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━続・傷跡━
-
1:
理都
完結まで、宜しくお願いします?
━傷跡━初めからはこちらです→http://bbs.yoasobiweb.com/test/mread.cgi/yomimono/1133335290/-52006-01-04 03:52:00 -
180:
理都
空っぽの胃に、ひたすら、お茶を注ぎ込む。
「なぁ理都…直哉に、頼んでみよか?」
龍二が突然、そう言ったのは、さすがにこのままじゃ危ない――。と、思い始めたある昼下がりだった。
『直哉に?何を…?』
てっきり、仕事を紹介してもらうんだと、思った。2006-01-14 13:33:00 -
181:
理都
「金…貸してくれって。」龍二が、下を向き、気まずそうに言う。
『お金って………。アンタは、それでいいん?』
プライドの固まりのようなアンタも、親友になら、弱いところを見せれるん‥?
2006-01-14 13:37:00 -
182:
理都
「確かに…連れには、頼りたくないねん。やけど、オカンにも兄貴にも頼られへんし…このままやったら、俺らヤバイやろ!?」 ―――――。
『…やからって、今のアンタに返すあてはないやろ?返すあてもないのに、直哉に借りれるん?』
人を信頼する事の難しさを一番知ってるんは、龍二、アンタやろ?
2006-01-14 13:46:00 -
183:
理都
『直哉を裏切る結果になったら、一番傷つくんは…アンタ自身やねんで?』
あたしは、そうなって欲しくないねん。
アンタにとって、直哉の存在の大きさは分かってる。口には出さへんけど…アンタは、直哉の事を信頼してる。だからこそ、なかなか頼む事が出来ひんかった。失いたくないから―――。
龍二、あたしもな、アンタに直哉の事だけは、裏切って欲しくないねんよ。
2006-01-14 13:54:00 -
184:
理都
「……でも、ほんなら、どーしたらえぇねんっ!!!このままやったら、餓死してまうねんぞっ…!?」
『車、売ろう。』
「え…………!?」
『車、また売ったらいいやん。そしたら、食費くらいにはなるやろ?』
――自分の口から、こんな言葉が出てくるとは、思いもしなかった。2006-01-14 14:10:00 -
186:
理都
今までとは、確実に、あたし自身も、変わっていたのかも知れない。
「……車て、お前、せっかく買ったのにえーんか?」あたしの言葉に、驚きを隠せない様子の龍二。
『落ち着いたら、また買ったらいいやん。今は、生活の方が大事やろ?』
あたしは、笑顔で答えた。2006-01-14 14:18:00 -
187:
理都
「理都…ごめんな? ほんまに‥‥ごめん!お前にこんな思いさせる為に、一緒におるわけじゃないのになぁっ………?」
龍二は、悔しそうに。あたしを抱き締めた。
体のちっちゃいあたしは、彼の腕の中に、スッポリとおさまる。 『龍二?謝らんとって…?あたしは、大丈夫やから。アンタが傍におってくれるだけで…十分やから。』 腕の中で、あたしがそう言うと、龍二は黙ったまま、あたしの髪の毛を何度も、何度も――――‥
優しく撫でていた。
2006-01-14 14:32:00 -
188:
理都
次の日―。
早速、あたし達は朝から、車を売りに行った。前回の時よりだいぶ安くてショックを受けたけど‥‥とりあえず、今月分の家賃と、食費くらいにはなった。
『これで、なんとか生き延びれるな〜☆』
帰り道、笑いながらあたしが言うと、「そうやな。」と龍二も、微笑んだ。2006-01-14 14:41:00 -
189:
理都
目に映る、草木は色付き、紅葉が情緒溢れる。
あたし達は、通り慣れた道を、手を繋いで帰った。 こうやって二人で歩くのがすごく新鮮で、なんだか…懐かしい感じがした。
【ダンダンダンダンッッ―】
階段を駆け昇り、息を切らして、階に辿りつく。 『はぁぁっ…バリ疲れ…』あれ――――――? ふと、部屋の前の【人影】に気付く‥‥。
2006-01-14 14:53:00 -
190:
名無しさん
?
