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林檎と月

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  • 1:

    雪弥

    幻想の世界の物語を書きます。
    ここは下界から遥か上の世界。
    落ちこぼれ悪魔
    ウリエルは今日も下界を眺める。

    2005-06-09 08:42:00
  • 2:

    『人間て奴は何が楽しくて生きてんだろうな?』
    落ちこぼれ悪魔ウリエルが下界を眺めてつぶやいた。

    「はぁーはっはっは」
    『何がおかしい!?』
    ウリエルはガブリエルを睨みつけ言った。

    「いやいや・スマン・・」
    ガブリエルはコホンと咳払いした。

    2005-06-09 08:43:00
  • 3:

    『ん?・・ああ。
    つまんねーよ!裏ギっただの裏ギられただの・・愛だの恋だの騒ぎやがる』

    「・・・。」

    「それは我も理解できんがな・・。」
    『だろ!?』

    2005-06-09 08:45:00
  • 4:

    ウリエルは悪魔の中でもまだ若者で俗に言う
    “落ちこぼれ”だ。
    ガブリエルは天使から悪魔に落ちた堕天使で
    まだ若かったが
    頭が良く経験もウリエルより遥かに上だ。

    2005-06-09 08:46:00
  • 5:

    『なんで生きてんだっ?』「・・・。」
    「皆…そんな世界でも生きたいと必死なのさ・・」
    『?俺には分かんねーよ!』
    「!そうか・・うぬは・・」『??』
    「…っとと」
    『???』
    「いやいや、何でもないさ」『変な奴!帰って寝る!』
    「ははは、またな。」
    ウリエルはあっかんべーをした。

    2005-06-09 08:47:00
  • 6:

    “…そうか…奴は…
    人間だった時の事を覚えてはいないのだな・・”

    ウリエルは親に堕胎され
    彷徨った幼い魂となり
    ガブリエルに拾われ悪魔となった。

    2005-06-09 08:48:00
  • 7:

    ー何故必死に生きる?
    分からねぇよ・・ー

    ウリエルは毎日考えたが
    理解に苦しんだ

    『俺もか・・・』
    ウリエルは【ちっ】
    と舌打ちをした。

    2005-06-09 08:49:00
  • 8:

    ー悪魔だって何の為に存在するのか?ー

    悪魔と言っても人間とあまり変わらないが
    違いがあるとすれば
    【慈愛】
    という感情が欠落しているだけに過ぎない。

    気に入らなければ自由にニンゲンの命を奪ったが
    ウリエルは何故か、その行動に吐き気を覚えた。

    2005-06-09 08:50:00
  • 9:

    何故そんな気持ちになるのかと考えると
    分からずイライラした。

    だから命を奪う事を嫌った。それは
    【慈愛】だったのかもしれないが
    この世界にそんな言葉は存在しない。

    皆は命を奪えない彼を
    “落ちこぼれ”と呼んだ。

    2005-06-09 08:51:00
  • 10:

    夢を見た。
    悪魔でも夢を見るのかと不思議だった。

    真っ暗な海。でも暖かく居心地のいいソレにどんどん沈む夢。

    空き缶のようなボロボロの寝床で目を覚ます。

    ひどくイライラした
    【…ちっ】

    2005-06-09 08:52:00
  • 11:

       《秘め事》

    ガブリエルには秘め事がある。命を奪う事しか出来ないはずの悪魔のウリエルには
    何故か命を再生する力があった。
    ただその力を使うと
    悪魔としての彼は消滅してしまう。
    カブリエルはその力を見抜いていた。
    もちろんそれをウリエルは知らないしガブリエルは告げるはずもない。

    2005-06-09 08:53:00
  • 12:

    昼も夜もない世界
    緑もない。あるのは山肌が削れただけの岩ばかり。

    ただ地獄とは少し違う。
    すぐ上が天界だからだろうか?
    ウリエルは岩の上に座っては
    下界を眺める。
    ー最近の日課だ。ー

    2005-06-09 08:53:00
  • 13:

    「下界を眺める暇があるなら本でも読んだらどうだ?」
    『またオマエかよ、ガブリエル・・。』
    本を片手にガブリエルは隣に座った。

    『だー!!横にくんな!気持ちわりぃ』
    「まぁ、そうわめくなよ・・・それよりニヤニヤしてどうした?何か楽しい事でもあったか?」
    『あぁ、見ろよ…アレ』

    2005-06-09 08:54:00
  • 14:

    見れば下界で小さな男のコが泣いている。

    風船が木にひっかかり取れないでいるのだろう。
    じたばたしている。

    ウリエルは少し考えた後
    『жヱ∽цж』
    と唱えた。
    すると
    風船は子供の手に戻った。

    2005-06-09 08:55:00
  • 15:

    男のコは不思議そうに
    ???
    と首を傾げたが、すぐに
    “きゃっきゃっ”
    と笑って走りまわった。

    『はっはっはっ!ニンゲンてのはおもしれーなぁ』
    「おいおい、あまり悪戯するなよ。バレたら追放だぞ」
    ウリエルはフンッと反省する様子もなく
    『追放なんざクソくらえだね』と言った。

    2005-06-09 08:56:00
  • 16:

    ヤレヤレ・・。
    ガブリエルは呆れた様子で
    本をウリエルに押しつけた。

    『あん!?』
    ガブリエルはニヤニヤしながら言った
    「少しは知能を磨いたらどうだ?」
    【ちっ】
    ウリエルは本を受け取ると
    燃やした。

