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■愛しき人■

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  • 1:

    向日葵

    短編ですが、実話交えて書いて行きます。読んでくれたら嬉しいです?

    2007-05-14 16:47:00
  • 24:

    向日葵

    ―愛しい…―                  あたしの心の中に、初めて生まれた感情。     だけど、この感情をあたしはうまくコントロールする事が出来なかった。   自分の過去も話せず、ただただ洋介に対しての罪悪感や嫌悪感が、次々に生まれてくる。

    2007-05-17 12:51:00
  • 25:

    向日葵

    ―吉野美鈴18歳、夏―              あれから、3年の月日が経った。洋介とは、喧嘩する事も無く、だけど、さほど仲良くもなかった。   それは当たり前だ。   洋介と暮らし初めて3年の月日が流れたが、洋介があたしの事でしっているのは、あたしの歳と、名前。そして、あたしの性格。  洋介は、今だにあたしの過去を知らない。

    2007-05-17 12:56:00
  • 26:

    向日葵

    『美鈴…俺なぁ、先輩に告られたわ。』                  「そぉなんだ。で、どうするの?」                    『付き合う事にする。』             洋介は、何かをふっきったようにそう言った。   思ってもいなかった。  いつもなら、冗談ぽく、どうしよ〜かなぁ、と、あたしの顔色を伺うのに、今回は、真剣な眼差しで、あたしを突き放すかのように、言った。                    『別れよ。もう疲れたわ』            その一言は、鋭く尖った刃物よりも、鋭く、あたしの心を簡単に、そして確実に、深く引き裂いた。

    2007-05-17 13:05:00
  • 27:

    向日葵

    「そう。今までありがとね。おじさん達にも挨拶しなきゃ…」                    『ええって。』                 「そんなに早く出ていって欲しいの?心配しないで。すぐにでも出ていってあげる」                      『そうして。』                 彼はあたしに背を向けベットに横たわった。                その背中を見るのは凄く滑稽で、まるで自分を見ているかのようだ。                 ―彼は、3年間もの間、あたしの背中を、こうして見続けてきたのだろうか。何かを言いたくても、言葉が見つからない複雑な気持ち。身がキリキリ痛むような、まさにこんな気持ちで、きっと、ずっとずっと、ずっと…あたしを見てきたのだろう―

    2007-05-17 13:15:00
  • 28:

    向日葵

    ―洋介…あたし、気付いたの。あなたが、すっごく好き。愛しい…。そんな言葉が言えたら、どんなに楽だろう。ねぇ、洋介。あたしの傍にいて…―                 心の中で、幾度も、幾度も、洋介の背中に話しかける。だけど、そんな心の声なんて、聞こえるはずは無かった。                     あたしはきっと、この瞬間を、いつになく、後悔するだう。何度も何度も思い出しては、何度も何度も後悔するだろう。

    2007-05-17 13:26:00
  • 29:

    向日葵

    荷物を詰め終わったあたしは                       「ありがとう。ぢゃあね」             と、彼に言い残し、前田家を後にした。                  大きな、立派の門から1歩外に出るだけで、ぞっとした。          あたしは、洋介と暮らした3年間、仕事もしていから、ある程度の貯金はある。だけど、怖かった。   これから先は、誰があたしを守ってくれるのだろう。誰が、あたしの支えになるのだろう。                   知っている道のはずなのに、全く知らない道を歩いているかのようだ。                あたしは目頭が熱くなるのを感じると同時に、頬に、冷たいモノが流れた。

    2007-05-18 11:39:00
  • 30:

    向日葵

    この時に流した涙は、明らかに3年前の涙とは違った。                       独りが寂しいのは、独りだから寂しいんじゃない。 誰かといる、幸せを知ったから。                     独りが怖いのは、独りだから怖いんじゃない。   誰かといる、安心感を知ったから。                    涙を流すのは、悲しいからじゃない。       誰かといる、温もりを知ったから。                                あたしはきっと、これから先、今までよりも、もっと、もっと、人間らしく生きられるだろう。

    2007-05-18 11:52:00
  • 31:

    向日葵

    そんな事を考え、あたしは駅までの道を歩んでいた。            あたしの心は、きっと、いつか、ずっと前から壊れていた。         もう、失うものは何も無かったはず。       だけど、失いたくない、この感情。この気持ち。              あたしの心は、いつの間にか、洋介に治療されていた。                       それが気付いた今、あたしの決意は決まっていた。                         そして、体は、駅とは反対の方向へ。       そう、確実に一歩づつ、洋介の下に向かっていた。

    2007-05-18 12:02:00
  • 32:

    向日葵

    醜いかもしれない。   ズルいかもしれない。              それでも、少しでもあたしを理解しようとしてくれた人がいる。                               今更でも、手遅れでもいい。                                   話したい、あたしの過去。伝えたい、この気持ち。

    2007-05-18 12:06:00
  • 33:

    名無しさん

    文章うまいしめっちゃおもろい?

    2007-05-18 15:01:00
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