2006-01-14 15:40:00 -
191:
名無しさん
????????????
2006-01-14 17:40:00 -
192:
名無しさん
あ|+〃?
2006-01-14 20:09:00 -
193:
理都
『お母さ‥‥‥ん?』
ドアの前には、両手にスーパーの袋をたくさん持った母が、立っていた。
なん―――――‥で?
「…理都、久しぶり。」 母は、あたしに気付くと、目尻にシワを寄せてニッコリと、微笑んだ。
2006-01-14 21:54:00 -
194:
理都
『お母さん…なんで、ここにいるん!?なんで場所分かったん…!?』
あたしは、ただ頭の中がパニくっていた。母に、居場所を言った覚えは‥‥‥ あっ――‥
《今、何処にいるかだけでもいいなさい!じゃないと…お金なんか渡せへん。》あの時に・・・・・
「この子は、自分で言った事も忘れてるん?」
母は、そう言って、少し呆れたように笑った。2006-01-14 22:02:00 -
195:
理都
『でも、なんでっ―……』
「あなたが、龍二くん?」
あたしの言葉を遮って……母が、隣で呆然と立ち尽くす、龍二に声をかけた。
「えっ…?あ、はい…!そうっす。」
龍二は、動揺を隠せない様子で、返事をした。2006-01-14 22:07:00 -
196:
理都
「初めまして。理都の母です。この子が、いつもお世話になってます。」
母は、目の前の龍二に深々と… 頭を下げた。
『ちょっ…お母さん…?やめてよ!』
あまりにも律儀に挨拶する母が――、なんとなく嫌だった。
2006-01-14 22:14:00 -
197:
理都
「いや…こちらこそ、お世話になってます。」
龍二もつられて、軽く、会釈をした。
『お母さんっ、頭上げてってばっ!!!!』
あたしは、少し…大きな声を出してしまった。
その声で、母は、ゆっくりと顔を上げた。2006-01-14 22:19:00 -
198:
理都
「これ、持ってきたんよ。三日も食べてないって言ってたから…。」
顔を上げた母は、両手に持っていた大きなスーパーの袋を覗き込むと、
「何が好きか…分からなかったから。適当に、買ってきたんやけど…肉とか魚とか、あと、保存出来そうなものもいくつか。あと、これは…生物だからすぐ冷蔵庫に入れてね?」
と――、あたしが、子供の頃から大好きな【チーズケーキ】を、差し出した。
2006-01-14 22:29:00 -
199:
理都
チーズケーキや‥‥‥‥。そんなん、何ヵ月、食べてないかなぁ?
実家におる時は、なんでかしょちゅう冷蔵庫に入ってて。あたしが好きなん知ってたお母さんが‥‥ 買ってきてくれてたんやろな。
『うん…分かった。すぐ入れるわ。』
あたしはそれだけ言って、母が持つスーパーの袋を、受け取った。2006-01-14 22:36:00 -
200:
理都
「じゃあ…お母さん、帰るから。龍二くん? 理都と仲良くしてやってね。」
母は龍二の方を見て、笑顔でそう言った。
「えっ…?あ…はい!ありがとうございました。」 龍二は、突然の自分への言葉に、慌てて返事をしていた。
「じゃあ…理都、またね。何かあったらいつでも電話してきなさいね。」2006-01-14 22:47:00 -
201:
理都
母は、そう言うと、廊下を歩き、ゆっくりと階段を降りていった。
その後ろ姿を、あたしはただ呆然と、見つめていた。
「…………理都?」
―――――え‥。
龍二の声で、我に返る。2006-01-14 22:52:00 -
202:
理都
「どーしたん!?ボーっとして…。おばちゃん、めっちゃ優しいなぁ!食材、はよ冷蔵庫に入れよや。」 龍二が、あたしの手からスーパーの袋を取ると、ジーパンのポケットの中から、片手で鍵を取り出した。
『あっうん…そやな。』
あたしは、慌てて返事をした。
だけど、視線だけは、長く続く廊下の先から――。 まだ、離せないでいた。
2006-01-14 23:03:00 -
203:
まい
りつチャン強いなぁ。人間的にもめちゃくちゃ好きやわ。ガンバッてね。
2006-01-14 23:04:00 -
204:
理都
《部屋にあがっていく?》くらい、言えば良かったかな……。
フォークに刺さったチーズケーキを口に運びながら、ふと思った。
《あ、やっぱりおいしい‥‥‥。》
母が持ってきてくれたチーズケーキは、最近、まともに何も食べてなかったせいか。 格別に、おいしく感じた。2006-01-14 23:10:00 -
205:
???
