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夏の香り
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1:
なみこ
―みなさんは今―
―恋をしてますか―。
誰にでも忘れられない恋、思い出、喜び、涙、があるはずです。季節が巡るたびに思い出す、そんな切ない私の実話を書いていきたいと思います。2006-04-27 16:44:00 -
36:
なみこ
『何…してるん…』
私の目の前に佑介がいた。ちょうど階段を上がってきた佑介は私がいることにビックリしていた。
佑介は目を見開いてその場で固まっていた。2006-05-09 23:48:00 -
37:
なみこ
私は自分の目を疑った。佑介の後ろに知らない女が立っていた。
『誰…なん?その人』
佑介は下を向いて黙った。2006-05-09 23:54:00 -
38:
なみこ
『なぁ…佑介仕事ってゆうてたやん…あれうそやった…ん?…なみこだけってゆうてたやん…。なぁ。嘘やったん?』
2006-05-09 23:57:00 -
39:
なみこ
『佑介?なみこだけやんな…?そう言ってくれてたもんな?なぁ…なみこ佑介しかおらんねん…佑介おらな無理やねん。なぁ佑介、もういいからなみこ怒らんから一緒に帰ろ?』
さっきまで下を向いてた佑介が顔をあげた。そして真っすぐ私を見て言った。2006-06-04 13:04:00 -
40:
なみこ
『お前、重いねん。』
頭の中が真っ白になった。2006-06-04 13:05:00 -
41:
なみこ
【重い】
まただ。いつもこれを言われるのが恐かった―。
昔から私はこう言われて別れを告げられてきた。
重い―。と2006-06-04 13:10:00 -
42:
なみこ
私たちのやりとりを見て後ろで戸惑っている様子の女の子。
『行こ』
佑介が彼女の手を取って、階段を降りていった。私は茫然と、去る佑介の背中を目で追っていた。2006-06-04 13:18:00 -
43:
なみこ
佑介?なぁ、なみこどこがあかんかった?
なみこ悪いことした?
最低―。最低。
何もかも。
最低。最低。最低。佑介も。私も。2006-06-04 13:21:00 -
44:
なみこ
私はその場でしゃがみこんだ。
ここは私の居場所じゃないんや。
私、ここにいたらあかんのや。2006-06-04 13:23:00 -
45:
なみこ
悔しい。
悔しいけど佑介が好き。
忘れたい。
忘れたいのにのに忘れられない。2006-06-04 13:29:00