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**パネル**

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  • 1:

    パネル*作者

    「今までありがとう。さよなら。」

    ありきたりすぎて、それ以上を読み取るのが難しい言葉で終わらせた。
    一つ言葉がでたら、あふれてしまうから。
    2年という時間はあまりに長くて、まとめあげることができない。

    2007-03-11 05:40:00
  • 41:

    パネル*作者

    俺は俺であって、俺じゃない。
    本当の俺はホストクラブという唯一の居場所の中で求められちゃいない。
    開かれている居場所は「涼」のモノだ。

    2007-05-15 17:55:00
  • 42:

    パネル*作者

    「彼女」の前でも、本当の俺は要らなかったのだろうか?
    「彼女」が求めていたのは理想の―だったのだろうか?

    そして俺も、本当の「彼女」ではなく、理想の―を求めていたのだろうか。

    2007-05-15 17:57:00
  • 43:

    パネル*作者

    俺は、少なからず「彼女」を苦しめた。
    俺が唯一幸せにすることが出来なかった女性は今何を考えているのだろう。
    考えても考えても答えが見つからない。
    「彼女」の気持ちだけがわからない。

    2007-05-15 18:00:00
  • 44:

    パネル*作者

    誰でもいい。
    教えて欲しい。

    「彼女」とそして、本当の「俺」が幸せになるためにはどうしたらよかったのだろうか。

    2007-05-15 18:03:00
  • 45:

    パネル*作者

    代表と・・・一緒にいるのはまだ若いスーツをきた男だった。
    俺と年齢も対して変わらないだろう。
    スポーツ刈りにメガネをかけて、真面目そうな雰囲気が伝わってくる。
    きっと真面目・丁寧だけで大した苦労もせずに渡りきってきたタイプだろう。

    2007-05-15 18:06:00
  • 46:

    パネル*作者

    その生き方がいいも悪いもない。
    たとえ俺がホストという職業につかなかったとしても、俺はこんな風には育たなかっただろう。
    ふとホストをしていない自分を想像しようとしたけれど出来なかった。
    本当の俺を、俺自身が忘れかけていた。

    2007-05-15 18:09:00
  • 47:

    パネル*作者

    「涼、広告代理店の鈴木さんだ。」代表が口を開く。
    一瞬代表と目が合ったが、視線をもう一度鈴木と呼ばれるその男に戻した。
    緊張と微笑みを匂わせた表情で俺を見ていた。
    「初めまして、鈴木と申します。伝説のホストさんですね!」

    2007-05-15 18:14:00
  • 48:

    パネル*作者

    伝説?この男の最大のボキャブラリーか。
    「メイクの涼です。伝説だなんて、一体何の話ですか?」
    少しも笑いたくはないが、必要最低限の笑みだけなんとか作り出して、一言返した。
    すかさず代表だ。

    2007-05-15 18:17:00
  • 49:

    パネル*作者

    「ハハ、伝説のホストじゃなくて、これから伝説を作ってもらう男ですよ。」
    代表の白々しい返しを聞きながら、羨ましいと少し思った。
    代表は何よりもカネを愛している。
    その愛情が代表という人間を完璧につくりあげている。

    2007-05-15 18:23:00
  • 50:

    パネル*作者

    それが何だか羨ましかった。
    強い信念があることなのか、カネを愛せることなのか、一体何が羨ましいのか本当はよくわからないけれど。
    ボンヤリと羨ましいと感じていた。
    俺は、単なる代表の操り人形だから。

    2007-05-15 18:26:00
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