頑張って?
2006-01-14 23:14:00 -
206:
理都
まいチャン、ありがとうございます! 読んで頂けて嬉しいですm(__*)m
この時の彼は、精神的に弱くなっていたので…
あたしが強くいなきゃと、思っていたのかも知れないですね。2006-01-14 23:16:00 -
207:
理都
???チャン、いつもありがとうございます!励みになります!(。_。*)2006-01-14 23:18:00 -
208:
理都
こうして、あたし達は、なんとか生き延びる事が出来た。車を売ったお金で家賃と、光熱費を払った。母が持ってきてくれた食材で、食費もしばらくは、かからない。
助かった‥‥‥‥。
この時の本心は、本当に、ただそれだけやったと思う。2006-01-14 23:45:00 -
209:
理都
子供だったあたし達は、生活の大変さ、というのを分かっていなくて。
お金さえあれば生きていけると、思っていた。 だけど、そのお金を稼ぐ為には、仕事をして、働かなきゃいけなくて。
そうやって、みんな生きているのが当たり前なんだって事を‥‥
馬鹿なあたしは、すっかり忘れてしまっていた。
2006-01-14 23:55:00 -
210:
理都
そう、お金は嫌でも、消費される。収入がないと、成り立たない。
車を売ったお金は、あっという間に、消費された。
そして、冷蔵庫の食材も…あたしの【節約】の努力も虚しく、気付いたら、完全に消費されていた。
2006-01-15 00:01:00 -
211:
理都
「……なぁ、あと金ナンボ残ってるん?」
ベッドに寝転がりながら、台所に立つあたしに、龍二が言った。
『財布には、二万…くらいかな。』
財布には、じゃないな。 正確には、これが、あたし達の【全財産】。2006-01-15 00:06:00 -
212:
理都
【カタン―‥】
「ふーん。っつか…また晩飯カレーなん?昨日も一昨日も食ったやんけ…。いい加減、飽きてくるわ。」 テーブルに並べた料理に、龍二が不服そうに言った。『…またって、仕方ないやん。カレーは、日持ちするねんから。』
《ふーん》って‥‥
アンタは、この状況を、理解してないん?
2006-01-15 00:12:00 -
213:
龍二
「日持ちって、たまにはメニュー考えろや。シチューにするとか、カレーうどんにするとか…なんかあるやろ!?毎日毎日カレーばっか食ってたら、胃もおかしなるわ。」
スプーンをダルそうに持ちながら、龍二は、吐き捨てるように言った。
『……ごめん。明日から、考えるわ。』
あたしは、そう言って、二日間煮込んで熟成されきったカレーを、ゆっくりと口に運んだ。2006-01-15 00:20:00 -
214:
理都
近頃、龍二はまたイライラしている。
お金が無くなってきたせいか、しばらく遊びにも行ってないせいか、理由はハッキリとは分からない。
だけど、文句やワガママを言ったり、何かと突っ掛かってくる事が増えた。2006-01-15 00:25:00 -
215:
理都
心に、余裕がなくなっているんだろう。
それは、あたしも一緒。
だから、少しくらいの我慢なら苦痛にもならないよ?
2006-01-15 00:32:00 -
216:
名無しさん
????????????
2006-01-15 00:38:00 -
217:
名無しさん
????????????????????????
