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**パネル**
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1:
パネル*作者
「今までありがとう。さよなら。」
ありきたりすぎて、それ以上を読み取るのが難しい言葉で終わらせた。
一つ言葉がでたら、あふれてしまうから。
2年という時間はあまりに長くて、まとめあげることができない。2007-03-11 05:40:00 -
51:
パネル*作者
俺に与えられた唯一の居場所は、代表の庭にすぎない。
本当の主である代表に俺は逆らえない。
逆らってしまったら、皆が必要とする「涼」がこの世から消えてしまう。
俺が手にすることが出来た唯一の居場所に、俺はすがっていた。2007-05-15 18:32:00 -
52:
パネル*作者
「涼、鈴木さんが特別な情報をくれたんだ。ロイヤルビルのことで。」
俺が一番嫌いな、ぞっとするような笑顔の代表が続ける。
本当は視線をそらしたいのに、鈴木という男の手前、視線をそらすことも出来ずに耐え続けた。
2007-05-15 18:43:00 -
53:
パネル*作者
ロイヤルビル
それは異惑つきの物件だった。
ロイヤルビルは、夜の街の第一等地に聳え立つ巨大なビルだった。
真っ白であったであろうその外装の華やかさは今はもうない。2007-05-15 18:48:00 -
54:
パネル*作者
ロイヤルビルを管理していたのは、大富豪の個人だった。
ビルがたった当初は華やかなキャバレーが営業していたようだが、ある事件が起きてから営業が打ち切られた。
そのあと、テナントの募集はされることがなく、足を踏み入れた人間もいない。
その立地なだけに、ビルを買い取りたいという人間はあとを立たなかったものの、所有者は決して手放すことがなかった。2007-05-15 19:02:00 -
55:
パネル*作者
きらびやかに変化を遂げる夜の街で、ロイヤルビルだけが時代に取り残されていた。
ホストのキャッチや待ち合わせにはよく使われたが、12時を過ぎると不気味な雰囲気が強かった。
そのため、ロイヤルビルの存在は、その場にあってない、俺のような存在だった。
2007-05-15 19:05:00 -
56:
ゆいこ
読んでます☆完結目指して主さんのペースで頑張ってくださいね(^-^)
2007-05-16 10:49:00 -
58:
パネル*作者
ホストという職業柄、その場での自分の役割を感じ取ってそれを演じないのは耐えられない。
本当の俺だなんてないのだから、「涼」でいられない時間はいらない。
「ロイヤルビルですか?」と2人に投げかけた。2007-05-16 17:37:00 -
59:
パネル*作者
ずっと真面目だと思っていた鈴木が、代表に似た笑顔で話し出した。
「そうなんですよ!大富豪の個人がとうとう手放したんですよ、あの物件。」
すかさず代表が口を挟んだ。
「その情報を鈴木さんが一番に掴んで、わざわざ俺にその情報と権利を提供してくれたんだ。」2007-05-16 17:46:00 -
60:
パネル*作者
代表の一段と酷い笑顔を見てわかった。
一番に儲け話に飛びつけた幸運と、他の誰でもなく自分がその権利を得る権力を持っていることを実感して幸せを感じているのだろう。
代表はそういう人間だ。2007-05-16 17:50:00