笑い、蘭にもススメル。

    2006-09-13 00:46:00
  • 48:

    蘭も何の躊躇もなく、シンナーを吸い込む。
    気分が良くなって、元気になって。


    シンナーの効果が切れる頃には客とホテルにいた。イマイチ覚えていない、初めての売春。

    2006-09-13 00:48:00
  • 49:



    ――こんなものか

    「楽勝!!!!」と、事務所でマチコと落ち合ってから叫んだ。

    2006-09-13 00:50:00
  • 50:

    一日でだいたい仕事の流れを掴んだ。
    一人の客が払う金額はだいたい二万。羽振りがよければ別だけど。二万以外の場合は客を事務所に連れ戻して…その後は怖くて聞かなかった。

    客が来なくて暇な時にはやっぱり事務所の待機室でシンナー。または稲本さん達とご飯、女の子達とカラオケ。

    2006-09-13 00:55:00
  • 51:

    手にしたことのないお金が舞い込んだ。
    稲本さん名義で、すぐにマンションを借りた。マチコは実家と蘭のマンションと行ったり来たり。
    淋しいときは仲間を呼んだ。一緒にシンナーをしたり。
    誰も捕まらない時はナンパされた男を連れ込んで、朝までベットですごす。

    2006-09-13 00:59:00
  • 52:

    嫌なことがあってムシャクシャするとユウジに電話をかけて気が済むまでしゃべり続ける。原チャの免許を取ったユウジに迎えを何度も頼んだ。
    それでもユウジは優しかった。何時でも、次の日仕事でもどこにでも迎えにきてくれた。

    2006-09-14 02:54:00
  • 53:

    こんな好都合な奴はいない。
    でもこれっぽっちもユウジを好きにならなかった。ヨシキがいたし、たくましい男が好きな蘭には優し過ぎるユウジは頼りなかった。

    でも、仕事のことだけは言えなかった…。

    2006-09-14 03:01:00
  • 54:





    最近ヨシキが連絡をくれない。連絡がないのは出会った時から。…電話をかけてもメールを送っても無視。おかしい…

    2006-09-14 03:02:00
  • 55:

    稲本さんの事務所で働く女の子の人数が増えた。
    全部で10人。
    蘭、マチコ、ミナミで知り合った仲間3人。と元からいた女の子達。
    みんな歳が近くて話が合った。また蘭の仲間が増えた。

    2006-09-14 03:05:00
  • 56:

    新しく知り合った仲間の一人がヨシキと同じ地元だと言う。
    「ヨシキって知ってる??3コ上やから19やと思うんやけど…」
    女の子の顔が固まった。

    2006-09-14 03:08:00
  • 57:

    「ヨシキさん…最低な人だよ…」
    その子が言うには、ヨシキは17歳の時に彼女を孕ませ彼女の親に責任をとらされ婚約。18歳の誕生日に入籍。

    2006-09-15 00:40:00
  • 58:

    嫁となった人が子供をうんでも義父母が金持ちなのをいいことに仕事もせずに遊び回る日々。
    浮気三昧、ヤンチャ三昧、お金も使い放題。
    揚げ句の果てに最近では嫁と子供に暴力を振るうらしい。

    「え…ヨシキが…」

    2006-09-15 00:43:00
  • 59:



    嘘、嘘、嘘。嘘つきヨシキ…

    2006-09-15 00:47:00
  • 60:

    ヨシキは出会った時からつかみどころがなくて、あれ…どうやって出会ったんだっけ…??


    もう、いいや。男なんていっぱいいる。…ヨシキよりステキな人も。
    たぶん…

    2006-09-15 00:50:00
  • 61:

    毎日楽しい。仲間がいて、毎日違う男と遊んで、シンナーを吸って、出会ったばかりのオッサンと性行為をして…。お金があって。


    ヨシキのことは意外にもすぐ忘れられた。
    さよなら。こっちから連絡をしないから、一度も言葉を交わす事なく別れた…。

    2006-09-15 00:54:00
  • 62:

    コンビニでバイトをしてお金を作った。
    バイトも学校も楽しかった。


    唯一の悩みと言えば合コンも紹介もつまんなくて、全く男っけがないこと。

    2006-09-15 01:09:00
  • 63:

    それでもいいか、開き直って楽しむ毎日。

    2006-09-15 01:11:00
  • 64:


    久しぶりに蘭からの電話。コッチがかけてもでないクセに。
    ナンパされて遊んでた男と私の学校の近くで別れた。ユウジ君に迎えにきてもらう予定だからそれまでカラオケにでも行こう、とのこと。

    2006-09-15 01:14:00
  • 65:

    久しぶりの蘭。
    昔と変わらない笑顔。私の顔を見ると走り寄って来た。
    「蘭、久しぶり。最近どぉしてたん??あれ…太った??」
    『ハァ??しばくぞ、太ってへんし!!!!』

    2006-09-15 01:17:00
  • 66:

    カラオケに入って歌も歌わずに離れた時間を埋めるように話をした。



    シンナー。売春。暴力団との付き合い。

    2006-09-15 01:22:00
  • 67:

    「蘭…、私に言ってくれてありがとう。でもな、お願いやからやめて??家に帰って来…」
    泣きながら訴えた。なぜ泣いてるんやろ。蘭が遠くに行ってしまうような…せのまま戻ってこないような。そんな気がして。
    『は!?説教とかマジだるい。あーちゃんは蘭のことわかってくれるかと思った!!!!』

    2006-09-15 01:29:00
  • 68:

    蘭はすごく怒って部屋を出ていってしまった。
    私は急いで追い掛けた。フロントで伝票と千円札を二枚を店員さんに無理矢理渡して店を飛び出た。
    料金、足りたかな…?

    2006-09-15 01:33:00
  • 69:

    中学時代、運動部に所属していたおかげで蘭にはすぐ追い付いた。

    「蘭、ごめん…。ちゃんと話そう??」
    蘭は泣いている。取りあえず駅の近くの公園に入る。ベンチに蘭を座らせてジュースを買いに行った。

    2006-09-15 15:20:00
  • 70:

    「蘭ちゃん☆ミルクティーとファンタどっちがいい??」
    蘭はちらっと私を見て無言でファンタを取って笑う。
    『ファンタ好きなん覚えててくれたん…??』
    「当たり前やん!!!!」

    いつもの蘭。笑顔の蘭。…本当にこの蘭がシンナー、売春??

    2006-09-15 15:27:00
  • 71:

    ●略●
    いつもの蘭。笑顔の蘭。…本当にこの蘭がシンナー、売春??

    2006-09-15 15:29:00
  • 72:

    組事務所の奥の待機室で女の子達みんなでシンナーをしてること。
    ヨシキ君に家庭があって別れたこと。


    『でもな、シンナーはあーちゃんが思ってるほど体にわるくないねんで。気持ち良くなって…すぐに効果切れるし。』

    2006-09-15 15:43:00
  • 73:

    なぜだか私の目からは涙がこぼれた。
    そんな生活今すぐにでもやめてほしい。でも今の蘭にそんなことを言ったらまた怒ってしまって逆効果。

    「蘭…。今蘭がしてることに口出しせぇへんから絶対に何かあったら連絡してね。蘭には私がおること忘れやんといて…」

    2006-09-15 15:52:00
  • 74:

    ●略●
    マチコは中学の時から嘘つきで、友達という友達は誰もいなかった。

    2006-09-15 16:10:00
  • 75:

    『でな、組長が稲本さんって言うんやけど…
    ♪♪♪〜♪♪♪〜♪♪♪
    着信:ユウジ
    …あ、ユウジきたみたい』

    2006-09-15 16:13:00
  • 76:

    『もし!!!!お前タイミング悪いんじゃ…おん…駅ね。今から行くわ。』
    蘭…相変わらずユウジ君にキツイな。優しいから何も言われへんのかな…。
    『あーちゃん。イマイチ道わからんから駅まで着いて来て??あかん??』
    「いいよ。私も電車で帰るし駅行かな」

    2006-09-15 16:18:00
  • 77:



    …!!!!…

    2006-09-15 16:30:00
  • 78:

    ユウジ君は想像以上に綺麗な顔をしていて…。
    よくわからないけど目が優しくて。

    2006-09-15 16:39:00
  • 79:

    『??どぉしたん二人とも…。あ、ユウジこの子があーちゃんやで!!!!』

    「!!ありしゃです!!」
    噛んでしまう私。

    2006-09-15 16:52:00
  • 80:

    さっきと同じカラオケに入る。店員さんに謝って、部屋に案内してもらう。
    ユウジ君は私に色々話し掛けてくれる。緊張しすぎてちゃんと答えられてるかな…??

    2006-09-15 17:08:00
  • 81:

    部屋に入ってすぐに蘭はトイレに立った。その間は二人きり。
    あぁどうしよう…
    「あの…ありさちゃん??メルアド、聞いてもいいかな??」

    2006-09-15 17:18:00
  • 82:

    「え…うん!!いいよ☆」
    平然を装っていたけど心の中では
    キターーー(゚∀゚)ーーー
    蘭が帰ってくるまでに急いで交換。

    2006-09-15 17:30:00
  • 83:

    適当に歌って楽しんで帰宅。
    帰るとユウジ君からメールが来た。
    【今日は楽しかった。またメールしような。】
    嬉しくて飛び上がる。お母さんが私を見て不思議な顔をした。

    2006-09-15 17:46:00
  • 84:

    ?蘭17歳。
    相変わらずの毎日に終止符を打った。好きな人が出来た。
    ヨシキ以来いっぱい遊んだけど好きになる人はいなかった。

    2006-09-15 17:55:00
  • 85:

    『もしもし?しんちゃん?蘭だよ☆』
    しんちゃんは新人ホスト。仕事帰りにキャッチされてた。すごくおもしろくて楽しくて、すごく大好き。
    マンションの家賃があるので仕事はちょくちょく行ってたけど、仲良くなった客と番号を交換して外で会ってお金をもらったりしてる毎日。

    2006-09-15 21:05:00
  • 86:

    しんちゃんはまだ新人でお金がないので蘭が助けてあげないと生活できない。

    今日はしんちゃんとデート。買い物に行こう。
    まだ付き合ってはいない。しんちゃんはまだ新人でお金がないから、人並みに稼げるようになったら蘭と付き合ってくれる約束をしてる。

    2006-09-15 21:08:00
  • 87:

    態度でわかる。きっとしんちゃんも蘭が好き。何回も体を重ねたし、愛の言葉をくれる。

    「蘭??俺ホストやのに全然ブランドもってなくてカッコ悪い…」
    しんちゃんがそぉ言うのでマフラーとネックを買ってあげた。

    2006-09-15 21:11:00
  • 88:

    10万円…。痛い出費だけどしんちゃんはすごく喜んでくれて、
    「蘭ありがとう、ホンマ好きやわ。早く売れて付き合いたいな☆」


    蘭もしんちゃんが好き…

    2006-09-15 21:13:00
  • 89:

    「蘭!!ドライブ行くぞ」
    と、後輩から借りて来たボロボロの軽四でマンションの前まで迎えに来た。
    大好きなしんちゃんが家に来てくれたのが嬉しくて家を飛び出て車に飛び乗った。

    2006-09-15 21:18:00
  • 90:

    ヨシキのピカピカのスカイラインよりこのボロボロの車の方がいい。しんちゃんと手を繋げるから…
    しんちゃんが蘭を愛してくれてるから…。

    2006-09-16 00:20:00
  • 91:

    しんちゃんは蘭を載せて朝方のミナミの街を走りだす。
    「この時間がな、1番人も車も少ないねん」
    しんちゃんが言う。

    2006-09-19 00:50:00
  • 92:

    確かに真昼等に比べたら少ないけど…。夜の仕事をしている人や、カラオケ屋さんの勧誘、酔っ払いのサラリーマン…がちらほら。



    本当にこの街は眠らない。

    2006-09-19 01:01:00
  • 93:

    ゴミがたくさん散乱して汚い汚いミナミの街をボーっと眺めている…といつの間にかひっかけ橋。
    『え…しんちゃん??こんなところ車で入っていいの…??』
    「いいねん♪」

    2006-09-19 01:04:00
  • 94:

    御堂筋から堺筋まで抜けるのかな…??と思いきや。

    シャッターの店の前で急に車を停めるしんちゃん。

    …??

    2006-09-19 01:06:00
  • 95:

    日曜日。朝方。
    シャッターを閉めてる店がほとんど。
    するとしんちゃんはギアを『R』にいれてすぐに『D』…シャッターに向かって急発進!!!!

    『きゃあーーー』

    2006-09-19 01:09:00
  • 96:

    名無しさん

    ?

    2006-09-23 23:21:00
  • 97:

    名無しさん

    気になる?

    2006-09-24 16:19:00
  • 98:

    ―――――ガシャン!!!!


    「えへ☆ビックリした??」
    ノンキなしんちゃんと目が点の欄。車をシャッターにぶつけるのがしんちゃんの楽しみらしい。

    2006-09-24 23:45:00
  • 99:

    しばし無言。

    二人目を合わせて大爆笑。「ヨッシャ!!次行こう」
    『行こう行こう☆』
    しんちゃんといるとホントに楽しい…。

    2006-09-24 23:48:00
  • 100:

    延々と並ぶミナミのお店のシャッター。それを次々車でぶつけてまわって。笑いが絶えなくて。

    いつの間にか空が白んできたので家路についた。お金がなくて携帯代が払えないと言うので六万円渡した。「ありがとう、蘭。お前と連絡取られへんかったら俺寂しくて死ぬわ、マジ☆」

    そういって笑うしんちゃん。…もっと頑張ってお金を稼いで早くしんちゃんと付き合いたい…。蘭の唯一の願いだった。

    2006-09-24 23:53:00
  • 101:

    マンションの自室の鍵を開けて、濁った空気が充満した部屋に入ると、携帯が鳴った。
    メール。受信:あーちゃん
    【蘭☆おはよう(o^v^o)実は…昨日ユウジクンに告白されて付き合うようになってん♪♪♪蘭には一番に報告だよ!!!!】

    2006-09-25 00:00:00
  • 102:

    何もない部屋。部屋を借りた記念に稲本さんが買ってくれたテレビと布団。
    食べ残したコンビニのお弁当の箱に生えたカビと、タバコと、シンナーと、ナンパしてきた男が放った精液の匂いが入り交じった空間に一人…。
    蘭は静かに携帯を閉じた。

    『あーちゃんとユウジが…??』

    2006-09-25 00:08:00
  • 103:

    二人がメールしてたのは知ってたし、ユウジに恋愛感情は全くない。それでも…蘭のことが好きだと言っていたユウジが蘭から離れて行ったような気がして寂しくて堪らなかった。

    2006-09-25 00:11:00
  • 104:

    もうユウジを足に使うことも出来ない。

    あーちゃん、奥手のくせにちゃんと恋愛できるのかな…??
    幸せな恋愛…。蘭もしんちゃんと早く付き合って幸せになりたい…。

    2006-09-25 00:13:00
  • 105:

    蘭は煙草に火を付けてまた部屋を白い煙で濁らす。


    幸せなあーちゃんがなんとなく憎く感じた。

    2006-09-25 00:15:00
  • 106:

    ?ありさ17歳。

    毎日は相変わらず。ただ何となく明るくいれるのは、好きな人が出来たこと。
    蘭の知り合いのユウジクン。初めて会った時に一目惚れ。
    今は毎日何通もメールをする関係にまで発展した。

    2006-09-25 00:18:00
  • 107:

    でもユウジクンは何年も前から蘭のことが好き。
    だから付き合うとか、そんなことは考えないようにしてメールを楽しむ。

    メール受信:ユウジクン
    【おはよう。今日も仕事頑張ってくるわ!!!!ありさちゃんも学校頑張ってな。また休み時間にでも返事ちょーだい。】

    2006-09-25 00:22:00
  • 108:

    【おはよう(o^v^o)体壊さない程度に頑張ってね☆★今日は大嫌いな世界史の授業が二回もあるねん(:_;)帰りたいけど頑張るよ…】
    送信:ユウジクン

    毎日こんな感じ。たまに夜に電話をくれたりするけどそこでも普通。の、友達…??何やろう…。

    2006-09-25 00:26:00
  • 109:

    バイト先のコンビニの先輩が言う。
    『何かいいことあった??最近綺麗になったよね』


    私が…??

    2006-09-26 06:12:00
  • 110:

    勤務時間が終わって更衣室に入って一番にすることはやっぱり携帯チェック。
    メール二件。
    受信:お母さん
    【帰り気をつけてね】
    これも日常。バイトがある日は毎日このメールをくれる。…もう一件は…

    2006-09-26 06:15:00
  • 111:

    受信:ユウジクン
    キャー!!!やっぱり☆嬉しい。

    すると私をチラっと見て先輩が言った。
    『ホラ、その顔。何か幸せそうでいいな〜』

    2006-09-26 06:17:00
  • 112:

    知らない間に顔がニヤけてたみたい…。
    【お疲れ様。話があるから電話したい。メールしてなぁ。】

    話って何やろう。気になるので急いで着替えて店を飛び出た。

    2006-09-26 06:27:00
  • 113:

    「お疲れ様ですッッ」
    私と入れ代わりにレジに入った店長に元気に挨拶して外に出ると、さっきの先輩の彼氏らしき人が迎えにきていて車に乗り込む先輩の顔が幸せに満ち溢れていた。

    私もさっき…あんな顔してたのかな??じゃあ『綺麗』の要素をくれてるのはユウジクンかな…??

    2006-09-26 06:30:00
  • 114:

    そんなことを考えながら、学校指定のカバンをカゴにほうり込んで自転車にまたがると、メールをせずにユウジクンに電話をかけた。
    『お疲れ。かけてくれたんやぁ☆』
    と、こな会話から始まり本当の世間話。…話って何やろう。もうすぐ家に着いちゃうよ…

    2006-09-26 06:33:00
  • 115:

    『…あんな。』
    「うん。」
    『好きやねん。』
    「うんうん。何が??」
    『…ありさちゃんのこと…』

    2006-09-26 06:35:00
  • 116:

    突然。何??
    車がたくさん通る大きな道から、家が見える脇道に入るカーブを曲がったところでユウジクンはイキナリ言った。
    「え…。」
    ユウジクンは蘭が好き。だから自分の気持ちをユウジクンに伝えることはなかった。それなのに…何??

    2006-09-26 06:38:00
  • 117:

    からかわれてるのかと思って涙が出た。
    泣いてるのを悟られないように返答する。
    「ユウジクンは蘭が好きやろ??告白する相手間違ってるよ。」
    『え、ちょ…』
    「ごめんね、家着いたからメールにして。」

    2006-09-26 06:44:00
  • 118:

    無理矢理電話を切って玄関の戸を開けると愛犬が飛んで迎えに来てくれる。これも日常。
    ただいつもと違ったのは、私の目から涙が止まらないこと。
    いつまで経っても抱っこしてくれない私を不思議そうな目で見て首をかしげる愛犬。

    2006-09-26 06:46:00
  • 119:

    涙を拭いて立ち上がり、愛犬を抱き上げてリビングに入る。
    「お母さん、今日はご飯いいや。何か食欲なくて…」

    あらそ、と背中を向けたまま答えるお母さん。この人は昔から私のことなら何でもおみとおし。今日もなにかあったことを悟って何も言わないでくれる。

    2006-09-26 06:50:00
  • 120:

    ソファーに座ってテレビを見ている弟に愛犬を抱かせてお風呂に入った。
    カバンの中で携帯のマナーモードが震えてたような気がしたけど、今は触りたくなかった。

    2006-09-26 06:52:00
  • 121:

    脱衣所に入り服を脱ぐ。
    中学時代、部活で嫌々ながらついた筋肉も落ちて少し、女の子らしい体になった。常時日焼けしていた肌も本来の白に戻った。

    鏡に写った全裸の自分を見ると不思議と涙は止まった。

    2006-09-26 19:45:00
  • 122:

    自分でも気付かないうちに大人になっている。だけど中身は子供のまま。


    ユウジクンが何をしたいのかはわからないけど逃げてしまうことだけは…自分には負けたくない。

    2006-09-26 21:22:00
  • 123:

    急いで全身を洗い、髪の毛を乾かさないまま二階の自室に走る。
    カバンから携帯を取り出す。

    着信:二件 ユウジクン

    2006-09-26 23:47:00
  • 124:

    深く、深く、深呼吸。


    発信中:ユウジクン
    プル…『も…あ、さっきはごめ…』

    2006-09-26 23:49:00
  • 125:

    すぐにでてくれた。噛んでる。
    「あの、さっきはごめんなさい。途中で電話切っちゃって…」
    『いいねん。いいねん。いいねん。』
    焦ってるのがすごく伝わって来てユウジクンもそれに気付いて二人で笑った。

    2006-09-26 23:53:00
  • 126:

    『あの…俺の好きな子は蘭じゃないから!!!!ありさちゃんが好きやねん。ホンマに。』
    黙って話を聞こう。今声を出したら泣いてるのがばれてしまうから。
    『出会った頃は蘭のことが好きやったけど…。蘭は俺のこと足としか思ってないし、ありさちゃんと出会う頃には妹みたいにほっとかれへん存在になってた』

    2006-09-26 23:57:00
  • 127:

    『…ありさちゃんのこと好きって気付いてから蘭とは連絡とってないよ。』

    信じられなくて、夢みたいで…初めての告白。両想い。
    「こんな私のどこが好きなん??」
    『友達とか家族をホンマに大事にするとこ。ありさちゃんみたいに優しい人に今まで会ったことがない。』

    2006-09-27 00:00:00
  • 128:

    「…プッ。最後は言い過ぎ〜!!!!」
    二人で笑った。
    それから、私も同じ気持ちだったことを伝えてこれからよろしくって挨拶を交わす。
    朝まで電話を切れなくて、次の日は二人とも学校や仕事、大変だねってまた笑った。

    2006-09-27 00:03:00
  • 129:

    ユウジクンの出勤時間。
    「行ってらっしゃい。頑張ってね。」
    『ありがと☆ありさちゃんも頑張って、学校。夜また電話する』


    こんな会話を男の子とするの初めて。彼氏。ユウジクンが。私の。

    2006-09-27 00:06:00
  • 130:

    ●略●
    こんな会話を男の子とするの初めて。彼氏。ユウジクンが。私の。

    2006-09-27 00:07:00
  • 131:

    色々考えて真っ赤になった顔をクッションに埋めて
    「キャーッッ」
    っと叫んだ。

    外は朝だと言うのに鳥の鳴く声も無い、街路樹の枯れ葉が散って少し寂しい秋の終わりを示していた。

    2006-09-27 00:12:00
  • 132:

    記念日は11月11日。
    来年も再来年も、ユウジクンでいっぱいの今日を迎えることができますように。

    蘭には一番に報告。寝てるかもしれないのでメールを送った。返事は無い。
    元々生活のリズムがズレている私と蘭。あまり気にせずに登校の準備に取り掛かった。

    2006-09-27 00:15:00
  • 133:

    ?蘭17歳・後半。

    やっと暖かくなって来た。雑誌に載ってる春服を買ったのはいいけど、なかなか着れなくてウズウズしている。
    毎日仕事に行き、毎日しんちゃんに会いに不二家前をウロウロ。不二家前はしんちゃんのキャッチ場所。

    2006-09-28 05:48:00
  • 134:

    しんちゃんにお金を渡して家に帰ってシンナー。
    最近はマチコは蘭から一時も離れない。蘭も何かと言うことを聞くマチコを悪くは思ってなかった。

    2006-09-28 05:51:00
  • 135:

    「蘭ちゃんおつかれ!!!!今日はいくら稼げた??」
    『おー。今日は四人でちょうど10万やな…』
    と、毎回稼ぎと人数を女の子全員が記帳する決まり。
    「蘭!!!!不二家前行こ」
    マチコ。あぁ、うるさい…

    2006-09-28 05:59:00
  • 136:

    返事もせずに事務所を出て歩きだす。
    「あん。待ってよ〜」
    と、シンナー臭い息をハァハァさせながら着いてくるマチコ。
    もう、勝手にして。
    いつも、仕事が終わるとしんちゃんのことしか見えない。

    2006-09-28 06:43:00
  • 137:

    「お☆蘭!!!!」
    どんなに遠くからでも必ずしんちゃんは蘭を見つけてくれる。自然と小走りになって駆け寄ると、人目も気にせずに抱きしめてくれた。

    嬉しくてテンパっていると『お、その子がシンヤの“彼女候補ちゃん”か??』

    2006-09-28 06:47:00
  • 138:

    と、後ろから声がした。しんちゃんの店の…何かよくわからんけどすごい役職がついた人。しんちゃんが尊敬する先輩。
    「お疲れ様です!!!!そうなんスよ、“候補”やけど、ほぼ“確定”です。…俺が売れたら付き合うって約束で…」

    2006-09-28 06:50:00
  • 139:

    「そうか。ほな頑張らなのー。」
    と言って去って行った。隣には、ブランド物をたくさん身につけた女の人。お客さんかな??