2006-01-15 00:40:00 -
218:
あ
まぢイライラすんなぁ?その男??
2006-01-15 06:06:00 -
219:
理都
あチャン、ありがとうございます!
良ければ、ラストまで読んでやって下さい??2006-01-15 11:15:00 -
220:
理都
「おいっ!!お前、俺のタバコ知らんか!?」
え?タバコ…?
『アンタ…全部吸い終わってたやん。』
灰皿の中には、溢れるくらいの吸い殻がビッシリ。2006-01-15 11:21:00 -
221:
理都
「ったく……イライラすんなぁ。」
そう言うと龍二は、短くなった吸い殻を取り出して、無理矢理 火を付けた。
『……食べるものないからちょっと、買い物行ってくるな?』
あたしは、財布を持ち、その場を立ち上がる。
玄関を出る前に、もう一度声をかけたが、彼からの返事はなかった。2006-01-15 11:38:00 -
222:
理都
財布を握り締め、早足で駅前のスーパーへ迎う。
すれ違う人々を見ては、羨んだり、安心したり。
そんな自分が、結局、一番惨めに見えたり―――。
スーパーに着くと、買い物カゴを持って、店内に入った。2006-01-15 12:05:00 -
223:
理都
《カレーは、嫌やって言ってたしなぁ…。》
食品売場をグルグル回りながら、献立を考える。
かと言って、日持ちしそうな料理と言ったら、それくらいしか思いつかない…。
《あ‥‥‥‥‥‥!》
その時、あたしの目には、調理済みのオカズコーナーが目に入った。2006-01-15 12:10:00 -
224:
理都
《ハンバーグやぁ……。》
調理済みコーナーには、 【温めるだけ】という、ハンバーグが売られていた。
《龍二、ぜったい喜ぶやろなぁ…!》
そう思いながら、ついている値段を見る。
一つ、480円かぁ・・・。2006-01-15 12:17:00 -
225:
理都
材料を買って自分の手で作るのに比べたら安いけど、二つ買ったら、1000円近くいってしまう…。
あたしは、手に持っていた二つのハンバーグを、
一つだけカゴに入れ、
もう一つは売場に戻した。
2006-01-15 12:24:00 -
226:
名無しさん
????????????????????????
2006-01-15 12:28:00 -
227:
理都
あたしは、買い物カゴに、石鹸を一つ、放り込んだ。
《リンスはまだ残ってたし…洗うんくらい、これで泡立てたら大丈夫やんね!》
石鹸で髪は洗った事なかったけど、一人で納得して、そのままレジに向かった。
2006-01-15 12:37:00 -
228:
理都
レジで会計を済まし、カウンターの上で、カゴの中の商品を袋に詰める。
合計、1680円か……。
《まぁ、これで三日は持つかな…?》
あたしは、袋を手に持ち、スーパーを出ようとした。その時――。
《あ…!めっちゃいいニオイする…。》2006-01-15 12:43:00 -
229:
理都
いい香りがする方向に目を向けると、スーパーの構内にあった、【パン屋さん】が目に入った。
《焼きたてのパンの、めっちゃいいニオイ…!》
あたしは、フラフラと‥‥パン屋の店内に入った。
2006-01-15 12:48:00 -
230:
理都
《うわぁぁ…どれも、めっちゃおいしそう……。》
パン屋さんのパンは、スーパーに売ってる冷たくて袋詰めされたパンとは違い、ほんとにどれも キラキラ 輝いて見えた。
だけど、やっぱり値段もそれなり‥‥‥‥か。2006-01-15 12:57:00 -
231:
理都
店内の中で、恐らく、一番大きな形をしたパン。
【フランスパン】
《あ……これ、お腹いっぱいなりそう!》
フランスパンは、その大きな形の割に、他の可愛い物に比べ、値段は安かった。
2006-01-15 13:11:00 -
232:
理都
あたしは、目の前のフランスパンを一本トレイの上に乗せると、そのままレジへと向かった。
《早く帰らな龍二待ってるわ………。》
パン屋で会計を済ますと、両手いっぱいに荷物を抱えて、早足で家まで帰った。
2006-01-15 13:15:00 -
233:
理都
休憩します_?