    2005-06-09 08:57:00
  • 17:

    「あ゛ー!!!」
    『へんっ!バーカバーカ!』

    『あきた!!帰る』

    ガブリエルはヤレヤレと頭を抱えた。

    2005-06-09 08:58:00
  • 18:

    下界を眺めては悪戯の繰り返し。
    そんな生活もそろそろ
    飽きてきた・・。

    いつも通り寝床に帰ると
    《何か》が自分の寝床に横たわっているのが上空から小さく目に入った。

    何かと思い近づいたウリエルはパニックになり発狂した。

    2005-06-09 08:59:00
  • 19:

      《侵入者》

    ー見た目は16、7だろうか。“彼”は何故かウリエルの寝床に居るー
    ウリエルが《ソレ》をじろじろと観察して居ると
    目が開いた。

    『うわぁぁぁぁ!!』
    お互いもうパニックになるしかなかった。

    2005-06-09 09:00:00
  • 20:

    ウリエルは飛び回り
    その辺の物がひっくり返った。
    気が付けば半時たっている。
    “騒ぎすぎだよ”
    《ソレ》は心の中で突っこみを入れた。

    2005-06-09 09:01:00
  • 21:

    ウリエルは何を思ったのか
    棒のような物で
    《ソレ》をつついた。

    「・・や・・やめてよ」
    “!?”
    『うわぁぁぁ!しゃべったよぉぉ!』
    ウリエルの頭は真っ白になった。
    “・・はっ!”
    と我にかえり聞いた。

    2005-06-09 09:01:00
  • 22:

    『何故ここにいる?』
    「・・・」
    『何故ここに居るんだぁー!!』

    「ワカラナイ・・」
    《ソレ》は一言そう言うと黙ってしまった。

    【ちっ】
    『これでも食っとけ』
    ウリエルは林檎を投げた。

    2005-06-09 09:02:00
  • 23:

    「あ…ありがとう…」

    ウリエルはフンっと言うと
    真っ黒な翼を広げどこかに飛んでいった。

    “あっ・・、”

    ー翼・・片方折れてるー

    2005-06-09 09:03:00
  • 24:

    『テメェの部屋は相変わらず悪趣味だな』

    多くの本を見てウリエルが言った。
    ガブリエルの部屋にはざっと億程の数の本がならんでいる
    「お前には理解できんさ」

    フンっとウリエルは何気なく
    一冊の本を手にとった。

    2005-06-09 09:04:00
  • 25:

    本には
    ー人間ー
    と書かれてあった。
    パラパラとページをめくる。
    『なぁ、何で俺はこの世界にきたんだ?』
    「・・・」
    ガブリエルは言葉につまった。
    『生きてんだか死んでんだかなぁ・・。』

    2005-06-09 09:05:00
  • 26:

    「問うて何になる?」

    『ん、ああ…関係ないが、俺の寝床にな・・・』

    「???」
    カブリエルはまさか、と顔を上げた。

    『アレは多分ニンゲンって奴だな・・。うん』
    あっけらか〜んと
    ウリエルは言った。

    2005-06-09 09:06:00
  • 27:

    「オマエ、生身のニンゲンがこの世界に来る訳がないだろう!馬鹿か!!」
    さすがのカブリエルも取り乱した。

    『あぁ゛本当なんだから仕方ねぇだろぉが!馬鹿はテメェだよ
    ばーか!ばーか!!

    2005-06-09 09:07:00
  • 28:

    その後も
    馬鹿だのカスだの言い合いは続いた。
    “まるで子供ではないか”とガブリエルは冷静をとりもどした。
    「・・・まぁ、もしその話が真実ならば、不味いな…」
    『…何でだ?』
    「生身ではなかったとして、魂だけだとしても
    48時間経てば消滅するぞ」
    『マジかよ!!』
    「…ここはそういう世界だ。」

    2005-06-09 09:07:00
  • 29:

    「どれ位の時が経った?」
    『んー…っと、ついさっきだな』
    「そうか…。よし!オマエに任せよう!!」
    『んん。・・あぁ゛!?』
    「社会勉強さ。」
    『・・・・』
    ウリエル無言でガブリエルの頬を両手で力一杯つねって引っ張った。

    「いでででで!!!」

    2005-06-09 09:08:00
  • 30:

    『もう一回言ってみやがれ!!』
    「ほへがほふへひはへへふはひは!」
    『????』
    ウリエルは意味がワカラナイので手を離した。

    「いちち・・・」
    ガブリエルは相当痛かったらしく頬をさすりながら言った。
    「我が本で調べる間、オマエはそいつの面倒を見るんだ!」

    2005-06-09 09:09:00
  • 31:

    『・・・くそっ!!』

    ウリエルは翼を広げた。

    「ウリエル!!」
    『何だよ!!』
    「絶対に口外するなよ!」
    『分かってるわ!!ハゲっ!』
    「なっ・・・!?
    ハゲとらんわー!!!」

    2005-06-09 09:10:00
  • 32:

    ーさて、どうするかなー

    寝床に戻ると《ソレ》はまだ居た。
    “最初が肝心”
    とウリエルは仁王立ちで
    『おいっ!』
    と言ってみた。

    米粒ほど遠くから…?。

    2005-06-09 09:11:00
  • 33:

    「あっ!さっきはありがとう!!」
    『ん…あぁ』
    ウリエルは頬をポリポリかいた。

    2005-06-09 09:12:00
  • 34:

