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『親愛なる...』
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1:
◆2wikGtRuQw
あなたは、私の事を覚えていますか?
あなたは、私の事をほんの一瞬でも思い出してはくれていますか?
―昔の様に、今でも純粋に“彼”の事を愛してはいますか?
―私は変わらずあなたを忘れられないままです―――。2006-10-24 13:05:00 -
11:
◆2wikGtRuQw
『てか彩菜〜☆おまえ、永愛の事見すぎ〜!』そう笑いながら茶化す悠斗の声にハッと我に返り、「えっ!?」とキョドるあたしの顔は、自分でも分かるぐらい熱くて、きっと真っ赤だったと思う…―。
『ハハハ』と笑う永愛。
――永愛君の笑顔を見ると、なぜか私の心はどこか寂しかったよ―。2006-10-24 16:55:00 -
12:
◆2wikGtRuQw
「うん…でもめっちゃかっこいい。今まで見た人の中で永愛君が一番かっこいい。」
気付くとあたしは、クソ真面目な顔でそんな言葉をポロッとこぼしていたんだ。
雪菜と悠斗が冷やかしながら笑っている中、永愛君はあたしに向かって優しく『ありがとう』って微笑んでくれたんだ―。2006-10-24 18:46:00 -
13:
◆2wikGtRuQw
ねぇ永愛君―
『あの時、えっらい素直な子やなー思ったわ。おまえの「今まで見た人の中で永愛君が一番かっこいい」って言葉、今でも覚えてるもん』―
―いつもそう話してくれてたよね。…でもね、本当にそう思ったんだ。自分でも不思議なくらい、そんな言葉が自然と口からこぼれてたんだ――。2006-10-24 18:52:00 -
14:
◆2wikGtRuQw
今思い出しても、あの時の空気は本当に不思議な感じだった。不思議なくらい、私は永愛に釘付けだった―。
『てか店おいでや♪なぁ永愛?』楽しそうに話す悠斗。
『おう、おいでや♪』どこか複雑そうな永愛。
今でもこの時の永愛君の複雑そうな表情の意味は分からないままだよ―。2006-10-24 19:01:00 -
15:
◆2wikGtRuQw
『どうする彩菜?』と問いかける、ちょっと行きたそうな春菜に、
「えっ嫌や…怖いってホストとか…」と軽く泣きそうな困った表情の私。
『えっ怖い!?初回やし500円しか払わんでいいし大丈夫やで!?』―焦る悠斗。
そんな私達のやり取りに、永愛は言った。2006-10-24 19:09:00 -
16:
◆2wikGtRuQw
『タダでええしおいで?大丈夫やし。』―
―何も言えなかった。
【永愛君が『大丈夫』と言うならきっと大丈夫なんだろう】
私はどこまで素直な女の子やったんかな。疑う事も知らない、信じる事が当たり前だったあの頃…―あの頃の自分は結構好きだったな―。2006-10-24 19:14:00 -
17:
◆2wikGtRuQw
結局店へ行く事になり4人で歩いてると、『鞄持つし貸し?』と永愛が私の鞄を持ってくれた。
専門学校帰りの鞄は相当重くて、『こんなんよく持ってたな』って笑ってくれたっけ。
やたらハイテンションな悠斗と雪菜と、歩きながらもジッと私の方を見てくる永愛。
私は恥ずかしくて笑いながら『えっ?』なんて言いながらごまかしてたね。2006-10-24 21:26:00 -
18:
◆2wikGtRuQw
店の下に着き、ドキドキが増す私。
そんな私に気付いたのか、『大丈夫やで?』とニコッと笑う永愛の顔を見て、私までつられてニコッと笑ってしまった。
エレベーターに乗り、目的の階に降り、ふと顔を上げると[CLUB OASIS]と書いた大きな扉が目に入った。
『ここやで』永愛と悠斗はそう言うと、『いらっしゃいませ〜!!』と大きな扉を開けてくれた―。2006-10-24 21:35:00 -
20:
◆2wikGtRuQw
店内は暗くて、まだオープンして間もないのか、客入りも少なく、席へと案内された私と雪菜はおしぼりを渡され、永愛と悠斗は『ちょっと待っててな』と言い残し奥へと入って行った。
「なぁ雪菜〜、永愛君マジやばいねんけど!!」『モロあんたのタイプやん☆確かに男前やな〜』
そんな会話をしていると、雪菜の隣には悠斗、私の隣には永愛君がドカッと座った。2006-10-24 23:00:00