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◆黄昏の赤◆

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  • 1:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    この街の月は赤く濁っていて気味が悪い。
    赤い光が街を益々汚れたように見せる。
    あたし達みたいな人間には美しい檸檬のような月明かりを望む事すら贅沢な事なのかもしれない。

    2007-05-28 23:54:00
  • 240:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

                               
    「じゃあきっと俺は今罰の真っ最中」                                              
    「…後悔してるの?」            
    「わかんない。……………後悔はしてない、多分。けど苦しい」

    2008-03-12 02:58:00
  • 241:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「苦しいなんて思う事なかった今まで。最近いろいろ思い出してうぜえから死のうとしたけど死ねなかったし…」                    
    「………………」                       
    頭を撫でていた手を前に引き寄せて両手でアメはギュッと握った。                             
    「アンジュはやっぱり天使だと思う。こんなバカな入れ墨入れたって人間になれなかった俺を人間にしたんだから。」

    2008-03-12 03:04:00
  • 242:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「今まで獣と大して変わんなかった…どんなに取り繕っても臭い匂いがすんだよ。別に誰にも負けなかったし、それで何が悪いと思ったけどやっぱり羨ましかったのかな?だからこんな変な入れ墨いれたのかな?
    最近、人間になれた気がする。」                     
    アメが自分の事をこんなに話すのは初めての事だ。いくつも年上のはずのアメはいつも年齢不詳の雰囲気を醸し出している癖に小さな男の子のように見えた。                            
    「人間なんてなるもんじゃねー。……………………………………………………………苦しい。」                    
    顔は見えないけどアメは唇の片端をあげて笑っているのだろう、きっと。

    2008-03-12 03:13:00
  • 243:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「アンジュといると苦しい。アンジュといると俺は汚い。」                           
    「…………アメ」
    「アンジュを連れてどっか遠くへ…今まで全部忘れれるような綺麗なとこ。アンジュが罪から逃げれるような場所、俺、連れていきたい。けど俺にはいけっこないんだよ」                      
    アメの横顔にキスする。そんな事ない。だって………アメ                   
    「そんな場所どこにもないよ………アメ」

    2008-03-12 03:26:00
  • 244:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    「………知ってる。」

    2008-03-12 03:27:00
  • 245:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    アメの横顔に涙が落ちる。               
    「アンジュは泣き虫だな」                                 
    悲しかった訳じゃない。そんな事はちゃんとわかっている、知っている。                    
    「俺は苦しくったって涙の一滴だって出ない。」                               
    そう苦々しく吐き捨てるアメ。彼の代わりに涙を流したような気がした。アメは雨が好きだと言う。雨は神様の涙ならあたしの涙も似たようなものかもしれないから、流れるままにそのまま少し泣き続けた。

    2008-03-12 03:38:00
  • 246:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    更新分>>240-252

    2008-03-12 03:40:00
  • 247:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>252
    何が罪で何なら善行なんだろう。善い行いばかりしていれば、苦しむ事はない?
    泣かなくても済む?
    もし、悪いことをすれば、ずっと苦しむのだろうか?
    善い事しか正しくないのなら
    アメもあたしも汚い?

    2008-03-13 01:25:00
  • 248:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    このまま、ずっと?

    2008-03-13 01:26:00
  • 249:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしはずっと深い水の底から、その天辺にある美しい光の幻を…。それは太陽かもしれないし月かもしれない。
    そんなものを羨ましいような、手が届かない故に憎むような…ものすごく愛しているような…………
    そんな気持ちでただ眺めていた。
    指をくわえて見ているだけで、何もしていない癖に、水面から顔を出せさえすれば手に入れられるんじゃないかと、
    期待さえしていた。

    2008-03-13 01:34:00
  • 250:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    いつか…
    誰かが…
    何かが…
    そんなふうに期待せずにはいられなかった。全てを諦めているようなそぶりで、自分も諦めていると思いこんで。

    2008-03-13 01:36:00
  • 251:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    だって仕方がない。こんな汚くてろくでもない場所で。
    あたしも同じだけどこんな他力本願な考えの奴ばかりひしめいてて。
    泣いたって嘆いたって悔やんだって、後戻りはできないのに。
    自分を痛めつける事で何かから逃げようとしている。
    どこに行ったって同じ。

    2008-03-13 01:40:00
  • 252:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしは顔を出した。
    深い深い何かの底から。
    今まで、結局は怖くて、底にどんなに悪態をついても、自分の意志で新しい場所に行くのを怯えてただけだ。
    けどあたしは行けたよ。
    アメがいたから。

    2008-03-13 01:44:00
  • 253:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    水面の上にあると思い込んでいた光は、そこに行くとまたもっと遠くにある。
    空の上に。

    どこに行ったって同じ。
    自分からは逃げられない。

    2008-03-13 01:47:00
  • 254:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    何もわからなくても。苦しくても。
    もがいてもがいて汚くても、生きていってやる。
    いつか死んでなくなるなら、その日の為に。
    その日までは苦しみ続けても。

