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それでも・・・
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1:
ココロ ◆a0UKkSwiyo
生きる意味って何?
泣く意味って何?
あたしは生きる意味が分からなくなっていた。ううん、あたしだけじゃない。みんなわからないんでしょ?ねぇ?あたしだけじゃないよね。。2006-05-15 00:27:00 -
77:
ココロ ◆a0UKkSwiyo
あたしは冷静になって考えた。昨日の事を。
日記は『朝から父親に殴られて』と書いてある。昨日の朝の事を思い出せ、何でもいいから思い出せ!!心に命令してみる。
だけどおかしい。まるでここ何日かの記憶がくっついたようにモヤモヤしてて実態が見えて来ない。つまり、思い出せない。2006-05-15 05:28:00 -
78:
ココロ ◆a0UKkSwiyo
おかしい。こんな事ある訳ない。おい頭!ちゃんと働け!あたしはノートを1ページめくりそのまた昨日の日記を読み返した。つまり昨日の昨日、2日前。そしてまたゾッとする。
違和感がある。あたしは漫画のように手のひらで頭をコツンと叩いた。日記を書いたのは覚えてる。確かにあたしは書いたしあたしが書いた。なのに実感がない。
自分自身の事は自分が一番分かるもので、あたしは直感した。2006-05-15 05:35:00 -
79:
ココロ ◆a0UKkSwiyo
もしかして今まで覚えてた事も忘れていってるんじゃ・・・・
嫌な予感がした。まるで自分が痴呆の老人みたいになっているのがとんでもなく怖かった。さっきとは違う涙だ出て来そうで、目の奥で必死に堪える。
あたしはいっきにノートの最初のページまで戻った。2006-05-15 05:39:00 -
80:
ココロ ◆a0UKkSwiyo
『今日始めて気付いた。体がギーギー言う・』この書き出しは覚えてる。あたしが1ヶ月前、この虐待ノートの1ページ目に書いた事。
『・・・喜んでロボットになるのに。今日はショウが大きな声で叫んだから隣のオバサンが文句を言いに来たらしい。いつもなら「ココロ!追い返して来い!」って叫ぶ父親が今日は自分で対応に行った。今日父親に抵抗してる時についた傷があたしの眉間にあるからだ。父親は頭が良い。顔に怪我したあたしを人前に出す事なんてしない、あいつは。これが学校のある日だったらいつもは休むと殴るクセに無理やり休ませるんだろう・・・』2006-05-15 05:47:00 -
81:
ココロ ◆a0UKkSwiyo
あたしは泣いていた。涙が溢れて来た。まだ寝ている父親と他の兄弟達を起こさないように、声を殺して。大丈夫、声の殺し方なら誰よりもウマイから・・・
・・・眉間に傷?そんなの、そんなの・・・覚えてないんじゃない。忘れていってるんだ・・・あたしは確信した。自分の虐待されてる記憶だけ、あたしの体は忘れさせようとしてる。
だんだん、だんだん。ゆっくり、ゆっくり。あたしに気付かれないようにあたしの体は忘れて行く・・・2006-05-15 05:54:00 -
82:
ココロ ◆a0UKkSwiyo
不思議な事にあたしのその何とも都合の良い『防衛本能』は虐待以外の事には何の興味も示さなかった。
なのに父親絡みの事、自分が辛かった事、悲しかった事にはとても敏感でノートに書いていないと1日ごっそり記憶がなくなっている事もにあった。
あたしはあたしが気持ち悪くて仕方なかった。そしてこう考えるようになった。それはとても自然な流れなんじゃないかと思う。もしかしてあたしの中にもう1人の人格があるんじゃないだろうか?2006-05-15 06:00:00 -
83:
ココロ ◆a0UKkSwiyo
あたしは決め付けてみた。自分の中にはもう1人の人格がいるんだと。実際以前あたしが覚えてた事も忘れて行くって所で別の人格だなんてありえないのだけど。
それでも気が楽になった。それがたとえ単なる妄想だとしても・・・。
名前もないそのあたしの中のもう1人のあたしが、嫌な事が起きた時は変わってくれてるのだと。あたしの代わりに殴られてくれてるのだと思うようにした。2006-05-15 06:06:00 -
84:
ココロ ◆a0UKkSwiyo
当時の虐待ノートにはこんなメッセージがある。『あたしの中のあたしじゃないあたしへ』
それはきっとあたしがもう1人の人格を信じてた証拠。2006-05-15 06:10:00 -
85:
ココロ ◆a0UKkSwiyo
そしてあたしと『あたしの中のあたしじゃないあたし』、もう一人のココロと虐待ノートの関係は続いていく。
あたしが5年生になる頃にはもう生理が始まっていてあたしの体はだんだん大人に近づいていた。
胸も膨んで来た。そして父親は新たな虐待を思いつく。2006-05-15 06:14:00 -
86:
ココロ ◆a0UKkSwiyo
あたしは生理痛が酷く、生理の時はよく学校を休んでいた。
この頃になるとあらしは家にいるより学校の方が安全だと思いなるべく家にいる時間を短くしようとしていた。
嬉しい事に友達も出来た。少し日々が楽しくなっていた。放課後は暗くなるまで友達と遊び、帰れば父親が帰って来る前に寝た。2006-05-15 06:16:00