読んでくれた方がいましたら、ありがとうございました(。_。*)2006-01-15 13:17:00 -
234:
???
頑張って?
2006-01-15 14:59:00 -
236:
理都
???チャン、いつもありがとう??
2006-01-15 16:51:00 -
237:
理都
『ただいま。』
家に帰ると、龍二はテレビゲームに熱中していた。 「…おーあっ…くそ。」
『ご飯買ってきたで。食べるやろ?』
【ドサ―‥】
あたしは、荷物を台所の上に置くと、とりあえず家着用のスウェットに着替えた。2006-01-15 16:59:00 -
238:
理都
「今日の晩飯なんなん?」
ゲームの電源を切り、テーブルの前に座った龍二が尋ねる。
『今日はな、ハンバーグ買ってきたねん☆アンタ好きやろ?』
あたしは、自信満々に、袋から買ってきたハンバーグを取り出す。
2006-01-15 17:05:00 -
239:
理都
「マジで!?ハンバーグとか久々やん!バリうまそうやしっ!!」
龍二は、子供みたいな顔をして喜んでいた。
《ほんま、単純やなぁ‥》あたしは、その姿を見て、思わず笑ってしまった。
「あれ?やけどコレ、一個しかないやん。なんで?」
2006-01-15 17:16:00 -
240:
理都
一個しかないハンバーグに気付いた龍二が、不思議そうな顔をして聞いた。
『あ…あぁ、あたしは違うもん食べるから!ほら、冷凍食品もこんなに買ってきたし☆』
袋の中から、まだ霜が溶け切れていない冷たい冷凍食品を見せた。
「…それは?なんなん?」
2006-01-15 17:24:00 -
241:
理都
「その、袋が無駄にデカイやつ…。」
え‥‥‥?あっ、
『これ?これな、フランスパン。スーパーの構内にパン屋あるやろ?いいニオイに釣られて…思わず買ってもたねん。笑』
あたしは、袋からその無駄に長いパンを取り出して、テーブルの上に置いた。2006-01-15 17:30:00 -
242:
名無しさん
????????????
2006-01-15 17:41:00 -
243:
理都
「デカッ……っつか、バリ硬そう………!」
『フランスパンは、硬いもんやで。笑 パン屋のんやからおいしいって☆龍二も食べてみる?』
あたしは、パンを袋から出して、紙袋のまま、龍二に手渡した。
「ええわ……。俺、パン嫌いやねん。」 龍二は、それを受け取らず台所に向かうと、ハンバーグを温め始めた。
2006-01-15 17:51:00 -
244:
理都
結局、あたしは二人分の冷凍食品をいくつか温めて、主食の代わりに、買ってきたパンを食べた。
《おいしいのになぁ…。》
もともと、パン好きだったあたしは、夕食が冷凍食品とフランスパンだけでも、不満は、なかった。
2006-01-15 17:56:00 -
245:
理都
翌朝―。
昼頃に目が覚めたあたし達は、龍二は、買い置きしていたカップラーメンを、あたしは一人、昨日の残りのパンを食べていた。
♪〜♪〜♪
突然……ベッドの脇に置いてあった龍二の携帯が鳴った。
2006-01-15 18:07:00 -
246:
理都
『龍二ぃー?電話、鳴ってんでー!?』
ちょうど、冷蔵庫にお茶を取りに行った龍二を、呼び戻す。
「お、マジで?誰や〜?」戻ってきた龍二は、お茶を片手に携帯を開き、ディスプレイを見た。
「あ‥‥光輝くんやん!」
2006-01-15 18:21:00 -
247:
理都
【光輝くん】を覚えてる人は、いるでしょうか…?
