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淫らな女達

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  • 1:

    ユリア

    ミナミのとある路地裏にひっそりと佇むおおよそその場所には似つかわしく無い可愛らしい喫茶店。扉を開けると、少女のようなあどけない顔をした一人の女。この店の主であろう彼女が「いらっしゃいませ」満面の笑みで迎えてくれる。こんな場所で危なくはないのだろうか?などと一人考えながらコーヒーを注文する。ほんのりと店の中にコーヒーの香りが漂って来た頃、彼女がトレーに湯気の昇るカップを運んできた。白く綺麗な肌。顔に似合わぬ大きな胸に知らず知らず目がいく。運ばれてきたコーヒーをゆっくりと飲み干しタバコに火をつけ一服すると俺は店を後にした。

    2005-09-11 16:41:00
  • 171:

    ユリア

    更新遅くなってすみませんm(_ _)m
    今から書いていきます。
    官能もまたこれが終わったら書きます。大阪が舞台なのに標準語…?
    気づきませんでした(焦)
    申し訳無いですが、最後までこのままで…お願いしますo(_ _*)o

    2005-09-20 20:57:00
  • 172:

    ユリア


    彼女が、いなくなってもうどれぐらい経つのか、すっかりと肌寒くなり吐く息は白くなっていた。
    僕はその日も彼女のいない寂しさを紛らわそうと店で無駄に酒を飲んで、ボロボロになり帰ってきた。

    2005-09-20 20:59:00
  • 173:

    ユリア

    倒れ込むようにベッドに横たわると、深い眠りの中に落ちていった。
    「…や…恭也」遠くで僕を呼ぶ声が聞こえる。
    それは、とても懐かしく柔らかな温もりが広がる。辺りを見渡すが誰もいない。とてつもない不安と恐怖が襲う。

    2005-09-20 21:03:00
  • 174:

    ユリア

    「春海?」必死に彼女を探す。すると遠くにポワッと明かりが微かに灯っているのが見え僕は吸い込まれるようにそちらへと歩いてゆく。
    光の中には、彼女が微笑みじっと僕を見つめていた。彼女の足下には幼い蓮美と美桜が無邪気に遊んでいる。
    彼女は二人を優しく抱きしめると、抱き上げ僕のほうに歩いてきた。

    2005-09-20 21:09:00
  • 175:

    ユリア

    相変わらず穏やかな笑みを浮かべている彼女。「恭也。この子達をー」そう言い僕に二人の子供を手渡すと満足気に頷きスゥーッと消えてしまった。「春海!!!」自分の声に驚き飛び起きると部屋を見渡す。[夢だったのか…]嫌な汗が額を伝い流れるのを拭う。

    2005-09-20 21:14:00
  • 176:

    ユリア

    後悔と自責の念が僕を襲う。
    彼女の死を拒絶しこぼれそうな涙を堪え白い壁を睨みつけていると僕の手に何かが触れるのを感じ見ると蓮美と美桜が心配そうに僕を見上げていた。

    2005-09-20 21:17:00
  • 177:

    ユリア

    蓮美はじぃーっと、彼女によく似た瞳で僕を見つめ、「ママぎゅってちよう?」と言った。僕は蓮美が何を言ってるのかわからなかった。彼女はもういない。抱きしめることも、あの柔らかな声を聞くことも、もう二度と出来ない。

    2005-09-20 21:20:00
  • 178:

    ユリア

    それでも蓮美は何度も何度も「ママぎゅって」と繰り返した。次第にイライラが募り「ママはもういないんだ!」と幼い子供に怒鳴りつけ部屋を出ていこうとドアを開けると目に涙を浮かべ母が立っていた。「あんたは、いつまで引きづるつもり?!」そんな事を言われても彼女がいない事をどう受け入れたらいいのかわからない。突然目の前から消えた。僕達を残して…。なぜこんな目に??ただ平凡な幸せを望んでいただけなのに。4人で幸せな家庭を築いていこうとしていただけなのに。怒りとも悲しみともつかない何かがこみ上げてくるのを押さえ母を睨む。「恭ちゃん、あんたは、そうやって引きずってそれでいいかもしれない。過去に捕らわれそうやって生きていけばいい。でも子供達は?春ちゃんが残した小さな命を守ってやれるのは、恭也。あんたしかいてないんだよ?そうやって酒に飲まれてボロボロになって、あの子達から母親だけでなく、父親まで失わすんか?」

    2005-09-20 21:35:00
  • 179:

    ユリア

    母の言葉にこちらを見つめていた二人を見る。力無く座り込む僕に無邪気に駆け寄ると、美桜が「バァバがね…ママね…ぎゅーってちようねって」と小さな手で僕を抱きしめ呟いた。母を見上げると、優しく頷いていた。

    2005-09-20 21:39:00
  • 180:

    ユリア

    その日、僕らは親子三人で小さなベッドに川の字で眠った。小さな寝息が規則正しく聞こえる。眠る幼い二人を見つめていると、ツゥーっと温かなものがこぼれ落ちた。ベッドサイドの家族4人の写真を見つめ[春海ありがとう]そっと呟いた。懐かしい香りと何か優しい風が僕らを包んで通り過ぎたような気がしたが、気のせいだったのかもしれない。

    2005-09-20 21:44:00
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