    “なぁんか調子くるうなぁ・・・”
    『えー…と…オマエは今から…ミカエル!
    うん!ミカエルがいいや。俺様ってばセンスあるなー』

    「ミカ・・エル??」
    『名前だよ!名前!!』
    「ボクの…」
    『当たり前だろ!』

    「…やったぁ!!」

    2005-06-09 09:13:00
  • 35:

    『そんな嬉しいか?』
    「うんっ!!」
    『オマエ…俺が恐くないのか?』

    ミカエルは【んーっ】と背伸びをした。
    「え…?どうして?優しいよ…。」
    『・・・。オマエ変な奴だな…』
    ミカエルは「へへっ。そう?」
    と笑った。

    2005-06-09 09:14:00
  • 36:

       《りんご》

    ぎゅるるる・・・

    ウリエルはビクっとしキョドッた。
    『なな…何の音だ…?』

    「お腹すいた…」

    “何だよ。腹の音か、

    2005-06-09 09:15:00
  • 37:

    “コイツ魂のくせにどぉいう神経してんだ?”

    『…コレ…やる!!』
    ウリエルは照れ臭そうに
    【んっ!!】っと林檎を押しつけた。
    「あっ!リンゴだ!!」

    “??何語?”
    ハテナが宙を舞った。
    『リンゴじゃねーよ!コレは《赤い実》ってんだ!知ったかしてんじゃねーぞ!』

    2005-06-09 09:16:00
  • 38:

    「リンゴだよ!!!」
    『あら・・・そう?』

    ウリエルはミカエルの迫力に圧倒された。
    “どっちでもいいじゃん?”というツッコミが空耳で聞こえた気がした。

    2005-06-09 09:19:00
  • 39:

    〔ありゃっ☆可愛い坊やがいりゅっ☆〕
    どこからか声がして、ミカエルがキョロキョロしていると、
    ぴょこっと可愛いコの顔がいきなり目の前にあった。「うわぁぁぁあ!」
    ミカエルは内心チビりそうになった?
    『なな…何だよ!?』
    ウリエルは呑気にウトウトして居た。ー悪魔って奴は瞬間移動まで出来るのか?ー

    2005-06-09 09:20:00
  • 40:

    『何だ、リリスかよ!』
    「リリス…?」
    『リリス!ソイツに寄るな!誘惑すんじゃねーぞ!!』
    〔あんっ☆ウリエルのいぢわる〜☆〕
    ミカエルはリリスの甘い声と仕草に何故かドキドキした。
    『だぁー!!気色わりぃ!よるな!』
    ウリエルは日常茶飯事なのだろうか、あしらうのに慣れている。

    2005-06-09 09:21:00
  • 41:

    〔頭きた!!!もぉいいわよっ!馬鹿っ!!〕
    リリスは怒ってパタパタと飛んで行った。
    『何怒ってんだ?アイツ』
    「ウリエルって女心が分かってないんだね」
    ミカエルはくすくす笑った。

    2005-06-09 09:22:00
  • 42:

    『・・・?』
    「???」

    ウリエルは無言でミカエルの頬を両手で思いっきり引っ張った。
    「・・ごめんなはい・・」

    ゥリエルの知能はきっと
    小学生レベルなのだろう。

    2005-06-09 09:23:00
  • 43:

    『アイツ、誘惑系の悪魔なんだよ…。』
    …なる程。どうりでクラクラした訳だ。
    それにしても、ほっぺが痛い・・・。
    「ウリエルは?死神なの??」
    『えっ、あー…俺?…俺はー…違うさ』
    ウリエルは下を向いて石ころを蹴飛ばした。
    「…どうしたの?」

    2005-06-09 09:23:00
  • 44:

    『…命を奪えない奴は死神にはなれないのさ…』
    「…ウリエルは…さ、
    死神になりたい?」
    『・・・。』
    ウリエルは【あー!クソッ】
    と頭をガリガリかいた

    『…わかんねぇよ!!』

    2005-06-09 09:24:00
  • 45:

    「ボクの命を奪えばいいよ。」
    “・・・はい?”
    ミカエルはニコニコしている。
    「ボクはウリエルになら命を奪われてもいいやっ☆」

    『…何だよっ!キモっ!!キモいぞオマエ!』
    “俺も何ベラベラしゃべってんだ!?気持ち悪りっ”

    2005-06-09 09:25:00
  • 46:

    『なぁ、一応聞くが…オマエ…そっちの気は…ないよな!?』
    「ないよっ!」
    ウリエルが言葉を言いおわる前にケロっと答えた。
    『…だよなぁ!!ははは!わりぃわりぃ』
    ミカエルの肩をポンッと叩いた。「でもウリエルが好きなんだ。コレって恋かも…」
    “!!?”
    ウリエルは一瞬ズザッと50?程距離を取った。
    「冗談だよ?」

    2005-06-09 09:26:00
  • 47:

    “コイツ完全にナメてやがる…?”