以前、元カノを呼んで遊びに行った時の龍二の先輩。
那智さんは、学生時代の先輩で、光輝くんは、また違う繋がりの…地元の先輩だった。
まぁ、簡単に言ったら龍二のお兄ちゃんである雄二さんの、【同級生】だった。
2006-01-15 18:33:00 -
248:
かぉりん
リッたん?ぉっかめぇッッ★更新待ってたょぉッッ??頑張れぇ?ぃッッ?з?
2006-01-15 18:47:00 -
249:
理都
かぉりんチャン、お久しぶりデス?読んで頂けてて嬉しいです!(。_。*?)
レス?は励みになります?ありがとう?=?2006-01-15 19:35:00 -
250:
理都
【カチャ―】
「…もしも〜し!?あっ、お疲れっす!はい。めちゃ久々っすね〜!!」
光輝くんとは、あれ以来会ってなかったせいもあり、久々の連絡に、龍二は嬉しそうに電話に出た。
「え?今っすか〜?いや、なんもしてなぃっすよ!」ん‥‥‥?この展開は‥‥嫌な予感がする。
「えっ…はい!全然来て下さいよ〜!めちゃくちゃ暇してるんで!!笑」2006-01-15 20:15:00 -
251:
理都
ガーーーーーーーン↓↓ やっぱり・・・・・
『ちょっ…龍二、部屋見てみや。汚すぎやろ!?人とか入れへんって…!』
あたしは、慌てて電話を片手に持つ龍二に、小声で言う。
「え?大丈夫やって。そんなん気にせん気にせん!」・・・・・おい。
アンタが気にしなくても、あたしは気にするってば…。2006-01-15 20:21:00 -
252:
名無しさん
????????????
2006-01-15 20:27:00 -
253:
???
しおり?
2006-01-15 20:41:00 -
254:
理都
?チャン、???チャン、いつもありがとう!(*^_^*)
2006-01-15 21:30:00 -
255:
理都
「…あ、いや大丈夫っす。うぃっす!んじゃあ、待ってますんで〜!」
【カチャ―】
『ちょっ・・なぁ!光輝くん来るん!?』
「え?おう。近くおるからあと15分くらいで着くってさ。」
15分って・・・・・2006-01-15 22:53:00 -
256:
理都
『アンタ、なんでいっつもそんな勝手なん…!?あたしスッピンやし、髪もボサボサやし、部屋も台所も…見たら分かるやろっ!?』寝起きやし、人なんか呼べる状況やないのくらい理解出来るやん‥‥。
「だからぁ、そんなん誰も気にしーひんって。部屋なんかいつも汚いやんけ。」『……っ、そーゆう問題やないやん!!』
ほんまに、嫌。こーゆうのは、ほんまに・・・
女と男の【違い】。アンタは、分かってるん?
2006-01-15 23:02:00 -
257:
名無しさん
????????????????????????
2006-01-15 23:27:00 -
258:
理都
龍二はいつもそうやった。
一緒に住んでからだって、夜中でも平気で友達を呼ぶし、あたしがお風呂からあがったら、いきなり誰か、来てた日もあるくらい。 《え…なんでっ?人が、お風呂入ってんねんで!?》
その度に、口論になった。だけど、龍二は、
《呼びたきゃ、お前も呼べばええやん!》
と、いつも、悪怯れもなく答えるだけだった。2006-01-15 23:39:00 -
259:
理都
『いい加減にしてよ……。あたしの事とか、ちょっとは気使ってよ……?』
光輝くんが苦手なのも、理由の一つだったのかも知れない。それは、以前から龍二にも言っていたから。
「はぁ…お前もいい加減、慣れてくれや。俺の先輩やで?見た目イカツイだけで恐ないやろ…?」 恐いとか、恐くないとか、そーゆう事じゃないのに
2006-01-15 23:49:00 -
260:
理都
『もう、ええわ。』
あたしは、そう言って龍二から背を向けると、化粧ポーチを手に取った。
………さすがに、眉毛だけは書いとかんとな。
「ったく、なに機嫌悪なってんねん。気悪いなぁ。」
《気悪いんは、どっちやねん・・・・。》2006-01-15 23:57:00 -
261:
理都
イライラを隠せないまま、簡単に化粧をして、髪の毛を水で濡らしてから、部屋に散らばるゴミを拾って、手際よくゴミ箱に入れる。
【ピンポーン―――】
あ・・・その時、部屋のチャイムが鳴った。
「おっ、光輝くん来たみたいやな!」
龍二は、ダボダボのスウェット姿のまま、玄関へ向かった。2006-01-16 00:23:00 -
262:
名無しさん
????????????