    それよりも、さっきのしんちゃんの言葉が嬉しすぎて涙がでそうになった。

    2006-09-28 06:52:00
  • 140:

    『しんちゃん…。手紙書いたの。読んでね』
    昨日の夜に一生懸命書いた手紙を渡す。中に今日稼いだお金をほとんど入れて。

    しんちゃんは喜んで受け取ってくれた。

    2006-09-28 06:55:00
  • 141:

    しんちゃんのキャッチの邪魔をしないように、これで別れた。
    『じゃあまたメールするね☆』
    と立ち去ろうとすると、それまで退屈そうにしてたマチコの顔に花が咲いた。

    2006-09-28 06:56:00
  • 142:

    しんちゃんのためなら、仕事も全然苦にならない。
    大好きなしんちゃん…。


    人が見ればとんでもない生活でも、蘭にとっては幸せそのもの。

    2006-09-28 06:58:00
  • 143:




    今も幸せだけど、しんちゃんと付き合える日々が早くくればいいな。
    そんなささいな願いも打ち砕かれ、蘭を絶望の闇が包んだ。

    2006-09-28 07:00:00
  • 144:

    いつものように、しんちゃんと不二家前で会ってマチコと同居するマンションに帰る。いつの間にかこの部屋を訪れる仲間も減って、マチコとコンビニ弁当を貪り、シンナーを体内に取り入れ、寝て起き仕事…と言う日々が続いた。

    2006-09-28 07:03:00
  • 145:

    この日は違った。
    マチコが誰かと会うと言って今日は一人でシンナー。マチコが誰と会おうと全く興味が無い。


    部屋で一人。いい気分の波が蘭を包む…

    2006-09-28 07:05:00
  • 146:

    ―――ガチャ。
    鍵なんてかけない。いつ、誰が入ってくるかわからないから。
    ―――バタバタバタ。
    マチコ??それにしては足音の数が多いな…。

    2006-09-28 07:07:00
  • 147:

    「今西 蘭さんですか??」
    『え…??』
    警察官だと一目でわかる服装をした男が数名部屋にあがりこんできた。

    2006-09-28 07:09:00
  • 148:

    ?シンヤ22歳。
    春に近づいてきたけど、深夜のミナミはまだまだ寒い。
    俺は今日も不二家前でキャッチに勤しんでいる。

    2006-09-28 07:12:00
  • 149:



    今日も来た、来た。
    遠くてもすぐにわかる、ド派手な二人組。

    2006-09-28 07:14:00
  • 150:

    日焼けサロンで焼きすぎて汚い肌。カラーリングを繰り返してる上に全く手入れしてない汚い金髪。
    着飾ってはいるが何となく汚い。二人とも。
    「お☆蘭!!!!」
    俺が呼ぶと汚い歯を除かせて微笑みながら駆け寄ってくる。お腹のお肉が揺れてますよ。

    2006-09-28 07:18:00
  • 151:

    顔を見たくないからとりあえず抱きしめた。
    俺に会いに来る前に香水をふってきたのか、シンナーの臭いと混じって有り得ないほどの異臭を漂わせるこの女。
    俺の銀行。蘭。
    銀行といっても金を預けることは一生無い、“お引き出し”専用。

    2006-09-28 07:21:00
  • 152:

    するとそこに俺の大先輩が、女と登場。
    蘭のことを聞いてきたので、蘭が喜ぶだろうなと思うセリフを口から吐く。
    こんな時の俺は、自分でも恐ろしくなるくらいに嘘の言葉が次々と出てくる。

    やっぱり。蘭は喜んで。

    2006-09-28 07:25:00
  • 153:

    早く金だけ置いて帰らないかなと思っていると、
    『しんちゃん。手紙書いたの、読んでね…』
    とディズニーキャラが散らばった封筒を差し出した。
    いらねー。。。と思いながら受け取ると、触った感じ、厚さや、大きさ的に金が入ってるのがすぐにわかったから笑顔で受け取った。

    2006-09-28 07:30:00
  • 154:

    去っていくバカ共の背中が見えなくなると、封筒を破り、金を数える。…九万。今日はまずまずやな。


    手紙は読まずに、捨ててあるコンビニの袋に入れて口を縛り蹴飛ばした。どうせ書いてある文章はいつもと一生。
    手紙の残骸が、明日以降蘭に見つからなければそれでいい。

    2006-09-28 07:33:00
  • 155:




    俺は役者や。
    金がすき。金がすき。金がすき。金がすき。金がすき。金がすき。金がすき。

    2006-09-28 07:35:00
  • 156:

    蘭は店に来たがる。絶対呼ばない。あいつは17歳。もしも、のことがあってはいけない。
    それに、店で実はそこそこ売れている俺の正体を知られたら、
    『売れて来たから付き合ってよ』
    なんて言うに決まってる。

    2006-09-28 07:37:00
  • 157:

    めんどくさい…
    もっと楽に儲ける方法ないかな…??

    2006-09-28 07:39:00
  • 158:

    ?マチコ17歳。
    毎日が楽しい。うるさい、うるさい親から逃げ離れて憧れの街、ミナミで蘭と二人暮し。
    ちょっと見た目の気持ち悪いオッサンと、大好きなセックスをするだけで物凄い大金が舞い込む。
    人間関係を気付くのが苦手な私も、蘭といればしゃべり相手くらい作れる。

    2006-09-28 07:44:00
  • 159:

    誰にも言えないのが、蘭の恋人(?のようなもの)のシンヤ君に恋をしてしまってること。
    それでも、楽しい。周りにあまり男がいないからしょうがない。私は常に片思いをしておかないと気が済まないから。

    2006-09-28 07:47:00
  • 160:

    蘭はシンヤ君にお金を渡さないといけないからほとんど毎日仕事に行く。
    私は、前日シンナーをやりすぎて体がダルかったりすると仕事を休む。
    簡単な事。真っ当な仕事じゃないから、本当に甘い。夜の仕事ってこんなものか。

    2006-09-28 07:50:00
  • 161:

    一人で部屋にいると、ドアの開く音がした。
    蘭かな…??


    「シンヤ君!?」

    2006-09-28 07:51:00
  • 162:

    「どうしたの?蘭は仕事でいないよ…」
    内心ドキドキが止まらない。『あー…。今日はマチコちゃんに会いに来たねん。はは…』
    え…!?嬉しい!!!

    2006-09-28 07:54:00
  • 163:

    軽く部屋を片付け、シンヤ君を布団の上に座らせた。

    しばらく二人並んでテレビを見ていたど突然…
    『俺、ホンマは蘭よりマチコちゃんが好きやねん…』と言い、押し倒してきた。『あかん??』
    いいに決まってる。

    2006-09-28 07:56:00
  • 164:

    最近蘭が仕事ばっかりで、ナンパ待ちしてなかったから…久しぶりの若い男。若い肉体。

    気持ちがイイ、セックス…

    2006-09-28 07:58:00
  • 165:

    ――蘭に悪いなとは思いながらも、欲望にまかせた。罪悪感は簡単に消され、一時の快楽を楽しんだマチコは、体に残った余韻を楽しんでいた。――

    「あのさ、蘭…帰って来たらヤバイし、腹も減ったし外行かへん??」

    2006-09-28 08:01:00
  • 166:

    二人でマンションを出る。
    手は繋がない。どこに行くのだろう。
    シンヤ君の三歩後ろをトコトコ着いて行く。

    2006-09-28 11:55:00
  • 167:

    仕事を終えてから、蘭や稲本さん達と何度か来たことのあるファミレスに入る。
    窓際の、喫煙席。二人向かい合わせに座る。

    シンヤ君はホットコーヒー、私はクリームソーダを注文して二人ほぼ同時に煙草に火をつけた。

    2006-09-28 12:01:00
  • 168:

    「あのさー、マチコちゃん…」
    シンヤ君はこれからの二人の付き合いについて話すのかな??
    あ…蘭はどうしよう。きっと怒るだろうな…。もし、シンヤ君が私とちゃんと付き合ってくれるなら、実家に帰ろう。蘭 から離れればいい。

    2006-09-28 12:04:00
  • 169:

    「仕事の仕組みとかさ、詳しく聞かせてくれへん??」
    『…へッッ??』
    てっきり、これからの付き合いについて話し合うと思ってたのに。
    でも、これから彼女になる私の仕事の事も知っててもらわないとね。

    2006-09-28 12:07:00
  • 170:

    『えっとね。お客さんはどうやって集めてるかは知らんけど事務所で紹介料払ってね、女の子は適当に組の人が決めて二人でホテルへ行くの。それでね、ここからは女の子と客同士で料金そうだんするの。だいたい二万〜。二万以下しか払わない場合は電話して組の人が来て…お客さんどうなっちゃうんやろうね…ハハ…』

    2006-09-28 12:15:00
  • 171:

    「ふんふん。それで??」

    『何人か客をとって終わったら、一日の稼いだ金額と人数をノートに書くの。』

    「へー。じゃさ、シンナーはどこでやってるの??どこから手に入れてる??」

    2006-09-28 12:17:00
  • 172:

    『どこから仕入れているのかは知らん…』


    「お待たせしましたぁ☆クリームゾーダのお客様ぁ?」
    『あ、はぁーい。…でもね、奥の和室に常時あるよ。女の子みんなやってる。』

    2006-09-28 21:50:00
  • 173:

    マチコは、席に届いたクリームソーダの氷をカラカラ鳴らしながら一気に半分飲み干した。次に、アイスクリームを半分食べて…の繰り返し。
    クリームソーダの食べ方。マチコ流。

    「そうなんや…。色々ありがとう。」
    「ごめんな、ホンマ…」

    2006-09-28 21:57:00
  • 174:

    名無しさん

    ?

    2006-09-29 23:44:00
  • 175:

    マチコがアイスクリームの最後の一口を食べようとした時、周りの席に座っていた男達が一斉に立ち上がった。

    『え…何??』

    2006-09-30 02:40:00
  • 176:

    「今の話全部聞いたからね。一緒に来てねー」



    ――――警察??マチコの理解か男達の行動力が早いか。

    2006-09-30 04:02:00
  • 177:



    気付くとマチコは両腕を男に掴まれていた。
    『シンヤ君助け…』

    2006-09-30 04:03:00
  • 178:

    縋る思いでシンヤを見ると…。彼は笑顔でこちらを見て手を振っていた。
    何事か、すぐにはわからない。


    ただ、パトカーに乗せられてる事からすると私は捕まってしまったようだ。

    2006-09-30 04:06:00
  • 179:

    携帯どころか鞄ごと没収され、仲間に連絡も取れない。
    これからどうなるのだろう。親に連絡。逮捕。あ、未成年やから鑑別所か少年院か――――。

    私を乗せたパトカーがどこかに到着する頃には、不思議と落ち着いていた。

    2006-09-30 04:14:00
  • 180:

    ただ、怖いのは…

    こう言う場合、一人が捕まると芋づる式に組織全体が捕まる、みたいな話を思い出してしまったこと。
    蘭、みんな、稲本さん達もつかまっちゃうのかな…

    2006-09-30 04:16:00
  • 181:

    名無しさん

    面白いです??続ききになるぅ????

    2006-09-30 09:46:00
  • 182:

    ?ありさ17歳・後半。
    ユウジクンと付き会って四ヶ月。会う度にドキドキ。電話やメールが楽しみ。
    学校もバイトも順調。
    楽しい。毎日。

    2006-10-01 00:52:00
  • 183:

    ただ気になるのは…蘭と連絡が取れないこと。
    蘭、また携帯代払ってなくて止まってるんかな…??

    料金を払って、電話を使えるようになったらまた何かしら連絡してきてくれるだろう、とあまり気にせず過ごした。

    2006-10-01 01:02:00
  • 184:

    『俺ホンマに好きやわ…ありさちゃんのこと…』
    「…。」
    いつも、愛を囁かれると恥ずかしくて言葉が出なくなる。
    ユウジクンの家で二回目のキス。唇が触れるか触れないか…

    2006-10-01 01:04:00
  • 185:



    言葉にするのは、恥ずかしいけど…私も大好きだよ。全部が初めて。
    デートも、手を繋ぐのも、キスも…。

    2006-10-01 01:06:00
  • 186:

    キスの時はギュっと目をつむってしまう…。一度ユウジクンの唇が離れて、もう一度重な…

    ――――ガチャ。
    『あーーー!!!!お母さん!お兄ちゃんチュウしてるよー。』

    2006-10-01 01:08:00
  • 187:

    ユウジクンの妹。ユリエちゃん。小学五年生。明るくて笑顔がかわいい子。
    『ちょ…おま…ウザイ!!!!』

    ユウジクンもかわいい妹には本気で怒ったりしない。

    2006-10-01 01:10:00
  • 188:

    「キャハハハ☆」
    と笑いながらリビングに走って行ったユリエちゃん。

    私、赤面。
    二人の目が合う。ユウジクンはごめん、と言って二人で笑った。

    2006-10-01 01:13:00
  • 189:



    いつものようにユウジクンのお母さんに挨拶をして家に帰る。
    「また来てね。」
    と、優しい笑顔で見送ってくれた。

    2006-10-02 16:27:00
  • 190:

    ユウジクンはいつも自転車で家の近くまで送ってくれる。私たちは原チャの二人乗りはしない。危ないから。


    今日は夕方からバイトやから、バイト先のコンビニまで。
    「ユウジクンありがとう。終わったらメールするね☆」

    2006-10-02 16:30:00
  • 191:

    『わかった。頑張ってな』

    ユウジクンの、自転車に乗った背中が見えなくなるまで見送った。
    優しくて、大好きなユウジクン…。さっき触れ合った、唇を触って一人で赤面してしまう。
    『おはよ☆』

    2006-10-02 16:34:00
  • 192:

    ―ビクッッ!!!!先輩。
    「あ…おは…!!おはようございます。」
    声が裏返る。
    『ビックリしすぎー☆今の子が彼氏??優しそうな子やね』

    2006-10-02 16:37:00
  • 193:

    恥ずかしい。見られてた。

    また顔が赤くなった私を見て先輩は
    『仲良くね』
    と言って二人で店に入る。

    2006-10-02 16:39:00
  • 194:

    今日もいつものバイト。いつも通り。
    終わって、着替えを済ませて店を出てユウジクンにメール…するといつも返事は電話をくれる。

    2006-10-02 16:44:00
  • 195:

    夜道は危ないから、と言って家に着くまで切らないでいてくれる。

    「ただいまー。お腹空いたー。」
    『お帰り。あ、蘭ちゃんから電話あったよ、家に。携帯が壊れてしまったから、家の電話にかけて下さいって言うてやったわ。』

    2006-10-02 16:47:00
  • 196:

    名無しさん

    あげー

    2006-10-03 03:33:00
  • 197:

    私はお腹がすいてることなんて忘れて、部屋に駆け上がり蘭の家に電話した。
    ―――プルル…
    『…はい』
    ふてこいこの出方は蘭や!!「もしもし、蘭!!!!ありさやで」

    2006-10-03 14:05:00
  • 198:

    名無しさん

    書いて????

    2006-10-04 18:14:00
  • 199:

    『あーちゃん!!!!会いたい…』
    「ちょ…うん、今すぐ行く」

    幸にも今は春休み。明日のバイトは遅番。チャリンコで5分の蘭の実家に急いだ。

    2006-10-05 04:06:00
  • 200:

    ユウジクンが心配するといけないので、

    【音信不通だった蘭から連絡があったので、ちょっと家まで行ってきます(^^)実家だよ☆チャリンコで5分】
    と、メールを入れる。
    久しぶりすぎる蘭。いきなり会いたいだなんて…何かあったのかな…??

    2006-10-05 04:21:00
  • 201:



    ―。

    2006-10-06 18:26:00
  • 202:



    狭い、狭い四畳半の和室に二人。一人は煙草を吸いながら漫画を読みあさる。
    もう一人はポッキーを端からポリポリ。窓の外をボーッと眺める。

    2006-10-06 18:28:00
  • 203:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    『あーちゃんてさ。すごくない??』
    煙草に漫画を辞める事なく蘭が言う。
    「んー??何が??」

    『だってさ。毎日朝練してさ授業受けてまた部活行って…塾行って…。そんな毎日しんどくない??』

    2006-10-06 18:44:00
  • 204:

    『成績だって学年で十位とかやろ…??蘭には我慢できへんわ、そんな生活!!』



    時々考える時がある。

    2006-10-06 18:48:00
  • 205:

    毎日楽しい。でも時々色んな事が嫌になる時もある。

    私たちの学年の親が立ち上げた『新制バレー部』のキャプテンにいきなり選ばれて、先輩も『監督』と呼ぶには知識が無さ過ぎるただの『顧問』と、二年生になってからは後輩達の指導。部長会議。

    2006-10-06 19:02:00
  • 206:

    塾では、地域の塾同士の『学年での成績争い』。
    私は塾の中で一番成績がよかったので、地域の争いに参加させられる。
    成績表をもらうたび、緊張で胸が張り裂けそう…プレッシャー。

    2006-10-09 01:52:00
  • 207:




    『おーい、あーちゃん』
    ハッ…!!!!ぼーっとしてた。

    2006-10-09 01:54:00
  • 208:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    「うん、ごめん。ボーッとしてた…ハハ…」
    『何それ。疲れてるんちゃうん??毎日ご苦労様☆』
    毎日ご苦労様☆
    毎日ご苦労様☆
    毎日ご苦労様☆

    2006-10-09 01:58:00
  • 209:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    目線は窓の外を向いたまま。
    毎日ご苦労様☆
    毎日ご苦労様☆
    毎日ご苦労様☆
    窓の外では、小さなスズメが飛び立った。

    2006-10-09 04:52:00
  • 210:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    今見るべきものはそんなものではない。


    かつて、そんな言葉をかけてくれる人はいただろうか。
    蘭は、誰よりも人の気持ちがわからなくて…だけど誰よりも私の気持ちを見抜いて、いつも…ほしい言葉をくれる。

    2006-10-09 04:55:00
  • 211:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    飛び去ったスズメは視界から消え去り、窓の外は一面空に変わった。
    私の目からは涙。

    蘭、ありがとう。
    『ちょ…あーちゃん!!!!何泣いてるん!?おーい…』

    2006-10-09 04:58:00
  • 212:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    「蘭…大好ぎー…」
    『ハァ??』
    二人の笑い声が狭い和室に響いた。――――――――

    蘭の部屋。汚くて、煙草臭くて。だけど私の大好きな場所。

    2006-10-09 05:00:00
  • 213:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    蘭のお母さんに挨拶して、二階に上がり蘭の部屋の戸を開ける。


    ここに来るのは何年ぶり…??
    「蘭!!!!」

    2006-10-09 05:02:00
  • 214:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    『あーちゃん!!!!おヒサァ☆』

    寝そべりながら、煙草。漫画。変わらない蘭のスタイル。

    だけど蘭は、すごく太ってて…肌はボロボロ。

    2006-10-09 05:04:00
  • 215:

    「蘭、何があったん??」

    『実はなぁ…』
    蘭が話し出す。この一ヶ月、鑑別所に入っていたこと。規則正しい食事と生活でこんなに太ってしまったこと。洗顔とかがなくて、石鹸で顔を洗わないといけなくて肌荒れしたこと。

    2006-10-12 14:23:00
  • 216:

    「捕まったって…!!!!何でそぉなったん??」
    今にも零れそうな涙を堪えながら聞く。
    『マチコがな…。先につかまって。んで尋問で蘭と稲本さん達の居場所吐いたみたい。』
    蘭の中ではもう笑い事の様で。終始笑顔。
    『ご飯とかめっちゃマズイねんでー!!!!量少ないし。甘い物とかたまにしか食べられへんしな。』

    2006-10-12 14:27:00
  • 217:

    『でもな、援交と家出とボケやってて鑑別所止まりでよかった☆…それでな。』

    「…うん。」
    『しばいちゃった…☆マチコ。』

    2006-10-12 14:38:00
  • 218:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    「…!?」



    ――――鑑別所が同じだったマチコと蘭。そこでマチコは蘭に言った。

    2006-10-12 15:12:00
  • 219:

    「蘭。あたし、シンヤ君と付き合うことになったから。もうシンヤ君に近ずかんといてな。エッチもしたし。」

    マチコは、警察に仲間である蘭の名前を出した揚句、男まで寝取った。
    怒った蘭は、鑑別所を出てすぐに男を連れて行ってマチコをしばいた。
    『これも警察にチクるんか??そぉなったら地元におられへんようにしたるからな。』

    2006-10-12 15:17:00
  • 220:

    名無しさん

    あげぇ??

    2006-10-13 02:25:00
  • 221:

    ?蘭、18歳。
    鑑別所を出てすぐに、親が見つけて来たバイトを始めた。
    知り合いが経営する会社。最初は事務で入る予定だったが、あまりの見た目に工場勤務に回される。
    金髪プリン。そりゃそうか。

    2006-10-13 05:52:00
  • 222:

    パートのオバサンが『子供が家にいるから』と言う理由で休む『夏休み期間限定』の、一ヶ月ちょい。
    まだ警察の監視があるので渋々毎日つとめた。

    2006-10-13 05:55:00
  • 223:

    捕まった時に携帯を取られて、出処の時に返却されたものの、機械自体が古いのと、長い間電源が切れていたせいで二度と画面から光が放たれることは無かった。

    唯一、連絡が取れるのは…あーちゃん。今更マチコとつるむつもりもない。

    2006-10-13 05:58:00
  • 224:

    そんなあーちゃんも、夏休みといえどバイトとユウジで忙しいらしく、週に三・四回しか会えなかった。


    寂しい…しんちゃんは本当にマチコのことが好きになっちゃったのかな??
    会いたい…

    2006-10-13 06:06:00
  • 225:

    そんな思いが募って、夜中部屋を抜け出して親の財布からありったけの紙幣を抜き取り、タクシーを呼んでミナミへ…。
    とりあえず稲本さんの事務所の前で下ろしてもらう。

    2006-10-13 06:17:00
  • 226:

    ほんの二ヶ月前まで一日の半分を過ごしていたそこは、シャッターが下りシンとしている。
    ここで過ごした楽しい日々はもう戻らないのかな…?

    2006-10-13 06:44:00
  • 227:




    …。
    しんちゃんの店に行こう。本人の口から、真実を聞きたい。そう思った。

    2006-10-13 06:45:00
  • 228:

    まずは不二家前まで歩く。

    キャッチに勤しむホスト、チラホラ。しんちゃんの姿は…無い。
    うーん、どうしよう。

    2006-10-13 06:47:00
  • 229:



    …そうだ、店に行こう。幸い、今の工場で働き出してすぐに誕生日を迎えて18歳になった。店に入れる。しんちゃんに…会える。
    なんども無理矢理着いて行った、不二家からしんちゃんの店までの道。忘れるはずが無い。

    2006-10-13 06:51:00
  • 230:

    一分一秒でも長くしんちゃんといたかった。
    「着いてくるな」
    と言われるからしんちゃんの少し後ろを歩いた。

    大きな背中。大きな手。大きな声。全部好き。

    2006-10-13 06:53:00
  • 231:

    …。
    店にホストも客もチラホラしかいない。みんなキャッチに出てるのかな??
    ふ、と目が合ったホストが近寄って来た。
    「いらっしゃいませ。今日は誰…」
    『しんちゃ…シンヤ君いてる??会いたいんやけど!!!!』

    2006-10-14 13:01:00
  • 232:

    「あぁ…。シンヤやったらとっくに辞めたよ。てか飛んだ。未収の回収できてないまま。こっちが探してるぐらい。」

    ――――えっ!?――――シンちゃんが飛んだ??それってもう…会えないってこと…??