    ウリエルは“自分と同じ匂いがする”と思った。

    ガブリエルの苦労が少し分かった気がする…。
    少し哀れになり、心の中でガブリエルに軽く謝ってみた。

    2005-06-09 09:27:00
  • 48:

    ーその頃ー

    「ぶぇっくしょんっ!!」
    カブリエルはくしゃみをしていた。
    “うぅーむ…。何故ニンゲンの魂がこの世界へ…?
    そういえば…
    ウリエルもそうだったな。”

    「!!!!」
    “・・・と言う事は”

    2005-06-09 09:28:00
  • 49:

    ガブリエルはペラペラとページをめくった。

    「ねぇ!リンゴはどこかに木があるの?」
    『木…?…リンゴってのは木になる物なのか?』
    「…?そうだよ。
    木になってるんじゃ無いの?
    じゃあウリエルはどこからリンゴを採ってくるのさ?」

    2005-06-09 09:29:00
  • 50:

    『まぁ見てろ…』

    すると、ポンッとウリエルの手の平にリンゴが出てきた。「うわぁ!すごいっ!手品みたいだねー」
    ウリエルは【フフン】と自慢げに笑った。
    「何でも出せるの?」
    『…まぁな。頭の中に描ける物ならだけどな。』
    「すごいや!!」
    『一応、悪魔だからな』

    2005-06-09 09:30:00
  • 51:

    「えっ!でもウリエルは馬鹿なのにどぉして頭に描けるの??」
    目をキラキラさせてミカエルは聞いた。
    『・・なっ!俺様は馬鹿じゃねーぞ!!』
    「バカだよ。ねぇねぇ何で〜?」
    笑顔が眩しい?
    “ぅぐっ…、コイツ…天然かよ!?”

    2005-06-09 09:31:00
  • 52:

    『ちょっと位は知識持たねーとガブリエルがうるせーからな…』
    ウリエルは頬をポリポリかいた。どうやら照れると出る癖らしい。
    「ガブリエル??」
    『んん、まぁー…なんつぅか…、親父みたいなもんだな…うん!!』
    「ずっと一緒なの?」
    『あ?おぉ拾われたからなっ』

    2005-06-09 09:32:00
  • 53:

    「ずっと一緒かぁ…」
    寝床に腰かけたミカエルは
    淋しそうに足をバタバタした。
    『ニンゲン界は…嫌か?』
    ミカエルは【はっ】っとウリエルを見上げた。
    「・・・。」
    何か言いたそうにして居るが言葉が出ないのだろう。泣きそうに見えた。

    2005-06-09 09:32:00
  • 54:

    ウリエルはミカエルの頭を
    【ぽんぽんっ】とした。
    『まぁ、なんだ…アレだよ…』
    「???」
    『逃げる事も必要だ…』
    ウリエルは頬をポリポリかいた。ミカエルはそんなウリエルの姿がおかしくて、笑ってしまった。
    ー少し救われた気がした。ー

    2005-06-09 09:33:00
  • 55:

    ーその頃ガブリエルは・・ー
    真剣に調べてるかと思いきや…。“うぅむ、ストレスか…なる程…”

    髪の毛のページに釘づけだ?
    「ふむふむ…。ふーん…あ、なる程ねー」
    その姿にはもはや威厳などなかった?
    バカ決定戦だ。
    ー類は友をよぶのかもしれない…ー

    2005-06-09 09:34:00
  • 56:

      《心の変化》

    『なぁ!何でリンゴのタネなんか大事に持ってんだ?』
    「…あ、コレ?埋めたら芽出るかなぁって思って」
    ミカエルは無邪気に言った。
    “・・・・。”
    『あ、あぁ…かもな…』
    ウリエルはとっさに嘘を付いた。ミカエルがあまりにも純粋だったから。

    2005-06-09 09:35:00
  • 57:

    “知らない方がいい事もある…。”
    ウリエルはそう思った。

    ミカエルは知らない方がいい。傷付くだろうから…。

    ーこの世界で生命の誕生などありえないー
    それが例え植物であってもだ・・・。

    2005-06-09 09:36:00
  • 58:

    全てが作られた世界。
    今、呼吸をしている事さえ幻想なのかもしれない。

    ふとそんな事を思った。

    ミカエルとの出会いにより
    ウリエルの運命が変わり始めていた。
    ーもしも自分が悪魔でなければ、どう生きただろうか?ー

    2005-06-09 09:37:00
  • 59:

      《出会い》

    どこからか声がする…。
    弱々しく今にも消え入りそうな声。
    探してみる
    『ふぎゃあ…ふぎゃあ』
    針葉樹の根元に青白い光があった。
    “何故こんな幼い魂が…?”
    そっと抱き上げる。
    ーニンゲンの魂がこの世界に迷い込むなんて、前例がないー

    2005-06-09 09:38:00
  • 60:

    “他の悪魔に見つかっては厄介だ”

    連れて帰る事にした。
    彼の名はガブリエル。
    昔、天使だった彼は大切な主人を守る為
    やむおえず人を殺めた。

    堕天使への降格は
    この世界という《檻》へと導いた。

    2005-06-09 09:39:00
  • 61:

    青白い光は
    ガブリエルの手によって形となり【ウリエル】と名付けられた。
    ウリエルは泣きもせず笑いもしない。むしろ
    【ぶすっ】としていた。
    “ヤバい…見事な膨れっ面だ…悪魔の素質がありそうな程見事にフテこい!!”
    ー親バカ本領発揮の瞬間だったー

    2005-06-09 09:40:00
  • 62:

    しかし、悪魔とは言え子供なのに喜怒哀楽がないのは不気味だ。
    笑わそうと努力したが手強かった。
    ある日ハンマーでウリエルに脳天をカチ割られた。
    「いっっ☆でぇぇえ!!」
    激痛で跳ね回るガブリエルを見てウリエルが初めて
    『きゃっ☆きゃっ☆』
    と笑った。 ーこのチビ本当に悪魔じゃん?ー

