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◆黄昏の赤◆

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  • 1:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    この街の月は赤く濁っていて気味が悪い。
    赤い光が街を益々汚れたように見せる。
    あたし達みたいな人間には美しい檸檬のような月明かりを望む事すら贅沢な事なのかもしれない。

    2007-05-28 23:54:00
  • 174:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    目の端に果物ナイフが映った。

    とっさに握ったそれは                                                      
    とても冷たかった

    2008-02-22 00:31:00
  • 175:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

                         
     アンジュ                           
    「うなされてた」                   
    「…………!!!」           
    覗き込むアメの顔が一瞬、母親の顔に見えてぞっとする。

    2008-02-22 00:37:00
  • 176:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    次に気づいた時はアメに抱きしめられていた。
    「落ち着いたね?」
    黙って頷くとアメは安心したようで、何か持ってくるよとドアの向こうに消えた。
    心臓がまだ脈打っている。
    「アメ!」

    2008-02-22 00:42:00
  • 177:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    出す必要もない程の大声がでた。
    怖い。                        
    「アメ!」                    怖い。                       
    「アメ!」          
    ここにいて。

    2008-02-22 00:46:00
  • 178:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    「そんなおっきい声ださなくて………」                  
    ドアを開けるなり抱きついたあたしをあやすように抱きしめながら              
    「トップブリーダーになった気分……」        
    とアメが呟く。
    なんだそりゃ…と突っ込む余裕すらあたしにはなかった。

    2008-02-22 00:50:00
  • 179:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    あたしがあんまりよりかかるのでアメが持っていたマグカップが落ちた。
    マグカップは割れずにごろりと音をたてて床に転がる。こぼれたあたためたミルクの匂いがした。
    涙がでた。そのままずるずるとしゃがみこんで泣いた。
    「お母さんを殺した……………………。」          
    アメは「そっか」とだけつぶやいてあたしを抱きかかえてベッドに戻した。

    2008-02-22 00:59:00
  • 180:

    名無しさん

    ずっと見てます?
    この話のキャラクターや描写、世界観好きです。予想つかないストーリーも気になります。
    更新楽しみにしているので頑張ってください?

    2008-02-25 00:12:00
  • 181:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>186さん
    感想とても嬉しいです。これを書き終えたらサイドストーリーも書きたいと思ってます?
    完結までおつきあいして下されば幸いです

    2008-02-25 01:33:00
  • 182:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    >>185
    「今日はもう寝な」                          
    夢の続きを見るのが怖くて。震えがとまらない。
    だってまだ手にナイフの感触が残っている。
    あの時握ったナイフが血でベトベトになるまで刺した。

    2008-02-25 01:42:00
  • 183:

    緋恋◆lZf.ArgVp2

    刃物が肉にめり込む感覚。悲鳴。酷い土砂降りで。部屋中に雨の音がしていた。
    お母さんはあの時、泣いてたのかな。笑っていたのかな。どんな表情であたしを見たのだろう。
    …覚えていない。
    血でぬめったナイフが手から滑り落ちて、ボコボコの木の床が鈍い音を立てて、全てが終わった。

    2008-02-25 01:48:00
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