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◆黄昏の赤◆
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1:
緋恋◆lZf.ArgVp2
この街の月は赤く濁っていて気味が悪い。
赤い光が街を益々汚れたように見せる。
あたし達みたいな人間には美しい檸檬のような月明かりを望む事すら贅沢な事なのかもしれない。2007-05-28 23:54:00 -
134:
緋恋◆lZf.ArgVp2
それは痛みのない地獄、喜びのない天国にただ立っているような。
2008-02-20 22:26:00 -
135:
緋恋◆lZf.ArgVp2
それは特に悲しいわけでも楽しいわけでもなく
ただ苦しかった。2008-02-20 22:29:00 -
136:
緋恋◆lZf.ArgVp2
ドクターの酒とパンとハム、チーズ。冷蔵庫とコンロの横の棚に突っ込むとアメの部屋に行く。
いないかもしれないと思ったけれどアメはベッドで本をよんでいた。
その姿をドアの隙間からなんとなく眺めていた。
なんでここにいるのだろうと思いながら。2008-02-20 22:42:00 -
137:
緋恋◆lZf.ArgVp2
「おかえり」
アメは本から視線をずらすことなくそういった。
「…………………」
どうしてここにいるんだろう。どうしてここに来たんだろう。
長い沈黙が続いた。2008-02-20 22:47:00 -
138:
緋恋◆lZf.ArgVp2
「おいで」
立て付けの悪いドアは少し開けただけできしんだ。
誓いを破ってごめんなさい。
お母さん、ごめんなさい。
恐る恐る一歩をふみだすと後はもう一瞬だ。2008-02-20 22:52:00 -
139:
緋恋◆lZf.ArgVp2
アメにもごめんなさい。
あなたが死にたがっていたから、あたしと同じような顔をしていたから。
自分が死ねなかったものだから
だから何も出来ない癖に、あなたを生かしました。
ごめんなさい。2008-02-20 22:57:00 -
140:
緋恋◆lZf.ArgVp2
一人で苦しむのが嫌だから。
「…猛獣使いになった気分」
アメはあたしを抱きしめながら、
そう言って笑った。2008-02-20 23:00:00 -
141:
緋恋◆lZf.ArgVp2
それからあまり家には帰らなくなった。隣の部屋なのだからアメの部屋にいつく必要もなかったけれど、ドクターの為の食品の買い出しと部屋の掃除以外では家にいることは稀になった。
アメにスミトモが懐いているのでスミトモやレイチェルと一緒にいる機会も増えた。
アメは色々な場所にあたしを連れ出す。こないだ行ったBARもそうだし変わった料理をだす店なんかに。2008-02-21 02:32:00 -
142:
緋恋◆lZf.ArgVp2
アメはとっくにあたしよりこの街に詳しくなっていて、一緒に歩くとたくさんの人がアメに声をかけた。
スミトモなんかはアメを見つけると遠くからでも子犬のように走りよってきてものすごく嬉しそうな顔をする。
スミトモとよく一緒にいるレイチェルはアメを見つけると2人っきりを邪魔されるので露骨に嫌な顔をしたりした。2008-02-21 02:39:00 -
143:
緋恋◆lZf.ArgVp2
初めて行った時、アメがトランプを披露したBARではあたし達はすっかり常連になり、アメに会いたくてよく顔をだすスミトモ、それにくっついてくるレイチェルも同じく馴染みの顔になった。
今日もいつもの如くアメと飲んでいると二人がやってきて四人で乾杯をした。
スミトモがアメをこづいて店の外に出ていったので、間に席を一つ開けてレイチェルと二人になった。2008-02-21 02:46:00