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忘れられた日々
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1:
ナナコ
PM10:30−
その日は土曜日と言う事もあって、街は賑わい人で溢れていた。
私も週末を楽しむ一人だった。職場の友達とショッピングや食事を済ませ、程よくお酒が身体に入っていた。二軒目を目指し道を進む中、私はある人物に再会した−…2006-05-31 21:45:00 -
11:
ナナコ
『間に合った?!…なっ?なっ?』
教室へ入って来るなり息を切らし大声でそう叫んでいた。『ブッ…!!アハハハハッ☆』クラス中そんな彼を見て吹き出し、笑いで包まれた。彼は少し頬を赤く染めると『俺はナガセ カオルだぁー!』と黒板前で両手を広げまた叫んだ。
《ナガセ カオル…スゴッ!!》
それが第一印象だった。2006-05-31 23:29:00 -
12:
ナナコ
初日にしてカオルがクラスの人気者になった事は言うまでもない。
そんなカオルを私は羨ましく思い憧れた。私は人見知りが激しく友達を作るのは苦手だった。性格自体は明るい方だと思うが、声を掛けるという行為が出来ないのだ。
カオルは持ち前の明るさと独特な雰囲気にクラスだけに留まらず学年中での人気は急上昇した。2006-05-31 23:37:00 -
13:
ナナコ
カオルとの出会いから半年が過ぎ様としていた。最近女子の間ではカオルの話しで持ち切りだ。入学当初に比べ背が伸び垢抜けて来たカオルに恋心を抱く女子が数え切れない程いたのだ。当の本人は知ってか知らずか相変わらずで、それが余計に女子を悩ませた。
2006-05-31 23:47:00 -
14:
ナナコ
私はというと、友達もでき親友と呼べる子もいた。平凡に学校生活を送っていた私だが、カオルだけは苦手だった。苦手と言うよりも近寄り難い…。私からみたカオルは芸能人と変わりなかったのだ。憧れを抱き遠くから見ているだけだったが不満はなかった。そんな私とカオルはこれといって言葉を交わした事もなかった。
2006-05-31 23:53:00 -
15:
ナナコ
PM4:30
イチョウの葉が散り、もうそこまで冬が来ていた。
『寒っ…』その日私は居残りがあった為、親友のアズサに先に帰って貰い一人帰路についた。校門をくぐろうとした時、人影に気付き目を向けた。
『まだスキやけど…別れよ。』『……。』2006-06-01 00:02:00 -
16:
ナナコ
そう言った違う制服を来た女の人は涙を流していた。まるでテレビドラマでも見ている気分だった。私の日常からは掛け離れたセリフだった。
私はドキドキしながら無言な男の人を見た。
《…?!ナギサ カオル!》驚きで頭が真っ白だった。今まで彼女がいるなんて噂を聞いた事がなかったからだ。いても不思議はなかったけど、何故だか胸がチクチク痛んだ。2006-06-01 00:09:00 -
17:
ナナコ
ぼぉっとその光景を見ている私に女の人は気付いたのか、バチッと目が合ってしまった。私は咄嗟に目を反らし鼓動を落ち尽かせ様とした。
『……マナベ ナナコ。』
ボソッとカオルが言った。恐る恐る見上げると、カオルが歩み寄っ来た。『盗み聞き?』『えっ?!…違っ…ゴメンナサイ。』初めての会話がコレって最悪だ。2006-06-01 00:17:00 -
18:
ナナコ
『ハァ…』カオルは溜息をつくと何も言わず駅へと向かった。『…あ!誰にも言わへんから!』何か言わなきゃと思ってやっと出た言葉だった。カオルは顔だけで振り返って『頼むわ…。』と言った。
2006-06-01 00:21:00 -
19:
ナナコ
翌日−
《ぁ〜。学校行きたない…》
カオルと会いたくないと言う方が正しい。気まずい気持ちの中、気付けばもう学校だ。重い足どりで下駄箱へ向かう。『マナベさん、おはよ。』『…?!』カオルが腕を組み立っていた。『おはよ…』気まずい雰囲気の中、上履きに履き考えると急ぎ足で歩いた。2006-06-01 00:27:00 -
20:
ナナコ
『一緒に行こうや。』カオルが後ろを付いて来た。《見張られてる?》と思いながら『ウン。』とだけ言って並んで歩く。
別に何を喋る訳でもなく、ひたすら沈黙が続いた。『…別に一緒におらんでも言ったりせんから、大丈夫やで?』私は教室が見えて来るとそう言った。
カオルは私の言葉は無視し、『じゃぁ、また帰りな!』と言って先に教室へ入って行った。2006-06-01 00:34:00