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―mama―
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1:
はるか◆TxNY3v7nC2
「はるか!はよ起きなさい!学校行くの?行かんの?」
「行くようるさいなあ」
「行くんやったらはよ起きや!ほんまに毎日毎日…」
ほんとうるさい親。大嫌い。消えちゃえばいいのにって、何百回、何万回思ったことか。2006-12-18 19:15:00 -
41:
はるか◆TxNY3v7nC2
それを知った母親はあたしを呼んだ。
「はるか、あんたがキャバで働くのはお母さん許すことにした。けどな、あんたそのお金ヒロに使ってるやろ、ヒロは働いてないねんで、分かってる?」
分かってた。ヒロは今まで女に金を出さすヒモのような事をしていた。あたしは別にかまわない。ヒロが好きだから。そんなの苦にも思わない。2006-12-23 23:05:00 -
42:
はるか◆TxNY3v7nC2
あたしはただ、ヒロと一緒に居れるだけでよかった。ヒロが働かない事なんてどうでもよかった。でも、母親はこんなあたしを見てられなかっただろう。この時のあたしはそんな事気にもしてなかった。
2006-12-24 13:02:00 -
43:
はるか◆TxNY3v7nC2
ある日、ヒロが言ってきた。
「お前さぁ、風俗やれば?キャバより稼げるでしょ」 「はっ??」 あたしは自分の耳を疑った。
「マジでゆってんの??」 「うん」
あたしはヒロのためなら何でもできる。だって本当に大好きだから。2006-12-24 13:08:00 -
44:
はるか◆TxNY3v7nC2
ヒロの言うようにあたしは風俗に行った。恥ずかしいとか、怖いとかは全くなかった。あたしの頭の中はヒロの事しか考えてなかった。家に帰るとヒロはまだ起きてた。
「ただいまぁ〜。なんで起きてるん?」
「お前ほんとに行ったの?」
「え?うん行ったけど?」2006-12-24 13:13:00 -
45:
はるか◆TxNY3v7nC2
「お前バカじゃねーの?何ほんとに行ってんの?」 「は?だってヒロが行けって…」
「お前、俺の言うことは何でも聞くの?じゃあ俺が死ねって言ったら死ぬの?お前の意思はねぇのかよ?!」
ヒロはあたしの上に馬乗りになって押さえつけてきた。「痛い!やめてよ!」
あたしはそのままヒロにほぼ無理矢理ヤられた。2006-12-24 13:46:00 -
46:
はる◆TxNY3v7nC2
あたしはヒロの為に、ヒロに嫌われたくない一心で、自分を見失ってた。ヒロの言ってる事は矛盾してる。でも言いたい事は分かった。ヒロは不器用で強がりだから、あんな言い方しかできなかったけど、本当はあたしを好きでいてくれたんだと思う。
2006-12-24 14:25:00 -
47:
はるか◆TxNY3v7nC2
「はるか、俺もーすぐしたら帰るね」 「えっ?」 もうすぐ正月、ヒロは元旦の日に帰ると言った。「そっか、うん分かった」あたしには引き止める事ができなかった。
大晦日の日の夜、USJに行った。あたし達はめちゃめちゃ楽しんだ。
明日はヒロが帰る日。2006-12-24 14:40:00 -
48:
はるか◆TxNY3v7nC2
お昼前になって、あたしは新幹線の駅までヒロを送りに行った。二人とも言葉数が少ない。改札口の前でヒロが立ち止まった。
「ありがとね」
あたしは何も言葉がでてこなかった。言いたい事は山ほどあるのに、伝えなきゃいけない事がたくさんあるのに。何も言えない。ただ出るのは涙だけ。2006-12-24 15:14:00 -
49:
はるか◆TxNY3v7nC2
「じゃあ行くね」
ヒロはそう言って歩きだした。あたしは泣きながらつっ立っていた。涙で視界がぼやける。
ヒロが笑いながら手を振ってホームに上がって行った。
ヒロとはもう二度と会う事はないだろう。この時あたしは思った。2006-12-24 15:21:00 -
50:
はるか◆TxNY3v7nC2
家に帰ったあたしはまた泣いていた。ふとベッドを見るとネックレスが置いてあった。
手に取って見てみるとヒロがしていた指輪が通してあった。何気なく裏を見ると'haruka'あたしの名前が彫ってあった。ヒロの地元に行った時に彫ったものだった。
まさかあたしの名前だったなんて。ますます涙が止まらない。
ヒロ…ありがとう…2006-12-24 15:26:00