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◆黄昏の赤◆

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  • 1:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    この街の月は赤く濁っていて気味が悪い。
    赤い光が街を益々汚れたように見せる。
    あたし達みたいな人間には美しい檸檬のような月明かりを望む事すら贅沢な事なのかもしれない。

    2007-05-28 23:54:00
  • 11:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    不定期になるとは思いますがコツコツ書いていくつもりです?

    2007-05-29 01:14:00
  • 12:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    大通りに差し掛かるとふいにネオンが騒がしくなる。派手なだけの薄汚い看板が並ぶ。チカチカ点灯する赤、青、黄色。赤い雨傘を差した女達がやる気なさげにたむろしてあちこちに視線を巡らせる。いわゆる“娼婦通り”だ。
    この街では赤い傘は娼婦の目印だ。
    まだ生理すら始まっていないような少女から40すぎたオバサンまで様々。女だけじゃない、男もいる。
    立ち並ぶ建物もここいら一帯は全て娼館。見た目が小マシな奴は娼館に所属しているが、そうでないのと重度の薬物中毒、年齢の若すぎるのがあぶれて道で直接客をひいている。

    2007-05-29 04:36:00
  • 13:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしの住んでいるのは街の北側。この街はどこもマシな所なんてないけれど南側は最も酷い。
    犯罪の温床。
    誰かしら何かの罪を犯している。そしてそれについて疑問を抱くこともさして無いのだろう。
    ここはそんな街。
    「だから雨は止まないの。泣いてるのずっと。馬鹿だね…可哀想だねって」

    2007-05-29 04:47:00
  • 14:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    そう言って泣いていたあの人はもういない。


    「おまえ、なにやってんのお〜」
    聞き覚えのある声に振り返る。満面の笑顔の少年が走り寄ってきた。

    2007-05-29 04:51:00
  • 15:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「スミトモか……うざい。」
    彼はこの辺の子供達を仕切っている。キッズギャングとでも言えばいいのか。この通りは女を買いにくる観光客が多い。その荷物を見事なチームプレイで分捕ったりその他も細かい悪事を働いて生計を立てている。
    “スミトモ”はもちろん本名ではなくて彼が周りにそう呼ばせているだけだ。日系らしい。
    背が低くて女の子みたいにキュートだ。黒い髪と目からどことなくエキゾチックな印象をうける。

    2007-05-29 05:04:00
  • 16:

    ?ラン?

    文章うまいし、おもしろい?
    頑張ってな?

    2007-05-29 05:11:00
  • 17:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「姫!物騒ゆえお供します」
    先程の「うざい」になんのダメージも受ける事なくスミトモは着いてくる。
    あたしは諦めて先を急いだ。こんな所には長く居たくない。
    大通りを少し路地に入るとさっきの賑わいは毛ほどもない。外観を全く気にしていないボロボロの建物は人が住んでる事にびっくりする程だ。路地はどんどん細く入り組んでいくし汚さも増していく。街と言うより巣といった方が相応しい。

    2007-05-29 05:19:00
  • 18:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「アン、違うよ!こっち」
    スミトモを連れてきて良かったかもしれない。あたしも昔はこの辺りは誰よりも詳しかった。しばらく足を運ばなかったせいか迷路のようで。…いや今でも鮮明に覚えている。
    こんな所でも時間が経てばそれなりに変わっている。
    スミトモは今のこの辺りの地理を完璧に把握しているようだ。
    見慣れた廃墟と見まがうビルに着く。…後少ししたら家に帰れる。スミトモを帰して階段を一気に駆け上がった。

    2007-05-29 05:36:00
  • 19:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    目が回る。
    この街の階段は螺旋状になっている。常に雨が降っている為滑り落ちにくいようになっているらしい。人の気配のないビルは廊下に電気すらついていない。唯一明かりの漏れている部屋のドアを開けた。
    「アンが来るなんて珍しいな」
    「ドクターのとこまで来てくれればいいのに」
    男はあたしの顔を見て笑った。

    2007-05-29 13:16:00
  • 20:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「アン、大きくなったな―……それに」
    …いや、いいやと笑って見せて男はあたしに鞄を渡す。
    それをドクターのメモを見ながら確認する。
    「…確かに。払いはドクターが」
    「しかしあいつももの好きだね―、故郷に戻って開業でもすればいいのに。腕はいいんだからさ。」

    2007-05-29 13:27:00
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