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◆カムイ◆

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  • 1:

    あたる

    三日三晩、その滝のような雨は降り続いていた。

    彼女がここから去る際、窓という窓を開け放っていた為に、私の顔や体には外からの雨風、また草木のかけらなどが付着し、まったく酷い有り様である。
    私はこの状況から脱することもできないまま、あと数日もすれば一人孤独に息絶えるのだろう。
    …ああ、まさかこの様な事になるとは。

    2007-02-15 00:14:00
  • 2:

    あたる

    ―――――
    ――それは、2年前の冬だった。

    執拗な豪雨が数日間に渡り屋根を打ち付けていたある夜、郊外にある私の別荘の呼び鈴が鳴らされた。

    2007-02-15 00:20:00
  • 3:

    名無しさん

    はぁ?何?これ

    2007-02-15 00:25:00
  • 4:

    あたる

    『どちら様ですか?』


    時間は確か深夜一時を過ぎた頃だったろうか。
    眠い目を擦りながら、扉一枚隔てた相手に問う。

    2007-02-15 00:26:00
  • 5:

    あたる

    『こんな時間に申し訳ありませんが、少しの間火に当たらせてはもらえませんか?外はとても寒くて…』

    と、か細い女性の声が聞こえた。

    私は慌ててドアを開けた。

    2007-02-15 00:29:00
  • 6:

    あたる

    そこには、真冬にも関わらずワンピースに薄手のカーディガンのみをはおり、雨にぐっしょりと濡れた可愛らしい少女がぽつんと立っていた。

    『どうなさったんですか?!とにかく中にお入り下さい。』

    彼女は寒さに体を震わせながら、小さく頭を下げてドアをくぐった。

    2007-02-15 00:36:00
  • 7:

    あたる

    《なぜこんな時間にこんなところへ?》

    まず始めに湧き上がる疑問である。
    ここは周囲を荒れた山に囲まれただけの、本当に何もない土地なのだ。町へ降りるには車を30分走らせる必要があるし、電気だって通っていない。

    2007-02-15 00:46:00
  • 8:

    あたる

    天井から吊されたランプに、そして暖炉に火をともすと、私は彼女にバスローブと毛布を手渡した。

    『何か暖かいものを入れてきますので、よろしかったら使って下さいね。』

    『はい。どうもありがとうございます。』

    2007-02-15 00:54:00
  • 9:

    あたる

    彼女はまたぺこりと頭を下げた。


    それから私はキッチンでココアを二つ作った。
    しかし、作業の最中も彼女の経緯が気になって使用がなかった。

    2007-02-15 00:59:00
  • 10:

    あたる

    《もしかしたらレイプされて山に捨てられたのかもしれないし、彼氏とケンカして山に置き去りにされたのかも…》

    こんな風に考えるのは不謹慎かもしれないが、とても好き好んでここへ来たようには思えない。
    彼女にカップを手渡すと、私は思いきって尋ねた。

    2007-02-15 01:06:00
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