    2008-03-13 01:54:00
  • 255:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「アメ、約束しよう」                  
    今度はあたしが力任せに膝の上のアメの頭を思い切り抱いた。              
    「………約束とか守ったことないよ…」                  
    アメの顔をあたしの方へ、首がおかしくなりそうなくらい強引にぐるりと向かして強引に固定。                 
    「…約束なんかじゃなくていい。あたしは勝手に誓うから」

    2008-03-13 02:03:00
  • 256:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    もしかしたら、あたしとアメはいつか離れるかもしれないから。
    今が絶対なんてないから。
    確かな幸せなんかよりずっと確実な深さと痛みを持って、別れはやってくる。
    お母さんとあたしが二度と会えないように。
    ドクターとお母さんが二度と抱き合えないように。

    2008-03-13 02:07:00
  • 257:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    もしいつか離れてもお互い迷子にならないように。あたしのエゴでもなんでもいい、そうしたい。                                                  
    「もしこれから何があっても、何をわすれても、今の事だけは忘れない……
    あなたがどんな人でも今のあたしはあなたが好き。
    苦しみ続けて、できるならたまに笑おう。できるなら一緒に………」                                                       

    2008-03-13 02:15:00
  • 258:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「……熱烈な愛の告白だね…
    コレうんって言わなきゃ俺、地獄行き?」                           
    「地獄へでも…できるなら一緒に」                            
    「アンジュはまだ子供だね。」                    
    アメは少し困ったというような顔で笑った。その顔があまりにも不安げだったからアメの頭をゆっくり撫でた。

    2008-03-13 02:22:00
  • 259:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「…………できたらいいね。そう思う。」              
    アメは起き上がるとキスしてきた。目を閉じる。
    閉じなければならいんだと感じた。                                                 
    こうやってまた溺れる。溺れ続ける。

    2008-03-13 02:27:00
  • 260:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    言葉より未来より確かな感覚と温度。                   
    あたしは今日から起こり得る全てに目を背けない。                      
    だからアメ、困った顔なんてしなくてもあたしはもう全てを受け入れられる。                          
    本当のアンジュになるんだ。                                                      
    天使に。

    2008-03-13 02:34:00
  • 261:

    緋恋◆lZf.ArgVp2



    不確かな理想でしかなくても。せめてそう思いたい。

    2008-03-13 02:36:00
  • 262:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    12日更新分>>229-238
    13日更新分>>240-268

    2008-03-13 02:38:00
  • 263:

    名無しさん

    鳥肌たつ?なきそーなる
    ありがとうo(^-^)oまたまってます?くそおもろい?主だいすきじゃ(′・ω・`)

    2008-03-13 18:56:00
  • 264:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>270さん
    ありがとうございます?そんなふうに言ってもらえるなんてこっちが泣きそうです(>_

    2008-03-14 20:51:00
  • 265:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>268                       
    「パーティーしよう。パーティー、パーティー!!!」                    
    そう言い出したのはスミトモ。そういえば、この街にもクリスマスがやってくる。寒くなったり暑くなったりの気温の変化が乏しい街だけど、クリスマス前にはちゃっかり騒がしムードになっていく。
    汚れを塗り替える白い雪も厳粛なゴスペルもここには必要ない。
    雨に濡れてただ濡れネズミになってしまうツリーは、外に飾られることはないけれど屋内には小さなツリーがちょこんと置かれていたりする。

    2008-03-26 01:10:00
  • 266:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    娼婦達の赤い傘は金や緑、シルバーでサンタやトナカイのペイントを施すのが毎年のお決まり。
    最近ではデコ傘なるものが流行して、ビニール製の人形を傘につけている奴までいる。
    レイチェルも案の定ものすごい傘をさしていた。
    傘のてっぺんにサンタとトナカイの小さな人形が飾られ、大きくmerryChristmasとゴールドでペイント、そのうえ大きなストーンとラインストーンでデコラティブに仕上がっている。

    2008-03-26 01:19:00
  • 267:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「…重くないの、それ?」               
    「可愛いからいいの!!!!!あんたこそ何?クリスマスなのにダサい傘さして」                       
    ダサいとか格好いいとかの目線で傘を見たことがないあたしはレイチェルの問いを笑って流した。
    アメといつも一緒に入れるように買った大きな黒いこうもり傘はこれでも結構気に入っている。

    2008-03-26 01:25:00
  • 268:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「パーティー来るの?来ないの?来るよな!!!俺、全部出すからさ」                  
    スミトモとは最近よく話す間柄にはなったものの、彼から誘いを持ちかけられるなんて初めての事で。
    そもそもクリスマスを祝うという概念さえ忘れていた。
    「いこうよ、アンジュ」

    2008-03-26 01:30:00
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