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僕とご主人

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  • 1:


    ―――――僕は人間なんか大嫌いだった。
    だけど、ご主人。
    ご主人に拾われて僕は幸せだったよ‥‥‥―――" " "06/10/29 18:06

    2008-02-27 21:19:00
  • 2:

    優希◆VqtY.huMHk

    僕は生まれ故郷なんて知らない。
    ただ、育った場所は大きなビルとビルの間だった。毎日兄弟と一緒にゴミを漁り、そのビルの人に追いやられ、逃げる。そんな毎日を繰り返していた。

    2006-10-29 18:28:00
  • 3:

    優希◆VqtY.huMHk

    そんな毎日を送っていたある日。
    数人の人間が僕たちの住家に入って来た。手には黒い物。
    僕たちは何かわからず、睨みつけていると‥‥‥―――パンっ!!パン!!
    その音と同時にお兄ちゃんが倒れた。
    人間達は大口を開けて笑っている。
    「このBB弾けっこう凄いやん!!」「次俺にやらせて!!」
    パンパン!!パン!!!次はお姉ちゃんが‥‥‥僕は慌ててかけより、見ると兄弟は足に怪我をして歩けなくなっている。怒りと恐怖で体が震える―――――『お前は逃げろ』お兄ちゃんが力ない声で僕に言う。

    2006-10-30 15:31:00
  • 4:

    優希◆VqtY.huMHk

    《嫌だ!!》『早く‥』――――僕にはできない‥‥大切な、大好きな兄弟をおいて逃げるなんて―――
    「じゃぁ次はあのちっちゃい猫やな☆」
    その声で体がびくつく。あれが僕に向けられる。『逃げろ!!』
    お兄ちゃんのその声で僕は走った。全速力で。 パンパンっ!!!
    僕が逃げた後、またあの音が聞こえた‥‥‥‥。《お兄ちゃん‥‥お姉ちゃん‥‥》
    涙が出てくる。前が見えないほどに‥‥

    2006-10-31 13:23:00
  • 5:

    優希◆VqtY.huMHk

    どれぐらい走ったかはわからない。顔を上げると知らない街に来ていた。体は疲れはて、足が止まっているのに涙が止まらない。
    ―――僕は兄弟を置いて逃げた‥‥‥‥
    もう何も考えたくなかった。ただ、“裏切った”とゆう事が頭から離れなかった――――

    2006-10-31 13:29:00
  • 6:

    優希◆VqtY.huMHk

    あれから、何日過ぎたんだろう??わからない。僕はただ生きる事に必死だった。
    兄弟の事を忘れたくないけど、忘れたかった‥‥‥

    2006-10-31 13:36:00
  • 7:

    優希◆VqtY.huMHk

    兄弟は多分、僕を恨んでる。置いて逃げた事を…

    2006-10-31 13:40:00
  • 8:

    優希◆VqtY.huMHk

    僕は生きたいのかな‥‥生きたい。
    けど、兄弟の事を考えると生きてはダメな気がしてたまらない。兄弟はきっとあの怪我では生きていく事ができないから…―――誰か助けて‥‥僕はどうしたらいいの??
    街に白い雪がちらついてきた。寒くて寒くて、何かをする力がなくなった。ただじっと体を丸め、人間を見ていた。

    2006-10-31 13:49:00
  • 9:

    優希◆VqtY.huMHk

    じっと人間を見ていると一人の人間がこっちに向かって来る。
    僕は恐怖で体が震え、動けなくなった。あの時の事が浮かんでくる―――「そんな所おったら寒いやろ??」
    えっ??――――その人間はそう言って僕に温かい物をかぶせてくれた。「お腹空いてない??あんたガリガリやんか。」 何でか人間は悲しそうな顔をしている。
    「ちょう待っときや」
    僕の頭を撫で、僕から離れていった。人間に優しくされたのが初めてで、どうすればいいのかわからなかった。

    2006-10-31 14:00:00
  • 10:

    優希◆VqtY.huMHk

    しばらくすると、人間が戻ってきた。手に缶を持っている。その缶を開け僕の前に置いて「食べり」と一言。人間を見るととても優しい笑顔をしていた。その笑顔は何故か安心できて、僕は食べる事にした。一口食べるたびに人間を見るとずっと笑顔で僕を見ている。たまに撫でてくれて、とても心地いい。
    「お腹空いててんなぁ。こんとこおったら寒いやろ??ウチおいで」
    そう言うと僕を抱き上げ温かい体に包んでくれた。―――気持ちいい。いい匂いがする。このまま眠ってしまいそう‥‥

    2006-10-31 14:14:00
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