    2006-10-14 13:04:00
  • 233:

    頭が真っ白になった蘭は店を出てボーっと街を歩いた。
    しんちゃんのいないミナミはこんなにも色あせている。…帰ろう。
    「あれ?蘭ちゃん??やっけ…。ごめん名前ハッキリわからん…」
    『あー!!!!』

    2006-10-14 13:07:00
  • 234:

    名前を呼ばれた方に振り向くと、そこには稲本さんのところで一緒に働いてた女の子の一人。
    名前…はナツミやったかな??
    「久しぶり!!!!話あるし暇やったらどっか店入らん?」
    『うん、いいよ☆』

    2006-10-14 13:10:00
  • 235:

    蘭とナツミは喫茶店に入る。
    『どうしてた?あれから。』
    「私?あれからみんな捕まっちゃってねー。蘭ちゃんもやろ??私はたまたま実家に帰ってたからセーフ。で、働くとこないから風俗して寮に入ってる。蘭ちゃんは?」

    2006-10-14 13:13:00
  • 236:

    蘭は、捕まってから今までのことと…さっきあったしんちゃんの出来事を話す。

    『嘘やん!!!!最悪…。で、これからどぉするの??』これからのことなんて、考えてなかった。
    ただ、このまま家に帰って毎日バイト…みたいな単調な毎日は嫌だった。

    2006-10-14 13:16:00
  • 237:

    『これから…どうしよう』

    「良かったらさ、うちにおいでよ!!!!仕事紹介するし、すぐ寮にも入れるよ☆今日はウチに泊まって明日から行こう。」

    『そうする。お願い。』

    2006-10-14 13:19:00
  • 238:

    ナツミの部屋はまぁ、女の子らしく片付いていて。家具こそはあまりないものの、生活感がありすぐに落ち着いた。
    「明日から、風俗デビューやな。」
    ナツミが布団をかぶりながら言う。
    『デビューか。でも稲本さんとこでしてたのと変わらないよな。』
    不安はなかった。頑張らないと、この大好きなミナミにしがみつく術はない。

    2006-10-14 13:23:00
  • 239:

    ユウジクンと付き合って半年。節々にキスはたくさんしたけど、一度も体を重ねたことは無かった。
    最近では、私に魅力が無いのかな?なんて悩んだり。

    ♪♪♪着信ユウジクン♪♪♪「ハイ☆うん…わかった。待ってる。じゃあね。」

    2006-10-14 13:29:00
  • 240:

    今日はデート。ユウジクンがどうしても見たいと言うので映画館へ。

    今まで一度も喧嘩なんてない。お互いがお互いを信じ合い、きっともともと波長が合っていたんだと思う。

    2006-10-14 13:32:00
  • 241:

    映画を見終えて、アイスクリームを買ってベンチに座りながら話す。
    「ユウジクン…あんな…。私進路決めた。なれるかわからんけど、看護学校受験しようと思うねん!!」
    『マジ!?いいやん♪♪ありさちゃん、看護士めっちゃ似合う☆俺入院したいぐい☆笑☆』

    2006-10-14 13:38:00
  • 242:

    親にも先生にも、大好きなユウジクンにも大賛成された私の夢。
    来年の桜が咲く頃には、看護学校の制服に身を包んでますように、と願う。

    2006-10-14 14:06:00
  • 243:

    ?蘭、19歳。
    風俗嬢が板について来たのかはわからない。ただ、『挿入以外の方法でお客様を満足させる』と言うやり方は思ったよりも難しく、蘭には合わなかった。

    2006-10-14 15:33:00
  • 244:

    名無しさん

    あげ??

    2006-10-14 19:54:00
  • 245:

    源氏名を付けられるのも、一週間の出勤予定を決めるのも、決められた時間いっぱいいっぱい客と過ごさなければならないのも、全部蘭には合わなかった。


    「こんばんわ☆蘭です。よろしくね」
    何てセリフ、口が裂けても言わない。気持ち悪い。

    2006-10-18 09:56:00
  • 246:

    『蘭ちゃん、かわいいね。今日はどんなサービスしてくれるの??』
    「あぁ。くわえるん嫌いやから本番しよ。」

    客にとっては願ってもないこと。
    その代わり、シャワーは一人で浴びさせた。

    2006-10-18 10:06:00
  • 247:

    店にクレームを出す奴なんていない。本番をしてしまった後では、結局客の方が悪くなる。



    最後の客を見送って、事務所に入り今日の給料をもらう。

    2006-10-18 10:08:00
  • 248:

    「蘭ちゃん、お疲れ様。ハイ、給料。」
    『…。』
    もらって即、明細と中身を確かめる。
    『はぁ!?二万??夜10時から働いて二万て何??てか最近待機長すぎる。』

    2006-10-18 10:10:00
  • 249:

    時代遅れの汚いギャル、本指名が全くない蘭に、店も客をたくさんつけるわけにはいかない。
    蘭が本番をしている噂も出回っていた。
    「ごめんね、今日は蘭ちゃんだけじゃなくてみんな暇やってん…」
    嘘。看板娘は毎日約七万円。新人でも四万円稼げるくらいの集客率。

    2006-10-18 10:14:00
  • 250:

    他の女の子の客付きがいいことなんて蘭にもわかってる。
    苛立ちを隠しながら事務所を出た。
    行かなくてはならない場所がある。

    足早に、通い慣れた道を進む。あるビルの前に着くと携帯を取り出し、電話をかける。

    2006-10-18 10:18:00
  • 251:

    ――――プルルル
    『もしもし??たっちゃん?着いたよ。…うん、わかった。待ってる。』

    少し前から蘭が通っているホストクラブ。で、できた彼氏。たっちゃん。たっちゃんを支えるため、もちろん店にも通った。

    2006-10-18 10:22:00
  • 252:

    少し古い型のエレベーターの表示が1を指してドアが開いた。
    「蘭!!!!仕事お疲れ。早く中入り☆」
    手を引かれながらエレベーターに乗り込む。たっちゃんがB1を押して、今日の稼ぎを聞いてくる。

    2006-10-18 10:27:00
  • 253:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    『二万だった。今日店が暇でね…。』
    「そっか…。じゃあ今日はシャンパンおろせないな。もぉすぐ付き合った記念日やしシャンパン飲みたかったなぁ。」

    たっちゃんがそんなことを考えてくれてたなんて知らなかった。
    『シャンパン飲みたい!!!!未収でいいからおろそう、シャンパン』

    2006-10-18 10:29:00
  • 254:

    「やったあ!蘭大好きー」

    たっちゃんがよろこんでくれるなら何でもする。

    こんな出来事が積み重なって、蘭の未収は100万を越えていた。たっちゃんは未収も二人で乗り越えような、と励ましてくれる。

    2006-10-18 10:31:00
  • 255:

    ヨシキもしんちゃんも、大好きだったけどたっちゃんが一番好き。優しくて蘭のことをすごく考えてくれる。



    この日は結局、シャンパンを20本おろして未収が40万増えた。

    2006-10-18 10:34:00
  • 256:

    捕まって以来、携帯がなかったので稼いだお金でまずプリケーとカードを買った。
    またあーちゃんの実家に電話をして、携帯番号を聞いて連絡を取れるようにした。
    今の状況を話すと
    「何かあったら絶対に言ってね。何もできないかもしれないけど…」
    と言ってくれた。

    2006-10-18 22:01:00
  • 257:

    相変わらずユウジとはラブラブとか言ってたな。
    蘭にも、守ってくれるいい彼氏がいると言うと安心したような声で喜んでくれた。

    2006-10-19 01:48:00
  • 258:

    名無しさん

    書いて

    2006-10-19 12:19:00
  • 259:



    いつもの様にあーちゃんへの近況報告を終えて、夜食用に買っておいたコンビニ弁当を貪る。
    ♪♪♪着信:たっちゃん

    2006-10-20 04:12:00
  • 260:

    大好きなたっちゃんからの着信。口の中に入ってるコンビニ弁当を、烏龍茶で流し込み咳ばらいを一つしてから電話に出た。
    『もしもし☆たっちゃあ』

    「おう、蘭。今何してる?」
    たっちゃんはいつも、コレを聞く。

    2006-10-20 04:18:00
  • 261:

    『今ぁ??お肌のお手入れしてたよ☆』
    嘘。たっちゃんに、できるだけ女の子らしく可愛く思われたいがために、いつも嘘を着く。
    「そかー。あんな、蘭未収あるやんか??
    “締日”って知ってる??うちの店はな、月末末の締日までに全額回収しやなあかんねん。」

    2006-10-20 04:22:00
  • 262:

    そう言えば、ナツミがそんな事を言っていた様な気がした。
    ナツミも大のホスト好き。たっちゃんと同じ店にお気に入りがいて、二人で通うこともしばしば。


    「でな、蘭はあと三週間で152万。大丈夫??」

    2006-10-20 04:27:00
  • 263:

    『え…150万なんて。無理…』
    「でもな、蘭が用意してくれへんかったら俺も蘭も上の人に何されるかわからへんねん。まずは実家に電話して…」

    実家はまずい。お金を盗んで家出して消息不明な蘭がホストの未収で150万…なんて言ったら何を言われるかわからない。

    2006-10-20 04:39:00
  • 264:



    二度と、帰れなくなる。

    …。

    2006-10-20 04:40:00
  • 265:

    『…わかった。仕事毎日行って頑張る。』


    これから三週間、毎日仕事にいっても150万たまるかわからない。でも頑張るしかない。

    2006-10-20 04:42:00
  • 266:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU




    たっちゃんと約束をした。毎日の稼ぎを、ご飯代を除いてたっちゃんにすぐ渡すこと。
    仕事→たっちゃんの店。毎日ちゃんと行く。お金を渡す。

    2006-10-20 04:44:00
  • 267:

    ――――。
    『たっちゃん!!!!今、仕事終わったよ。精算したらすぐに行くね。』

    「おう。待ってるわ☆気をつけてな。」

    2006-10-20 04:46:00
  • 268:

    「蘭☆寒いやろ。中入り」

    そう言われて、店の中に入る。それで毎日少し使う。仕事は暇。蘭の未収は、一向に減らなかった。そんな不安が爆発しそうな時、たっちゃんが言った。

    「頑張ってる蘭めっちゃかわいい☆でも、あと一週間で108万…。」

    2006-10-20 04:49:00
  • 269:

    まだそんなにあるのか、と正直驚いた。
    『ごめん…。明日から昼も働くから、まだ実家には電話しやんといてな…』

    しんちゃんは、ニコッッと笑って頑張れと。少しぐらい遅れてもいいように、上の人にたのむからと。二人で頑張って乗り越えていこうな。といって頭を撫でてくれた。

    2006-10-20 04:52:00
  • 270:




    嬉しい。こんなにも、蘭のことを考えてくれる人は生涯この人しかいない。
    たっちゃんに迷惑をかけないように、毎日がむしゃらに働いた。

    2006-10-20 04:54:00
  • 271:

    ?ナツミ20歳。

    冬のミナミの街は、恋人達が寄り添って歩いていて独り身に寒さが染みた。

    ここはお店の待機室。隣には蘭。

    2006-10-20 04:57:00
  • 272:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    蘭はここ最近連勤。
    彼氏がホストで、お店に未収を作っちゃったとか。

    私も同じ店に行くけど、未収なんて絶対しない。使う金額はその日の稼ぎのみ。

    2006-10-20 07:03:00
  • 273:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    『ナツミお願いがある。』ある日蘭が言った。
    『お金…貸してくれへん?』
    バカか、こいつは。
    貸すわけがない。未収を払えないくらい稼ぎが少ないのに。そんな奴に貸したらいつ返してくれるのか想像もつかない。

    2006-10-20 07:07:00
  • 274:

    心の中では何とでも思える。
    「ごめん、蘭。私も支払い溜まってて…。今からお金いるねん。」

    そもそも、本当に無くしたくない友達にはお金を借りたり出来ないはず。そこにも腹がたった。

    2006-10-20 07:10:00
  • 275:

    元気なく微笑んだ蘭。


    待機室のドアが開く。従業員が入って来て、手にはお客が来た明かしのカード。これをホテルに見せて入室するわけ。
    さぁ、どっちかな??私か蘭か。

    2006-10-20 07:13:00
  • 276:

    「レイさん、90分お願いします。」
    やっぱり。
    レイは私の源氏名。本指名、チラホラ。店の人とも仲が良い。
    蘭、風営法が厳しくなった今、本番嬢。ふてこくて店の人に嫌われてるよ?

    2006-10-20 07:32:00
  • 277:

    「はぁい☆すぐ行きます」

    『ナツミいいなぁ。行ってらっしゃい』
    「今日は忙しくなるといいね。行ってきます☆」

    2006-10-20 17:59:00
  • 278:




    ―――結局、この日は私が五万円。蘭が一万五千円、稼いだ。

    2006-10-20 18:03:00
  • 279:

    結局蘭は期限内に未収をはらいきれなくて、延ばしてもらったとか。

    『たっちゃんが蘭のために上の人に頼んでくれた。』

    と喜んでいたけど、私には引っ張られてるようにしか見えない。

    2006-10-20 18:06:00
  • 280:

    膨らむ未収。
    春が来る頃には250万にまで増えていた。
    常時怯える蘭。実家に連絡されるのが嫌らしい。

    2006-10-20 18:08:00
  • 281:



    その頃私は、友達に誘われて行った三ノ宮のホストクラブにお気に入りができたので、仕事を三ノ宮に変えようと考えていた。
    新しい店を見つけて、寮を借りて。

    2006-10-20 18:14:00
  • 282:

    その話を蘭にすると、着いていきたい。とのこと。

    「じゃあさ、未収飛んじゃえよ。」
    私がそう言うと、蘭の顔に花が咲いた。

    2006-10-20 18:18:00
  • 283:



    実家の母から
    【家の裏の公園の桜が綺麗に咲いてるよ。たまには家に帰って来てね】
    とかメールが入った。適当に返事を返して、私と蘭は電車に飛び乗った。

    2006-10-21 02:20:00
  • 284:

    ?ありさ、18歳。
    ―――キャンキャン!!!!
    私が玄関を出ようとすると、可愛い愛犬が悲しそうな声で鳴く。
    「行ってきまーす」
    通勤ラッシュの過ぎた頃、私は地元の駅から各駅停車に乗って学校へ向かう。

    2006-10-21 02:30:00
  • 285:

    『おはよう☆明日の実習のさ…』
    「うんうん。」



    この四月から、念願だった看護学校に入学。やりがいのある実習と、その後の恐怖のレポート提出。難しい勉強も楽しかった。

    2006-10-21 02:34:00
  • 286:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    ●略●
    この四月から、念願だった看護学校に入学。やりがいのある実習と、その後の恐怖のレポート提出。難しい勉強も楽しかった。

    2006-10-21 02:54:00
  • 287:

    【ユウジクン☆おはよう(*・∀・)仕事頑張ってる?
    私明日から実習だぁ。夜また電話します】

    授業が始まる前にメールを打った。

    2006-10-21 02:57:00
  • 288:

    もうすぐ夏休み。学校にも慣れて来たしそろそろバイトでもしようかな。



    蘭は元気かな。最近時間のすれ違いが多くて、電話できてないな。優しい彼氏がいるって言ってたし心配ないか。

    2006-10-21 03:03:00
  • 289:

    ?蘭、19歳。

    三ノ宮に来て約一年。
    ミナミとはまた違う雰囲気に、最初は心踊った。
    でもやっぱり単調な毎日。

    2006-10-21 03:16:00
  • 290:

    借りている寮の家賃のためにほとんど毎日仕事。
    時々買い物に行ったり。ミナミの街は、たっちゃんの未収の件があってから近寄れない。

    2006-10-21 03:19:00
  • 291:

    名無しさん

    毎日楽しくよんどーよ?続き楽しみ?

    2006-10-22 23:15:00
  • 292:

    名無しさん

    はよ書いて?

    2006-10-24 22:54:00
  • 293:

    名無しさん

    ・゚・(>_

    2006-10-25 00:53:00
  • 294:



    ――――初めて降り立った三ノ宮の街。ミナミまでとは言わないがなかなか眠らない。
    ミナミ特有のギラギラしたオーラはなくて、蘭の中ではゆっくりと時間が流れる。

    2006-10-25 14:42:00
  • 295:

    ♪♪♪着信:あーちゃん

    『もーし☆久しぶり。電話くれて嬉しいわ。
    うん、元気。…うん、うん。三ノ宮にも慣れてきた。…うん。
    えー!!!!やっとやん☆笑☆』

    2006-10-25 14:54:00
  • 296:

    あーちゃんとユウジがやっと初エッチをしたらしい。よく知ってる二人の…、想像したらなんだか照れた。

    付き合って一年半、ずっとキス止まりだったユウジとあーちゃんがやっと体を重ねた。

    2006-10-25 23:10:00
  • 297:

    そう言えば、蘭のことを好きと言ってた頃も手をだしてこなかったな。
    一時はユウジがEDなんかじゃないかと本気で悩んだ。
    誠実なユウジのことだから、きっとあーちゃんを本気で大事にしてるんだろうな…。

    2006-10-25 23:17:00
  • 298:

    いいな…。初体験を大事に出来て。
    蘭も、もっと体を大事にすればよかった。
    「蘭さん、パネル指名で40分でーす。」

    心ではそう思いながらも、お金が必要なので働く。

    2006-10-25 23:34:00
  • 299:

    蘭、19歳。三ノ宮の風俗嬢。
    彼氏のため、お金のため。体を使って稼ぐしかなかった。

    2006-10-25 23:44:00
  • 300:





    「蘭ー。ただいま。」

    2006-10-25 23:50:00
  • 301:

    『お帰り☆★コンビニのお弁当買ってきたから一緒に食べよう。』
    「おー。ありがとう。」


    最近付き合い始めた、彼氏のリョウ。

    2006-10-26 01:10:00
  • 302:

    小さい店ではあるが一応No.1ホスト。三ノ宮では有名で、やり手だった。
    そんなリョウが蘭の彼氏。

    今日は、蘭の寮に泊まりに来た。

    2006-10-26 11:31:00
  • 303:

    AM9:00。
    シャワーを浴び終えたリョウが布団の中に入って来て、蘭を抱きしめる。
    ドキドキ。
    「俺、ホンマに蘭に出会えて良かった。こんなに人を好きになったん初めて。」

    2006-10-26 11:34:00
  • 304:

    『嬉しい…。蘭もリョウのこと大好きだよ。』


    「毎日一緒にいたいな…。そうや!!!!一緒に住もう?」
    嬉しい…。

    2006-10-26 11:37:00
  • 305:

    この日、早く寝て早く起きて出勤前に不動産やさんを廻る約束をした。


    『おはよう、リョウ☆家見に行こう!!!!』

    2006-10-26 11:40:00
  • 306:

    楽しみにしすぎて早く目覚めてしまった蘭。リョウを揺さぶり起こす。
    「んー…。」

    『リョウ!!!!早く。もう5時やで。不動産や閉ま…』

    2006-10-26 22:23:00
  • 307:

    「ッッさいなぁ!!!!俺疲れてるねん。寝かせてあげようとか思わんのか!?そんな女とは一緒に住まれへんわ。」
    ――――――ビクッッ
    嫌。
    『ごめんなさい…。』

    2006-10-31 00:56:00
  • 308:




    はじめてリョウに怒鳴られた。嫌われたくないがために、今日は不動産やさんを我慢しよう。
    仕事までまだ時間があるし、少し眠ろう…。

    2006-10-31 00:58:00
  • 309:

    ―夢を見た。
    リョウと同じ家に帰って、同じご飯を食べて、一緒にお風呂に入って、同じ布団で寝る、
    …夢。
    今まで経験したことのない憧れの同棲。もうすぐ現実になる…

    2006-10-31 01:07:00
  • 310:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    「…ッッ!!蘭ッッ!!オイ、蘭!!!!」

    リョウまた怒鳴ってる。
    「お前いつまで寝てんねん!!お前のせいで不動産屋行かれへんやんけ。」

    2006-10-31 01:10:00
  • 311:

    『だって…リョ…』
    「うっさい!!早く仕事行けや!!!!」

    時計を見るともう夜の11時。急いで化粧直しをして、髪を整えて寮を飛び出た。

    2006-10-31 01:12:00
  • 312:

    三ノ宮の駅から、山手に歩いて、寂れたホテル街を抜けて住宅街も抜けて…。
    タクシーで帰る際等、とても説明しにくい場所にある小さなマンション。
    店の寮。蘭の部屋。

    2006-10-31 01:18:00
  • 313:

    急いで部屋を飛び出たのはいいけど、確実に遅刻。タクシーもない。

    遅刻なんて気にする蘭じゃないけど、この店では、30分毎に罰金を引かれる。当日に無断で休むものなら、一日の給料が無くなるほど。
    『もー…。どうしよう…』

    2006-10-31 01:22:00
  • 314:

    とりあえず、携帯のリダイアルボタンをおして【ナツミ】を押す。
    ♪♪♪発信:ナツミ
    …出ない。客が入っているのかな。ナツミはなかなかの売れっこだしな。

    諦めて、次は【石崎さん】を押す。

    2006-10-31 01:27:00
  • 315:

    石崎さんは、仕事の日は毎日迎えに来てもらってるタクシーの運転手。
    『おはよ。今から急ぎで来て。いつものコンビニ。
    …えー。うん。どのくらい??…わかった。』

    ハァ。

    2006-10-31 01:29:00
  • 316:

    石崎さんは、今お客さんを載せててここまで来るのに20分かかるそうだ。
    他のタクシーを回してもらっても、道を説明するのも面倒で困難。しょうがなく待つことにした。

    2006-10-31 01:31:00
  • 317:




    この日は結局一時間十ニ分遅刻で、罰金は一万五千円。かなり痛手だけど、仕方がない。
    『ナツミ!!おはよー。』

    2006-10-31 01:34:00
  • 318:

    「おは。また遅刻やん。」

    ナツミが、化粧直しをしながらこちらを見ずに挨拶を返した。
    『そやねん!!聞いて。リョウと一緒に住むことになったんやけど…』
    「ごめん。仕事入ってるから後にして。」

    2006-10-31 01:38:00
  • 319:

    バタバタ慌ただしくナツミは待機室を出て行った。



    なぜか機嫌の悪いリョウ、売れっ子で話を聞いてくれないナツミ、度重なる遅刻から日に日に冷たい態度が増す店の従業員。なぜか冷たい目線を向ける、待機中の女の子達。

    2006-10-31 01:42:00
  • 320:



    世界中で一人になった気分…。
    こんな時はあーちゃんに電話しよう。
    ♪♪♪発信:あーちゃん

    2006-10-31 01:44:00
  • 321:

    『あーちゃん聞いてー。』長い長い待機時間。あーちゃんは話を聞いてくれた。リョウのこと。ナツミのこと。店のこと。
    すべて話終わってから、いつものようにあーちゃんの近況を聞いた。
    『やっぱり。ユウジと仲良くしてるんや。
    …え』

    2006-10-31 01:48:00
  • 322:

    名無しさん

    なんでサゲなん?

    2006-10-31 10:57:00
  • 323:

    荒らされ防止やと思うで☆

    2006-10-31 15:31:00
  • 324:

    覗いてくださってありがとうございます。m(__)m
    そうなんです。
    完結したいので、荒らされて読みにくくなるのは嫌なのでsageてます。
    時々間違えてあげてしまうんですけどね…。

    2006-10-31 23:40:00
  • 325:

    よくよく読み返してみると、誤字や脱字、番号などがたくさん間違っていました。
    今から正しく書きます。
    読みにくくて申し訳ないです。

    2006-10-31 23:41:00
  • 326:

    ?リョウ、20歳。

    『キャア☆リョウ!!くすぐったいヨ〜』
    「んー…。柔らかい、お前のお腹。」

    ホストになって二年。はっきり言って売れっ子の俺は、ホストクラブに行ったことのない子にも指を指されるほどになった。

    2006-10-31 23:50:00
  • 327:

    ●略●
    ホストになって二年。はっきり言って売れっ子の俺は、ホストクラブに行ったことのない子にも指を指されるほどになった。

    2006-10-31 23:54:00
  • 328:

    俺のスタイルはオラオラ営業に色を組み合わせた物。
    つまり、厳しい厳しいムチの後に甘すぎる程のアメを与えれば、女は簡単に俺に依存する。

    色彼チラホラ。こいつらは俺のことを彼氏だと思っている。そうさせてる。

    2006-11-01 00:00:00
  • 329:

    もちろん店にも呼ぶ。 大金を使わす。
    昼職は夜に。水商売は風俗に。より稼げる仕事につかす。

    2006-11-01 00:10:00
  • 330:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    『リョウ。早く起きてよ。ご飯作ったから食べよ☆』

    「やたー☆」
    ベッドから起き上がり、食卓へ向かう。お、俺の好きな生姜焼き。

    2006-11-01 00:32:00
  • 331:

    俺にはエースなんていない。細い客もいない。みんながみんな、俺のために大金を落とす。

    最近のお気に入りは蘭。少し前に大阪から出て来た汚いギャル。毎日の稼ぎをほとんど俺の店で使う、バカな奴。

    2006-11-01 01:02:00
  • 332:




    女はみんなアホや。俺が一言【支えて?】と言うだけで体を売る。
    本命の彼女が体を売ろうものなら俺は自殺するけどな。

    2006-11-01 01:48:00
  • 333:

    「うまー。やっぱ生姜焼きは俺の運命の食べ物や☆」『よかったー。いっぱい食べてや。』


    蘭をもっと上手く使うことにした。一緒に住む。…って言っても平日だけ蘭の家に帰る、って形になる。

    2006-11-01 01:52:00
  • 334:

    週末は、実家に帰るとでも言って本命のマンションへ。


    「あー美味かった。俺、仕事の準備するわな、ナツミ」

    2006-11-01 01:54:00
  • 335:

    名無しさん

    しおり?

