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◆黄昏の赤◆
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1:
緋恋◆lZf.ArgVp2
この街の月は赤く濁っていて気味が悪い。
赤い光が街を益々汚れたように見せる。
あたし達みたいな人間には美しい檸檬のような月明かりを望む事すら贅沢な事なのかもしれない。2007-05-28 23:54:00 -
161:
緋恋◆lZf.ArgVp2
「アンジュとアメさんって付き合ってるのぉ?」
レイチェルはあの一件以来、よく一人で訪ねてくるようになった。あたしに対しての以前のような嫌悪は爆発しきったのだろうか。
「違うと思うよ」
「へんなのぉ」と面白くなさげに彼女は煙草に火をつけた。2008-02-21 22:48:00 -
162:
緋恋◆lZf.ArgVp2
「アンジュとアメさんって付き合ってるのぉ?」
レイチェルはあの一件以来、よく一人で訪ねてくるようになった。あたしに対しての以前のような嫌悪は爆発しきったのだろうか。
「違うと思うよ」
「へんなのぉ」と面白くなさげに彼女は煙草に火をつけた。2008-02-21 22:49:00 -
163:
緋恋◆lZf.ArgVp2
バニラのような甘い芳香の煙が主のいないアメの部屋に広がる。
「じゃあ、なんなの―?いつも一緒じゃん。」
レイチェルのライターもシガーケースもこれでもかというくらいピンクのラインストーンがついていて視界に入る角度が変わる度に光った。
「…遭難した者同士」
「意味わかんない」2008-02-21 23:20:00 -
164:
緋恋◆lZf.ArgVp2
それから一通り大好きなスミトモの事を気が済むまで喋るとレイチェルは赤い傘をさして帰っていった。
アメがレイチェルの為のお土産にと赤やピンクの砂糖粒がたくさんついたドーナツを買って帰ってきたけど、入れ違いだったのでドーナツはしばらく放って置かれた。
夜中に思い出してブラックコーヒーでごまかしながら食べるとその時にはもう固かった。
2008-02-21 23:46:00 -
165:
緋恋◆lZf.ArgVp2
砂糖粒のドーナツはあたしに悪夢をつれてきた。
悪夢?
……違うな
これはただの過去だ
2008-02-21 23:53:00 -
166:
緋恋◆lZf.ArgVp2
お母さん。綺麗な母。優しいお母さん。
おやつにいつも色とりどりの砂糖粒がついたドーナツを買ってくれる。
本当はあたしが好きなんじゃなくてお母さんが好きだからなんだけどね。
仕事は娼婦。
お父さんはいない。見たことない。欲しいと思ったことも別にない。2008-02-21 23:57:00 -
167:
緋恋◆lZf.ArgVp2
お母さんは泣き虫。たまにあたしに隠れてしょっちゅう泣いてる。
けどあたしが抱きつくとすぐ笑う。
「二人でお父さんが迎えに来るまでがんばろうね」っていつも言う。
あたしは別にお父さんなんていなくていいけど、お母さんが待ってるからはやく迎えにきてあげて欲しいと思う。2008-02-22 00:01:00 -
168:
緋恋◆lZf.ArgVp2
お母さんにはたくさん男の人が会いに来る。怖いひともいたし優しいひともいた。
最近よく来るひとは字を教えてくれたりお土産にドーナツを買ってきてくれたりする。
それもお母さんが好きだからなんだけどね。
けどこないだは絵本をプレゼントしてくれた。
イタズラばかりする子ウサギのお話なんだ。2008-02-22 00:06:00 -
169:
緋恋◆lZf.ArgVp2
お母さんはよく泣くようになった。前は隠れて泣いてたのにあたしが目の前にいても泣く。
お母さんを抱きしめても笑ってくれなくなった。
前は仕事が終わると一緒に寝てくれたのに今はあんまり寝ないでずっと起きてる。
いつもしんどそうにしているのに急に元気になって大笑いしだしたり走り回るようになった。2008-02-22 00:10:00 -
170:
緋恋◆lZf.ArgVp2
ある朝の日。目が覚めるとお母さんはいなかった。窓の外からお母さんの声がするから外にでた。
お母さんは大笑いしながら傘もささないで大雨の中をくるくる走り回ってた。
裸足だった。
時間が止まって見えた。怖くて声がかけれなかった。
だんだん見てるだけの方が怖くなってきて「お母さん」て大きな声で呼んだけど聞こえなかったみたい。2008-02-22 00:15:00