2006-01-16 00:56:00 -
263:
名無しさん
????????????
2006-01-16 01:28:00 -
264:
名無しさん
????????????????????????
2006-01-16 01:36:00 -
265:
理都
【ガチャッ――】
「あ、お疲れっすー!笑 マジ久々っすね☆入って下さい入って下さい!」
「うぃーす。お前久々やなぁ。元気してたかぁ?」
玄関の開く音と一緒に、少し懐かしい光輝くんの声が聞こえた。2006-01-16 02:20:00 -
266:
理都
「まぁ〜、ぼちぼちっすね。最近、ダラダラっすけど!」
「なんやお前、仕事どーしてん?続けてんかぁ〜?」「や〜それが…色々あったんすよ〜。これまた。」
「はぁ?笑 色々ってなんやね――、……お、りぃ!久しぶりやんけっ!」
『あ…お久しぶりです。』
2006-01-16 02:27:00 -
267:
名無しさん
あ|+〃?
2006-01-16 12:15:00 -
268:
か
はよ?
2006-01-16 16:42:00 -
269:
名無しさん
????????????????????????
2006-01-16 16:46:00 -
270:
理都
「なんやぁ、りぃお前スッピンちゃぅん?スッピンやと小学生みたぃやな。笑」
は・・・?
しょっ…小学生ぃぃぃ・・!?
アリエン………(;´c_` ?)2006-01-16 23:07:00 -
271:
名無しさん
????????????????????????
2006-01-16 23:13:00 -
272:
理都
『いちぉ・・・化粧してますよ。』
童顔ってこと、気にしてんのにな……。
「あははっ!小学生とか!お前、痛いとこつかれてるや〜ん!笑」
・・・・は?2006-01-16 23:29:00 -
273:
名無しさん
????????????
2006-01-16 23:32:00 -
274:
理都
↑略すみません?
2006-01-16 23:32:00 -
275:
理都
「光輝くんっ、こいつコレでもメイクしてるんで〜!いつもが濃いだけっすよ。笑」
「あっ、そぅなん?髪もストレートやし、いつもとイメージちゃうもんなぁ。」「…ストレートやと、小学生ってかヤンキーみたいしょっ!?」
「あははっ、確かにスウェットやから尚更なぁ。」
・・・・・ヤンキー?2006-01-16 23:43:00 -
276:
理都
「おいっ理都…!?お前、何険しい顔してんねん。そんな顔したら、更にヤンキーやぞっ!笑」
・・・・イライラする。
・・・・急に来たんは、どっちなん?
2006-01-16 23:49:00 -
277:
理都
『……ちょっと、コーヒー入れてくるわ。』
あたしは、表情を変えずにその場を立ち上がった。
「おいっ、理都。」
2006-01-16 23:54:00 -
278:
理都
………… 後ろで龍二が呼んでいたけど、あたしは、振り返らずに台所へ向かった。
『はぁ。』
なんで、あたしが笑い者にされなあかんのかな。
2006-01-17 00:01:00 -
279:
理都
ヤカンの熱湯をカップに注ぐと、コーヒーを入れ混ぜて、一気に飲んだ。
『………つっ。』
――こんな、些細な事で、イライラしてる。
あたしが、おかしいん?
2006-01-17 00:09:00 -
280:
理都
龍二が最近おかしいのは、心に余裕がないからだと、思ってた。
イライラしたり、何にでも突っ掛かったり。
あたしは、それを理解してるから。
いつも、彼の言葉に笑って答えてた。
2006-01-17 00:14:00