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◆黄昏の赤◆
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1:
緋恋◆lZf.ArgVp2
この街の月は赤く濁っていて気味が悪い。
赤い光が街を益々汚れたように見せる。
あたし達みたいな人間には美しい檸檬のような月明かりを望む事すら贅沢な事なのかもしれない。2007-05-28 23:54:00 -
181:
緋恋◆lZf.ArgVp2
>>186さん
感想とても嬉しいです。これを書き終えたらサイドストーリーも書きたいと思ってます?
完結までおつきあいして下されば幸いです2008-02-25 01:33:00 -
182:
緋恋◆lZf.ArgVp2
>>185
「今日はもう寝な」
夢の続きを見るのが怖くて。震えがとまらない。
だってまだ手にナイフの感触が残っている。
あの時握ったナイフが血でベトベトになるまで刺した。2008-02-25 01:42:00 -
183:
緋恋◆lZf.ArgVp2
刃物が肉にめり込む感覚。悲鳴。酷い土砂降りで。部屋中に雨の音がしていた。
お母さんはあの時、泣いてたのかな。笑っていたのかな。どんな表情であたしを見たのだろう。
…覚えていない。
血でぬめったナイフが手から滑り落ちて、ボコボコの木の床が鈍い音を立てて、全てが終わった。2008-02-25 01:48:00 -
184:
緋恋◆lZf.ArgVp2
酔っ払った時のように記憶はコマギレで。なのに忘れたいところはいやに生々しく、温度、湿度、匂い……五感の全てがあたしに訴えかけてくる。
忘れるなよ
お前は人を
母親を、殺した。
2008-02-25 01:54:00 -
185:
緋恋◆lZf.ArgVp2
「あの時にはもう気が狂ってた!!!」
だからあたしが殺したあの人は、優しかったお母さんじゃない。
「あにしの事をころそうとした!」
だから、殺した。2008-02-25 01:59:00 -
186:
緋恋◆lZf.ArgVp2
それは言い訳。
どこかで仕方なかったって思ってるし思おうとしている。
けれどそれも言い訳。
「殺したくなかった」
それだけが本当の思い。2008-02-25 02:08:00 -
187:
緋恋◆lZf.ArgVp2
お母さんを殺してまで生きたいと願ったわけじゃない。
お母さんを殺してまで生きた癖に自分から命を絶つなんて今はもうできない。
今更死んでもなんの意味も成さないから。
今、死ぬくらいならあの時一緒に死んであげればよかった。2008-02-25 02:21:00 -
188:
緋恋◆lZf.ArgVp2
「あなたはあたしにとって天使だから、だからアンジュってつけたの」
「天使っていう意味よ」
2008-02-25 02:25:00 -
189:
緋恋◆lZf.ArgVp2
ごめんなさい。
2008-02-25 02:26:00 -
190:
緋恋◆lZf.ArgVp2
アメはずっとあたしを抱きしめてくれていた。その体温がどんな言葉よりあたしを慰める。
そして責める。
こんな時間なんて持ってはいけなかった。一生孤独に生きなければならない。癒されてはいけない筈だった。
それを罰にしようと思った。2008-02-25 02:37:00