    2005-06-09 09:41:00
  • 63:

    それからウリエルはすくすくと育った。
    命を奪えない事で
    【落ちこぼれ】のレッテルを貼られた事は残念だが
    バカな子程可愛い…。

    ガブリエルは【髪の毛】のページを握りしめ
    思い出に浸っていた。

    ー…調べる気はあるのだろうか…??ー

    2005-06-09 09:42:00
  • 64:

    “ヤバい…、これでは片付け中に本を発見して読みふける図ではないか…”
    「ふぅ・・」
    ーどうやら疲れたらしい?ー
    ウリエルはうまくやっているのだろうか…?
    ニンゲンと接する事で少しでも成長してくれれば良いのだが・・・。

    2005-06-09 09:43:00
  • 65:

    ミカエルは安心したのか眠ってしまった。
    ニンゲンとは不思議な気持ちにさせる生き物だ…。

    リンゴの種を触ってみる。“芽が出たらいいなぁ”
    と自然と思った。
    そして不思議な感覚にイライラしなくなって居た。
    何故か心地良かった。
    ウリエルは実感が無かったが少しづつ変化を遂げていた。

    2005-06-09 09:44:00
  • 66:

    ウリエルが外に出ようと振り向くと
    リリスの顔が目の前にあった。
    『・・・?』

    〔ふふっ☆ウリエルたん男前な顔して何、考えてりゅの☆!?〕
    『…お前…こりねぇーなぁ!リリス…』
    ミカエルを起こさないように外に出た。

    2005-06-09 09:45:00
  • 67:

    〔あんっ☆冷たいなぁっ☆リリスの気持ち分かってるくせにっ!!〕
    下を向いたリリスは
    頬を膨らませ【ぷいっ】と横を向いた。
    『…あー…わ、悪かったよ…』
    気が付けば甘ったるい空気が充満していた。このままでは恋愛小説となってしまう!!リリス恐るべし・・?

    2005-06-09 09:46:00
  • 68:

    っと思ったら
    ウリエルはまぁ〜ったく興味が無いので、抱きついて来たリリスにドキンコする筈もなく巴投げをかました。
    そして・・・
    『おとといきやがれ!!』と中指を立てて言った。

    ー期待したのに…?皆さんの溜め息が聞こえそうな程の見事な裏切りっぷりだったー

    2005-06-09 09:47:00
  • 69:

    〔ぴぇ〜ん☆浮気してやるぅ〜☆!!〕
    そう言うとリリスは泣きながら飛んで行った。
    『あいつ・・・?大声で何て事言いやがる…』

    ー女ってヤツは理解できんー
    寝床に戻ると寝ているミカエルの頬を【スー】と涙が伝った。

    2005-06-09 09:48:00
  • 70:

    ウリエルはうつむいた。
    涙を見た瞬間ミカエルの気持ちを少しだけ理解した。
    言葉が出なかったのは
    色んな感情が押し寄せたからなのだろう・・。
    夢の中でしか泣けないミカエル…。ニンゲンとは脆くはかない者だ。
    “まだ感受性の強い子供”
      ー俺もオマエも…ー

    2005-06-09 09:49:00
  • 71:

    “ウリエル・・・”
    誰かが心に語りかけた。
    呼ばれて外に出た。
    『ガブリエル…』
    「…はっはっは。子供のような顔だな。」

    『アイツは消えるのか?』
    「・・・・。」

    2005-06-09 09:50:00
  • 72:

    「…あのコはどうやら自殺したらしいな」
    “!?”
    ウリエルは顔を上げた。
    『何だって…!?』
    「何故この世界に来たのかは分かんが、稀にあるんだよ…迷い込む事が…」
    ーあんな子供が…?ー
    『…アイツは死んだ事を理解しているのか?』
    “・・・・。”
    「多分…な」

    2005-06-09 09:50:00
  • 73:

    『何でっ!何で死を選ぶっ!!』
    こんなに感情的な息子の姿を見たのは初めてだった。
    「それは…本人にしか分からんさ…」
    「ただ・・・」
    『・・・ただ?』
    「絶望したんだろうよ…」

    2005-06-09 09:51:00
  • 74:

    「愛されず、裏切られ育ったのだろう…」
    ガブリエルは目を伏せた。
    黙って聞くウリエルが痛々しかった。
    「どうする…?」
    『…何をだ?』
    「オマエのように悪魔として共に生きるか?」
    『・・・・。
    それは…ダメだ…。』

    2005-06-09 09:52:00
  • 75:

    「何故だ…?」
    ウリエルは口を尖らせた。
    『あいつには…生きてほしい…』
    拳を握り締め、唇を噛み言った。
    「ふむ…少しは成長したらしい…」

    2005-06-09 09:53:00
  • 76:

    ガブリエルは
    背中を丸め必死に何かを
    こらえるウリエルの頭を
    【ポンポン】とたたいた。
    「あの子が此処に来たのは無駄ではなかったのさ」

    ウリエルの目からは静かに涙がこぼれた。

    ーウリエルにとって、ミカエルは初めて心を見せる事が出来た存在だったー

    2005-06-09 09:54:00
  • 77:

