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■愛しき人■

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  • 1:

    向日葵

    短編ですが、実話交えて書いて行きます。読んでくれたら嬉しいです?

    2007-05-14 16:47:00
  • 14:

    向日葵

    いつもと同じ夜。    あたしは公園のベンチで、星を見上げてた。    ―綺麗な夜…―     そう思うのもつかの間、 全く知らない男の子が、 あたしの顔を覗き込んだ。『何しとん?自分いっつもここにおるやろ〜?家出少女か?笑』       「…」          『今晩雨やで?』    「嘘?!」         『嘘〜(笑)星出てるやん』「あぁ…」        彼は、それからちょこんとあたしの横に座り、色んな事を話し始めた。    名前は前田洋介である事、あたしより、1つ年下である事。親の事。友達の愚痴。たわいのない会話…。そして、あたしに一目惚れした事。

    2007-05-15 21:29:00
  • 15:

    向日葵

    『俺んち住めや〜。部屋狭いけどな〜笑。ちなみに親おるけど〜』      洋介は恥ずかしそうに言った。          「無理。ごめんね。」   『何でなん?さっきも言うたけど〜一目惚れしたんやって。』        洋介は恥ずかしそうにしながらも引く様子は無く、何度も繰り返し、繰り返し、同じ事を言った。                あたしには、好きという感情が分からない。    誰かに愛された事も無ければ、愛した事も無いから。ましてや、あたしは今日、初めて彼を知った。そんな奴に、好きだの、一目惚れしただの言われても、信じようが無い。                  「無理だってば。」    『家無い癖に。何もせんから来いって』                  洋介との討論は、朝の5時過ぎまで続いた。                「分かったよ。じゃあ住ませてもらう…」                 結局、洋介の強引さに負け、あたしは洋介の家に行く事になった。

    2007-05-15 21:41:00
  • 16:

    名無しさん

    頑張って!

    2007-05-15 21:45:00
  • 17:

    向日葵

    16サンありがとう?
    頑張るね?

    2007-05-16 13:22:00
  • 18:

    向日葵

    「おじゃま…します…」  あたしは小声で申し訳なさそうに、洋介のお屋敷の門をくぐった。      『はいよ〜笑。そんな怖がるなや〜』       洋介はあたしの感情を察したかの様に手を握り、お屋敷のドアを開けた。

    2007-05-16 13:34:00
  • 19:

    向日葵

    ―ガチャ…―                  『おはよう親父。話しがあんねん。』                   彼は淡々と説明し、あたしはただただ、下を向き、お願いします、と言うだけだった。                     『そういう事なら、ここにいるといい。』                 洋介のお父さんはニッコリと笑い、あたしの頭をポンポンっと叩いた。

    2007-05-16 13:51:00
  • 20:

    洋介の家族は、あたしを家族のように、慕ってくれ、必要としてくれた。   純粋に嬉しかった。   だけど、今まで心の汚い人達に育てられたあたしは、それとは逆に、洋介を、洋介の家族を憎んだ。   いや、憎んだんじゃない。性格には、羨ましくて、妬んだと思う。                  あたしには、こんなに大切に思ってくれる、家族はいない。                     『ただいま〜美鈴』               「お帰り…」                   『何で泣いとん…?』              「え?いや、何もないよ。目にゴミが入っただけ」             『何やねん?言えや』              「そーいうのが腹立つの。何も知らない癖に分かったような振りして、知らない事があったら、問い詰めて問い詰めて…話したくない事だってあるよ。」               思ってない事が口から次々と出る。                    「だいたい、好きとか言ってるけど、あたしの事何も知らないじゃん。強引に家連れてこられて、本当はいい迷惑。」                   ―あたし…最低―                『お前の事知らんで。分かる訳ないやん?お前自分の話せんねんから。やけど、泣いてたら気になるやろ?だから聞きよるねん。でもそれが嫌やったならごめん。やけどな、俺、やっぱりお前の事気になるからほっとかれん。』                  ―この人は、本気で言ってるのだろうか。こんなあたしを、本当に、好きだと、言ってくれているのだろうか―" " "07/05/16 14:45

    2007-05-16 14:45:00
  • 21:

    名無しさん

    ?

    2007-05-16 16:30:00
  • 22:

    ―もしも、こんなあたしを本気で思っていてくれてるなら…本当の事を、話してもいいかもしれない。11歳で、母親に捨てられた事も、親戚のおばさんに邪険にされた事も、年の離れた妹が、孤児院で生活している事も。そして、あたしは、最低な方法で小遣い稼ぎをしてきた事も…―" " "07/05/16 17:21

    2007-05-16 17:21:00
  • 23:

    向日葵

    ―あたしの全てを話しても、この人は変わらず、あたしを必要とし、好きと言ってくれるのだろうか…―                         『そろそろ話してくれてもええんちゃう?俺は何を聞いても気持ち変わらんで』            「簡単に言わないで」               『…分かった。お前から話してくれるの待つわ。』 洋介は、部屋を出ていった。                                   やっぱり言えなかった。生まれてきて15年、あたしは人に気持ちを伝えた事なんてない。きっと、同情され、哀れな目を向けられるだけ。そう思っていたから。それでも、洋介には、言えるような気がした。洋介なら、分かってくれるかもしれない、と。洋介が、あたしにいつもくれる笑顔の裏には、どこかあたしと似ているものがあった。   だけど、やっぱし言えなかったのは、きっと、洋介に嫌われたくなかったからだろう。         どうでもいい、と思いながらも、あたしは、洋介に引かれていたから。    きっと、この気持ちが、愛しい、という感情だと感じたから。

    2007-05-16 17:34:00
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