    2006-11-01 14:26:00
  • 336:

    名無しさん

    おもしろい??

    2006-11-01 15:32:00
  • 337:

    読んでいただいてありがとうございますm(__)m
    もう少し続くのでヨロシクお願いします。
    ありさ

    2006-11-01 16:30:00
  • 338:

    そう。俺は、
    蘭の友達のナツミを好きになった。
    こいつはなかなかおもしろくて、蘭はナツミのことを親友だとか言ってるけど、ナツミは蘭の人生を操るのがおもしろい。だから一緒にいると俺に言った。

    2006-11-01 16:33:00
  • 339:





    「おい、蘭。不動産屋行くぞ!!」

    2006-11-01 16:35:00
  • 340:

    『うん☆行くー!!!!』
    満面の笑みで俺の元に駆け寄る蘭。
    寮を出る前にタクシーを呼び、乗り込む。必要以上にくっついてくる蘭。欝陶しいけどここは我慢。

    2006-11-01 16:43:00
  • 341:

    ―――俺にとっては、この蘭との同棲も作戦の一つにすぎない。

    【俺の人生をより華やかにするための。】

    2006-11-01 16:47:00
  • 342:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 343:

    名無しさん

    この話 人の心理がリアルに出てるから面白い

    2006-11-01 16:56:00
  • 344:

    俺が仕事前に、めんどくさいのに不動産屋に出掛けたりするのも。

    いい部屋をかりて、蘭に頭金やらを払わす。しばらくしたら追い出してナツミとそこに住む。

    蘭みたいに客にはアメとムチな俺も、ナツミにはアメアメアメ。

    2006-11-01 16:58:00
  • 345:

    名無しさん

    これ本当にあった話し?でも、蘭って馬鹿だけど、ピュアな子なのに何でいつも遊ばれるの?やっぱりふてこいからかな?

    2006-11-01 17:04:00
  • 346:

    ありさ



    「この部屋などいかがでしょうか??お二人で住まれるならオススメいたします。」
    不動産屋がゴリ押しする部屋を見に行くことにした。駅や、店からもまぁ近くて。場所は申し分ない。

    2006-11-01 17:10:00
  • 347:

    不動産屋の車に乗り、物件へ。
    見た目はそんなに大きくないマンションだった。が…。
    エレベーターに乗った瞬間違和感を感じた。
    各フロアのボタンのしたに鍵穴がある。

    2006-11-01 17:17:00
  • 348:

    俺も蘭も目が点。で頭の上にはハテナマークが浮かんでる。
    そんな俺達を見て不動産屋はクスっと笑い、?のボタンを押した。
    ――チン

    2006-11-01 17:50:00
  • 349:

    読んで下さってる方がいて嬉しいです。ありがとうございますm(__)m
    実話かどうかは、最後にわかるようにしています。すいません。

    2006-11-01 17:59:00
  • 350:

    めっちゃおもしろい!!がんばってください☆

    2006-11-01 20:13:00
  • 351:

    名無しさん

    ・゚・(>_

    2006-11-01 23:17:00
  • 352:

    名無しさん

    AGEてけ?

    2006-11-02 10:45:00
  • 353:

    >>367さん
    主sage進行してるよ

    2006-11-02 11:03:00
  • 354:

    ↑ごめんなさい(:_;)おもしろいから皆に読んでほしくて?もう上げません???

    2006-11-02 16:12:00
  • 355:

    本当に有難うございますm(__)m
    皆さんのお気持ち嬉しいです。

    2006-11-02 23:15:00
  • 356:

    五階に着いたエレベーターは開かない。
    益々ハテナマーク、な俺と蘭。
    ポケットから何やら特殊な鍵を取り出す不動産屋。

    …。ほう。

    2006-11-02 23:59:00
  • 357:

    鍵を差し込み右に半回転させると、ゆっくり開く、エレベーターの扉。
    「『おぉー☆★』」


    扉の向こうには、真っ白な空間が広がっていた。

    2006-11-03 00:07:00
  • 358:

    打ちっぱなしの壁。白い扉が二つ。
    早速玄関に上がり込み、靴を脱ぎ部屋に上がり込んだ。
    間取りは1DK。ワンフロアが自分の部屋で、何と一部屋30畳。二つの扉はトイレと風呂。ベランダだも広い。玄関も広い。
    クローゼットも広くて、ロフトまである。

    2006-11-03 00:15:00
  • 359:

    決めた!!ここに決めた!!!!

    早速契約をするために、不動産屋に戻り、大家に連絡。
    入居可になるのは一週間後。実印や必要な書類、敷金礼金、保険代等。用意でき次第契約がスタートするらしい。
    最寄り駅まで徒歩5分、家賃15万。

    2006-11-03 00:37:00
  • 360:



    「蘭、今日から仕事頑張ろうな!!!!」
    『うん☆』

    2006-11-03 00:41:00
  • 361:

    『じゃあ…ちょっと早いけど、仕事行ってくる!!!!リョウも仕事頑張ってね☆』

    「オウ!!!!俺は従業員の家寄ってから仕事行くわ」

    蘭と別れた俺は、従業員の家なんかじゃなくある場所へ向かった。

    2006-11-03 00:51:00
  • 362:

    ―――ピンポーン
    『…ハイ』
    「寝てた??ごめん。開けて〜☆」
    ――ピッッ
    解除されたオートロックのドアが開ききるその前に隙間からエントランスに入り、エレベーターの上ボタンを押した。

    2006-11-03 01:00:00
  • 363:

    エレベーターのドアが開ききる前に素早く入り、閉まるボタンを連打。九階ボタンを押して、ソワソワ待つ。
    そう、大好きなナツミに今日の報告をしに来たねん☆

    2006-11-03 19:50:00
  • 364:

    ?ナツミ、21歳。


    最近なんかダルイ。楽しいことがない。

    2006-11-04 00:30:00
  • 365:

    リョウと言うホストになぜか気に入られ、ベタベタに惚れられている。
    そのリョウにお熱をあげてる。
    妙な三角関係ができあがった。

    2006-11-04 00:37:00
  • 366:

    見た目も良くて、お金も持ってるリョウにチヤホヤされて貢いでもらうのも、馬鹿な蘭がそんなリョウに惚れてるのを見るのも最初はおもしろかったけど…。
    何においてもマンネリがあるようで…。

    2006-11-04 00:51:00
  • 367:

    リョウは馬鹿だ。
    特別綺麗でもなくて、性格がキツイ私のどこがいいのかわからない。
    私のために、夜中ミナミのタコ焼きを買いに行ったことがある。
    一ヶ月毎に記念日だと言ってブランドや宝石をくれる。

    2006-11-04 00:55:00
  • 368:

    貯金が好きな私は、そのプレゼントを質屋で換金したり、リョウが【絶対にやるな】と言ってる風俗をして、コツコツ通帳の0を増やしている。
    貯金をする意味は特にない。
    秘密にしてる風俗も不思議と蘭にバレない。

    2006-11-04 00:59:00
  • 369:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    ●訂正●
    最後の文末。
    ×不思議と蘭にバレない
    ではなくて、
    ◎不思議と蘭越でリョウにバレない。
    です。読みにくくてすみませんm(__)m

    2006-11-04 01:01:00
  • 370:

    蘭も馬鹿だ。何人男に騙されたら気が済むのか。
    きっと恋愛体質の蘭は、相手が誰であれ彼氏と言う肩書きの人がいないと駄目みたい。
    蘭の場合、一々本気になってしまうのとホストが好きなのが馬鹿の極み。

    2006-11-04 01:07:00
  • 371:

    あんなに毎日と言う程店で会ったりしてるのに、私とリョウの関係がどうしてバレないのか。



    あぁ…。こんな生活飽きてきた。うまく行きすぎるのもつまんないな。何か私の人生をがらっと帰る出来事でも起きてくれればいいのに…

    2006-11-04 01:11:00
  • 372:

    ―――。


    『なちゅみー☆会いたかったー!!!!』
    仕事までまだ時間があったから、もう一眠りしようかな…。と思った途端にやってきた、リョウ。赤ちゃん言葉が頭に来る。

    2006-11-04 01:18:00
  • 373:

    『あんな、今蘭とマンション見に行って来たねん!!ほんでな、あんな…』

    変な日本語で物件の説明をするリョウ。
    サイトや噂ではオラオラとか囁かれてるクセに、私の前では馬鹿です。
    とりあえず、綺麗で素晴らしいマンションだってことはわかった。

    2006-11-04 02:36:00
  • 374:




    ホンマに最近ダルイ。貯金額も、目標に間近。
    リョウとも蘭とも、この街とも手を切って実家にでも帰ろうかな…

    2006-11-04 02:43:00
  • 375:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    ?ありさ20歳。

    二年生に進学してからは、勉強も一段と難しくなり実習も増えて忙しくなる。
    週末や、連休にはユウジクンと会うがテスト前などは会えなかったりする。

    2006-11-04 03:01:00
  • 376:

    ユウジクンと付き合って二年半が経っても、彼の優しさは代わらなかった。
    16歳から仕事を初めて、ずっと一本で頑張ってきたユウジクン。給料も安定してる様で最近では結婚も考えるようになったみたい。

    2006-11-04 03:06:00
  • 377:

    ユウジクンはまだ21歳だし、私も20歳で学生。
    だけど私の親はユウジクンをすごく気に入っている。初めてうちに来たときに、【適当に付き合ってるわけじゃないです】と、土下座をしだした。
    私とお母さんはポカーンとなったが、お父さんには好感度抜群。

    2006-11-04 15:49:00
  • 378:



    ―――♪♪♪着信:蘭
    「もしもし☆久しぶり。元気して…」
    『…あーちゃ…』

    2006-11-04 18:18:00
  • 379:

    「蘭!?泣いてるん?どうしたん??」
    『あんな…』


    言葉を失った。

    2006-11-04 19:31:00
  • 380:

    よく話に聞いていた彼氏のリョウクン。
    二人で住むために必死に頭金を貯めて、テレビやベットや台所用品も一人で揃えた。リョウクンは病気の友達の手術代を代わりに負担するとかでお金がないとか。

    2006-11-04 20:31:00
  • 381:

    不動産屋が、あまり入居予定のめどが立たないと違う人の手に渡ると言われて焦った蘭は、リョウクンに内緒でお店に借金をしたそうだ。業界用語でバンスと言うらしい。


    その金額は…40万円。それでも足りないようだ。

    2006-11-05 18:23:00
  • 382:

    困った蘭は稲本さん時代からの友達のナツミちゃんに相談した。
    結果、足りないお金は消費者金融で借りることになった。
    チワワとか、宇宙人とか、グラビアアイドルとかがCMを勤めるあの類。

    2006-11-06 00:12:00
  • 383:

    名無しさん

    書いて?

    2006-11-07 04:26:00
  • 384:

    名無しさん

    おもろすぎ?

    2006-11-07 09:16:00
  • 385:

    書き込みかりがとうございます。
    嬉しいです☆★

    2006-11-07 19:02:00
  • 386:

    ナツミちゃんの友達も数人借りてることと、返済や手続きのお手軽さを聞いて蘭も借りることに決めた。
    ナツミちゃんの友達内で人気の金融会社に出向いた。

    2006-11-07 20:01:00
  • 387:

    勤務先はの証明は、ナツミちゃんの実家が営むクリーニング屋さん…で、電話確認の時には口裏を合わせてもらったらしい。


    足りない金額は20万円。

    2006-11-08 01:28:00
  • 388:

    でも…お金を用意するために毎日仕事に行くと、嫌な客にも当たる。客にレイプされたこともあるらしい。


    しばらく仕事に行きたくないのと、リョウクンと一緒に住み出したら家具やら何やらまたお金がいる…。

    2006-11-08 02:34:00
  • 389:




    蘭は20万円で済む所を…限度額ギリギリの100万円借りた。

    2006-11-08 02:45:00
  • 390:

    100万円なんてお金、私には縁遠くて【夜の仕事をしている蘭にとっては、100万円位の額どうってことないのかな…】なんて思ったら、
    蘭まで遠くに感じてしまった。

    2006-11-08 02:56:00
  • 391:

    お金の用意ができて、蘭とリョウクンはさっさと契約を済ませて新築のマンションに二人で住み出した。

    お金も家具も全部蘭が用意したのに、なぜリョウクン名義。

    何はともあれ、二人は仲良く一緒に住みだした。

    2006-11-08 03:07:00
  • 392:

    慣れない家事。
    いままでは食べるの専門だった料理も、形にはなっていなくともリョウクンのために一生懸命頑張った。
    掃除や買い出しも、忘れながら頑張った。

    2006-11-08 03:14:00
  • 393:

    今まで何かをこんなに一生懸命やったことはなかった。
    仕事と家の事を両立できたのはリョウクンが好きだったから…。
    喧嘩をしながら、泣きながらもこの生活を守るために。

    2006-11-08 03:47:00
  • 394:

    他にお金がいるリョウクンのために、家賃や生活費を出す。ナンバー落ちを恐れるリョウクンを支えるために店にも通った。

    週末はリョウクンが実家に帰っていないので、寂しさを埋めるために仕事を休んでナンパ待ちや出会い系で男を捕まえた。

    2006-11-08 04:11:00
  • 395:





    蘭はリョウクンがいないと何も出来なくなっていた…。リョウクンがすべてだった。

    2006-11-08 04:13:00
  • 396:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU



    「うん、うん☆それで?」
    『しばらくは仲良くしてたんやけど…。』

    2006-11-08 04:19:00
  • 397:

    ――――リョウクンと一緒に住んで早くも四ヶ月が経っていた。
    急に改まってリョウクンから話があると言われた。
    最近、客のところにお泊りが多くてリョウクンの気持ちが蘭から離れて行っている様な気もしていた。

    2006-11-08 04:48:00
  • 398:

    リョウクンの口から出たのは『女に子供ができた。そいつと結婚するから出ていってくれ』
    とのこと。―――
    とりあえずそこで話は止まったそう。

    2006-11-08 04:53:00
  • 399:

    これからきちんと話をするらしい。



    蘭…今までになく元気がなかったな。

    2006-11-08 05:11:00
  • 400:



    …。
    「でな、蘭と蘭の彼氏…色々大変みたい。」
    『そっか…蘭も中々波瀾万丈やな。』

    2006-11-08 05:17:00
  • 401:

    面白い(*o´∀`pq☆*゜

    2006-11-08 18:37:00
  • 402:

    ありがとうございますm(__)m
    頑張ります♪♪♪

    2006-11-08 19:51:00
  • 403:

    今日はユウジクンとデート。ミナミに買い物に行って、夕方にはユウジクンの家に帰った。
    「でな、助けてあげたいけどそんなにお金もないし…ンッッ…」
    いきなりキスされる。
    『…今日は蘭のことばっかりやな。』

    2006-11-08 19:55:00
  • 404:

    それってやきもち??

    ジッッと目を見つめられると、まだ照れてしまう。
    「ごめんね。」
    小鳥のような、軽いキスを返した。

    2006-11-08 19:57:00
  • 405:

    『あ゙ー!!!!もう決めた!』
    「…何…を??」

    いきなり大きな声を出されてビックリ。

    2006-11-08 19:59:00
  • 406:

    『結婚しよ☆』




    「え…えー!!!!」

    2006-11-08 20:03:00
  • 407:

    ●略●
    『え…えー!!!!』

    2006-11-08 20:04:00
  • 408:

    ?蘭、20歳後半。
    「わかってくれよ…。子供できてもぉたんやで??」

    『そんなん!!!!蘭彼女やねんで!?女って客やろ??墮ろさしたらいいやん!
    子供やったら蘭と作ろうよ。リョ…』

    2006-11-08 20:14:00
  • 409:



    二人で住んで、一生懸命家具や小物を買った。
    だけどこの部屋は広すぎて、無機質な演出しかできていなかった。

    2006-11-08 20:16:00
  • 410:

    「ごめんな、蘭。
    …その女が本命やねん。」

    『は…』

    2006-11-08 20:17:00
  • 411:

    「それにな、まだ生まれてないけど…命やねんで??簡単に殺すことなんてでけへん。」
    『でも…!!!!じゃあ蘭はどうなるの??』
    「だからごめんて…」

    2006-11-08 21:06:00
  • 412:

    壊れた様に泣き狂った。

    今、世界が壊れればいいと…
    世界中の人間が、リョウの子を身篭った女が、

    2006-11-08 23:29:00
  • 413:



    【シネバイイ】

    と思った。

    2006-11-08 23:30:00
  • 414:

    『リョウだって出来ちゃったからしょうがなく結婚とか言うてるんやろ!?
    じゃあ蘭がその子供殺してあげる!!!!』


    リョウは蘭が守ってあげる。大丈夫。愛し…

    2006-11-08 23:32:00
  • 415:

    ―――ガシャン!!!!


    え…。しばらく何がおきたかわからない。蘭の顔の横を何かが飛んで行って…壁に当たって割れた。

    2006-11-08 23:34:00
  • 416:

    『リョ…』


    「今までは、お前のこと思って言わんとこと思ったけどな。
    お前色カノやねん。ワカル??」

    2006-11-08 23:36:00
  • 417:

    リョウは今何を言ってる?

    あなたの口から出る言葉は、全てが愛を詩ってる。

    ちゃんとわかってるよ。

    2006-11-08 23:38:00
  • 418:





    …。それなのに。体が動かない。目、すら動かせずにリョウの顔を覗き込むばかり。

    2006-11-08 23:39:00
  • 419:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    『あは☆リョウ怒ってるの?ごめんね。仲直りしよ?一緒に寝…』

    「はぁ!?お前頭おかしいん?早く出て行けや!!
    お前が出て行けへんかったら部屋解約して違うトコ住むから」

    2006-11-08 23:43:00
  • 420:

    ――おかしくなったふりをしただけ。そしたら、しんぱいしてリョウは蘭と別れるとか…嘘だよ…って笑ってくれると思ったのに…

    『ふぁ…嫌ッッ!!嫌やァァァァ!蘭…リョウがおらな…何も…ヒック…できへ…』

    2006-11-09 00:20:00
  • 421:

    「…お前の本音聞いてもたし、泣き落としとかは無理やで」

    今までに無い位、冷たい目をしたリョウは着替えだけをカバンに詰め込む。
    ―――出て行く気や―――
    『や…ちょ…待って!!!!』

    2006-11-09 00:23:00
  • 422:

    「じゃあな…。荷物まとめて出ていく時になったらメールしろ。出ていく様子なかったら解約するから…」

    『リョ…!!ヒック…や…』

    「それとな…。」

    2006-11-09 00:34:00
  • 423:



    『オレノケッコンスルオンナッテ、ナツミヤネン…』

    …。

    2006-11-09 00:37:00
  • 424:

    21●ナツミ、21歳後半。


    体の調子がすこぶる良いので、犬の散歩に出た。
    「ピンク、行くよー☆」

    2006-11-09 00:41:00
  • 425:

    ――この五ヶ月早かった。妊娠に気付いた瞬間にツワリに襲われたり、エコーで菅田を見た瞬間母性本能が芽生えたり。

    多分…と言うか100%リョウの子供だろうなと思ったけど…色々めんどくさいので【一人で産む】ことにした。

    2006-11-09 01:03:00
  • 426:

    病院に行って妊娠が発覚した日は…運悪く土曜日。仕事が終わればリョウが来る。
    …めんどくさい。
    【今日は来るな】
    とだけメールを入れて、早速実家に帰る準備を始める。

    2006-11-09 01:10:00
  • 427:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    「お母さんビックリするかな…」
    「店に事情話してすぐに仕事辞め…」
    ―――ドンドンドン!!!!
    誰かがドアを叩く音がする。めんどくさ…。無視無視…

    2006-11-09 01:31:00
  • 428:

    『ナ゙ヅミ゙ー!!何で来んなとか言うん!?開けてー』
    名前をだすな…。近所迷惑なのでしょうがなく玄関に向かう。
    「わかったから大声出すな。」
    『…ハイ(小声)。』

    2006-11-09 01:34:00
  • 429:

    よし…。アホでも理解したようやな。
    ――ガチャ。
    鍵を開けた瞬間、勢い良くリョウが飛び込んで来た。その勢いで、私は床に尻餅を着くように倒れ込んでしまった。

    リョウは、【入った者勝ち】みたいな顔をしている。

    2006-11-09 01:42:00
  • 430:



    私の中の何かが壊れた。

    !!!!

    2006-11-09 01:44:00
  • 431:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    「ゴルァァァァ!!!!お前殺す!」
    玄関に置いてある傘立ての中から、適当に手に当たったビニール傘でリョウを殴り倒す。
    『え…ちょッッ!!ナツミ!痛い!おい…ってば!!!!』

    2006-11-09 01:52:00
  • 432:

    流石に男の力には敵わなくて、すぐに腕を押さえられて傘を奪われる。
    そしてキスをされた。長い、長い。…まるで、わがままな子供をあやす様な優しくて甘い【それ】は、私が落ち着くまで続いた。

    『どないしたん、ナツミ。言うてくれなわからん…俺…あほやから。ごめん。』

    2006-11-09 01:57:00
  • 433:

    リョウの額からは血が流れていて、一瞬心臓の音が耳から聞こえた。
    「ごめ…リョ…」
    『いいから…。どぉしたんか教えて??』

    2006-11-09 01:59:00
  • 434:

    「妊娠した…。あんたの子や。一人で産んで育てるから。あんたの前からも、この街からも消えるから。」
    ――――


    「ピンク☆今日は遠い公園まで行こうか。あんまり走られへんけど…」

    2006-11-09 02:06:00
  • 435:

    年老いた愛犬と、見慣れた町並みを抜ける。

    兄弟のいない私に、サンタさんが小学二年生の時にピンクをくれた。真っ白でフワフワなマルチーズ。ピンクの首輪をしていたので、ピンクと名付けた。
    妹の様に可愛がって、寂しい時も楽しいときもいつも一緒だった。

    2006-11-09 02:11:00
  • 436:

    両親が営むクリーニング屋の看板犬を勤め、お客さんからも可愛がられ育った。

    私が家出をする時には、何件も先まで聞こえる声で鳴いて、引き止めようとしてくれた。

    そんな、アホなことばっかりしてた私の三年ぶりの帰宅を心優しく迎えてくれた、優しい妹。

    2006-11-09 02:15:00
  • 437:

    公園の帰り道、
    「このお腹の子が生まれたら、ピンクは叔母さんになるんやで」
    と言ったら、首を傾げてジッと私の目を見た。

    「仲良くしてあげてな。…そろそろ帰ろう。」

    2006-11-09 02:18:00
  • 438:

    「ただいまー」

    『ナツミ☆ピンクタン☆お帰りー!!!!』
    相変わらず、私にベタ甘な…リョウ。

    2006-11-09 02:20:00
  • 439:

    ピンクにもデレデレする、痛い男。



    リョウと私は結婚した。

    2006-11-09 02:22:00
  • 440:

    名無しさん

    2006-11-09 02:24:00
  • 441:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    ―――あの後、リョウは私に土下座をして謝って、
    『ナツミちゃん、ごめんなさい!!それと…お前と子供の人生俺にください!』
    「は…」
    『いい?オッケー??じゃあ今からナツミの実家に挨拶行こう。今日すぐにでも籍入れ…あ!俺家業次ぐし、婿養子でもマスオでも何でもいいから』

    2006-11-09 02:44:00
  • 442:

    いつもふざけて私の事を好き好き言っていたリョウがこんなに真剣に私の事を思ってくれてると思ってなくて涙が出た。

    本当は私もリョウが好きで好きでしょうがない。子供ができたことで嫌われて、切り捨てられるのが嫌で自分から離れる決意をしたのに…。

    2006-11-09 02:50:00
  • 443:

    親切ぶって、心の中では小バカにしていた蘭のことも…本当は羨ましくてしょうがなかった。
    私もあんなにストレートに誰かを愛して、気持ちをぶつけたくても、嫌われるのが嫌でできなかった。

    2006-11-09 02:53:00
  • 444:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 445:

    『お義さん、今から山田のじーちゃんとこにスーツ届けて来ますわー』

    「おん。…て客をじーちゃん言うなやー」

    家で娘が妊娠して帰って来たと言うのに、両親は温かく迎えてくれた。

    2006-11-09 02:58:00
  • 446:

    頑固で怒ったらすごく怖いお父さんは、涙を流してよろこんでくれた。
    【今の仕事…ホストを一ヶ月で綺麗さっぱり辞める事】で結婚を承諾。
    好きな仕事をすればいいのに、【ナツミの見てきた景色を見てみたい】と言う理由でマスオ…私の両親との同居を選んだリョウ。
    今じゃクリーニング屋の若頭だと自負しているようだ。

    2006-11-09 03:03:00
  • 447:



    『でも山田さんが自分でじーさんって呼べって言ったんですよー。あ、あと…ピンクタンも連れて行きますね☆』
    「好きにしてくれ…」

    2006-11-09 03:05:00
  • 448:

    ●訂正●
    >>461の一行目。
    ×『お義さん…』
    ◎『お義父さん…』
    です。よみにくくてごめんなさいm(__)m

    2006-11-09 03:08:00
  • 449:

    只今妊娠七ヶ月。母子友に健康です。
    ただ…気になるのは…

    「リョウ、今日な…蘭に電話してみてん。」
    『…!!うん。どうやった…??』

    2006-11-09 11:05:00
  • 450:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    「出てくれへんかった…」
    『そっか』
    「いつかちゃんと謝りたいわ…色々。」
    『俺も…。ヒドイことしたからな…』
    蘭は今何してる??何を見てる??昔言ってた親友だけでも、蘭のことを理解してくれていますか??…誤解されやすいあなたやから…

    2006-11-09 11:10:00
  • 451:

    22●ありさ、20歳後半。

    半年前、私とユウジクンは婚約した。
    『一年後にけっ…結婚させて下さい!!!!』
    ある、日曜日。いきなり結婚したい…とか。

    2006-11-09 12:31:00
  • 452:

    そう決めたユウジクンは、服を脱ぎ出す。…勘違いして赤面する私。
    パンツ一丁になったユウジクンはクローゼットを開けてスーツを取り出し、一瞬ですべてを身に纏い私の手を取り部屋を出る。
    「え…ちょ、どこ行くん…??」
    『ありさちゃんチやん』

    2006-11-09 12:39:00
  • 453:

    チコ

    読みがいがある!