    『アイツが輪廻する方法は?』
    「…本人が望めば進むべき道へと戻るだろう…ただ…」
    『・・・ただ?何だ?』

    「…あの者が今ここに居るという事は…輪廻を望んではいないだろう…」

    2005-06-09 09:57:00
  • 78:

    「自ら命を断った者の道のりは…簡単ではないぞ」

    『ふーん…』
    ウリエルは“話なげ〜な〜”と思いながら
    鼻くそをガブリエルに飛ばした。
    ガブリエルは普通に手で払い落とし言った。
    「ふーん…て?ウリちゃんさー、ちょっとは深刻になろうよ?」

    2005-06-09 09:58:00
  • 79:

    “や…やるなコイツ…!”
    『ま〜アレだろ?要するにアイツに“生まれ変わりたい”って思わせればいーんだろ?』
    “ウリってば、ナイスプラス思考だよねっ?”
    と思いつつ
    「フッ、まぁな…」
    ガブリエルは髪をサラッとかきあげ言った。
    ー…が何本か抜けていた?ー

    2005-06-09 09:59:00
  • 80:

    今にも魂が抜けそうな程、ショックでうなだれているガブリエルの肩を【ポンッ】と叩きウリエルが言った。
    『気にすんな…』
    「ウ・・ウリエル…」
    軽く感動の予感・・。
    ウリエルは真っすぐ前を向き歩き出し500?程先から振り返り言った。
    『じゃーな!ハゲ。ハァト』そう言い残しウリエルはダッシュで逃走した。

    2005-06-09 10:00:00
  • 81:

    怒り狂ったガブリエルを振り切り寝床に戻るとミカエルは笑顔で迎えた。
    『おい!出掛けるぞ!』
    「…え?何処に…?」
    『いいから来いって。』
    ウリエルは戸惑うミカエルの腕を掴み翼を広げ飛んだ。

    ータイムリミットまであと4時間ー

    2005-06-09 10:01:00
  • 82:

    「うわぁぁぁあ!恐いよー!!!」
    背中に乗ったミカエルは、わーわー叫び声をあげた。
    ところが、しばらくすると
    「すごいやっ!飛ぶのって気持ちいい〜!!
    あ!ねぇ、アレは何?…じゃあコレは?」
    と笑顔ではしゃいだ。

    2005-06-09 10:02:00
  • 83:

    『はっはっは!やっぱニンゲンてのはおもしれーなぁ!!』
    「えっ?何て?風の音がうるさくて聞こえないよ〜」今度は泣きそうな顔…。
    表情がくるくる変わる。まるで万華鏡だ。
    【フッ】
    ーこういうのも悪くねーな…ー

    2005-06-09 10:03:00
  • 84:

    「ねぇ…ウリエル…。」
    『あん?』
    「…ボクね、イジメられっ子でさ、友達も…居なかったんだ…、ママもパパもそんなボクを…」
    『・・・。』
    ミカエルの体がこわばった。
    「毎日毎日…殴るんだ…
    ボクは…」
    ミカエルは下を向き泣き声をあげた。
    「ボクは、何の…為に…生まれたの…かなぁ?」

    2005-06-09 10:03:00
  • 85:

    『…愛される為に決まってるだろ!!!』
    「ウリ…エル…」
    『俺…は』
    「・・・?」
    『俺は…オマエといるのも…その、なんだ』
    ウリエルは頬をポリポリかいた
    『こーいうのも悪くねーかなー…なんてさ…少なくとも俺はオマエに出会えて良かったって思ってるさ』
    ウリエルは耳まで真っ赤になった。
    『だからもう泣くな!』
    ミカエルは泣きながら笑った

    2005-06-09 10:04:00
  • 86:

    「・・・うんっ!!」

    ー…ウリエル…ダイスキ…ー

    2005-06-09 10:05:00
  • 87:

    “確かこの辺に…”
    『あった!おい!!ミカエル、目ー閉じろ』
    「え?何で?」
    『いーから!!』
    「…はい。」
    地上に降り手をひかれミカエルは歩いた。
    『…よしっ!そろそろ目ー開けていいぞ!!』
    ミカエルはゆっくり目を開けた
    「…う…わぁ…」

    2005-06-09 10:06:00
  • 88:

    ーこの世界に、こんな綺麗な場所があるなんて…ー

    森なのに見渡す限りキラキラしていた。
    コロン…カラン何処からか綺麗な透き通った音色がする。
    虹色に光る世界がそこには広がっていた。
    針葉樹の森・・・。
    まるで全てがクリスタルのように見えた。

    2005-06-09 10:07:00
  • 89:

    『おい!タネ出せ!!』
    「えっ?タネ?」
    ウリエルはジタンダを踏んだ。【あ゛ー早くしろっ!】
    焦ってるのだろうか、しゃべれていない?
    『林檎だよ!り・ん・ご・!!』
    「え・・・?あ、あるけど…どうし…」
    『ソレソレ!かせ!!』
    ウリエルはミカエルの手からタネを取った。

    2005-06-09 10:08:00
  • 90:

    ウリエルはこの場所に特別な思い入れがあった。
    産声をあげ、必死に助けを求めた場所。
    幼く…でも強い願いと意志があったから幸運にもガブリエルに拾われた。
    そして今日までガブリエルに生かされてきた。

    ーここなら奇跡が起こるかもしれない…ー

    2005-06-09 10:09:00
  • 91:

    ウリエルはミカエルからタネを受け取ると、静かに願いを込めた・・・。

    “クソったれの神さんよ…悪魔が神を信じるなんざ
    しゃくだが今の俺には、あんたしか頼れねぇ…。
    コイツに奇跡ってヤツを見せてやりたいんだ…”

    頼むぜ・・!!

