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傷跡

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  • 1:

    名無しさん

    初めて書きます。よかったら読んで卞さい。

    2006-03-25 01:45:00
  • 43:

    そのまま、家まで送ってもらうと、車を降りる時に、おばちゃんから、何かを手渡された。
    《封筒…?》
    『コレ、なんですか?』
    「たいしたものじゃないけど…後から、見てちょーだい。あ…でも、龍二がいないところでね。」
    一体、なんやろう…?
    とりあえず、一度頷いて、『じゃあ…今日は、ありがとうございました。』
    車のドアを、閉めようとした――。
    「理都ちゃんっ!!」
    『え……?』 
    ドアから手を離す手前で、彼女に、呼び止められた。
    「もし……今後何かあったら、これからは…すぐに言ってきなさい…ね?おばちゃんはね、あなたの事が…本当の娘のようなの。」   
    そう言って、運転席からあたしを見上げる彼女は、切なそうに…微笑んでいた。  
     
    おばちゃんに別れを告げた後、車が見えなくなるまであたしは――、ただ遠くを延々と… 眺めた。
    貰った封筒の、中身を、そっと覗く――。
    『…。』          
    恐らく、家に一度寄った時に、入れたんだろう。    
    白い封筒の中には、一万円札が何枚か…入っていた。
    封筒を、握り締めた手に、思わ

    2006-04-10 23:35:00
  • 44:

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    あぼ~ん
  • 45:

    《戻りたい場所。》だと、言った。けど、ほんはね…   
    《戻れる場所がない。》    
    あたしの【居場所】は、他の、何処にもないんだよ…
    白い息を、一度吐くと、ゆっくりと、空を見上げた。今日は、【天気予報】では雨だと言っていたのに…。空は、嫉妬するくらいに、鮮やかで…眩しいくらいにキラキラと、輝いていた。  
    こんな綺麗じゃ、きっと、忘れられないな……
    この時、あたしは、終幕が降りかかっているラストステージへの一歩を… 静かに踏み出す事を、決めた。   

    そして、彼女と会ったのは、澄み渡るように晴れた青空の日。 この日が、最後になった。

    【ガチャン――】
    部屋に戻ると、龍二は、ベッドの上で、気持ち良さそうに… 眠っていた。スースースースー……
    彼の寝息だけが、静かな部屋に――… 響く。

    《寒……》
    部屋は、外と変わらないくらい、ひんやりとしてる。暖房も付けずに布団にくるまる彼の元に、あたしはそっと… 近づいた。
    『…こんな寒い中、良く寝れるなぁ。』
    寝てる間に、足で、弾いてしまったのだろう。足元でクシャクシャになっている布団の

    2006-04-10 23:38:00
  • 46:

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    あぼ~ん
  • 47:

    「……ん…つ…。」      
    ――足が、止まる。      
    …? 背を向けたまま、彼の口から発っせられる言葉に、耳を、傾ける。         
    「…つ…ごめ…んな…。」
    しっかりと聞こえた言葉。慌てて振り向くと、龍二はまた寝息を立てて……さっきと同じように、眠っていた。         
    もう一度、彼の元に、ゆっくりと――… 近づく。 
    『…。』

    龍二、ごめん…ね。
    謝らないとダメなんは、あたしの方。あたし…今まで嘘ついてた。【アンタの為や】って思って、自分の気持ち偽ってた。       
    だけど、もう大丈夫…     
    あたし、決めたねん。一人になんかしない。アンタの傍におるから。誰の為でもない、自分の為に、アンタの隣で笑ってるから…
    だから、もしも二人が離れ離れになる時が来れば… その時は、言ってね?     
    《理都…またなっ☆》    
    もう一度あの頃の笑顔で、あたしに……言ってね…?  
    あたしは、台所に向かい、スーパーの袋から、買ってもらった、おにぎりを一つ取り出した。【パク―】
    お米なんか食べたん、

    2006-04-10 23:39:00
  • 48:

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    あぼ~ん
  • 49:

    冷蔵庫に一通り食材を詰めて、お風呂に水を溜めようと、立ち上がる。
    クラッ――――     
    まただ…。最近、立ちくらみや、目眩が、ヒドイ。   
    お風呂の扉を開けた時―、『…うっ―――』  
    あたしは、瞬時に、元来た台所に戻った。
    『ゲホ…ッゲホ……うっ…!』  
    な…に? 流し台には、さっき食べたばかりのおにぎりが、あたしの胃から、吐き戻された。
    『……ぅ…ぇ!』
    涙目になりながら、えづく。気持ち悪い……
    しばらくその場でうずくまると、口を濯いで、とりあえず部屋に戻る……。
    【ピッ】 
    ひんやりとしたソレを、脇に挟んだ。
    【ピピピピッ――】 
    『…。』
    ━38度6分━
    『……全然、下がってないやん。』   
    あれだけ薬飲んだのに…   
    『はぁ…。』あたしは、思わず溜め息をついた。
    《せっかく買って貰ったおにぎり………》

    2006-04-10 23:41:00
  • 50:

    その後、何日間か、あたしの熱が下がる事はなかった。何を食べても、吐いての繰り返し…。そのうち、水さえも、受け付けるのが苦しくなる始末だった。      

    『……んだ、こ…れ?』
    ベッドに寝たまま、一日一日が、過ぎていく。あたしの心は、精神的に、もうギリギリまで追い込まれてきていた事――、あたしは…気付いていなかった。 
    あたしの体調が良くない間龍二はいうと、看病をしてくれたり、家事をしてくれたり…していた。
    だけど、少し落ち着きだした頃―あたしの家出騒動?があったにも関わらず、彼が夜に家にいない日々が…戻ってくるのだった。     
    そんな龍二に、次第にあたしの心は【不信感】いっぱいになった。今までとは、何かが違う。平気だった。平気なフリを…していた?  
    弱りきった体でベッドの上から、夜中に部屋を出ていく彼の姿を見るのは、今まで以上に… 胸が痛んだ。
    アンタの隣で、笑ってるって決めたのに…な  
    それさえも、あたしを邪魔するん……?          

    矛盾した行動、熱で鈍った思考回路。次第にそれはひどくなり、あたしだけでは

    2006-04-10 23:43:00
  • 51:

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    あぼ~ん
  • 52:

    『………それ…何…?』    
    ようやく重い目蓋を開く。目に飛び込んできた異様な光景に、あたしの瞳孔は、必要以上に開いた……。 「え……これ知らんの!?お前ってアホやな〜。笑 アロエやアロエっ!食べた事あるやろ?」
    笑いながら言う、龍二…。    

    いや……ちょっと待って?アロエくらい知ってますから。食べた事ある以前に、゛大好物 ″ですから……
    自信満々に話す彼に、あたしは、口をポカンと開けたまま……唖然とする。      
    ヨーグルトとかね、おいしいやん。ナタデココ入りやったら、更にたまらんよ。ん…あの、触感がね?コリコリっとした歯応えが……   
    『って……だから、なぜに原型っ……!?!?』
    龍二の腕にはヨーグルトとでもなく、ナタデココ入りでもなく…。なぜか、ばかデカイ【アロエの鉢植え】が…… 抱えられていた。
    意味分からんから…(;-_-)  
    「お前なぁ〜アロエは、何にいいか知ってるか?」 何にいいか…って。
    『美容…?ダイエット?』「ちゃぅわ〜!肌が綺麗になるんやて。連れのねぇちゃんに聞いたねんっ!」   
    『…肌?』

    2006-04-10 23:44:00
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