    2006-11-09 15:59:00
  • 454:

    ありがとうございます☆★嬉しいです。


    読み返してみると、誤字や脱字や打ち間違いが多すぎてかなりひきましたm(__)m本当にごめんなさい…

    2006-11-09 20:03:00
  • 455:

    「何しに…??結婚させてもらうの☆」
    『ちょ…あの…ッッ!!!』

    「嫌ですか…??」
    『嫌じゃない!嬉しい☆けど…今日ウチに誰もいてない…』

    2006-11-09 21:06:00
  • 456:

    【来週にしよう、ね。】
    と、約束して今日はとりあえず指輪を買いに行くことにしよう。
    もう一度ミナミまで出て、憧れのティファニーで婚約、結婚指輪を二つずつ選んだ。
    「…。」
    『ありさちゃん。どないしたん??元気ないな…』

    2006-11-09 21:10:00
  • 457:

    「四つで…ひゃ百万越えてるけど…。大丈夫??」

    『え?うん。』
    知らなかったケド、ユウジクンは仕事を始めて六年間ずっと貯金をしていたらしい。

    2006-11-10 00:13:00
  • 458:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    「いいの??せっかく貯めた貯金やのに…」
    心配する私を見てニッコリ。
    車を発車させて、二人でよく行った汚い汚い南港の海が見えるカフェへ…

    2006-11-10 13:40:00
  • 459:

    名無しさん

    (^O^)

    2006-11-11 23:41:00
  • 460:

    名無しさん

    書いて

    2006-11-13 21:51:00
  • 461:

    名無しさん

    たのしみです。

    2006-11-13 22:13:00
  • 462:

    ありがとうございます。
    光栄ですm(__)m
    ●ありさ●

    2006-11-13 23:33:00
  • 463:

    『蘭がおらな俺とありさちゃんは知り合われへんかったな。』
    「うん…」
    『こんなに好きになるなんて思えへんかった。』
    「私も…」
    ユウジクンはカフェオレを。私はホットココアを飲みながら思い出の場所。

    2006-11-13 23:45:00
  • 464:



    大阪東部で生まれ育った私にとって、海は遠い存在だった。
    大人になった今、車や電車ですぐの距離に海があることなんて知らずに、子供の頃の私は…

    2006-11-14 19:01:00
  • 465:

    チコ

    気になるぅ(>д

    2006-11-14 21:54:00
  • 466:

    いつもありがとうございますm(__)m今から書きます。
    ●ありさ●

    2006-11-15 05:59:00
  • 467:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    『…ちゃん?おーい☆』
    「ふぁい!!」
    『どーしたん??』
    「んー。何もない☆」
    ―――憧れの海を大好きな人と見れるなら、汚い南港の海でも…

    2006-11-15 06:20:00
  • 468:

    『…こんな時…何て…。あぁ!!!!何て言ったら女の子が喜ぶんかわからへんけど…。』
    「…。」
    ―――涙で滲んだ目越しに見えた汚い海も、

    『結婚しよう。一生俺と一緒にいてください。』

    2006-11-15 06:29:00
  • 469:



    ―――綺麗でした。

    …。

    2006-11-15 06:30:00
  • 470:

    23●蘭、21歳。

    大きな音楽が流れ、ブラックライトに照らされた店内。
    蘭の大好きな場所。
    …で、蘭にしか聞こえない甘い声が聞こえる。

    2006-11-15 06:35:00
  • 471:

    「蘭。最近ボーっとする事多いな…。何かあった?」

    甘い声の主。最近ホスト雑誌で今までに無くタイプの男を見つけた。年下だったけど、
    年下に見えない見た目とそれに見合わない甘えん坊な性格とのギャップが気に入り、通う毎日。

    2006-11-15 06:40:00
  • 472:

    『今日か…。』
    「え!?何??」
    『ううん、何も…』

    今日はあーちゃんの結婚式。何回も電話やメールをくれたけど、どうも行く気になれない。

    2006-11-15 06:44:00
  • 473:

    ―――まだフッ切れてないのだろうか、
    ナツミとリョウと、あーちゃんの結婚がかぶってしかたがない。


    リョウとナツミが消えた三ノ宮の街。に、いる理由がなくなった。二人との思い出の街に一人でいるのは堪えられなかった。

    2006-11-15 06:48:00
  • 474:

    読んでるよ
    頑張ってね?

    2006-11-15 06:58:00
  • 475:

    三ノ宮を出ても、行く所がない事は自分が1番わかってる。

    そんな時、店の従業員に告白された。【風俗をしてても借金があってもいい。僕が守るよ】と聞き慣れない標準語で話す彼。
    見た目は全く垢抜けず、背も低くてかっこいい…なんて間違っても思わない。

    2006-11-15 06:59:00
  • 476:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    名前すら知らない従業員。返事をせずにいると、メルアドと電話番号を書いた名刺を渡して帰って行った。

    蘭にとって彼氏とは、寂しさを埋めるのと…。
    連れて歩いて優越感に浸るステータスでもあった。

    2006-11-15 07:06:00
  • 477:

    見た目が良くない彼氏なんていらない。不細工や不細工な彼氏を連れている女を小馬鹿にしてきた。



    今回はそうもいかなかった。

    2006-11-15 07:08:00
  • 478:

    親友だと思ってたナツミと、彼氏だと思ってたリョウ。二人に裏切られた。

    一人でいることに堪えられない。

    真っ暗な蘭の心を照らす光なんて、何もない。

    2006-11-15 07:10:00
  • 479:

    涙も枯れ果て憎しみと孤独に押し潰されそうな時に、普段では相手にしない男からの告白。


    蘭の空っぽの心を埋めるように散らかった部屋。に着くとすぐに鞄から、さっきの名刺をとり出して書いてある通りの番号を押す。
    『あいつ…坂本ヒロシって名前なんや…』

    2006-11-15 07:15:00
  • 480:




    ―――ヒロシは優しかった。絶対に蘭を否定しない。体も無理に求めてこない。金融会社と店のバンスで150万あった借金の、バンスの方を肩代わりしてくれた。

    2006-11-15 07:19:00
  • 481:

    晴れて店をやめれた蘭は、【ナツミとリョウとの思い出と、ヒロシ】を残して…三ノ宮の街を出た。

    さよなら。

    飛び乗った電車から降り立つは、大阪キタ。

    2006-11-15 07:36:00
  • 482:

    適当に情報誌を開いて、まぁまぁバックが良いホテヘルち電話して、面接、入店、入寮をあっと言う間に済ませ…何も無い部屋に一人…

    2006-11-15 07:42:00
  • 483:

    名無しさん

    この小説すき?がんばって?

    2006-11-15 18:04:00
  • 484:

    名無しさん

    (^O^)

    2006-11-15 23:05:00
  • 485:

    めっちゃ嬉しいです。ありがとうございますm(__)m
    ●ありさ●

    2006-11-16 03:25:00
  • 486:

    ポツンと一人で6畳1K、UBの部屋に座りこむ。


    セパレイトが良かった。前の部屋はもっともっともっと広かったのに。日当たりが良すぎて、昼寝れない。
    …誰もいない。

    2006-11-16 03:33:00
  • 487:

    また、明日からは仕事の毎日。入寮しているため、毎月9万と、消費者金融に5万。最低でもこれだけの支払い。

    今日はずっと家にいるのも暇なので、カーテンと布団だけでも買いに行く事にしよう。

    2006-11-16 03:38:00
  • 488:

    あまり足を踏み入れた事の無いキタの街を一人。行く宛てもなく歩き、やっと見つけた大きな雑貨屋でお目当ての、カーテンと布団を買う。
    「郵送でお送り致しましょうか??」
    と言う店員に、
    『ええわ。』
    と答えて、ビニール袋に入ったカーテンを腕にかけてシングルの布団を抱えて店を出た。

    2006-11-16 03:45:00
  • 489:

    寮であるマンションまではさほど遠くないはず。
    なのに、慣れない道と予想外に重い布団。
    完全に道に迷いながらキタの街をさ迷い歩く。
    『ハァ、重い…』
    歩くのに疲れた頃、おかしいことに気がついた。

    2006-11-16 03:49:00
  • 490:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    完全に道に迷っている。
    全く知らない景色。どこかすらもわからない。携帯を開き、時間を確かめると店を出てから一時間は経っている。

    仕方なく、タクシーを捕まえてさっき店の店員にもらった住所とマンション名が書かれた紙を運転手に見せ、出発。

    2006-11-16 03:52:00
  • 491:

    やっとのことで家に着く。終始無言だったタクシーを降り、マンションに入り、エレベーターの自室がある階のボタンを押し安堵のため息。

    『やっと着いた…』
    ドアの前で鍵を探す。

    2006-11-16 03:55:00
  • 492:



    鍵が無い…。

    ポケットの中も、財布の中も…どこにもない。

    2006-11-16 03:57:00
  • 493:


    あー…。めんどくさい。
    もぉいいや。
    部屋の前に、買ったばかりの布団とカーテンを置いてマンションを後にした。

    2006-11-16 03:59:00
  • 494:

    もう一度、情報誌を開き違う店に電話をして面接を済ませて入寮。
    さっきのマンションより少し古いけど、似た造りの部屋。


    一日で二回も風俗の店で面接をするなんて…。

    2006-11-16 04:03:00
  • 495:

    身一つでキタの街に出てきた蘭。知り合いもいなければ…トチカンもない。
    もう一度、布団やカーテンを買いに行く気にもなれず、コンビニで買った漫画の本を枕に、ブランケットを布団代わりに眠りに着いた。


    次の日、最初の店からの鬼電を無視して今の店に仕事に向かう。

    2006-11-16 04:07:00
  • 496:

    途中で寄ったコンビニでご飯を買い、ついでにホスト雑誌を手に取る。適当にページをめくってたまたまタイプの男の子を発見したので、仕事がおわったら寄ってみよう…
    と、店の電話番号を携帯にメモをして、店に急いだ。

    2006-11-16 04:11:00
  • 497:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    初出勤で待機室に案内されると、ホテヘルなのでやっぱり集団待機だった。
    【嫌やな…個室待機の箱ヘルにでもすればよかった…】

    でも、しょうがないので適当にやり過ごす。
    そう言えば、極端に友達が少ない蘭。この集団待機で友達が出来たらいいな…――――

    2006-11-16 04:16:00
  • 498:



    「蘭。俺、お腹空いたなぁ…。」
    『じゃあ仕事終わったら何か食べに行こう☆』
    「今食べたい。出前頼んだらあかん…??」

    2006-11-16 04:18:00
  • 499:

    『わかった…。いいよ…』

    「やったぁ!!」

    初めての年下ホスト。本当にかわいくて、なぜかお姉さんぶってしまう。…この子と付き合う事なんてあるのかな…。

    2006-11-16 04:21:00
  • 500:

    ―――ヒロシと別れて四ヶ月。彼の事を本当に好きだったのかはわからないけど、確実に心の糧にはなってくれていた。
    それそろ彼氏が欲しい…。―――

    「蘭…。あんな…。俺まだガキやしこんなこと言って嫌われるの嫌やったから今まで我慢してたけど…」
    『うん。』

    2006-11-16 04:27:00
  • 501:

    「付き合って、俺の事支えて!?あかん…?」

    ユキヤ、19歳、二つ年下。頑張ってはいるけどなかなかナンバー入りできないホスト。男前と言うよりかわいい顔と甘えん坊。
    断るはずがない。
    『いいよ。付き合おう。』

    2006-11-16 04:31:00
  • 502:

    名無しさん

    書いて

    2006-11-18 10:59:00
  • 503:

    ゆぅか

    気になるぅq(^-^q)暇な時にでもまた書いてね☆★

    2006-11-18 19:12:00
  • 504:

    遅くなってごめんなさいm(__)m
    書き込みありがとうございます。
    ●ありさ●

    2006-11-18 19:54:00
  • 505:

    名無しさん

    (^O^)

    2006-11-18 20:26:00
  • 506:

    ♪♪♪受信:あーちゃん

    【蘭、元気してる??今日結婚式と入籍済ましました。蘭が来れなかったの残念やけど、元気してたら嬉しいです。
    また連絡下さい。】

    2006-11-18 20:47:00
  • 507:

    ゅぃ

    初カキコです?今日全部読みました?前レスにも誰か書いてたけど人の心理的なんが描かれててすごくぉもしろぃ???頑張って絶対完結して下さい?

    2006-11-18 22:45:00
  • 508:



    あーちゃん。学生やのに結婚か…。今すごい幸せやろな。
    同じ中学出て、仲良かったのに、なんでこんなにも人生違うんやろう。

    2006-11-19 03:02:00
  • 509:

    同じ女やのに…!!


    何だか、幸せな自分を鼻にかけて男に騙されてばかりいる蘭を笑ってるあーちゃんの顔が頭に浮かんだ。
    本当は中の良い振りをして蘭の不幸を願っていたのかもしれない。

    2006-11-19 06:57:00
  • 510:



    「おーい、蘭?どうかした??」
    『ううん、何でもない☆ユキヤ、今日からよろしく。』
    マチコにも、ナツミにも…今まで散々裏切られて来た。もう同性は信じない。

    2006-11-19 07:03:00
  • 511:




    ―――パタンッッ
    ほくそ笑みながら携帯を閉じた。もちろん返信なんてしない。…あーちゃんには負けたくない。

    2006-11-19 07:05:00
  • 512:

    24●ありさ、21歳。

    『…かわいい。』
    「ホンマ!?嬉しい☆」
    今日は私とユウジクンの結婚式。

    2006-11-19 07:18:00
  • 513:



    プロポーズした時、お父さんとユウジクンは約束をした。

    【私が看護学校を卒業するまで子供は作らないこと。授業料は今まで通りお父さんが払うこと。】

    2006-11-19 07:22:00
  • 514:

    他にもいっぱい約束事はあったみたいだけど、【男同士】…の、とか言って私には教えてくれなかった。

    式が終わると、二人で探した小さい今風のアパートに住む事になってる。
    私の実家と、ユウジクンの実家のちょうど真ん中に。

    2006-11-19 07:28:00
  • 515:

    リョウクンとナツミちゃんの件から全く連絡が無く、招待状を送ったけどもちろん返ってくるはずも無く…。だけど、もしかしたら今日いきなり来てくれるかも知れない、
    …なんて淡い期待をしながら式の時間が来るのを待つ。

    2006-11-19 07:39:00
  • 516:

    『ありさちゃん…蘭来たらいいな。スピーチして欲しいもんな。』
    「うん。スピーチ無理でも…来てくれるだけでいい。」

    お色直しで着る予定のミニスカートのウェディングドレスを眺めながら、蘭の事を想った。

    2006-11-19 07:47:00
  • 517:

    25●蘭、21歳後半。

    夜のキタの街は、思ったより早く蘭を受け入れてくれた。
    自分で探して入店した店よりいい所を、ユキヤが紹介してくれたのでそちらに移った。

    2006-11-19 10:27:00
  • 518:

    名無しさん

    (^O^)

    2006-11-19 22:01:00
  • 519:

    「蘭!!明日休みやろ?遊びに行こう☆」
    『ウン!!行く☆』

    季節は冬。だとばかり思っていたけど、暦の上では春だ…とか何とか、テレビの中でお天気キャスターが言っていた。

    2006-11-20 09:47:00
  • 520:

    ♪♪♪受信:あーちゃん

    【蘭。元気してるかな?
    私、春から働く病院決まったよ☆国家試験もどうにか…。また暇になったらメールでもいいので連絡してね】
    ―――パタン。返事もせずに携帯を閉じた。

    2006-11-20 09:50:00
  • 521:

    「蘭…?どうかした??」
    『…ううん。』
    「蘭って、携帯見てたまに悲しそうな顔するよな…」
    『…』
    あーちゃんからのメールや着信を見ると、何だか胸が苦しくて切なくなる。

    2006-11-20 09:58:00
  • 522:

    「まぁいいや!!クラブ行こや、クラブ☆」
    ユキヤとのデートと言えば、クラブや買い物が多い。だけど、今まで彼氏とデートらしいデートをしたことが無い蘭には嬉しくて仕方ない。

    2006-11-20 10:03:00
  • 523:



    「おー!!!!ノンやん☆」
    『ユキヤ!』
    ユキヤと見つけたクラブでできた友達。ノンちゃん。本名がノゾミ…でノンはあだ名らしい。

    2006-11-22 07:55:00
  • 524:

    『ノンちゃん久しぶり☆今日は誰と来てんの?』
    [んー。一人やで]

    ノンちゃんも、蘭と一緒で友達が少ない。だからこそ、気が合ったのかも知れない。
    [蘭姉、今日もやるよね??]

    2006-11-22 09:19:00
  • 525:

    『やるやる☆持ってる?』

    [もちー☆じゃあ一万円ちょーだい。ボケはプレゼントするわ]

    クラブに来るようになってから、ドラックやシンナーをまたやり始めた。ノンちゃんの彼氏がプッシャーをしているので蘭も簡単に手に入る。

    2006-11-22 09:45:00
  • 526:

    最初はクラブの中でやるだけだったけど最近では家に持ち帰り、ユキヤと二人で楽しむ。

    テンションがハイになるタイプの物はクラブで使用して、まったり浸れる物は家で使用する。
    特に決めたわけではないけれど、ユキヤもそれが好きだ。
    ノンちゃんは本当に色んなドラッグを売ってくれる。

    2006-11-22 10:06:00
  • 527:

    『蘭はやっぱりシンナーが一番好きかな☆』
    「俺は蘭が好き。アハ」
    『…』
    ユキヤは、こんな恥ずかしい台詞もあっさりと言う。嬉しい。
    今までの彼氏と違って無邪気でかわいいけど、所詮ホスト…

    2006-11-22 10:29:00
  • 528:

    …と、考えてしまうのは…。過去付き合って来た男達と同じ職業だから。

    2006-11-22 10:34:00
  • 529:

    [蘭姉ぇ?どうした??元気無いなら、無理矢理出しちゃえ☆]


    『…んむぅ!!!!何コレ?』
    ノンちゃんが蘭の口の中に何かを放り込んだ。

    2006-11-22 11:08:00
  • 530:

    [奥歯で噛んで☆思いッッきり]
    ―――カリ…


    んー。ノンちゃんが言うにはハイになるとか…なんと…か…

    2006-11-22 11:15:00
  • 531:





    「蘭、おーい。蘭☆」

    2006-11-22 11:18:00
  • 532:

    無音。
    染み付いた煙草、生ゴミ、の臭い。
    …家???
    『…え!?ユキ…。家??いつのまに帰ったん??』

    2006-11-22 11:21:00
  • 533:

    「家やで☆蘭なぁ、何かいきなりハイになって踊り狂って…。んでいきなり落ちてん。だから連れて帰ってきた。てか、もぉ夕方やでー。お腹すいた。」

    『え…』
    クラブに行ったのは、日付が変わるか変わらないかくらいだったのに…。
    それに、記憶もない。

    2006-11-22 11:31:00
  • 534:

    『あ…ごめん。何か食べに行こう』

    【アレ】…何やってんやろう。ノンちゃんに聞いてみよう。
    「蘭!俺カレー食いたい」
    張り切って玄関を開けるユキヤの後に続いて外に出た。電線に、カラスが沢山とまっていて鳴いているのを見ながら、街に出る。

    2006-11-22 11:40:00
  • 535:




    元々、ユキヤの店の寮だったこのマンション。従業員が少ないのと、売れて行く者から寮を出る。
    そこに蘭が転がり込んだ。

    2006-11-22 11:43:00
  • 536:

    「『♪手帳開くともう、五ヶ月経つなーってー♪』」

    カレーを食べた帰り道、ユキヤお気に入りの【さくらんぼ】の替え歌を二人で歌う。
    ユキヤは、純粋無垢に蘭を愛してくれる。
    ホストをしているけど、ホストらしくない。人を騙すことを知らなくて、楽しいことが大好き。

    2006-11-22 11:46:00
  • 537:

    人一倍夜の世界に興味があって、人一倍夜の世界から浮いている。
    汚れが無い、と言えば良いのか…。
    こんな、綺麗な綺麗なユキヤには夜の世界の本当の華やかさも醜さも知ってほしくない。

    『なぁユキヤ…。ホスト辞めへん??』

    2006-11-22 11:49:00
  • 538:

    26●ありさ、21歳後半。

    「行ってらっしゃい。」
    「お帰り☆お疲れ様」
    結婚して半年。ユウジクンより早く起きてお弁当を作って見送って、学校に行って帰って来てご飯を作ってユウジクンの帰りを待つ。

    2006-11-22 15:25:00
  • 539:

    看護学校三年目。勉強は一通り終わり、ほとんどが実習。そしてレポート。
    未熟ながらの家事をこなしながらの学校生活は正直辛いけれど、
    仕事で疲れながらもユウジクンが手伝ってくれる。

    2006-11-22 15:34:00
  • 540:

    『ありさちゃんまだ寝やんのー??』
    2LDKの小さい新婚向きのアパートの、玄関を入ってすぐの寝室にあるベットに入りながらユウジクンが言う。

    「ごめーん。明日レポート出さなあかんねん。先寝てて☆」
    寝室、洗面、トイレと廊下を越えてリビング、の隣にある書庫、兼 、物置の机から私は答える。

    2006-11-22 21:17:00
  • 541:

    カリカリ…。授業中にまとめたノートを見ながらレポート用紙にペンを走らせる。
    『あー。んー。んんー』
    「?」

    ユウジクンは思っていたより寂しがりで、一緒に寝れない日はいつもヘコむ。…今回は三日連続。

    2006-11-22 21:33:00
  • 542:

    何だかユウジクンがとても愛おしく感じて、ペンを止めて寝室に行きホッペにキスをした。



    ―――実習、早く終われ!!

    2006-11-22 21:37:00
  • 543:

    「もしもし☆あー、うん。大丈夫!!みんな元気?わかってるよ、次の日曜はユウジクン連れて帰るから。」

    私が結婚をして家を出てから、毎日の様に電話をかけてくる両親。
    今日はお父さんで、たまには遊びに来い。とのこと。しょっちゅう顔出してるのに…。寂しいみたい。

    2006-11-22 21:41:00
  • 544:

    後、ほんのもう少しで卒業。少し休みがあって大きな総合病院への就職が決まってる。
    働くようになれば、今よりもっと家事との両立が大変になるだろうか…。
    わからないけど、きっとユウジクンと二人で頑張れるはず☆

    2006-11-23 06:51:00
  • 545:

    私達の新居は、お互いの実家のちょうど真ん中に選んだ。どちらも車で10分するかしないか。
    ユウジクンのお母さんが仕事で遅くなる日は妹のユリエちゃんがご飯を食べて帰ったり、二人の友達が遊びに来たりもする。

    忙しくて、賑やかな毎日。
    こんな充実した日がずっと続きます様に…。

    2006-11-23 06:57:00
  • 546:

    27●蘭、22歳。
    『ユキヤー☆仕事行ってくるね』
    「…おん…」

    あれから、ユキヤはホストを辞めた。

    2006-11-23 07:01:00
  • 547:

    仕事を辞めれば寮にはいられないので、蘭の店で寮を借りた。
    天神橋筋六丁目の、少し古いけど綺麗なマンション。店がある梅田まですぐ。

    『ただいまー。今日も店暇やったぁ…』
    「…。」

    2006-11-23 07:05:00
  • 548:

    『ユキヤ??』
    「薬は買えるんか…?飯は…??」
    以前と同じ人物には見えない、青白い顔に生やした髭の下の口でユキヤ。

    『今日はちょっと無理かな…。明日!!明日頑張るからまたノンちゃんに売ってもらおう!』

    2006-11-23 07:08:00
  • 549:

    名無しさん

    頑張って??