    2005-06-09 10:10:00
  • 92:

    針葉樹の森に見とれて居ると後ろから声がした。
    『おしっ!タネまくぞー!!』
    うんっ☆と言うとミカエルは後ろを向くと・・・!
    【はっ!】
    Σ(・д・?)
    何とウリエルが農業スタイルで仁王立ちをしている!!

    “だ…ダサいよウリエル!!”

    2005-06-09 10:10:00
  • 93:

    “ふふん…俺様の格好よさに言葉が出ないらしい”
    【ふっふっふ】
    自己満に胸踊らせミカエルの方を見ると・・・。

    “・・!!!”

    何とミカエルはスズメの着ぐるみを着ていた…!!
    “…だ、ダサっ!!”

    2005-06-09 10:11:00
  • 94:

    お互いダサいと思いつつ、ジリジリ歩み寄り
    気マズイ中、作業は開始された…。
    潮干狩セットをかかげる。“ダサいぜミカエル!”
    【ザクッ!】
    “ウリエルその格好はナイよ!!”
    【ザクッ!!】
    “何でスズメなんだっ!”“何でコスプレなのっ!”【ザクザクッ!】
    色んな想いや汗やら涙やらが飛びかう中、作業は進んだ・・・。

    2005-06-09 10:12:00
  • 95:

    ドロドロになりながら必死に作業していたミカエルは
    ウリエルが居ないのに気付き
    キョロキョロ見回した。
    ウリエルは何と・・・

    あら?掘った砂でキングキャッスル製作中!?
    この時初めてミカエルに
    【殺意】という感情が生まれた・・・。

    2005-06-09 10:13:00
  • 96:

    「ウリエルのばかっ!」

    するとウリエルは真剣な目をして静かに言った。
    『ミカエル…この作業はオマエが一人で遣り遂げなきゃ、意味ないんだぜ?』
    「…え?」
    『汗を流して、必死で何かに打ち込む喜びを知ってくれ!!そして…一人で出来たなら…きっとオマエは変われる気がするんだ!!』
    「ウ…リエ…ル」

    2005-06-09 10:14:00
  • 97:

    タネは二人でまいた。
    (※BGMトトロの【風の通り道】これ大事!)

    愛おしそうに幸せそうに
    地面を眺めて
    「芽…出るかなぁ?」
    とミカエルがつぶやいた。

    ウリエルは【にっ】と笑って言った。
    『願いは届く』と・・。

    2005-06-09 10:15:00
  • 98:

    ミカエルが何かに気付いた。
    「…?…あ…」
    『あん?』
    “・・・!!”
    「芽が…出て…る…」
    『…マジ…かよ』

    芽は肉眼で見えるか見えないか位の小さなモノが
    たった1つ・・。

    2005-06-09 10:17:00
  • 99:

    ーたった1つだ…”

    小さく、はかない命…

    奇跡だったのか…。
    ウリエルの不思議な力がそうさせたのだろうか…?

    ータイムリミットまで後1時間ー

    2005-06-09 10:18:00
  • 100:

    〔ガブリエル・・・聞こえるか・・?〕
    ガブリエルの心に声を送る
    […ウリエルか?…どうした?うまくいったか?]
    〔それより、アイツが死んでどれ位経つ?〕
    [下界での時の流れか?]
    〔あぁ…ソレは調べられるか?〕
    [出来るが…。フム…少し待て…]

    2005-06-09 10:19:00
  • 101:

    「大きな…月がある…」
    ミカエルは空を見上げ呟いた

    『…魂の集合体だよ』
    「魂の…集…合体…?」
    『・・・・。
    死者の中には、オマエのように魂となれる者もいれば、なれない者もいるからな…』

    2005-06-09 10:20:00
  • 102:

    ミカエルは悲しくなった。
    自ら命を捨てた弱いはずの自分が、魂となり意志もある…。
    この時初めて
    “バカな事をしたのだ”
    と弱い自分と向き合った。
    「…あんなに…光っているのに…。」
    『・・・そうだな』

    2005-06-09 10:21:00
  • 103:

    [ウリエル…聞こえるか?]
    〔あぁ…聞こえるぜ!分かったか?〕
    [フム。その子が命を断ってから…30分だ]

    “・・・ギリギリだが、
    まだ間に合う!”

    ウリエルは覚悟を決めた。
    〔…サンキュ。なぁガブリエル、俺様はコイツの為に…力を使うぜ!!〕

    2005-06-09 10:22:00
  • 104:

    ガブリエルは動揺した。
    […力??何の事だ?]
    【フッ・・・】
    〔…隠すなよ。俺様は命をかけてコイツを救ってみてぇ…〕
    [ばっ…!!馬鹿な事を言うな!]
    〔なぁ…、落ちこぼれの俺様でも、コイツを救う事位なら出来るさ…〕
    [力を使えばオマエは消滅するんだぞっ!!よく考えろ!]

    2005-06-09 10:23:00
  • 105:

    〔もう…時間がねぇ。〕
    [やめろ!その子が例え、下界に戻ってもオマエとの記憶は消えるんだぞ!!]
    何も知らないで、笑うミカエルを見ながら言った。
    〔それでも…いいさ!〕
    [ウリエル…やめるんだ!!]
    〔…感謝してるぜ…。サンキュ…親父・・・〕
    [やめろぉぉぉお!!]

