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━━Rain-?━━
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1:
CHIKA
すれ違う人達は、色とりどりの傘をさし足早に歩いていた。
今日は雨が降った…
行き場のない気持ちがまた胸をしめつけ、俺は一人…立ち止まる。2006-11-05 15:49:00 -
172:
CHIKA
男くさいあのマンションに帰らなくていいんだ、そう思うと今龍さんの家でこうしている自分がすげー幸せな奴なんだなぁと思えた。
「つーかさ、お前やめるの?店」
そんな幸せモードを龍さんの言葉が揺るがせた。2006-11-26 12:06:00 -
173:
CHIKA
龍さんはホストの世界に入ったキッカケを俺に話してくれた。
「俺と健太郎さぁ、緑園ってゆう施設にいたんだけどさ。俺は小学生で健太郎はまだ1歳くらいだったかな。まぁ単純な話捨てられたんだ親に」
龍さんの過去を知れば知るほどに、今の自分の現状なんてすごくちっぽけな苦しみに感じられた。2006-11-26 12:17:00 -
174:
CHIKA
「でさ、義務教育が終わったらそこからの道は自分で決めろっつって進学か就職かって言われて。俺は早く出たかったからさ。就職するっつって緑園に健太郎残して先に出たんだ」
龍さんは俺が思っていたような人ではなかった。ホストなんてみんなチャラチャラしてて腐ってる奴ばかりだと思ってた。
でも…龍さんは違った。なんか…すげーと思った。2006-11-26 12:23:00 -
175:
CHIKA
「でも健太郎のことがずっと心配でさ…とりあえず俺ラーメン屋で働いてたんだけど金貯めて家借りたら迎えに行こうと思ってた時にあいつ施設からいなくなったんだ」
健太郎くんは六歳の時に緑園を脱走した。
働いてたラーメン屋にはすぐに連絡がはいり、龍さんは健太郎くんを探しに行った。2006-11-26 12:30:00 -
176:
CHIKA
「健太郎すぐに見つかったんだけどね。あいつがいそうなとこ…探したらさ、やっぱりいたんだ、そこに」
それは川辺だった。釣りが好きな龍さんと何回か来たことのある川辺に健太郎くんは一人で座り込んでいた。2006-11-26 12:34:00 -
177:
CHIKA
「でもさ、なにしてんだよ!って健太郎見つけるなり大声で怒鳴っちゃったんだ俺。そしたらあいつワンワン泣いて謝るんだよね…ごめんなさいごめんなさいって。なんかそんな姿見た時に俺ってほんと何もできねぇし無力なんだなって、すげー情けなかった」
6歳の健太郎くんと16歳の龍さん。離ればなれになっていた二人の兄弟の寂しさは本人達にしか分からない。でも俺は、その話を聞いて気付けば涙が溢れていた。2006-11-26 12:43:00 -
178:
CHIKA
「そのときかな、俺がホストをしようって思ったのは。健太郎が俺と一緒にいたいって泣いたからさ…人間死ぬ気でやれば何だってできるって思って。とにかくすぐに金が欲しかったからさ。だから健太郎に三ヶ月だけ待てっつって歌舞伎町に来たんだ」
龍さんは死に物狂いで働いた。そして、健太郎くんとの約束の三ヶ月後には本当に緑園に健太郎くんを迎えに行った。2006-11-26 12:50:00 -
179:
CHIKA
人間生きていたら色んなことがあるんだと思った。
それは出会ったたくさんの人達から教えられた。幸も不幸も、生きていたら必ず訪れる。
もっとうまく生きられたら変わっていた何かがあるかもしれない。手探りで前に進んでいくだけの生き方はもうやめよう…龍さんと出会ってそう思った。2006-11-26 12:56:00 -
180:
CHIKA
「俺…やめないっす。もうちょっと頑張ってみます」
気付けば俺はそう口にしていた。逃げてもなにも変わらない。とにかく金を稼いで親父の借金を返そう。
そうして俺は歌舞伎町に残る道を選んだ。龍さんという最強の兄貴分の下で…2006-11-26 13:02:00 -
181:
CHIKA
「涼真起きろ」
「もうちょっと寝かせてくださいよぉ…」
「だめだって。お前今日同伴だろ?」
こんなやりとりが日常的になっていたのは龍さんの家に初めて来た日から1ヶ月後の頃だった。俺は龍さんの家で一緒に暮らすようになっていた。2006-11-26 16:07:00