    2006-11-24 00:48:00
  • 550:

    ありがとうございますm(__)m
    こんな、自己満で小説とは呼べないものに頑張れと言って頂けるなんて。恐縮です。

    2006-11-24 06:32:00
  • 551:

    ―――ガシャーン!!!!
    『キャァァァ!』
    小さなテーブル、その上に乗っていたコップや灰皿が飛んで来た。
    「ゴルァァァァ!!!何しとんねん!今日でなくなるって言うてたやろが!!!」
    焦点の合っていない目で、私を見下ろしながらユキヤが怒鳴る。

    2006-11-24 09:19:00
  • 552:

    名無しさん

    おもしろぃから絶対完結してね????

    2006-11-24 11:33:00
  • 553:

    「このアホがぁぁぁ!死ね!!!!」
    『ごめんね、ユキヤ…ユキヤ…』
    「ハハハ…」

    人から見れば気持ち悪いかも知れない。目の焦点が合っていなくて、痩せて髭が汚い薬中男。

    2006-11-25 02:44:00
  • 554:

    名無しさん

    あげ

    2006-11-25 10:51:00
  • 555:

    …に、殴られて、快感を、得…る、オンナ。
    『ユキヤ…』

    ―――バシャッッ…
    蹴り飛ばされた拍子に、残り少ないシンナーが、ペットボトルから零れてしまった。

    2006-11-26 12:30:00
  • 556:

    sage

    楽しみしてます?

    2006-11-26 13:38:00
  • 557:

    「あ…ッッッッ!!!!ん…ーまに、お前はー!殺す!このボケェェ」
    『ユキ…ごめ…』
    言い終わる前に拳が飛んでくる。足で蹴られる。
    髪を掴まれ近くにあった工作用のハサミで切られる。服も。
    その時に、ハサミの刃が肌に当たり切れる。

    2006-11-26 18:25:00
  • 558:


    ユキヤが薬漬けになってから、蘭の体に触れてくれない。殴られる時に、触れ合う肌と肌の感触が気持ち良くて仕方ない。

    …でも…今回は少し痛かったかな。
    血が出る。ユキヤが笑う。天井が揺れる。時計が逆に回る。

    2006-11-26 18:28:00
  • 559:



    ―――ユキヤが蘭の財布からお金を抜き取って、誰かに電話をかけながら外に慌てて出ていく姿が見えた。きっと電話の相手はノンちゃんで、薬を売ってもらいに行ったんだろう。

    かわいい。

    2006-11-26 18:29:00
  • 560:





    蘭も狂っていた。

    2006-11-26 18:30:00
  • 561:

    ユキヤは、薬が切れるとこうして蘭を殴る。
    だけど今までの彼氏の様に、蘭を置いて逃げたりしない。


    愛しいユキヤ。明日も頑張ってかせいでユキヤのだいすきな薬…しよ…う……ね…

    2006-11-26 18:33:00
  • 562:



    ♪♪♪着信:店
    あれから何時間経っただろうか。店からの着信で目が覚めた。
    まだ帰って来ていないのだろうか、ユキヤはいない。もう半日以上経っているのに…心配。

    2006-11-26 18:34:00
  • 563:

    ♪♪♪着信:店

    ♪♪♪着信:店

    電話に出なければ…と思いながらもダルくて動きたくない。今日は出勤する約束だったからな。まぁ…いいや。

    2006-11-26 18:35:00
  • 564:


    あ、そうだ。ユキヤに電話してみよう。危ない目に合ってるかも知れない。
    と、怠さが残る体にムチを打って携帯を手に取った瞬間…
    ♪♪♪受信:恩地さん
    何だろう。恩地さんは、蘭が勤める店のオーナーの奥さんで、女の子の送迎や受け付け、経理などを受け持つ。30歳で少しポッチャリしてるけど明るくてオシャレで優しい。

    2006-11-26 18:43:00
  • 565:

    【蘭ちゃん☆お疲れ様です。今から寮の部屋に行ってもいいですか?最近元気無くて心配やったし。もちろん今日は仕事休みでいいからね】

    恩地さん…。もしかして、蘭とユキヤを捕まえに来るのかもしれない。

    部屋の外の世界は適だらけ。

    2006-11-26 20:07:00
  • 566:

    >>584
    ×適だらけ
    ◎敵だらけ
    これ以外にもたくさん誤字や脱字がありました。読みにくくてごめんなさいm(__)m
    ●ありさ●

    2006-11-27 20:30:00
  • 567:

    本当に、本当に痛い体にムチを打って玄関に走る。
    早く鍵を閉めないと恩地さんが来てしまう…


    ドアノブを掴むか掴まないかのタイミングで玄関の戸が開いた。

    2006-11-27 20:42:00
  • 568:

    『うはぁぁ…ッッ!』
    「…?どした?蘭。お迎えか☆」
    びっくりした。ユキヤだった。

    怖い程、期限の良いユキヤ。何らかの薬を使用したであろうことがすぐにわかる。

    2006-11-27 20:54:00
  • 569:

    名無しさん

    (^O^)

    2006-11-28 01:19:00
  • 570:

    あぁ、また…。>>587
    ×期限の良い
    ◎機嫌の良い
    ごめんなさm(__)m
    ●ありさ●

    2006-11-28 11:01:00
  • 571:

    昨日の稼ぎは本当に少なかったので、シンナーしか買えなかったのだろう。
    片手に液体の入ったペットボトル。


    体中から染み出るシンナーの香り。…が、蘭を包んだ。

    2006-11-28 19:19:00
  • 572:

    名無しさん

    頑張ってね?

    2006-11-29 20:46:00
  • 573:

    ありがとうございますm(__)m
    ●ありさ●

    2006-11-30 13:42:00
  • 574:

    sage

    書いて?

    2006-12-03 12:41:00
  • 575:

    待ってま?す??頑張ってね?

    2006-12-03 17:43:00
  • 576:

    名無しさん

    (^O^)

    2006-12-03 22:05:00
  • 577:

    更新できなくてごめんなさいm(__)mカキコミありがとうございます。今から書きます。

    2006-12-04 14:56:00
  • 578:

    久しぶりに抱きしめられて嬉しい。
    「らん…仕事は?」
    『今日は…あッッ…』
    恩地さんの事を思い出した。来るかもしれない。

    2006-12-04 14:59:00
  • 579:

    蘭はバタバタと部屋に走り、小さなクローゼットの奥からディズニーキャラの缶を取り出した。
    缶の中には明日支払わなければならない携帯代、ユキヤと合わせて56000円が入っている。その中から三万円、ユキヤに渡す。

    『ユキヤ、これで好きなドラッグして!ご飯も食べて』

    2006-12-04 15:22:00
  • 580:

    もしかしたらユキヤは怒るかもしれない、と身構えた。お金を隠していた事について、てっきり怒るのかと思ったら、ニッコリ笑顔でスキップしながら部屋を出て行った。



    ―――もしかしたらこの時気付いていたのかもしれない。

    2006-12-04 15:31:00
  • 581:

    ここで逃げてもいずれ店で会う事になるので、部屋でおとなしく恩地さんを待つことにする。
    ユキヤが部屋を出て数分後。
    ―――カツカツカツ
    廊下にヒールの音が響く。―――ピンポン

    2006-12-04 15:36:00
  • 582:

    黙ってドアを開けると、年齢には不釣り合いな若い服装をした恩地さんが蘭の心境とは裏腹に明るい笑顔で顔を覗かせた。


    …が、蘭の顔を見て蒼白。
    「蘭ちゃ…それ…。えッッ…?」

    2006-12-04 15:42:00
  • 583:




    汚くて、物が散乱した薄ぐらい部屋に恩地さんと蘭。足で物を端に寄せ、適当にスペースを作って恩地さんを座らせる。蘭は染みだらけの煎餅布団に腰を下ろす。
    恩地さんは何から切り出せばよいのか迷っているようで、オドオドと部屋を見渡している。

    2006-12-04 16:14:00
  • 584:

    「あのさ、蘭ちゃん…」
    気まずそうに口を開く、は恩地さん。
    『…。』
    「蘭ちゃん…シンナーしてるの?」
    『ちょっと前まではしてたけど今はやらしてくれへん。からしてへん。』

    2006-12-04 21:31:00
  • 585:

    「じゃあ誰が…?この部屋…」
    ―――カランッッ…
    恩地さんが足を組み替えた拍子に、積み上げられた服とゴミの山が崩れた。崩れたと同時にユキヤの使用済みの注射器が転がる。
    目を見開いて驚く恩地さんと、それを冷静に尚且つ冷めた目で見下ろす蘭。

    2006-12-05 02:42:00
  • 586:

    『…』
    「…」


    しばし沈黙が続く。恩地さんは目に涙を貯めているようだ。

    2006-12-05 02:44:00
  • 587:

    『彼氏やで。』

    沈黙を破ったのは蘭。

    「………。わかった。蘭ちゃんはこれをやってないって信じていい?彼氏に顔も髪もやられたの?そうやんな??」

    2006-12-05 02:45:00
  • 588:

    『…』



    ―――その後のことはあまり覚えて無いけど、気付くと恩地さんの家にいた。必要な物だけ持って家を出て、鍵を閉めた。携帯も解約して新しい番号に変えた。

    2006-12-05 02:53:00
  • 589:

    【蘭はユキヤとあの部屋を捨てた。】


    ユキヤはあの後どうしただろうか。後日恩地さんが部屋を片付けて鍵を取り替えに行った時にはユキヤの姿はたかったらしい。

    2006-12-05 02:59:00
  • 590:

    蘭は系列のミナミに移り、できるだけユキヤと会わない様にしてくれた。ザクザクと適当に切られた髪の毛も、恩地さんが美容院に連れていってくれて綺麗なショートボブになった。顔や体のあざが消えるまで仕事はもちろん休み。

    2006-12-05 03:01:00
  • 591:



    何も無い、新しいミナミの店の寮で一人考えた。

    恩地さんのこと。優しい人が働く店にいてよかった。ユキヤの事は好きだったのかわからない。ただ、一人になるのが嫌で無理矢理に依存していたのかも知れない。

    2006-12-05 03:12:00
  • 592:

    ユキヤのこと。好きでした。最初はね。あなたを守りたいと思った。だけど蘭は自分が1番大切やねん。殴ったり、蹴ったり蘭を傷つけたりする人は忘れます。さよなら…大好きだった人…。

    2006-12-05 03:18:00
  • 593:

    ユキヤの事を見限ったつもりだったのに、思い出すとなぜか涙が出る。
    二人で手を繋いで歩いたキタの街。声を揃えて歌ったさくらんぼの替え歌。ふざけ合って部屋で二人で転がった事。お揃いのパジャマ。

    …。

    2006-12-05 03:27:00
  • 594:

    ユキヤが蘭の事愛してくれてたの知ってるよ。
    でも、ノンちゃんとエッチしてたのも知ってたよ。

    それでも、ユキヤから離れることができなかったのは、一人になるのが嫌だったから。
    だけど、さよなら。

    2006-12-05 03:43:00
  • 595:

    リョウのこと。
    ミナミはリョウの未収を飛んでいらい初めて足を踏み入れた。たまにホストが紹介されている雑誌を見ると、あの時と変わらない笑顔で、昇進して役職に就いているリョウが載っている。

    会いませんように。

    2006-12-05 03:47:00
  • 596:

    あーちゃんのこと。
    携帯を代えた時に、ほんの少ししか登録されてないアドレス帳の移行をしてもらった。
    新しい番号を教えるかどうか悩んでいる。

    リョウとナツミとあーちゃんとユウジの結婚がかぶって、連絡を無視したままなので、今更少し照れ臭い。

    2006-12-05 03:53:00
  • 597:

    >>615
    【リョウ】のこと…以下すべて、リョウではなくて【タツヤ】です。間違えました。ごめんなさいm(__)m

    >>616
    【リョウとナツミ】は間違いないです。

    2006-12-05 03:55:00
  • 598:

    新しい生活のこと、色々。


    もう何を考えて良いのかすらわからない。

    2006-12-05 18:17:00
  • 599:

    ―――ピンポーン…カチャ…
    「蘭ちゃーん☆お待たせ」

    この殺風景すぎる部屋に、【テレビと布団とカーテンはせめて置きなよ】
    と恩地さんがすべてプレゼントしてくれる。

    2006-12-05 18:35:00
  • 600:

    「明日届くからねー。全部車で持って行くから。明日が蘭ちゃんの新しい門出になりますように☆」

    昨日の電話で恩地さんは言った。

    2006-12-05 18:38:00
  • 601:

    名無しさん

    (^O^)

    2006-12-07 20:17:00
  • 602:

    ウジウジ悩んでても仕方がない。


    蘭は、立ち上がり玄関に向かって走った。
    『はーい!!ありがとう☆』

    2006-12-08 12:20:00
  • 603:

    26●ありさ、21歳後半。


    今日は大きな会場を貸し切って〇〇会の勉強会があったので、仕事を終えてスーツに着替えて会場に向かった。
    スーツもバッグも、就職祝いにお父さんがプレゼントしてくれた物。実は着るのは二回目。

    2006-12-08 12:35:00
  • 604:

    昨日ユウジクンが
    『明日の夜寒かったらあかんからコート持って行きや』
    と言ってくれたので、一応持って出たけれど…。予想に反して温かかったのでバッグを左肩にかけて、同じ手でコートを持ち片手が塞がった状態で券売機にお金を入れた。

    2006-12-08 12:39:00
  • 605:

    ―――チャリーン
    「あ…ッッ!もう…」
    勉強会は意外と長引いて疲れて早く帰宅したいと願う私を苛立たせる。
    券売機に入れようとした500円玉が転がって遠くに行ってしまった。

    2006-12-08 12:42:00
  • 606:

    拾いに行こうにも、多すぎる人の足の下から小さな500円玉を見つけだすのは困難なので諦めた。
    財布の中を見て小銭がなかったので千円札を取り出そうとした時…
    「あの…」
    後ろで、か細い女の声がして振り向いた。

    2006-12-08 12:45:00
  • 607:

    その女は500円玉を差し出した。おそらく私が落としたものを拾ってくれたんだろう。
    「えっ…?あ、あぁ。ありがとうございます。どうもすいませ…」
    『アリサ!?ありさやん!』

    女は私の事を知っているようで、興奮して私の名前を呼び続ける。

    2006-12-08 12:49:00
  • 608:

    その女に見覚えがなくて、失礼を承知で名前を聞いてみた。
    『私やん!マチコ!!中学一緒やったやん☆』
    「マチコ!?嘘!久しぶり」

    わからなかったのも無理はない。中学の時はポッチャリしててかわいらしかったマチコが、誰だかわからないくらいに痩せていた。

    2006-12-08 12:52:00
  • 609:





    私たちは、とりあえず切符を買い改札内に入って電車を待つ小さなベンチに腰掛けた。

    2006-12-08 12:53:00
  • 610:

    『ありささ、今何してんの…?』
    「看護士してるよ。春からやからまだ一年経ってないねん。マチコは…?」
    そう聞くとマチコは黙り込んで、
    『ここでは言いにくいからまた言うわ。』
    と最初と同じくか細い声で言った。

    2006-12-08 12:56:00
  • 611:

    「そっか…。わかった。」

    と言いながら何となく時計を見ると、もう10時半を廻っている。
    今から電車に乗って、降りて、駅から自転車で急いでも家まで40分はかかる。
    きっとユウジクンはご飯も食べずに待っているにちがいない。

    2006-12-08 12:59:00
  • 612:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    「わッッマチコ!こんな時間や!!とりあえず電車乗ろう☆」
    と、マチコの手を引いて電車に飛び乗った。
    今日は遅くなるのがわかっていたから、【晩ご飯はピザでもとろうね】なんて約束してた。もう冷めてるんやろな…。
    『明日も仕事?大変やな』
    「そうやねん!!仕事やし、新人代表で勉強会行ったから報告書も今日中に書かな…ハァ。」

    2006-12-08 13:04:00
  • 613:

    『はは…、大変やね。なぁ、ありさ?また会いたい。あかんかな?』
    「いいよ、いいに決まってるやん。番号交換しよ☆」

    そう言うとマチコは喜んで赤外線を送信しだした。

    2006-12-08 13:06:00
  • 614:

    ありさ

    私の携帯が受信したDataには
    【☆由美☆09…】
    と、名前が違ってたけど突っ込まずに【マチコ】に直して登録して、空メールとワンコールを入れた。

    私のほうが、手前の駅で降りたので手を振りながらマチコが乗った電車を見送った。

    2006-12-08 13:16:00
  • 615:

    名無しさん

    (^O^)

    2006-12-08 13:41:00
  • 616:

    ↑いつもありがとうごさいますm(__)m
    ●ありさ●

    2006-12-08 16:12:00
  • 617:

    駅の改札を出てユウジクンに電話をすると、寝ぼけながらも私を気遣ってくれる。彼はこんな人。
    優しくて何よりも私の事を考えてくれる。


    自転車に乗りながらマチコの事を考えた。

    2006-12-08 16:17:00
  • 618:

    【人前では言えない仕事】のことや、【由美】と言う名前。今度会ったら聞いてみよう。
    と思って家路に着いた。
    ソファでうたた寝していたユウジクンを起こして、冷めたピザを温め直して食べて一緒にお風呂に入って彼を先に寝かせて机に向かう。

    2006-12-08 16:27:00
  • 619:

    今日の勉強会の内容をまとめたノートとレポート用紙をバッグから取り出したついでに、帰って来てからほったらかしにしていた携帯を開いた。
    メール受信:マチコ
    【ありさ☆いつ暇?遊ぼう。】
    さっそくマチコからのメール。時間から見て、私が電車を降りてすぐに打ったのだろう。

    2006-12-08 17:40:00
  • 620:

    返信:マチコ
    【返事遅くなってごめんね。まだ今月後半の出勤表でてないから予定わからへんねん、ごめんね。今から書仕事の報告書書くからまたメールするね。】

    マチコにメールをして、サイレントに設定して二時間かけて報告書を書き上げて携帯を無視したまま眠りに就いた。

    2006-12-08 17:59:00
  • 621:

    ―――♪♪♪
    目覚まし代わりに、05:30にセットしてあるコンポから音楽が流れて起きる。
    いつもの朝。
    ただ、昨日の夜報告書を作るのに時間がかかってしまって少し寝不足。

    2006-12-08 18:08:00
  • 622:



    隣で眠る、愛おしい旦那様を起こさないように、そっとベットを出てキッチンに向かう。
    とりあえず朝ごはんの食パンをトースターに入れてお弁当を作る。

    2006-12-08 18:31:00
  • 623:

    名無しさん

    (^O^)

    2006-12-08 22:07:00
  • 624:

    ―――チーン
    トースターのタイマーが終わりを告げる。
    ―――パタパタパタ
    スリッパを鳴らしながら寝室へ走って、ユウジクンを起こす。
    「朝やで☆起きてー」

    2006-12-09 01:56:00
  • 625:

    『…朝??マジ…?』
    「マジやで。おはよう☆」
    うーん、と背伸びをしてベットから降りたらフラフラと洗面所に向かって、身支度を整えたらいつものユウジクン。
    『今日寒ッッ!晩ご飯あったかいのがいいな☆』
    かわいいな、なんて思いながら笑顔で頷いた。よし、今日の晩ご飯は鍋に決定。

    2006-12-09 02:02:00
  • 626:

    「いってらっしゃーい☆」
    と見送って、携帯の充電をし忘れた事を思い出した。机の上に置きっぱなしの携帯を手に取って、開く。

    メール受信:8件
    (―8件?やけに多いな…)

    2006-12-09 11:30:00
  • 627:

    メールの受信ボックスを開くとすべてマチコから…。
    【面と向かって聞かれへんかったけど、何で地元の駅で降りやんと手前の駅で降りたん?】
    【やっぱり親が離婚でもして引越ししたん?】
    【今彼氏いてるん?私はいてへん。】
    【何て名前の病院で働いてるん??】

    2006-12-09 11:44:00
  • 628:

    【何回もメールしてごめん。仕事残ってるんやんなー】
    【てゆーか、看護士やってたら合コンでモテるやろー?】

    (―何コレ!?気持ちわ…)

    2006-12-09 11:54:00
  • 629:





    【なあ、ありさは私の事…好き?】

    2006-12-09 11:58:00
  • 630:

    マチコは心に何らかの闇を抱えているのだろうか…?何だか気の毒になった。


    【おはよう。彼氏はいてないけど旦那がいてるねん。結婚して二人で住んでる、だから手前の駅で降りてん。言わんくてごめん。合コンには出た事ないよ。今の病院は〇〇の総合病院やで。それと…

    2006-12-09 12:05:00
  • 631:


    マチコのこと、もちろん好きやで☆】
    と、マチコに返信した。

    マチコがどんな気持ちであんなにメールを送って来たのかはわからないけど、あまり穏やかではないみたい…。

    2006-12-09 12:09:00
  • 632:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    (―よし、次の休みはマチコを家に招待しよう。結婚式にも呼んでないしユウジクンにも会ってもらおう。)


    蘭とマチコは鑑別所を出てから色々あったから、一応蘭にも報告しておこう。

    2006-12-09 12:16:00
  • 633:

    送信:蘭
    【蘭☆駅で偶然マチコに会ってん!ちょっと様子おかしかったけど…。今度ウチに来てもらって話聞いてみる。】

    朝からこんなに携帯ばっかりイジってて、出勤の準備を…
    ♪♪♪メール受信:???

    2006-12-09 12:34:00
  • 634:

    【ユーザーが見つかりません@以前を再度ご確認ください………。】



    蘭、アドレス変えたんや。

    2006-12-09 12:43:00
  • 635:

    名無しさん

    (^O^)

    2006-12-09 22:02:00
  • 636:

    …なんだか…たまらなく寂しくなった。
    だけど、最後の望みで電話をかけてみる。


    【おかけになった電話番号は…】

    2006-12-09 23:37:00
  • 637:

    蘭…携帯ごと変えたんや…



    2006-12-10 00:09:00
  • 638:

    27●蘭、22歳。



    『あっつー!!!!』

    2006-12-10 00:15:00
  • 639:

    名無しさん

    (^O^)

    2006-12-10 04:44:00
  • 640:

    ♪♪♪着信:ラルフ

    ♪♪♪着信:スゥイート・ガーデン

    ♪♪♪着信:…

    2006-12-12 21:33:00
  • 641:

    この重苦しい空気のせいで半分、目が覚めてしまったと言うのに、更に追い撃ちをかけるように鳴りだす携帯。
    『んー…誰やねん…』

    2006-12-12 21:47:00
  • 642:

    名無しさん

    (^O^)続き楽しみにしてまああす(^O^)

    2006-12-14 13:04:00
  • 643:

    名無しさん

    ?

    2006-12-14 17:02:00
  • 644:

    ありがとうございますm(__)m
    ●ありさ●

    2006-12-14 18:32:00
  • 645:

    布団から手を伸ばし携帯を掴んで、
    ―――チッッ
    っと舌打ちしながら着信履歴をチェックする。
    『…ダル…!!』
    ラルフやらスゥイート・ガーデンやら、全てがホストクラブの名前。初回だけで行って、イマイチ名前も覚えていないホストを囲うのが、最近の蘭の趣味。

    2006-12-14 23:56:00
  • 646:

    囲うと言うか、蘭が寂しい時に家に呼ぶ。
    欲しがればお金も与える。


    …その変わり、絶対蘭には逆らわせない。一度でも逆らったら終わり。

    2006-12-14 23:59:00
  • 647:

    名無しさん

    書いて?

    2006-12-15 23:37:00
  • 648:

    名無しさん

    (^O^)

    2006-12-16 03:23:00
  • 649:

    名無しさん

    (^O^)

    2006-12-19 05:54:00
  • 650:

    名無しさん

    書いて

    2006-12-19 11:16:00
  • 651:

    名無しさん

    もぅ?日も書いてへんなぁ?書かへんのかなぁ?

    2006-12-24 01:21:00
  • 652:

    名無しさん

    ???

    2006-12-27 13:37:00
  • 653:

    名無しさん

    かいてや

    2006-12-30 13:09:00
  • 654:

    名無しさん

    書いて??

