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傷跡

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  • 1:

    名無しさん

    初めて書きます。よかったら読んで卞さい。

    2006-03-25 01:45:00
  • 31:

    息を切らしながら、顔を、上げる。
    『おば…ちゃ……ん?』     
      
    ハンドルを握り締めたままの彼女は、声を 殺して…涙を、流していた。
    「…り…ちゃん……ごめ…ん…ね。」
    弱々しく、放たれていく、おばちゃんの声。        
    『…。』
    あたしは、思わず、顔を、伏せた――。
    理都ちゃ…みたいないい子が…あの子と一緒にいてくれる……なら、あの子も幸せになれるかも…って思ったわ。」
    『…。』
    「だけど、ダメ。それじゃあ意味ないの…理都ちゃんが幸せになれなきゃ…ね、意味が…ないのよ。」
    「おばちゃんは…ね、出会った時から、そんなあなたが、大好き…よ?人一倍努力して、人一倍、人の気持ちを考えれる子。だから、幸せになりなさい。強がるの…は…もう、おしまい。あなたは、十分あの子を幸せにしてくれたわ。理都ちゃん…もういいの。だからもう、我慢しなくていいのよ?ありが…とう。あなたは、誰よりも…優しい子。今まで、本当に…ありがとう。ありがとうね……。」     

    おばちゃんの言葉を最後まで聞き終わらないうちに、下を向いたままのあたしの

    2006-04-10 23:24:00
  • 32:

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    あぼ~ん
  • 33:

    あなただけには、知られたくなかった。
    アイツを信じていた、あたしを信じてくれた、あなただけには―――…  

    おばちゃ…ん        
    ごめんなさい…………

    ガラガラと、心の中に突っ掛かっていた何かが…… 音を立てて、崩れていく。    
    彼と出会ってから、誰かの前で、弱音を吐いたのは、これが…初めてだった。

    《理都ちゃん、強がるのはもう、おしまい…。》    
    あたしが、ようやく落ち着いた頃だった。おばちゃんが、シートベルトをしながら言った。
    「…さぁ、理都ちゃん、行くわよ。急がないと、時間がなくなる。」
    『え…?』
    ―彼女は、素早く、ドライブモードに切り替え、サイドブレーキを下げる。
    『行くって…何処に?』 家は、ほぼ目の前だった。あたしは、助手席で、キョトンと…していた。     
    「雄二のところよ。」
    車は、ゆっくりと進み出した。おばちゃんが、ハンドルをきりながら答える。 あぁ、雄二さんのところ…  
    ……………ん!?
    『え……ちょっ、雄二さんのところ…!?いきなりなんでですか!?』
    パニックにな

    2006-04-10 23:28:00
  • 34:

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    あぼ~ん
  • 35:

    あたしの質問が、聞こえているのか、いないのか… おばちゃんは、黙って車を走らせる――…。   
    《…雄二さんのところに?何しに行くんやろ……。》あたしは、不安で、胸が…落ち着かなかった。     
    「雄二に……ね、早いとこ頼まなきゃ。」 
    信号が、丁度、赤に変わった時――。彼女が呟いた。
    『頼むって……何を?』
    「あの子を…龍二を止められるのは、昔から、雄二だけなのよ。私じゃ…無理。理都ちゃんを、解放してあげられないの。」      
    ――おばちゃんの言葉の意味が、一瞬、分からなかった。 解放って…?     
    『あの…それ、どーいう意味です…か?』
    「とりあえず、雄二に事情を説明して…龍二を説得してもらわないと。理都ちゃんは今日中に、責任持っておばちゃんが実家に送り届けるから。荷物は…後日郵送かなんかで。今は、それしか方法がないわ…。」    
    『…え?』
    ちょ、ちょっと待って……どーいう事?????
    「あの子……治ってないんでしょ?理都ちゃんの、そのアザ…。龍二から、逃げなさい。このままじゃ…あなたは、ダメになるわ。」   

    2006-04-10 23:29:00
  • 36:

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    あぼ~ん
  • 37:

    「…え?」
    『おばちゃんお願い…!一回、止めてください!!』【キキーッッ―――】       
    「理都ちゃ…ん!?どうしたん…?」
    『…っ。実家には……戻れません。』
    戻れるワケがない――…。
    「どうしたの…?何か…あったん!?」
    『……もう戻らないって、責任取る…って、約束したんです。』
    「責任って…?」
    『勝手なことをした……あたしが、悪いから。家族とは、もう…会いません。』
    「…。」
    あたしは、一人で生きていくって決めたんだ―――。    

    「……あの子…の、せい?龍二のせいで、理都ちゃんが―――…」
    『違います!!龍二のせいじゃ…ありません。二年も顔を見せなかった、あたしの責任です。あたしが、悪いんです。』
    本当に、そう。あたしは、心のどこかで、家に帰る事を、拒んできた――…。
    おばちゃんの目からは、また、涙が零れていた。
    『ありがとう…ございます。嬉しかったです。』
    あたしは、精一杯、笑顔を見せた。
    「…理…都ちゃん、聞かせて?もし、あなたがもう…龍二の事…を、想っていないのなら……正直に、言って?実家じ

    2006-04-10 23:30:00
  • 38:

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    あぼ~ん
  • 39:

    その言葉に、正直、戸惑ってしまう、自分の心――。   
    あたしは、どうしたいの?このまま、何も言わずに龍二を捨てて…それで、幸せになれるん?後悔しない未来が、待ってるん――?      
    自分の体を、眺める。全身アザだらけの…汚い体。 トリートメントも買えなくなった、パサパサの髪。 荒れ果てて、綺麗な部分なんて一つも残っていない、ガサガサの肌――…。
    瞬間、堰を切ったように、堪えていた想いが……一気に、溢れ落ちた――。         

    『……うーー…あたしっ…あたし……はっ………』 「うん…理都ちゃん、ちゃんと聞かせて…?うん…うん…辛かったやんな?理都ちゃ…もう大丈夫やから…ごめんね…ごめんね…?」  
    おばちゃんも、大声を出して 泣いていた。運転席から、その小さな体であたしを抱き締めながら…
    これまで、自分のしてきた事って、一体何だったんだろう…? 少しは、意味を持ってくれるかな?   この先、もし何年後かに…どこかで偶然巡り合ったらアンタは、笑ってくれる?    
    《おう…☆理都!お前何しててんな〜!?》         

    2006-04-10 23:32:00
  • 40:

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    あぼ~ん
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