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3Ldkの城・?

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  • 1:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    ?は、↓です。
    http://bbs.yoasobiweb.com/test/mread.cgi/yomimono/1132987687/-5

    2005-12-19 14:05:00
  • 345:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    ここ何日か、3人の生活は派手にずれていた。
    毎日残業の陽平は、日が変わる前後に帰宅する。
    千草は、帰ったり帰らなかったり。帰っても、酔っ払ってて‥すぐ寝てしまう。
    花は、通常通りに‥仕事と家の往復だけ。「夕飯は外で食べてくる」という2人の言葉で、夕食は簡単なものを調理してきた。
    “寝るだけの場所”と化した家で、3人は久しぶりに顔を合わせた。そして、「話がある」と陽平に呼びかけられる。

    2006-01-11 17:07:00
  • 346:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    「‥実は、子供を引き取ろうと思ってんや。ずっと前から‥決めてたことやねん。だから、この家から出ていかんと‥生活してた」
    返事を返さない2人に、陽平は理由を説明する。
    花は、引っ越し当時に見た‥あの写真を思い出す。
    「‥すまんな」

    2006-01-11 17:13:00
  • 347:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    うつむき‥謝る彼。
    「‥わかった。部屋探すわ」
    千草は、指で挟んでいた煙草を灰皿にすり付けた。
    以前から、部屋を出ることを考えていた彼は‥すんなりOKの返事を出した。
    そして、チラリと花を見る。

    2006-01-11 17:16:00
  • 348:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    彼女は、一点を見つめ‥沈黙を続けている。
    その姿を、陽平は見て見ぬ振りをしていた。
    そして、彼女の返事を聞かずに話を進めていく。
    「まだ、話は決まったわけじゃないねんけどな。絶対‥引き取るつもり。血ぃもつながってない父親とおるよりは、環境えぇやろ」

    2006-01-11 17:22:00
  • 349:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    「まぁ、そうやな。向こうは、手放す気ないん?」
    千草は、彼の決意に頷いている。
    2人の会話の中で、花は胸を痛めていた。
    ‥陽平は、絶対に‥振り向かない。
    彼の思いを耳にし、改めて‥自分の気持ちが無謀なものだったと‥気づかされる。

    2006-01-11 17:30:00
  • 350:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    「あぁ。“あんたには渡さへん!”って、キチガイみたいに怒鳴ってた」
    陽平は、冷静に答える。
    「厄介やなぁ」と苦笑いをする千草の横で、花はクイッと顔を上げた。
    「出来るだけ‥早く部屋探すなっ」
    彼女は、明るい笑顔を陽平に向ける。

    2006-01-11 17:35:00
  • 351:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    “明らかに‥無理をしている顔”
    2人の瞳には、そう映っていた。
    だが、陽平は微笑んで‥気がついていないフリをする。
    千草もまた‥彼女の本音から目を背けていた。
    小刻みな震える口元が、この笑顔を嘘だと証明している。

    2006-01-11 17:44:00
  • 352:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    だが‥花は必死で笑顔を崩さぬようにした。
    叶わぬ‥想い。
    でも“理由が子供なら”とホッとしている自分もいる。
    複雑な想いを秘め、納得した態度を彼に示していく。

    2006-01-11 17:51:00
  • 353:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    千草は、自分の目に嫌気がさしていた。
    彼女を好きにならなければ、平然を装っている姿なんか気づかなかったはず。
    きっと‥気づかなかった。
    目を背けても、はっきりと聞こえてくる‥彼女の気持ち。
    千草は、その場から逃げるかのように‥他の女へと誘いのメールを打つ。

    2006-01-11 17:59:00
  • 354:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    「じゃあ、あたしも不動産屋いってみよかな」
    先に家を出る千草を見送り、花は外出の支度をする。
    彼女の閉めた鍵の音を耳に、陽平は真顔になった。
    もう2度と‥突き放さないと誓ったはず。なのに、また‥傷つけてしまった。
    中途半端で身勝手な自分に、深いため息しか出てこない。

    2006-01-11 18:07:00
  • 355:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    悔しさが隠る下唇を噛み、前髪を掴む。
    でも‥こうするしかなかった。
    ずっと、決めていたことやから。
    孤独を抱えてきた花を見てきただけに、子供の生活を守りたかった。

    2006-01-11 18:11:00
  • 356:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    花のように、孤独を感じさせたくはない。
    だから、引き取りたい。
    それを目標に、仕事を頑張ってきた。
    この家を離れずに‥生活してきたんや。

    2006-01-11 18:13:00
  • 357:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    陽平は、閉じたまぶたを強く見開いた。
    そして、タンスの中から写真立てを取り出し、以前と同じ場所へと置いていく。
    1度は見失いかけた目標を‥忘れてしまわぬように。

    2006-01-11 18:17:00
  • 358:

    名無しさん

    2006-01-11 18:20:00
  • 359:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    「あっ‥あっ」
    指先の動きと共に‥漏れる甘い声。
    電気を消した‥薄暗い部屋で、千草は事務員の女の子と関係を作っていた。
    余計な感情をもみ消すかのように、汗を流していく。

    2006-01-11 18:22:00
  • 360:

    芽衣 ◆rd1jJ3btsE

    先を待ちわびる‥汗ばんだ手に、千草は無表情に動いていた。
    そして、彼女の中に入ろうとする瞬間、花の横顔が脳内をすり抜ける。
    同時に、凍り付く体。
    彼は、花を振り切るかのように‥行為を進めていく。

    2006-01-11 18:28:00
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