    2007-01-05 02:14:00
  • 655:

    名無しさん

    あげ?

    2007-01-05 13:47:00
  • 656:

    名無しさん

    楽しみに待ってます?

    2007-01-09 21:55:00
  • 657:

    名無しさん

    ?

    2007-01-13 22:28:00
  • 658:

    名無しさん

    ?

    2007-01-13 22:41:00
  • 659:

    名無しさん

    ??気長に待ってます??
    また時間があれば書いて下さい?

    2007-01-14 07:04:00
  • 660:

    名無しさん

    あげ

    2007-01-16 10:25:00
  • 661:

    名無しさん

    え?っもしかしてもぉ書かへんのかな??今はじめて全部読んだんやけどめちゃくちゃ気になるな?主さん忙しいんかな??

    2007-01-16 20:33:00
  • 662:

    名無しさん

    そら、同じ題名の小説でてきたんやから書きにくいやろ??

    2007-01-17 00:59:00
  • 663:

    名無しさん

    ほんまや?けど内容は違うっぽいよな?知らんかったんやろなぁ?主さん書いてねあげぇ??

    2007-01-17 01:27:00
  • 664:

    名無しさん

    かけや

    2007-01-17 14:51:00
  • 665:

    ―――パタン
    携帯を閉じ、布団の上に投げ捨てると服を脱ぎシャワールームへ向かう。
    いつも少しぬるめを好む。適温か、それ以上だとシャワーの後に汗が出るから。

    2007-02-02 17:28:00
  • 666:

    『今日も仕事か…』
    出勤前に買い物でもしようかな…なんて思いながら部屋に戻り、財布の中身を確かめた。


    5000円と小銭のみ。

    2007-02-02 17:48:00
  • 667:

    『…くそが…』
    と小さく呟いて財布を壁に投げ付けた。
    5000円と少しでは欲しいものを買えないかもしれないと思い、買い物を諦めた。

    2007-02-02 18:34:00
  • 668:

    またいつもの、


    【全てがどうでも良くなる空気】
    が蘭を包んだ。

    2007-02-02 18:36:00
  • 669:

    こんな日は仕事を休む。
    仮病等を使うのではなく、無断欠勤。店からの電話も全て無視。

    自転車がないので、歩いて少し遠いが品揃えの多いTSUTAYAに行く。

    2007-02-02 19:25:00
  • 670:

    名無しさん

    ?????

    2007-02-04 02:04:00
  • 671:

    名無しさん

    書いて?

    2007-02-05 18:19:00
  • 672:

    名無しさん

    2007-02-08 16:48:00
  • 673:

    ありがとうございますm(__)m
    ●ありさ●

    2007-02-08 20:55:00
  • 674:

    上映中から話題だった映画をニ、三作借りて、コンビニでお弁当を買う。


    毎日の食事がコンビニか出前なので、そろそろ飽きて来た頃だ。

    2007-02-08 21:01:00
  • 675:

    名無しさん

    ???

    2007-02-08 23:43:00
  • 676:

    名無しさん

    おもろい

    2007-02-09 01:05:00
  • 677:

    皆様、こんな誤字脱字だらけの駄文に目を通して頂いてありがとうこざいますm(__)m
    ●ありさ●

    2007-02-09 02:05:00
  • 678:

    散らかった部屋に帰り、温めてもらったはずが少し冷めたコンビニ弁当を
    (―あんまりおいしくないな…)
    なんて思いながら食べる。

    テレビの画面には…、先ほど借りたビデオ。

    2007-02-09 02:12:00
  • 679:

    店を休んだ日の過ごし方。いつもと同じ。


    暇を埋めるにはあまりにも退屈で、だけど外の世界に飛び出すには蘭にとって億劫だった。

    2007-02-09 02:15:00
  • 680:

    食べ終わったお弁当の残骸を、捨てる訳も無くただ部屋の隅に寄せ、
    一本目の、話題になった割に中身の無い映画を見終わった頃、今まで沈黙を保っていた携帯電話が鳴りだした。

    2007-02-09 02:18:00
  • 681:

    ♪♪♪着信:ラルフ
    退屈なので出た。

    「蘭ちゃん!昼無視したやろー。別にいいけど…。今暇?家行っていい??」
    『…うん…いいよ。』

    2007-02-09 02:22:00
  • 682:

    名前もイマイチ覚えていない、ラルフと言う店に勤める18歳の新人ホストは、
    蘭のうちに来て、何をするでもなく眠って次の日まで居座った。

    2007-02-09 02:34:00
  • 683:

    次の日も仕事を無断欠勤して、その次の日は
    (―そろそろ消費者金融の支払いがあるな…)
    と思い出して仕方なく出勤。

    2007-02-09 02:37:00
  • 684:





    毎日つまらない。張り合いが無い。同じ事の繰り返し。

    2007-02-09 02:38:00
  • 685:

    目が覚めるまで眠って、起きれば仕事。終わればコンビニで食料を買い込み、帰宅。


    寝る…目が覚めるまで眠る…

    2007-02-09 02:40:00
  • 686:

    無断欠勤・消費者金融・本指名・レンタルビデオ・コンビニ弁当・携帯・ラルフ・スゥイート・ガーデン・初回料金…


    つまらなすぎる事しか頭に無い。

    2007-02-09 02:42:00
  • 687:

    さゆみ

    しおり

    2007-02-09 03:33:00
  • 688:

    かいてくれてありがとう

    2007-02-09 05:07:00
  • 689:

    名無しさん

    ???

    2007-02-09 12:59:00
  • 690:

    名無しさん

    あげる?

    2007-02-09 15:56:00
  • 691:

    『書いてくれてありがとう』
    なんてとんでもないですm(__)m嬉しいです。
    ありがとうございます。
    ●ありさ●

    2007-02-09 20:45:00
  • 692:

    名無しさん

    気になる-

    2007-02-10 11:40:00
  • 693:

    名無しさん

    しおり??????

    2007-02-10 22:10:00
  • 694:

    ありがとうございますm(__)m
    ●ありさ●

    2007-02-11 00:07:00
  • 695:




    本当に自分を愛してくれる人がいない事への淋しさも、ズタボロだった自分を拾ってくれた恩地さんへの感謝もわすれかけた頃…。

    2007-02-11 00:09:00
  • 696:

    支払いの為に、仕方なくみせに出勤する途中…。


    昼の仕事の人達と、夜の仕事の人達が溢れかえるミナミの街であーちゃんを見かけた。

    2007-02-11 00:13:00
  • 697:

    最後に会った時には、
    【校則が厳しいから黒髪やねん】
    なんて言ってたのに、茶髪になってた。…ってことは、看護学校卒業して看護士になったんや…。

    2007-02-11 12:27:00
  • 698:

    真っ白な肌に映える、上品な茶髪を綺麗に巻いた…見慣れないあーちゃん。
    に声をかけようか悩んだけど、


    一緒に歩いている、同年代から母親位までの女性数人と、客として店に来そうなおじさん。

    2007-02-11 12:38:00
  • 699:

    名無しさん

    何?????

    2007-02-12 02:56:00
  • 700:




    『あーちゃ…』
    人並みを押し退けて進んで、あーちゃんに近づいた。

    2007-02-12 06:06:00
  • 701:

    あーちゃん達の集団に追い付く直前、改めて自分の姿を見直した。


    不眠からくる寝不足のために荒れた汚い肌、露出の多すぎる腕と足、伸びても伸びても痛みきった、金髪に近い髪の毛。

    2007-02-12 06:11:00
  • 702:

    あーちゃん達の集団は、おじさんもおばさんも若い子達もみんな、小綺麗な身なりをしている。


    蘭は少し離れたところから様子を見る事にした。
    今、自分のような物が話し掛けて良いものか躊躇したから…。

    2007-02-12 06:16:00
  • 703:

    >>724下の方です。
    ×…自分のような物
    ◎…自分のような者
    です。読みにくくてごめんなさいm(__)m
    ●ありさ●

    2007-02-12 08:38:00
  • 704:

    「先生ぇー☆今日はご馳走様ぁ」
    『はいはい、楽しかったね』
    「これで明日からも仕事頑張れるわぁ♪♪♪」

    …どうやら、あーちゃんが勤めているであろう病院関係者らしかった。

    2007-02-12 19:18:00
  • 705:

    読んでます?また書いて下さいね?

    2007-02-13 00:51:00
  • 706:

    名無しさん

    あげ?
    気になる?

    2007-02-13 13:04:00
  • 707:

    名無しさん

    あげ

    2007-02-14 05:26:00
  • 708:

    名無しさん

    おもしろい 展開が楽しみ

    2007-02-14 06:04:00
  • 709:

    ありがとうございます☆★

    書くの遅くてごめんなさいm(__)m
    ●ありさ●

    2007-02-14 11:36:00
  • 710:

    こんなに近くにいるのに近づけない、大好きなあーちゃん…。
    見た目よりも何よりも、
    借金まみれで長年風俗が染み付いた体を恥ずかしく感じた。

    2007-02-14 11:39:00
  • 711:

    蘭は、あーちゃん達の集団から離れた。


    段々と遠ざかって行くあーちゃんは、時折キョロキョロと
    辺りを見渡している。

    2007-02-14 11:42:00
  • 712:

    【―――もしかしたら、蘭を探してくれてるのかも】

    なんて、都合のいい解釈は辞めて…

    2007-02-14 11:45:00
  • 713:

    28●恩地多恵、31歳。


    歳を取ってから、湿気に弱くなった。梅雨の時期はジメジメして気分が悪くなる事もしばしば…。
    かといって乾燥する冬はお肌の調子が悪いから嫌い。

    2007-02-14 11:53:00
  • 714:

    過齢とは恐ろしいもので、四季の移り変わりも素直に喜べなくなってきた。



    最近やっと梅雨があけて、夏本番も間近。店の女の子達を連れて海でも行こうかな…

    2007-02-14 11:56:00
  • 715:

    『恩地さん…ねぇ!!』

    「ん?何?ボーッとしてたわ、ごめん。」

    『系列のミナミ店から連絡あったんですけど、蘭ちゃんが出勤してなくて寮見に行ったらもぬけの殻やったって…』

    2007-02-14 12:00:00
  • 716:



    ――…蘭ちゃんが…!?――

    「ちょ、ごめん!今から難波店まで様子見てくるから…、ホンマ悪いけど一人で店番よろしく」

    2007-02-14 12:55:00
  • 717:

    頑張ってね?

    2007-02-14 23:03:00
  • 718:

    ありがとうございますm(__)m
    ●ありさ●

    2007-02-15 03:00:00
  • 719:

    と、島田クンに告げて返事もせずに受付を飛び出した。

    エレベーターが、店がある階に停まってドアが開くと、辛気臭い中年男性が入れ違いで降りた。

    この階には、うちの店しかないのでお客に違いない。

    2007-02-15 03:03:00
  • 720:

    ドアが閉まる直前まで、島田クンが大声で私に何か言っている様だったけど、無視して一階ボタンを押した。


    島田クンは、うちの店では1番の新人…だけど大丈夫。しっかり者の彼なら、きっと一人で店番できるはず。…多分。

    2007-02-15 03:06:00
  • 721:




    そんな無責任な私は、ビルを出てすぐの駐車場に停めてある愛車のエンジンをかけて、梅田に急いだ。

    2007-02-15 03:07:00
  • 722:

    自分がなぜこんな事をしてるかわからない。
    女の子が、店を飛ぶなんて…この世界ではよくある事。

    なのに…
    なのに、なぜか蘭ちゃんの事は放っておけない。

    2007-02-15 03:10:00
  • 723:

    いつものように混んでいる御堂筋にイライラしながら、梅田店に連絡を入れた。

    三日前から無断欠勤していて、連絡もつかないから寮に行った。呼び鈴を押しても返事がないので合い鍵を使って開けたら、誰もいなかった。

    との事。

    2007-02-15 03:14:00
  • 724:

    ようやく渋滞を抜けて、難波店前に到着。
    駐車場には入れず、ハザードを付けて路駐して店の寮の管理者に合い鍵をもらって、ろくに挨拶もしないまままた車に乗り込んで、寮へ車で急いだ。

    2007-02-15 03:17:00
  • 725:

    読み返してみたら、めちゃくちゃでしたm(__)m
    恩地さんが働いてるのは【梅田】で、蘭がいたのは【難波】 です。
    ごっちゃになって、本当にごめんなさい。
    ●ありさ●

    2007-02-15 03:20:00
  • 726:

    寮であるワンルームマンションの下に、また適当に路駐して蘭ちゃんの部屋に向かう。
    エレベーターは8階でとまっていたので非常階段で二階に上がった。
    「えっと…20…204」

    2007-02-15 03:22:00
  • 727:

    ドアの前に立って深呼吸。なぜ緊張しているのか、自分でもわからない。
    中に蘭ちゃんがいて、
    『はーい』
    なんて、元気にドアを開けてくれることを願いながら、まず呼び鈴を鳴らした。

    2007-02-15 03:24:00
  • 728:

    ―――ピンポーン
    一回…二回…三回。
    五回程押してみた所で、中からは物音一つしないので、次に携帯に電話をかけた。
    やっぱり出ないので、仕方なく合い鍵を使って鍵を開けた。

    2007-02-15 03:27:00
  • 729:

    薄ぐらい部屋の、カーテンの隙間から射す街の街灯を頼りに、玄関、廊下、奥のワンルームの電気をすべて点けた。

    中は本当にゴミだらけで、床には大量の髪の毛や使って片付けずに放っといたのだろうか、カビの生えたバスタオルや脱ぎ捨てられた衣服が散乱している。

    2007-02-15 03:30:00
  • 730:

    汚すぎて、正直驚いた。
    見た目もそうだけど臭いもすごい。
    若い女の子の一人暮しがこんな物でよいのか…すら思った。

    2007-02-15 03:34:00
  • 731:



    …だけど、よく考えたら前の【暴力彼氏】と同棲していた時の部屋もこんな感じだったな…。
    これが彼女のライフスタイルなんだろう。

    2007-02-15 03:39:00
  • 732:





    部屋の隅から隅までみたけれど、蘭ちゃんの姿も、どこに消えたのかの手掛かりも何もなかった。

    2007-02-15 03:44:00
  • 733:

    こうなる事は、最初からわかっていたけど…少しの可能性にかけてみただけ…。

    もう、二度とこの部屋に蘭ちゃんは戻ってこないと思ったけど、寮の管理者には「あと一週間だけ待っててあけて下さい」
    と言って合い鍵を返した。

    2007-02-15 03:50:00
  • 734:

    難波店に戻る途中、
    【帰ったら島田クンに怒られるな〜】
    って考えたり、
    【蘭ちゃんが、不幸になっていませんように…】
    とか…、嫌やわ…歳とったら涙腺が弱くなるんかな…

    2007-02-15 04:00:00
  • 735:

    29●ありさ、22歳。


    ――ゲホゲホ
    「うぇぇ…!!」

    2007-02-15 04:05:00
  • 736:

    名無しさん

    しおり

    2007-02-16 21:27:00
  • 737:

    『えッッ!!大丈夫?どないしたん??』
    ―――ゲホッ
    「わからん…。何やろ…、最近よくあるねん。」
    『も、もしかして妊娠ちゃうん?俺の子供??』

    2007-02-17 04:24:00
  • 738:

    (―ごめんね、ユウジクン。多分違うわ。この前生理きたとこやし…)


    「わからん…。一回先生に相談してみる。」
    手術しなくてはいけない病気だったらどうしよう…。

    2007-02-17 04:26:00
  • 739:

    ♪♪♪メール受信:マチコ

    【ありさ助けて!!あたしもうあかんわ…。今から死にます。さようなら。】

    ハァ…

    2007-02-17 04:27:00
  • 740:

    『どうしたん?またマチコちゃん??』
    困った様に笑ってユウジクンが問う。
    「うん…ハハ…。また死ぬって…。」

    苦笑いで答えた私は、マチコにいつもの様に、いつもの文章で返事を返す。

    2007-02-17 04:32:00
  • 741:

    ―――カチカチカチ…
    「…送信☆ごめんな、朝からゴタゴタ。今日は久々のデートやしいっぱい遊ぼう」

    『うん☆ほな出発〜!!』

    2007-02-17 04:35:00
  • 742:



    私は幸せだった。
    結婚してからも変わらず優しいユウジクン。
    親族や、職場の人や、友人にも恵まれてる。

    2007-02-17 04:37:00
  • 743:





    あの日、マチコに会うまでは…。

    2007-02-17 04:39:00
  • 744:

    名無しさん

    ???

    2007-02-17 05:24:00
  • 745:

    名無しさん

    ???しおり???

    2007-02-17 13:29:00
  • 746:

    名無しさん

    今日一気に読みました?
    続きが楽しみです?頑張ってくださいね?

    2007-02-17 21:39:00
  • 747:

    名無しさん

    書かないんですか?

    2007-02-18 19:40:00
  • 748:

    ありがとうございます☆今から書きますm(__)m
    ●ありさ●

    2007-02-18 21:15:00
  • 749:

    マチコと再開した週の日曜日、私はマチコを自宅に招いた。

    自分なりにご馳走を作って、ユウジクンと二人でマチコを待った。

    2007-02-18 21:21:00
  • 750:




    約束の時間を過ぎてもマチコは来ない。
    メールを送っても電話をしても返答は無かった。

    2007-02-18 21:24:00
  • 751:

    名無しさん

    書いて〜??

    2007-02-22 01:55:00
  • 752:

    続き楽しみ?

    2007-02-22 02:03:00
  • 753:

    名無しさん

    (;ω;`)

    2007-02-23 03:11:00
  • 754:

    ゅとッッ◆L37b0uWeqQ

    続きも氣になるケド???もらぃゃす(´ー`)

    2007-02-24 09:04:00
  • 755:

    ゅとッッ◆L37b0uWeqQ

    ァハッ(´ω`)

    2007-02-24 09:05:00
  • 756:

    ともみ

    一気に読みましたッ?続き楽しみにしてますッ??

    2007-02-27 04:18:00
  • 757:

    名無しさん

    早く書いて??

    2007-02-27 11:23:00
  • 758:

    名無しさん

    やめたん??

    2007-03-06 16:49:00
  • 759:

    名無しさん

    楽しみにしてます?

    2007-03-07 07:01:00
  • 760:

    なかなか続き書けなくてごめんなさいm(__)m読んでくださってる方ありがとうございます。
    ●ありさ●

    2007-03-17 17:49:00
  • 761:

    >>772
    約束の時間から5時間、
    仕方ない。何か急用ができたのだろう、
    とマチコの為に用意した、色とりどりのご飯を温め直して食べた。

    2007-03-17 18:05:00
  • 762:

    マチコを待っていただけで、特別何をしたとかじゃないけど何となく疲れたので早めに就寝した。


    ―――am2:00
    ♪♪♪着信:マチコ

    2007-03-17 18:08:00
  • 763:

    『ん……ありさちゃ…電話鳴ってる…』
    「ん…、ごめ…」
    深く深く眠っていた私たちは、けたたましい着信音で目が覚めた。
    「…マチコやわ。リビングで電話してくる。」

    2007-03-17 18:22:00
  • 764:

    『わかった。おやすみ☆』
    「おやすみ」
    ユウジクンの前髪を手であげて、おでこにキスをした後少し肌寒いことに気付いてカーディガンを羽織って寝室を出た。

    2007-03-17 18:36:00
  • 765:

    「もしもし、マチコ?」
    『ありしゃー☆』

    酔っ払っているのだろうか、ロレツの回らない舌で喋り出した。
    はっきり言って、大半は何をしゃべってるのかわからないけど何度か聞いているうちに、具合が悪いだとか何かだとか…が聞き取れた。

    2007-03-17 19:39:00
  • 766:

    「そうやったんやぁ。今は平気?事故にでも遭ったんかと思って心配したわ…」

    何気なく言った言葉に、マチコは感動して泣き出した。

    何が何だかわからないうちに、電話は終わった。

    2007-03-20 01:34:00
  • 767:

    携帯をリビングに置きっぱなしにして、寝室に戻ってベッドに入る。
    遠くからメールの着信音が聞こえたような気がしたけど、眠たいのと朝早いこともあって直ぐに眠ってしまった。

    2007-03-20 01:37:00
  • 768:

    朝。
    いつもの様にユウジクンを送り出して、自分の用意を済ませて家を出る。
    自転車で駅に向かっている途中で、夜中鳴っていたメール着信音の事を思い出して携帯を開いた。

    【メール受信:8件】

    2007-03-20 01:40:00
  • 769:

    夜中から朝までにこんな数のメールが来るのは珍しいので、驚きつつ駐輪場についたので自転車を停めて定期で改札内に入った。

    駅のベンチに座り、落ち着いて受信欄を見た。
    マチコ・マチコ・マチコ・マチコ…

    2007-03-20 01:43:00
  • 770:

    8件全てマチコからだった。
    マチコはこんな風に、返事がなくても鬼メールするのが癖なのだろうか…。
    少しまいりながらメールを開いた。

    2007-03-20 01:47:00
  • 771:

    【今日は心配してくれてありがとう☆】
    【旦那さん怒ってた?次は絶対に行くわ】
    【私マチコの事大好き☆】

    【ずっと親友でおってな】

    2007-03-20 01:49:00
  • 772:

    【あれ?寝てる?】
    【明日も仕事?私は休みやねん☆】
    【おーい(^0^)/】

    マチコからのメールは10分おきに届いていた。最後のメールをみて驚いた。

    2007-03-20 01:53:00
  • 773:

    【私な、今日体調が悪かったからありさの家行かれへんかったって言ったけど…ホンマは監禁されててん。怖かった…】



    !?