    2005-06-09 10:24:00
  • 106:

    【プツッ…】
    そして交信は途絶えた…。
    ガブリエルは膝を付き、その場にうなだれた・・。

    針葉樹の雫がキラキラと
    春の桜のように光舞う…

    ーミカエルとウリエル、そしてウリエルとガブリエル…それぞれの
    別れが近づいていた…ー

    2005-06-09 10:24:00
  • 107:

    『ミカエル…俺とオマエが会話出来るのは…』
    「うん?」
    『おそらくこれが…最後だ…』
    ミカエルの顔がこわばった。
    「…何…言ってるの?」
    ミカエルがあとずさりする
    『聞け…』
    「い…いやだ…」
    一心不乱に首を振る
    ウリエルは嫌がるミカエルの腕を掴んだ。

    2005-06-09 10:25:00
  • 108:

    『聞けっ!!』
    「…あ…あ…」
    涙で顔がぐしゃぐしゃだ。

    「ぼく…ッ…ウリエルと…一緒…に…ヒック…いた…い」
    ウリエルは拳を握り締めた。
    『オマエの周りのニンゲンの記憶もすり替えてやるから…心配するな…』
    「ボクはっ…ヒック…そんなの要らないっ…ヒック」
    ウリエルは感情を押し殺し首を横に振った。
    『…オマエは変われたハズだ…』

    2005-06-09 10:26:00
  • 109:

    「…でもっっ!!!」
    『オマエはまだ若い…これから先、たくさんのヒトと出会うだろう…辛い事も悲しい事もあるさ。でも喜びもある…。わかるな?
    オマエが愛される事を誰よりも願ってるぞ…』
    「…ヒック…ウリエル…」
    『気付いていないだけだ…愛されない奴なんて居ない…オマエは答えを急ぎ過ぎた…間違いは誰にだってあるさ。諦めるな…』

    2005-06-09 10:27:00
  • 110:

    『俺様の最後の願い…
    聞いてくれるな…?』
    …ミカエルは小さく頷いた
    「ボク…ウリエルの事…忘れ…ないからっ…」
    ミカエルの目から涙が溢れた。ウリエルはミカエルの頭を静かに撫でた…
    『オマエはずっと…俺の友達だ…』
    そして【ニカッ】と笑ってみせた。

    2005-06-09 10:28:00
  • 111:

    ミカエルの体から光が溢れる
    「あ…ウリエル…ウリエルッ!」
    ウリエルは呪文を唱えながら
    穏やかに笑った。
    「…いつかまた…どこかで会える…?」
    『…あぁ!会えるさ!…
    だから笑ってくれ』
    ミカエルは【こくん】と頷き
    涙を拭いた。
    「…さよ…なら…ウリエル」

    2005-06-09 10:29:00
  • 112:

    『愛されて…生きろ…』
    そして
    ーミカエルの体は消滅したー

    2005-06-09 10:30:00
  • 113:

    「ウリエルー!!」
    ガブリエルが針葉樹の森に着いた時、ウリエルの姿はそこにはなく…心の声を飛ばしても返ってくる事はなかった…。
    ー彼もまた消滅ー
    短時間で成長した林檎の木だけが、ざわざわと風に揺れていた…。

    2005-06-09 10:31:00
  • 114:

     《Re:ガブリエル》
    長い刑が終わった。今日も天界は穏やかだ。
    あれから毎日考える。
    ミカエル…いや、ニンゲンの子…流よ…。
    ウリエルはそなたのお陰で【慈愛】を手にし、幸せだっただろう…。
    礼を言う…。
    《ありがとう…》

    2005-06-09 10:32:00
  • 115:

      《天使ウリエル》
    『ガブリ…エル?』
    懐かしい声がして振り返る…。眩しい光の逆光で顔が見えない。
    「その声は…」
    思わず涙が溢れる…。
    『何だ…。天界でも一緒かよ』
    「おぉ…我は…夢を見ているのか…?」
    【ふっ】
    『ただいま…!親父!!』

    2005-06-09 10:33:00
  • 116:

       《流》
    小さな町の森の中で、大きな林檎の木を見つけた。
    何故だろう、懐かしくて涙が頬を伝った。
    「流〜?何してんだぁ?行くぞー!!」
    遠くで友達の声がする。
    『ああ!今行く!!』
    流は真直ぐ歩き出した。ふと振り返ると、遠くで林檎の木が少し揺れた。
    ーミカエル…ずっと友達だ…ー

    2005-06-09 10:34:00
  • 117:

    この空に面影浮かべ祈った…。
    傍に居た時間が消えないようにと…。
    落ちる花弁…流れる星…月明かりの空、光舞う風全て…君に捧げる私の最後の幻想…。
    あの日交わした《いつか》を夢見て。
    今は…さよなら。
      ーENDー

    2005-06-09 10:35:00
  • 118:

    小説書き始めましたので、カキコしました?
    タイトルは
    【月明かりの船】です?
    雪弥の経験した病気をテーマにしてみました?
    淡く切ない恋を書きたいと思います?
    暇潰し&気が向いたら読んでみて下さいね?

    2005-06-09 10:36:00
  • 119:

    雪弥:04/8/12 19:23 (旧掲示板)

    2005-06-09 10:36:00
  • 120:

    名無しさん

    2005-09-11 02:33:00
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