    2007-03-20 01:55:00
  • 774:

    ビックリしすぎて駅のベンチを勢いよく立ち上がった。
    と同時に電車が来たので、マナーモードに切り替えて乗り込む。


    職場である病院に着くまでマチコの監禁の話が頭から離れなかった。

    2007-03-20 01:59:00
  • 775:

    院内に入る前にマチコに返信をした。
    【監禁って誰に?ホンマに大丈夫??心配やから仕事終わったら電話するね。】

    マチコの事が心配だったけど、仕事は仕事。まだまだ新人だし、何かあってから「すいません」
    で済む仕事ではない。

    2007-03-20 02:03:00
  • 776:

    患者さんの笑顔や、御礼の言葉に励まされてやりがいのある大好きな仕事。
    辛い事や反省も多いけど、毎日が勉強。


    いつもの様にあっと言うまに勤務時間が過ぎて、詰め所の奥の更衣室で交代で入る夜勤の同僚達や先輩ナースとお喋りをしながら着替えていると、ロッカーの鞄の中で携帯が震えた。

    2007-03-20 02:09:00
  • 777:

    サブディスプレイには、
    メール受信:マチコ
    と、表示されていて電話を待っているのだろう、と急いで皆に帰りの挨拶をして外にでた。

    「もしもし、マチコ?遅くなってごめん!!今病院出たと…」

    2007-03-20 02:13:00
  • 778:

    『ありしゃー☆お疲れ☆★次いつ休みなぁ??遊びに行きたい!』

    監禁されたショックで、相当へこんでいるのかと思いきや、予想に反して元気なマチコが電話に出た。
    また酔っているみたいで、ロレツが回っていなかった。

    2007-03-20 02:16:00
  • 779:

    「次の休みは金曜やで…。ってか、監禁って何?誰に?怪我は?」

    『そんなに焦って…。心配した??』
    「今も心配してるよ!大丈夫??」
    私の心配をよそに、マチコは脳天気だった。

    2007-03-20 02:19:00
  • 780:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    『んー…。あの事はな、忘れたいねん。辛かったから。だからありさも忘れて?』
    確かに、辛かった記憶をむりやり思いださすのも悪いな、と反省して深く突っ込まないことにした。

    「わかった。怪我無いかだけ教えて?」

    2007-03-20 02:22:00
  • 781:

    『怪我無いよ☆チョー元気!アハハ』
    元気そうなマチコに安心して、電話を切って家路に着いた。


    家に着いて、晩ご飯の用意や、洗濯物の取り込み、お風呂の用意をしていると携帯からユウジクン専用の着うたが流れた。

    2007-03-20 02:25:00
  • 782:

    『今から帰るよ☆今日の晩ご飯何?』

    ユウジクンのいつもの【帰りますコール】。いつものセリフ。
    すごく愛おしくて、ついつい意地悪しちゃう。
    「晩ご飯は…内緒。ユウジクンの好きな物やで☆」

    2007-03-20 02:28:00
  • 783:

    『めちゃ気になるやん!でも楽しみにしてるわ。』

    「気をつけてかえって来てね。」

    電話を切って待ち受け画面に戻ると、【メール受信数:4】と表示されている。そう言えば、仕事が終わってすぐにマチコに電話したからメールチェックしてなかったな…。

    2007-03-20 02:33:00
  • 784:

    4件のうち、2件はマチコからだった。
    【おはよう!今起きた。いつ電話くれんの?】
    【電話まだ?】

    仕事が終わったら電話するって言っておいたのにな…、なんて思いながらも、済んだ話なので放っておいた。

    2007-03-20 02:39:00
  • 785:

    じきにユウジクンが帰って来て、ご飯を食べて一緒にお風呂に入って、録画していたドラマを見て。

    ユウジクンは寝室に。私は、入院している患者さんに珍しい症状が出て、勉強不足で何もできなかったのが悔しくて、パソコンや医療辞典で調べて、自分のノートにまとめる。
    こうでもして覚えないと、あまりにも頭がついていかない。

    2007-03-20 02:44:00
  • 786:

    パソコンと睨めっこしている時に、側においてある携帯が何度か震えていたけど、一々チェックしている余裕なんてなかった。



    朝、起きると…。またマチコからメールが10件近く届いていた。

    2007-03-20 02:50:00
  • 787:

    書いてくれてありがと 楽しみに読ませてもらってます

    2007-03-20 02:51:00
  • 788:

    内容は、【通り魔に遭った。助けて。】とか、【どうして返事をくれないの?】とか。
    お弁当と朝食作り、自分の用意とユウジクンの送り出しを済ませて、出勤時間までにマチコに電話をかけた。

    朝早いから出てくれないかもしれないけど。

    2007-03-20 03:04:00
  • 789:

    『もしもし☆おはよ!』

    「マッマチコ!!!通り魔…大丈夫??」

    『あ〜、アレ?イケる、イケる。叫んだら逃げて行ったわ』

    2007-03-20 03:07:00
  • 790:

    マチコは、連続で大変な目に遭っていると言うのに、メールでは切羽詰まった感じがするのに。



    電話をすると元気。

    2007-03-20 03:11:00
  • 791:

    「ホンマ?何されたん??怪我は?」

    『何も無し!心配した?』

    「したよ!したに決まってるやん。怪我も何も無いんやったら良かった…」

    2007-03-20 03:15:00
  • 792:

    マチコは、大変な目に遭って【怖かった】【助けて】と言うのに。



    いつも詳しいことは何も言わない。

    2007-03-20 03:17:00
  • 793:




    マチコとの電話を終えて仕事み出る。
    仕事が終わって携帯を見ると、またマチコからのメールが10件近く届いていた。

    2007-03-20 03:20:00
  • 794:

    【金曜家行っていい??】から始まって、
    【車にひかれた。怖かった】
    など。
    私は心配な反面、少しマチコへの疑いをいだき始めた。
    …が、電話をかけてみた。

    2007-03-20 03:24:00
  • 795:

    「マチコ?大丈夫?」

    『うん、平気☆ポンと当たっただけやし。無傷やで。』

    「どこで事故あったん?相手の人と、警察と病院行った??」

    2007-03-20 03:27:00
  • 796:

    『…………え…。家の近くやで。ひき逃げやから、相手わからん…』



    電話をするといつも元気。詳しいことは言わない。

    2007-03-20 03:30:00
  • 797:

    名無しさん

    がんばって(^O^)

    2007-03-20 03:37:00
  • 798:

    マチコの無事を確認して電話を切り、
    【帰ったらユウジクンに相談しよう】と思った。
    私の考えすぎだったら良いんだけど…。

    2007-03-20 03:37:00
  • 799:

    晩ご飯を食べながら、ユウジクンに今までのメールを見せて、電話の事を説明すると
    『ちょっと難しい子やね。もうちょっと様子見てあげたら?』
    と、苦笑いしながら言った。
    確かに、大事にする必要も無い。

    2007-03-20 03:43:00
  • 800:

    「わかった。話聞いてくれてありがとう☆」
    マチコのメールを見せるために、ユウジクンに渡していた私の携帯が鳴った。


    ♪♪♪メール受信:マチコ

    2007-03-20 03:46:00
  • 801:

    二人で顔を見合わせて、メールを開く。
    【最近辛い事ばっかり。死にたいから手首切りました。助けて。】
    慌ててマチコに電話をかけると、意外に元気だったけど心配だから今からマチコの家まで行く事にした。

    マチコはたいしたこと無いからいいと言ったけど、

    2007-03-20 03:49:00
  • 802:

    自分の中の、マチコへの疑いを晴らすため…もあったけど、本当に手首を切ったならちゃんとした手当が必要だと思った。
    救急箱と、財布とキーケースだけを持って、
    「遅かったら先に寝て」
    とユウジクンに伝えて家を出た。

    2007-03-20 03:52:00
  • 803:

    マチコが住んでる実家までは車で15分。
    中学時代に一回お邪魔したきりだったので、曖昧な記憶を辿って迷いながら20分程かけて到着。

    車の中からマチコに電話をかけた。
    『………ありさ…ホンマに来たん…?』

    2007-03-20 06:48:00
  • 804:

    名無しさん

    このはなし大好きです

    2007-03-20 09:10:00
  • 805:

    「来たよ!心配したんやん。救急箱持ってきたから手当てするわ。」
    『や…ちょ…待ってて…』


    更に10分経った頃、玄関の戸が少し開いてマチコが顔を覗かせた。手招きしているので、外に出た。

    2007-03-20 13:53:00
  • 806:

    「マチコ!大丈…」

    『しー…!!!見て?自分で手当てした。包帯も巻いたし消毒も。だから今日は帰って??』

    マチコの右腕には、不器用にも一応包帯が巻かれてあった。

    2007-03-20 16:37:00
  • 807:

    右利きのはずのマチコが右手に包帯を巻いていることとか、傷口を絶対に見せようとしないとか…



    もうわけがわからない。

    2007-03-22 11:02:00
  • 808:

    手首を切った理由を尋ねても、
    『忘れたいからありさも忘れて』
    と言われるばかり。

    2007-03-22 11:10:00
  • 809:



    もしかして、マチコ…

    2007-03-22 11:12:00
  • 810:

    それからも、携帯を開く度受信メールは10件近くあって、そのほとんどが
    【ひったくりに遭った】【駅のホームから突き落とされた】【痴漢された】
    等の私を心配させる内容ばかりだった。

    2007-03-22 20:24:00
  • 811:

    私が心配してるとメールを送ると、段々と、【家に来て慰めてほしい】
    と言うようになった。
    急いでかけつけて詳細を聞いても、【忘れたいから忘れて】と言うばかり。

    夜中に呼び出されたことも何度かあった。

    2007-03-22 20:45:00
  • 812:

    「ごめん、マチコ。明日も仕事あるから今からは行かれへん。明日仕事終わってから行くか…」

    『もういい!!!ありさは私の事どうでもいいんやろ!?もう手首切って死ぬわ!!』
    「ちょ、ま…行くから。まってて…。」

    2007-03-22 22:05:00
  • 813:

    名無しさん

    ???

    2007-03-23 11:29:00
  • 814:

    名無しさん

    楽しみ

    2007-03-23 22:25:00
  • 815:

    名無しさん

    主がんばっ?応援してるッチャ??

    2007-03-24 01:33:00
  • 816:

    名無しさん

    めっちゃおもしろい!頑張って

    2007-03-24 10:27:00
  • 817:

    カキコミありがとうございますm(__)m
    ●ありさ●

    2007-03-24 12:33:00
  • 818:

    名無しさん

    続き早く読みたい?

    2007-03-25 01:32:00
  • 819:

    「マチコ…。大丈夫??」

    『うん!私ありさに会ったら治るねん☆ありさってやっぱ看護婦さんやからすごいな』

    傷口を見せてくれない患者さんなんていないよ。マチコは、私に構ってほしい…だけ…??

    2007-03-27 09:07:00
  • 820:

    名無しさん

    続き楽しみ?

    2007-03-28 03:02:00
  • 821:

    主サンがsageてんのに読んでるヒトが上げるんどぉかと思われооо

    2007-03-28 10:08:00
  • 822:

    名無しさん

    あげたい

    2007-03-29 17:15:00
  • 823:

    名無しさん

    続きはやくよみたい?めっちゃ気になる

    2007-03-29 18:01:00
  • 824:

    書き込みありがとうございます☆めっちゃ嬉しいですm(__)m
    ●ありさ●

    2007-03-30 06:35:00
  • 825:

    『ありさ、今うちの前に変な人おる。怖いから見に来て?』
    『頭痛い。診察しに来て。』
    『また手首切った。』
    『寂しい…来て。』

    2007-03-30 06:43:00
  • 826:

    マチコには、私の生活なんててどうでもいいみたい。

    仕事が終わって、朝起きて…携帯を開く前は毎回【マチコからの呼び出しメール】がないか、不安で動悸さえするようになった。

    2007-03-30 06:47:00
  • 827:

    夜中の呼び出しは隔日である。
    朝起きてメールが10件近く届いていて、
    『来て』から始まって『何で無視すんの??』
    『ありさに見捨てられたし死ぬわ』
    『今回は本気やから』

    2007-03-30 07:02:00
  • 828:





    毎日メール。リスカ。動悸。仕事。会いに来て。

    2007-03-30 07:09:00
  • 829:

    名無しさん

    めっちゃ続き気になります☆更新楽しみにしてます!

    2007-03-30 10:45:00
  • 830:

    メールの項目に
    sage
    といれな 更新されないんちゃうかな?

    2007-03-30 11:56:00
  • 831:

    読んで下さってありがとうございますm(__)m
    sageの事?ツイてですが、私が勝手にsageてるだけなので、sageがない書き込みがあるから更新しないと言う訳ではありません。
    お気遣いありがとうございます。
    なかなか更新できなくて、拙いめちゃくちゃな文章で、小説と呼ぶには程遠い物ですが、読んでくださってる方、コメント下さる方には本当に感謝しています。
    ●ありさ●

    2007-03-30 18:24:00
  • 832:

    >>852
    マチコが遭っている、災難な出来事のほとんどが嘘だってことに気付いたのはいつの頃やったかな。

    この事を蘭に言ったら、
    『あーちゃんは人の事簡単に信じすぎ!』
    って怒る…かな。今はそれすらできないけど。

    2007-03-30 18:36:00
  • 833:

    ●略●
    って怒られる…かな。今はそれすらできないけど。

    2007-03-30 18:39:00
  • 834:

    蘭のことが気になりつつも、今はマチコの事で頭がいっぱい。



    多分マチコは、

    2007-04-02 01:37:00
  • 835:



    虚言癖、がある…

    と思う。

    2007-04-04 22:16:00
  • 836:

    誰かにそう言われた訳じゃない。そんな大層な物じゃないかもしれない。

    だけど、多分マチコは寂しさを埋める為に。私の気を引く為に。

    嘘をつく。

    2007-04-04 22:20:00
  • 837:

    夜中に、マチコからの呼び出しがないか気になって眠れない。ストレスでの嘔吐。


    耐え兼ねてユウジクンに相談した。
    『…うん。そこまで大変なことになってたんや。』

    2007-04-04 22:32:00
  • 838:

    いつも楽しく読ませていただいてます??
    また更新してくださいね?ずっと見てます???

    2007-04-05 23:35:00
  • 839:

    ホンマに嬉しいですm(__)mありがとうございます☆

    2007-04-08 00:02:00
  • 840:

    『本に書いてた事やねんけど…』



    「うん…。ホンマ??わかった。やってみる。」

    2007-04-08 00:10:00
  • 841:

    私は、マチコから困ったメールがくると…決まってこう返信する。



    2007-04-08 00:19:00
  • 842:

    一足遅れた自分のファッションが、一人ぼっちが、とてつもなく嫌になり下を向いて歩いた。
    服やアクセ等を買おうかな…
    なんてミナミに出たけれど、日がおちるに連れて、昼よりも華やかになるこの街にいるのが寂しくなって、何も買わずに駅に向かった。

    2007-04-08 00:52:00
  • 843:

    駅の券売機で切符を買おうと財布を取り出すと、ありさと再会した日の事を思い出した。



    寂しい寂しい寂しい…。

    2007-04-08 01:05:00
  • 844:

    『ありさ、財布落としてミナミから帰られへん。助けて…??』
    いつもの様に嘘のメールを送った。
    いつもの様に電話がかかってくる。
    いつもの様に出ない。
    いつもの様にメールが来る。

    2007-04-08 01:21:00
  • 845:

    【大丈夫??取り敢えず今からミナミ向かうから、どっかおって☆んで、電話できる様になったらかけて下さい。】
    このメールを見ると、いつも安心する。
    私は一人じゃない、こんな私でも心配してすぐに駆け付けてくれる人がいる…と思うと…安心する。安心して…

    2007-04-08 01:33:00
  • 846:

    安心して、安心して…



    どうでも良くなった私は、一度直した財布を再び鞄から取り出して切符を買い、発車しそうな各駅停車に乗り込んだ。

    2007-04-08 01:42:00
  • 847:

    30●蘭、23歳。
    車の窓越しに見える景色は、太陽の光が当たってキラキラ光る海と通り過ぎてもずっとずっと連なる、緑いっぱいの山。


    近くで山を見るなんて、地元の以来だな…なんて思い出に浸ってみたり。

    2007-04-08 02:29:00
  • 848:

    えり

    楽しみに読んでマス?続き待ってます??

    2007-04-09 02:53:00
  • 849:

    名無しさん

    しおり?

    2007-04-09 03:24:00
  • 850:

    蘭とジュリは窓を開けて風を車内に取り入れた。

    『バリ気持ち良い!!!!』

    片側一車線の、海沿いの道。視界には他の車は無し。開けた窓から顔を出して蘭が言った。

    2007-04-11 06:26:00
  • 851:

    ジュリは煙草に火を付けながら、クスっと笑って蘭に聞く。
    「蘭の地元ってどんなん?都会??」
    『…田舎。山しかないよ。海は見えへん…。』

    「ん。そーなんや。」

    2007-04-11 07:00:00
  • 852:

    もう何年も帰っていない地元を思い出すと、何だか切なくなる。

    【帰れないんじゃない。帰らないだけ。】

    だと思っていたけど実際は逆だった。

    2007-04-11 23:34:00
  • 853:




    今の蘭を見たらお母さんは何て思うかな。風俗、借金、ドラッグ…。
    捜索願いなんかも出してたりして。

    2007-04-11 23:35:00
  • 854:

    書いてほしいな?

    2007-04-16 12:08:00
  • 855:

    名無しさん

    頑張って??

    2007-04-17 06:52:00
  • 856:

    色々思い出して考えて、下を向いて黙りこくった私の顔を覗き込んでジュリは言った。
    「…蘭は実家全然帰ってへんねやんな…。思い出させてごめん」
    『うん。………って前、前見て!!!!』

    2007-04-17 15:20:00
  • 857:

    『はは…ジュリ、大丈夫??』
    「うん…痛い…。蘭は大丈夫?」
    『うん。平気☆もお、気をつけてよ?』
    「ごめん、ごめん」
    車は、ガードレールの少し手前で止まっていた。もう少しブレーキを踏むのが遅かったら…と考えて、二人で青ざめた。

    2007-04-17 16:01:00
  • 858:

    「これからは、スピード気をつけます☆」
    と、ジュリは漫画乗った様に舌を出して笑った。

    ジュリといたら本当に楽チン。明るくて、オシャレで、蘭とは全く正反対。
    【自分に無いものを求める】とはこの事だと思った…。

    2007-04-17 16:31:00
  • 859:

    『海って好きやわ☆たまにしか見られへんしな…。小学生以来かも!!』

    「マジ!?ジュリの実家の窓から海見えるで。」

    こんなに同性の人間に心を許したのなんて、あーちゃんとナツミに続いて三人くらいかな…

    2007-04-17 20:45:00
  • 860:




    「着いたで。」
    山と海に挟まれた小さな、静かな住宅街で車は停まった。

    2007-04-17 21:48:00
  • 861:

    車を降りて後部座席のドアを開けて化粧ポーチやら着替えやらが入った、ショップのロゴが印刷された小さな紙袋を取り出すと同時ぐらいに、
    車を停めた前の家の玄関の戸が開いた。

    「ジュリちゃん!お帰り」

    2007-04-17 22:15:00
  • 862:

    ドアから、可愛いらしいおばさんが顔をのぞかせてそう言った。
    『?…ジュリ??誰??』「何言ってんのよ、ジュリのママやん。
    ママー!!ただいまー☆」

    えー!!!!!

    2007-04-17 23:07:00
  • 863:

    ジュリが、ママだと言った女性は20歳のジュリの母親に、到底見えないくらい若々しかった。
    「ママ、この子が蘭。バイトのパチンコ屋で一緒やねん。」


    ジュリに紹介され、一応頑張って笑顔を作り軽く会釈をして家に上がり込み、取り敢えず荷物を置く為に、二階にあるジュリの部屋に上がった。

    2007-04-17 23:13:00
  • 864:

    家着に着替えた蘭とジュリは、キッチンでジュリのママの作ったカレーを食べた。
    久しぶりの手料理はとてもおいしく感じた。
    終電で、ジュリの妹のミホちゃんが帰って来て、四人で缶ビールを飲みながら話して、お腹が痛くなるくらい笑った。

    2007-04-18 00:03:00
  • 865:




    『あ〜楽しかった。こんなに笑ったん久しぶりやぁ…☆ジュリの家族いいなぁ!』
    夜中の2時にはようやくジュリの部屋にひきあげ、並んで敷かれた布団にもぐり、次は二人で話し出した。

    2007-04-18 13:33:00
  • 866:

    名無しさん

    しおり

    2007-04-21 04:51:00
  • 867:

    名無しさん

    いつも楽しみに見てます??

    2007-04-21 14:48:00
  • 868:

    「ホンマー??楽しんでもらえて良かったわ。
    …あのさ、蘭のこといきなり【パチンコ屋の同僚】って言うてごめんな…。話も合わせてくれてありがとう。
    ママには風俗してるなんて言われへんでさ…」

    『うん、いいよ。蘭も親に風俗してること言われへんもん』

    2007-04-22 22:09:00
  • 869:

    「ここにな…実家に帰って来ると、風俗してるんが嫌になるねん。
    何も知らんママとミホはジュリにいつでも優しいし…」


    なんとなく、わかる気がした。

    2007-04-24 18:57:00
  • 870:

    母子家庭で、女三人で助け合って生きてきた事…。
    ジュリが風俗をしてるのは、毎月ママに10万送金するため。

    そう言えばジュリはあまり派手に遊ぶことはなかった。
    「ごめんな、辛気臭い話…」

    2007-04-24 19:03:00
  • 871:

    『ううん、いいよ。なんかいいな…仲良くて。』
    「そかな…。次は蘭の話してよ☆」


    『…えと…。』

    2007-04-24 19:04:00
  • 872:

    蘭は中学の時に家出癖がついた話から、今までの彼氏に裏切られて来た話、親友だったあーちゃんの話をした。
    リョウとナツミの話をした時にはジュリは一緒に涙を流してくれた。

    『なかなか波瀾万丈な人生ですわ!!ハハ…』
    「蘭はさ、いつ風俗あがんの??ジュリはあと三ヶ月ぐらいで目標金額たまるから辞めてココに帰って来るねん☆」

    2007-04-24 19:09:00
  • 873:

    『目標金額っていくら?』

    「えっとな、500☆」

    !?ジュリは今の店が風俗初体験だと言って入店してきてまだ一年くらい。蘭はもう何年も風俗で働いてるのに貯金はなかった…。

    2007-04-24 19:12:00
  • 874:

    『…へ…へぇ。すごいな』

    「頑張った!でも蘭は彼氏いてるやん☆彼氏…レイクンやっけ??…に永久就職しちゃえばいいねん」

    無邪気な笑顔を見せるジュリがとても素敵に感じた。

    2007-04-24 19:15:00
  • 875:

    この一年、彼氏も作らずにコツコツ貯金をして、家族に送金までして…明るくて、かわいいジュリは店の従業員とも仲良くて、女の子達からも人気者だった。

    蘭は…
    寂しくてホストクラブに通い、そこで出会ったお気に入りをやっとの事で口説き、最近付き合い出したばかりだった。

    2007-04-24 19:25:00
  • 876:

    ♪♪♪着信:レイ♪♪♪


    「お、その着信音レイクン専用やろ??ラブラブでいいなぁ☆」
    『ハハ…うん。
    もーし?うん、うん…。和歌山やって☆ジュリとジュリの家族としゃべってな…。うん。仕事頑張って☆うん。じゃあね』

    2007-04-24 22:00:00
  • 877:

    ●略●
    もーし?うん、うん…。和歌山やって☆ジュリとジュリの家族としゃべってな…。うん。仕事頑張って☆うん。じゃあね』

    2007-04-24 22:10:00
  • 878:

    「レイクン何て??」
    ニコニコしながらジュリが聞く。
    『今どこ??って。ジュリの家行くって言ったん忘れてたみたい☆』
    「アハハー!何かぬけててかわいいなぁ」
    笑い転げてるジュリもかわいいな…と思った。

    2007-04-24 22:45:00
  • 879:




    知らない間に眠ってしまった。

    2007-04-26 04:32:00
  • 880:

    名無しさん

    主さんそろそろ新スレたてたほうがいいんじゃない?

    2007-04-27 16:28:00
  • 881:

    名無しさん

    かいてください

    2007-05-03 21:52:00
  • 882:

    更新待ってます(>д

    2007-05-08 08:09:00
  • 883:

    ありがとうございますm(__)m
    ●ありさ●

    2007-05-15 02:28:00
  • 884:

    朝6時頃、ジュリとミホちゃんにたたき起こされて、台所に用意されてあったおにぎりを食べて、
    下着代わりに水着を服の下に着て家を飛び出した。


    『ジュリのママは?』

    2007-05-15 02:32:00
  • 885:

    「とっくに仕事行ったよ」

    そう言ってジュリは車を急発信させた。
    向かうは、海。
    海水浴場から少し離れたり少し岩が多いけれども、地元の人しかいない穴場。

    2007-05-15 02:35:00
  • 886:

    ジュリのウチから5分程車を走らせたところに、それはあった。
    ジュリの運転の5分は、普通の人の10分かな…。
    道路だか海岸だかよくわか
    らない所に無造作に車を停め、ジュリとミホちゃんは走り出す。

    2007-05-15 02:39:00
  • 887:

    『ちょ、車…いいの??』

    出遅れた蘭が車からおりて、ドアをバタンと閉める音がすると、ジュリは海岸へ走りながらコチラを見ずに遠隔操作で車にロックをかけた。
    蘭も、視界一面に広がる海を見て何だか走り出さずにはいられなくなった。

    2007-05-15 02:43:00
  • 888:

    ミホちゃんが敷いた、小さいレジャーシートの上に荷物を置き、着て来た服を放り投げて二人は海に飛び込んだ。

    蘭も遅れながら、二人に着いて行こうと頑張った。
    泳げない蘭は、浮輪に捕まりながらまだ水温が低いままの海に入ろうとしたけど、あまりの冷たさに断念しレジャーシートの隣で浮輪の上に寝転んで一眠りすることにした。

    2007-05-15 02:49:00
  • 889:





    ジュリの実家から、大阪の店の寮に帰り海での事を思い出す…

    2007-05-15 06:44:00
  • 890:

    だけど、上手く思い出せない。

    お金のためと言えど、最近では嫌悪感しか感じなくなってしまった風俗の仕事…毎日出勤を強要する店のスタッフ。

    ジュリとのプチ旅行が楽しすぎて、現実とのギャップが激しすぎて…

    2007-05-15 06:55:00
  • 891:

    まるで夢をみているようだった



    …。

    2007-05-15 06:57:00
  • 892:

    ありさ◆JI45vn0rlc

    読んで下さってる方、いつもありがとうございます☆

    本当に自己満足で、どうしようもない駄文ですが続きを書きたいので新しいスレをたてさせて頂きます。
    鯖に負担かけさせて申し訳ありませんm(__)mこれからもよろしくおねがいします。
    ●ありさ●

    2007-05-15 07:07:00
  • 893:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    ↑トリップおかしくなっちゃいましたm(__)mありさです。

    新しいスレたてたらURL貼りに来ますm(__)m
    ●ありさ●

    2007-05-15 07:27:00
  • 894:

    名無しさん

    あげり?

    2007-05-16 02:08:00
  • 895:

    名無しさん

    もぅかいてくれないの?

    2007-06-08 16:04:00
  • 896:

    ありさ◆Ki5XSvxrmU

    見やすい様にあげますm(__)m

    2007-06-20 03:41:00
  • 897:

    名無しさん

    めッッちゃおもしろい???

    2007-06-20 13:21:00
  • 898:

    名無しさん

    あげる?

    2008-09-23 02:21:00
  • 899:

    あげとこか

    2010-05-19 01:25:00
  • 900:

    名無しさん

    憧れ?

    2011-11-14 00:26:00
  • 901:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
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